妊娠8週のあなたへ
更新日:2026.01.12
妊娠8週おめでとうございます。
流産率が3~5%まで低下する「妊娠8週」。心拍もしっかり聞こえる頃
妊娠8週頃になると、超音波検査で胎児がはっきり見えるようになり、心拍もしっかり聞こえる頃です。
見た目にもしっかり赤ちゃんになってきますが、流産率も約3~5%まで低下します。
つわりで身体がきつくなるころでもあり、周囲の方々に妊娠を告げられてもいいかなあと思います。
ちょっと顔色も悪く見える頃です。
目次
妊娠8週目で大事なこと
・母子健康手帳について
この時期になると、母子健康手帳を持参していただき、妊婦健診を開始しましょう。
クリニックの受付で、母子健康手帳、各市区町村が発行した妊婦健康診査受診票などの助成ができるお名前住所予定日などを記入した用紙を提出しましょう。
・各種検査について
最初に、尿検査や血圧測定を行うことがあります。
蛋白尿や高血圧は、妊娠中の大切な所見ですので、データを毎回の母子健康手帳に記入します。
次に、超音波検査で赤ちゃんのサイズと心拍を確認します。
切迫流産の兆候でもある絨毛膜化血腫の有無、もちろん赤ちゃんが一人か二人かをしっかりと確認します。もし、赤ちゃんが双子の場合は、母子手帳は2冊もらうことができます。
そして、血液検査の項目はたくさんあります。
血液検査と感染症について
まず、血液検査でわかる血液型と感染症についてお話しします。
血液型
最近は、血液型がわからない方も沢山います。
妊婦さんにどうして血液型を確認するかというと、理由は二つ。
今でも産科死亡の大きな要因は、出血性ショック。出産には出血がつきものです。
この時の命を救うのはやはり輸血。
なるべく輸血をするには、あらかじめ血液型がわかっているのは大切です。
輸血で手に入りにくいAB型Rh(-)やB型Rh(-)などの妊婦さんは意識しておいてください。
また、Rh(-)の血液型の方は、Rh不適合妊娠になることがあり、次の妊娠に備えて抗D免疫グロブリンを投与が必要となります。
ぜひ、血液型を知っておいてください。
貧血
血液型の話に続くのですが、やっぱり貧血は分娩時に母体死亡につながる重要な病態です。
出血しない出産はありません。
500ml以下の出血であれば大きく問題がない場合も多いですが、1000ml以上の出血も稀ではありません。
身体に血液が多く蓄えられていることは、ママの健康のためにと手も大切です。
妊娠中に、貧血の治療を行い、万全を期して出産に臨みたいものです。
妊娠中の推奨されるサプリメントに鉄分が含まれているのはこのような理由です。
風疹
風疹抗体価は、できれば妊娠前に知っておくと抗体価が低い場合、妊娠前に風疹ワクチンを接種して妊娠中の風疹を予防することができます。
風疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の風疹の予防接種を受けることはできません。
妊娠初期、特に妊娠12週未満に風疹に感染すると90%以上の確率で先天性風疹症候群となることがあります。
主な症状としては、先天性心疾患、難聴、白内障、視力障害、発達遅延、小頭症などが挙げられます。
できれば、パパや同居されているご家族もママが妊娠する前に風疹抗体価を調べて、抗体を獲得できているか調べて頂くのが安心です。ママやパパの風疹抗体検査は無料で受けられる自治体制度は全国各地で増えています。
住民票のある各自治体でご確認ください。
B型肝炎
B型肝炎はほとんどが無症状のため、ママがB型肝炎にかかっているかどうか、妊娠前に確認されている方は多くありません。
性感染症であり、血液感染する疾患です。
日本ではそれほどB型肝炎に罹患している人は多くありませんが、アジアやアフリカで多い疾患で人口の5~10%以上がキャリアの地域もあります。
現在の日本では、感染率約1%といわれております。
B型肝炎は出産時に母子感染することがあり、妊娠中にわかれば、出生後12時間以内に抗HBs免疫グロブリンを投与することにより母子感染を防ぐことができます。
このため、妊娠初期の検査は重要です。
C型肝炎
C型肝炎もほとんどが無症状のため、ママがC型肝炎にかかっているかどうか、妊娠前に確認されている方は多くありません。
早期発見には、海外在住歴、渡航歴、医療歴(輸血・手術)を確認することは大切です。
性行為で感染することもあります。
アジア、特に中国、パキスタン、インド、モンゴル、ベトナム、日本、エジプト、アフリカ、東欧で多いといわれております。
現在の日本では、感染率約1%といわれております。
現在母子感染を防ぐワクチンはありませんが、現在C型肝炎は治癒が可能な疾患です。
妊娠中の治療の安全性が確立されていないため、妊娠中に診断された場合にはママの治療は出産後になります。
母子感染は約5%で、出産後の新生児に関しては、生後母体のHCV抗体が消える時期に血液検査を行い、感染の有無を診断します。母乳では感染しません。
梅毒
そして、最近急増している梅毒を説明します。
梅毒は感染初期には、無症状です。しばらくたってから、何らかの症状が出現して、梅毒が気付かれる方が多いです。
ママが梅毒に感染している場合、流産、死産、早産、低出生体重児のリスクが上がります。
そして、梅毒トレポネーマが胎盤を通って赤ちゃんに感染すると、難聴、骨・歯の異常・皮疹・神経症状・発達遅延が生じます。
しかし、早期に発見できれば、ほぼ完全に赤ちゃんへの母子感染を防ぐことができます。
ママはペニシリン投与でほぼ100%治癒、赤ちゃんへは感染予防ができるのです。
ママの梅毒が無症状でも、赤ちゃんには感染するので、ともかく早期発見、早期治療が大切です。
また、出生後元気でも、感染すると数年後に症状が出ることがあります。
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HIV
HIVは無症状がとても多い感染症ですが、妊娠中・出産時・授乳中に母子感染する可能性があります。
何も対策をしないと20~30%が感染するといわれております。
妊娠中に治療が可能であり、抗HIV薬によりウイルス量を抑えることにより、母子感染の可能性を減らします。
治療効果が得られれば、経腟分娩可能な場合もあります。
原則母乳を避け、人工乳を選択します。
日本では、専門医が治療にあたります。
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まとめ
このような、理由で妊婦健康診査は行われます。
沢山理由があるので、妊娠初期に母子手帳を発行してもらい、検査を行ってください。
それらの内容は、母子手帳に記載されます。
これは赤ちゃんの健康を守るために、とても大切な記録です。
そして、いつでもお出かけの時にはご持参ください。
万が一の事故にに合った時も、急に調子が悪くなった時も役立ちます。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。





