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性行為後の出血、倦怠感や不調の原因は?病気?生理や妊娠可能性についても女医が丁寧に解説。

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性交時や性交後に、出血してしまうという経験は、どなたにも一度くらいはあるのではないでしょうか?出血が頻繁だと、心配になってしまうでしょう。また、性行為のあとに体調不良があり、妊娠と関連があるのかというご質問も時々いただきます。

今回は、性行為後の出血の原因や受診の目安、妊娠との関連についてご紹介するとともに、性行為後によくある出血以外の不調についても解説します。

 

性行為後の出血について

画像 まずは、性行為後に出血した場合の主な原因や、受診の目安についてお伝えします。

性行為後の出血の原因

性行為の直後やその当日など、近い時間帯で出血する場合には、いくつか原因が考えられます。

・アイ液(腟分泌液)の不足で腟口周囲が傷ついた
・ピストン運動や爪などにより腟壁の粘膜が傷ついた
・子宮頸部びらんや子宮頸がん、子宮頸管ポリープなどの疾患により出血した
・性感染症や細菌性腟症により出血した
・卵巣出血が生じて、出血した
・処女膜が裂けた

一度だけ少量出血したというような場合には、様子を見る方もいるかもしれません。ですが、出血が頻繁な場合や、持続する出血、出血量が多い場合には、「正常」とは言えません。

性行為後の出血の特徴

アイ液(腟分泌液)不足や、何らかの要因で腟内が傷ついた場合の出血には、おおむね、次のような特徴があります。

・色は比較的鮮やかな赤(鮮紅色)~ピンク
・少量で、性行為後の数時間〜数日以内におさまる
・おりものの匂いや性状は変わらない

受診が必要なケースも

受診が必要なケースとして、3つお伝えします。

1.いつも出血する

性行為のたびにいつも出血するという場合は、次のような可能性が考えられます。

アイ液(腟分泌液)が十分に出ていない

腟萎縮や、精神的な緊張などが原因となって、アイ液(腟分泌液)が十分に出ていないのかもしれません。こちらの記事でも、アイ液(腟分泌液)不足の対策 について紹介しています。
クリニックに受診することも可能です。

何らかの病気がある

子宮頸部びらん、子宮頸管ポリープ、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣出血など、刺激を受けると出血しやすくなる病態はいくつもあります。頻繁に出血する、スポーツの後などにも出血するという方は、検査をおすすめします。

概ね数時間〜数日以内に出血はおさまることがありますが、ある程度進行した子宮頸がん、子宮体がんの場合は、出血がやや長引くことが多いです。

2.おりものの量・匂い・性状も変化している

おりものの量や匂い、性状がいつもと違っているという場合には、注意が必要です。

何らかの病気がある

出血に加えておりものの変化がある場合、女性器のトラブルのサインであることが多いです。子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、性病など、病気が隠れている可能性がありますので、おりものの変化に気がついたら早めに検査をしましょう。

性感染症

クラミジア感染症や淋病、トリコモナス膣炎、細菌性腟症などの場合、性行為で出血することもあります。 おりものが増え、匂いが強くなり、デリケートゾーンのかゆみや違和感などの症状も出ることが多いです。放置していてもよくなりませんので、早めに婦人科で治療を開始しましょう。

3.出血量が多い

ペーパーで軽くふいた程度では拭えないほどの出血が持続するようであれば、腟口や腟内が大きく傷ついてしまっているかもしれません。

無理な体勢での性行為や、十分に濡れていない状態での激しいピストン運動、道具を使った性行為など、さまざまな原因で外陰部や腟内は傷つきます。少量とは言えない出血量が続く場合は、婦人科で傷の状態を確認してもらいましょう。

 

性行為後の出血と月経・妊娠との関係は?

画像 性行為のあとに出血があると、月経や妊娠と関連があるのではないかというご質問をいただくことがあります。

月経の前後なら出血が起こることもある

月経の直前・直後に性行為をした場合、出血する場合があります。

性行為ののち出血したとしても、数時間〜数日の間に月経が始まった場合は、あまり心配せずともよいでしょう。月経が近づいて不安定になっていた子宮内膜が、性行為の刺激により少量排出されたものと考えられます。

月経が終わった直後の場合、排出しきれていなかった子宮内膜が、性行為の刺激で排出されたと考えてよいでしょう。この場合は、月経終盤の茶褐色のような出血になることが多いです。

着床出血の可能性は?

性行為のあとの出血では、「着床出血」を考える方もいるようです。

実際、性行為の時期が排卵と重なり、妊娠が成立した場合、着床出血をする可能性はあります。 着床出血の時期としては、月経予定日の少し前のことが多く、おりものに血が混じる程度など、出血量としては少なめなのが特徴です。少量の出血があったけれども、その後に月経が起こらないという場合は、着床出血の可能性が考えられます。

ですが、出血の色や量などだけで着床出血を判断することはできません。出血があったら、妊娠検査薬等で妊娠判定をおこなってみてください。妊娠判定が陰性であっても、月経予定日を過ぎて月経が起こらない場合には、再度妊娠判定をしましょう。

妊娠の初期に現れる症状

妊娠のごく初期の段階では、自覚できるような症状はないことも多いですが、次のような症状を感じる方もいます。

・ごく少量の出血(着床出血)
・おりものが水っぽくなる
・軽い腹痛や腰痛
・胃もたれ、吐き気
・だるさ
・眠気が強くなる
・基礎体温が高いまま持続し月経がこない

 

性行為が原因で起こりうる体の不調

画像 出血以外にも、性行為が原因となって、体の不調を起こすことがあります。出血以外によくあるトラブルについてご紹介します。

排尿時の痛み

性行為の際、細菌が尿道から体内へ侵入し、膀胱炎を起こすことがあります。男性に比べ、女性の方が性行為による膀胱炎を起こしやすいです。頻度は高くないですが、尿に血が混じる場合もあります。

女性のデリケートゾーンに元々存在する細菌が原因のこともあれば、男性器が清潔でなかったことが原因となることもあり、いずれにせよ清潔な状態で性行為をおこなうことが重要です。性行為の前に入浴する、性行為のあともシャワーで流すなど、衛生面に配慮しましょう。

また、体調不良のときや疲労が溜まっているときなどは免疫力が低下しますので、より衛生面に気をつけるか、性行為を控えた方がよいかもしれません。

女性の膀胱炎は、婦人科で対応可能です。違和感がある場合は、ご相談ください。
また、性病による膀胱炎のことも多いので、症状が強い場合は、泌尿器科や婦人科のクリニックを受診しましょう。

目が痒い、痛い

性器や体液に触れた手で目を触ってしまった場合や、精液が目に入った場合などには、目に感染症を起こすことがあります。
淋菌感染症や梅毒など、性感染症に罹患している人の体液が目に入った場合、痒みや痛みなどの症状が強くなり、失明につながるケースもあります。 目に違和感を覚えたときは、早めに眼科を受診しましょう。性行為のあとは、手を洗うようにしてください。

おりものの変化

女性のデリケートゾーンは、文字通り繊細です。 清潔ではない手でデリケートゾーンを触ったり、疲労やストレスが溜まっているときに性行為をおこなったりすることで、腟内の細菌バランスが乱れ、細菌性腟症やカンジダ腟炎などを起こすことがあります。

パートナーが性感染症に罹患していた場合、数日〜数週間の潜伏期間を経て、おりものに変化が出てくることも考えられます。

・おりものの量が増える
・水っぽい、酒粕のようなど、おりものの性状が変わる
・匂いが強くなる

このような場合には、婦人科でご相談ください。

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腹痛

性行為の最中やあとに腹痛がある場合、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜炎、卵巣嚢腫、卵巣膿瘍、卵巣嚢腫の破裂、卵巣出血、卵管炎、ひどい場合は骨盤腹膜炎に発展することも考えられます。病変部位が性行為によって動かされた結果、痛みが出るのです。

病気の治療をすることが腹痛の治療にもなります。性行為の最中やあとに腹痛がつらいという方は、まずは婦人科で病気の有無を確認しましょう。 そのほか、オーガズムにより起こる子宮収縮により腹痛を感じる場合もあります。

病気の可能性が排除できれば、あまり心配はいらないでしょう。排卵や月経周期と連動しているのであれば、女性ホルモン分泌量が周期的に変化する影響もあるかもしれません。

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性行為後の出血に関するQ&A

画像 性行為と出血に関して、よくあるご質問にお答えします。

Q. 性行為後に少量の出血があるのは正常ですか?

病気がないということがわかれば、医学的には大きな問題はないと言えます。ですが、頻繁に出血があるという状態の方は、不快感があったり、性行為に痛みが伴ったりしているのではないでしょうか? 腟萎縮が原因で腟が十分に濡れずに出血しているのであれば、保湿ジェルの使用や、腟レーザーでの治療をおすすめします。

Q. 子宮頸部びらんがあり性行為で出血もしますが、治療は必要ですか?

子宮頸部びらんは、月経のある女性の8割ほどにみられる状態のことで、それ自体が病気というわけではありません。 ですが、おりものが多い、腟炎になりやすい、性行為後に出血が頻繁である、不快だ、パートナーが嫌がるなど何かお困りごとがあるようであれば、治療を考えてもよいと思います。当院では、自費のレーザー治療をご用意しております。

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Q. パートナーが性行為で出血しやすいです。パートナーとして何か気をつけることはありますか?

出血にはさまざまな原因がありますが、パートナーの体をいたわり、性行為で痛みやつらさがないか配慮することや、爪を整えること、性行為の前には手や体を清潔にすることなどが大切です。 濡れにくい場合、乾燥が強い場合は、リラックスできるような雰囲気づくりをするとともに潤滑剤を使うことなどもよいでしょう。

まとめ

今回は、性行為後の出血原因や受診の目安、妊娠との関連、出血以外に起こりうる性行為後の不調について解説しました。

性行為で出血する場合、最も大切なのは病気の可能性を除外することです。
急な出血でも過度の心配をせず、気軽に婦人科でご相談ください。 日頃より、婦人科検診をおすすめします。

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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