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性交渉中に会陰部が切れるのはなぜ?予防法と治療法を女医が丁寧に解説!


性交渉中に、膣口と肛門の間の皮膚が切れてしまうことを経験する女性は少なくありません。性交渉後に傷口がなかなか治らず、パートナーや周りの人にも相談できず、我慢してしまい、性交渉が苦痛になることもあります。

この記事では、性交渉中に会陰部が切れたときの症状、切れる原因、予防法、治療法について解説します。そして痛みや不安を伴わない、安心した性交渉を行えるようお役に立てればと思います。

 

性交渉中に会陰部が切れたときの症状

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性交渉中に、膣口の後ろ側にある会陰の部分が切れてしまうことがあります。

性交渉中の男性器挿入時に、会陰にピリッと痛みが生じます。性交痛もある場合は、とても辛い状態でしょう。後で確認すると会陰が裂けているのです。血も出ているし、しばらくの間は尿がしみて、トイレが辛く、何日間か痛みが続く場合があります。

最初のうちは何ともなかったのに、突然切れてしまうことが多いようです。しばらくして治っても、1度切れた所がちょっとした刺激でまた切れてしまいます。気をつけていても切れるため、困ってしまいますね。

また切れるかもと思って力が入り、よけいに裂けやすくなることもあります。パートナーに相談できない場合や周りにも相談しにくいこともあるでしょう。こうなると性交渉が苦痛になってしまいますね。

 

性交渉中に会陰部が切れる原因

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性交渉中に「会陰部(膣と肛門の間の部分)」が切れてしまうケースは、実は珍しくありません。会陰部が裂傷しやすいのには、いくつかの理由が関係しています。

会陰部はもともと裂けやすい場所

会陰は胎児期に、左右から組織が合わさることで形成された部位です。
このため、他の皮膚に比べて組織の結合がやや弱く、引き伸ばされる力に対して裂けやすい特徴があります。性交渉中に膣口周囲が大きく広がると、会陰に負荷がかかり、裂傷が起こりやすくなります。

切れやすさを高める要因

1. 膣口が狭い・皮膚が薄い

もともと膣口が狭かったり、外陰部の皮膚が薄い方は、柔軟性が十分でないため、引き延ばされた際に裂けやすい傾向があります。

また、日常的に座っている時間が長い方では、骨盤周囲の血流が低下し、デリケートゾーンの皮膚が薄くなりやすいとされています。この状態も裂傷リスクを高める一因です。

2. デリケートゾーンの乾燥

性交渉中に膣内の潤滑が不十分だと、摩擦が強くなり、皮膚や粘膜に過剰な負荷がかかります。
とくに性交渉の頻度が少ない場合や、加齢、ホルモンバランスの変化などによって潤いが減っている場合、乾燥が進行し、会陰裂傷を招きやすくなります。

3. 膣炎・外陰炎の存在

膣炎や外陰炎など、デリケートゾーンに炎症が起きている場合、粘膜のバリア機能が低下しています。
炎症によって以下のような変化が起こり、通常よりも裂けやすくなります。

  • 粘膜の腫脹(腫れ)、発赤(赤み)

  • 潤滑機能の低下

  • 粘膜の菲薄化(薄くもろくなる)

  • 組織の脆弱化(破れやすくなる)

そのため、膣炎や外陰炎がある状態で性交渉を行うと、軽い摩擦や伸展刺激でも会陰部に裂傷が生じやすくなります。

【参考】「膣炎」とは?

膣炎は、膣内の細菌バランスの乱れや性感染症(クラミジア感染症、淋菌感染症、トリコモナス感染症など)によって発生する炎症です。かゆみやおりものの異常、痛みなどの症状を伴うことが多く、適切な治療が必要です。

「膣炎」を詳しく見る>

 

性交渉中に会陰部が切れる場合の予防法

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  次のような7つの予防法があります。

1. 毎日デリケートゾーンケア
2. 保湿剤を使用する
3. 水分補給も大切
4. リラックスする
5. 膣萎縮や感染症の治療
6. 性交渉のやり方を工夫する  

1. 毎日のデリケートゾーンのケア

毎日のシャワーやお風呂の後のデリケートゾーンのケアが最も大切です。

裂傷の原因は乾燥が主なので、美容液や保湿ジェル、オイルなどをお顔のケアと同じように丁寧に行うことが大切です。弱い会陰に力がかからないように、膣の左右や前側を伸ばすようにマッサージするのもいいでしょう。自分の指などを挿入して、少しずつ伸ばしてください。弱くて切れやすい会陰は優しくマッサージして血流改善に努めましょう。

性交渉の回数が少ない女性は、毎日のケアと同じようにマスターベーションなどで挿入の練習をしたり、皮膚を柔らかくキープするように心がけてください。膣口を伸ばすとともに、自分の気持ちのよい場所を探り、感度も磨いておけば、さらに効果満点。

2. 保湿剤を使用する

滑りをよくするために、会陰部を中心に膣に塗っておくと、少量でも効果があります。
多くの潤滑ゼリーや保湿剤が入手できるようになってきております。可能であれば、防腐剤の少ないもの、使用かんのいいもの、オーガニックのものをお勧めします。 さらにコンドームの表面にオイルやローションのついた「うるおいタイプ」に変えるのも一法です。パートナーに頼んでみてください。ラテックスアレルギーには注意が必要です。

当クリニックで販売しているエビネジェルは使用感もよく、保湿効果が高いため好評を得ております。ぜひ、お試し下さい。

「エビネジェル」について

3. 水分補給も大切

水分が不足すると汗をかかなくなるのと同じく、膣の分泌液が減ります。
喉が渇いているときは膣も乾いている状態です。ですから水をしっかり飲むと、膣が濡れやすくなります。毎日の十分な食事や飲水は大切です。

4. リラックスする

ストレスがかかり、リラックスすることができないと、皮膚が乾燥して性交渉時陰部がきれやすくなります。
緊張は保湿効果が失われるため、リラックスする会話をしたり、音楽を聴いたり、お風呂に入って暖めたり、パートナーと楽しいコミュニケーションをとることが大切です。

5. 萎縮性膣炎の治療

長期に低容量ピルを内服している方、エストロゲンが低下している方の場合、会陰部の血流障害が生じて会陰裂傷となる可能性があります。ホルモン補充療法や膣レーザーなど有効な治療があるので、ぜひ、婦人科受診をお勧めいたします。

「萎縮性膣炎」について

6.膣炎や性感染症の治療

膣炎や性感染症を発症している場合、デリケートゾーンの健康な防御機能が損なわれているため、通常よりも会陰部が切れやすくなります。違和感や症状がある場合は、早めに婦人科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。外陰部の膣炎やヘルペスなどの感染症の場合、治療により疼痛はかなり良くなります。

7. 性交渉のやり方を工夫する

個人差がありますが、会陰に負担のかかる体位があります。
性行為中に痛みを感じる場合、パートナーと相談し、体位を工夫すると良いでしょう。
痛い場合にちゃんと伝えることが大切です。

 

性交渉中に会陰部が切れる場合の治療法

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・もともと、皮膚の弱い方
・膣炎外陰炎がある方
・膣口が狭い方
・外陰部萎縮の方

もともと女性性器が小さい方、小陰唇が小さい方、会陰部が薄い方など、会陰部が切れやすい体質がある方が沢山いらっしゃいます。どの方もデイリーケアでかなり良くなる場合がありますが、どうしてもよくならない場合は、婦人科受診をお勧めします。

外用薬でよくならない場合、膣口がもともと小さい場合は、レーザー治療が有効である場合があります。保険適応にならない治療法ですが、かなり有効である方も多いです。 膣炎外陰炎がある方は、炎症の治療を行うことで、痛みかゆみが良くなります。

当院のレーザー治療「モナリザタッチ」

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モナリザタッチは、膣萎縮による様々な変化と不快症状を緩和するための腟内及び外陰部、尿道口周囲に照射する炭酸ガスレーザー治療機器です。当日施術が受けられます。

痛みの強い部分には、麻酔クリームを使用しますので、お痛み少なく施術が受けられます。
この技術は顔のリフトアップやたるみ改善に使用されるレーザーを女性器治療に応用したものです。

数分間のレーザー治療で更年期の膣萎縮からくるトラブルに効果を発揮し、また生殖年齢の20-30歳代のストレスからくる性交痛、産後の膣のゆるみ等にも効果的です。乳がん術後、子宮がん術後の方にも、施術可能です。

一般婦人科診察時間内に施術ができます。ご心配な方は、是非診察にいらしてください。

「モナリザタッチ」について

 

オンライン診療のご案内

当クリニックでは、オンライン診療も受け付けております。

時間がない・遠方にいる等、ご来院が難しい方はオンライン診療をご利用下さい。

※土日祝日も診療しています。

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白金高輪 海老根ウィメンズクリニック
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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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オンライン診療

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