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デリケートゾーン

萎縮性膣炎(老人性膣炎)の原因と治療法を女医が丁寧に解説!

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閉経後に、歩くと違和感があったり、下着が食い込んで痛くなるということはありませんか?

聞きなれない言葉だと思いますが、

1.子宮がん検診の結果の余白に書いてある

2.がん検診してもらおうとして婦人科を受診したが痛くて検査が受けられず、理由として萎縮性膣炎といわれた

3.外陰部の違和感で婦人科を受診したときに医師に診断された

このような方が多いようです。

どのくらいの人がこの状態になっているかは統計学的データがないのでわかりませんが、おそらく60歳台以降で萎縮性膣炎でない方はほとんどいないと思われます。

と考えると約2000万人。驚きの数です。

更年期以降、特に癌検診の結果の時に言われることも多いですね。耳慣れない言葉ですが、閉経近くの時期や、閉経後に多い症状で病院に行くと、萎縮性膣炎、老人性膣炎といわれることがあります。

また最近では、20代や30代の方でも起こる場合があります。

萎縮性膣炎(老人性膣炎)の症状

嫌なにおいがしたり、擦れたりこすれたりすることによって痛みが生じ、状況によっては座ることや下着をつけることができない状態になってしまったりすることもあります。

このようなことを考えると、閉経以降外陰部や膣に違和感を感じたり、排尿の感覚が変だなあと思ったら、産婦人科受診をお勧めいたします。

萎縮性膣炎(老人性膣炎)の原因

どうしてこのような病態になるのかといえば、やはり加齢性変化、女性ホルモン(エストロゲン分泌)の減少が原因です。
膣内の常在菌であるラクトバチルスが少なくなり、膣内環境の低下の結果、雑菌が膣内に住み着いてしまい、おりものが増えてしまう病態です。

月経のある若い女性に萎縮性膣炎を主訴にご来院されることはほとんどありません。
閉経になると、月経があったころに比べると女性ホルモンであるエストロゲンが低下します。このことにより女性性器委縮が生じます。

女性性器は一般的に生殖に必要な臓器であるため、生殖年齢が過ぎると自然に退化するようになっていると思われます。しかしながら、女性性器である膣や外陰部は、機能性を維持しなければならない尿道や肛門に近い臓器であるため、可能であれば機能が維持ざれることが望ましいように思われます。

膣炎や性交痛の原因にも

近年、閉経以降の人生が長いことから、この膣外性器委縮が頻尿の原因となったり、排泄物が接触しやすい場所であることから免疫力の低下により膣炎を繰り返すと生活しにくい状況になります。

また、性交痛の原因として、膣や外陰部がしぼんでしまったり、分泌物が減少することで痛みが生じたりすることもあります。膣の嫌な臭い、または、膣の痛みで受診される患者様もいらっしゃいます。

20代・30代で萎縮性膣炎になる場合も

萎縮性膣炎は更年期にみられることが多い症状ですが、長期低用量ピルを内服している20〜30歳代で起こることもあります。

 

萎縮性膣炎(老人性膣炎)の治療方法

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軟こうの塗布

外来治療として一番一般的になるのが、ステロイド軟こうの塗布です。
一時的に良くなりますが、長期連用には注意が必要です。
細菌性膣炎が合併している場合、抗生物質の膣錠や軟膏で治療を行います。さらに、ホルモン剤の膣錠も有効な場合があります。

膣内洗浄

エストロゲンが低下することにより、膣内の常在菌であるラクトバチルスが減少して、細菌性膣炎を生じることがあります。まず、膣分泌細菌培養検査を施行し、膣内洗浄により細菌を除去します。

抗生物質投与

病原菌である細菌数を最小限に低下させ、原因菌にあった抗生物質を膣内に挿入します。
ご自身で挿入可能な方は膣錠を処方します。

女性ホルモン投与(局所的・全身的)

局所的投与

萎縮性膣炎の原因は、女性ホルモンの低下です。膣の萎縮の強い方は膣内に挿入する女性ホルモンの製剤を処方します。

全身的投与

女性ホルモンの低下を全身的に補う必要がある場合、女性ホルモンの内服治療、塗り薬や貼り薬などの外用薬治療があります。どのタイプの製剤を選択しても、効き目はほぼ変わりません。

※上記治療方法は、一般的な治療で保険適応で治療が可能です。

難治性の場合(膣内・外陰部レーザーモナリザタッチ)

上記の治療を順に進め、保湿するなどのホームケアすることにより、一般的に症状が軽快しますが、難治性で膣萎縮が強い場合、かゆみ痛みがよくならない場合には、膣レーザーのモナリザタッチは非常に有効です。

外陰部や膣の萎縮している部位に炭酸ガスレーザーを照射することにより、血流を回復させ、上皮細胞分裂を促進させ、さらにコラーゲン線維の再生を促します。

自費診療で1回5万円(税別)の施術になりますが、2-3回の治療で多くの方が症状緩和します。

自宅でのケア方法

ご自宅でのケアとしては、洗浄後の保湿が大切と思います。
外陰部の違和感や嫌な臭いで、ウォッシュレットを頻回に使用する方は、特に注意が必要です。

洗浄後は必ず保湿することが大切です。朝晩のデリケートゾーンのスキンケアに加えて、ウォッシュレット使用後は保湿をお勧めいたします。

当クリニックで販売しているエビネジェルは使用感もよく、保湿効果が高いため好評を得ております。ぜひ、お試し下さい。

まとめ

2000人以上の患者様に施術させていただいておりますが、どの方に対しても一定の評価を得ております。萎縮性膣炎はわかりにくい病態ではありますが、生活に支障をきたす場合、ためらわずに受診をお勧めいたします。

 

診療のご案内

ちょっと言いにくいお悩みかもしれません。 お気軽に外来にご相談にいらしてください。
担当医師は全て女性になります。
当クリニックでは、LINEドクターを使ったオンライン診療も受け付けております。

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時間がない・遠方にいる等、ご来院が難しい方はオンライン診療をご利用下さい。
※土日祝日も診療しています。  

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

オンライン診療

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