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性行為後に体調が悪くなるのはなぜ? 吐き気・だるい・熱っぽい・喉痛い・息苦しい原因を婦人科医が解説

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「性交の後に、なんだか体がだるい
 「気持ち悪くて吐き気がするけど、疲れているだけ?」
 「熱っぽいし、少し息苦しい。これって何かのサイン?」

 

性行為の後に、原因のわからない吐き気や倦怠感、発熱などの体調不良を感じ、不安に思われる方は少なくありません。

 一時的な疲れや興奮による反応であることも多いですが、中には性感染症(STI)やホルモンバランスの乱れ、膀胱炎といった、婦人科での確認が必要な原因が隠れている可能性もあります。

この記事では、婦人科の女医が、性行為後に起こりやすい「全身の不調」に焦点を当て、考えられる原因と、安心して受診いただくための目安を分かりやすく解説します。

 おりもの・かゆみ・腹痛・排尿痛など局所的な症状でお悩みの方は、まずはこちらの総合案内記事をご覧ください。

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3つの質問でわかる受診セルフチェック

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自己判断しにくい症状が多いため、簡単なセルフチェックで目安を確認してみましょう。以下のうち、1つでも当てはまるものはありますか?

38℃以上の熱があり、腰や背中が痛い
☐ 息苦しさ(呼吸苦)や、締め付けられるような胸の痛みがある
☐ 症状が「いつもと違う」と感じ、強い不安がある

1つでも当てはまる場合は、この記事で原因を確認し、早めに婦人科などの医療機関にご相談ください。

特に最初の2つは、速やかな受診をお勧めします。

 

性行為後によくある「全身の不調」と考えらえる原因

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性行為の後には様々な全身症状が現れることがあります。
代表的な症状ごとに原因と受診の目安を解説します。

吐き気・気持ち悪い

興奮や緊張による血圧の変動、迷走神経反射によって一過性の吐き気や「気持ち悪い」感覚が生じることがあります。

一方で、避妊に失敗した場合など「妊娠初期症状」の可能性も考えられます。

市販の妊娠検査薬は、性行為から2週間後くらいから判定可能な場合がありますが、3週間後以降に使うとより正確な結果が期待できます。

【受診の目安】

強い吐き気が続く、嘔吐する、めまいを伴う、または妊娠の可能性がある場合は婦人科にご相談ください。

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だるさ・倦怠感・微熱・発熱

性行為は体力を消耗するため、一時的な疲労感や倦怠感、微熱が出ることがあります。

しかし、クラミジアなどが骨盤内へ広がり炎症を起こした場合や、膀胱炎から腎盂腎炎へ進行した場合にも、全身の倦怠感や発熱が現れます。特に高熱と腰痛が同時に起きる場合は注意が必要です。

【受診の目安】

発熱が続く、排尿時に痛みがある、腰や背中が痛む場合は早めに受診を検討しましょう。

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【補足】オーガズム後症候群(POISPost-Orgasmic Illness Syndrome)とは?

まれに、性行為やオーガズムのあとに全身の倦怠感や発熱、頭痛、集中力低下などが数日続く「オーガズム後症候群(POIS)」と呼ばれる状態が報告されています。

主に男性の症例が多いですが、ホルモンや免疫反応の影響で、女性でも似たような不調を感じることがあります。

ただし、POISはまだ原因や治療法が確立されていないまれな疾患であり、性交後の不調が続く場合は、まず婦人科・内科で一般的な感染症やホルモン異常の有無を確認することが大切です。

頭痛・めまい・立ちくらみ

自律神経や血圧の変動により、頭痛やめまい、立ちくらみ・ふらつきを引き起こすことがあります。

緊張型頭痛や一時的な低血糖も原因の一つです。

ピルを服用中の方で、ギザギザした光が見えるような「前兆のある片頭痛」が起きた場合は、血栓症のリスクも考えられるためご相談ください。

【受診の目安】

経験したことのない激しい頭痛や、めまいが何度も繰り返される場合はご相談ください。
ピルを内服している方は、肺血栓梗塞症や脳疾患などの鑑別診断が必要な場合もあります。

喉の痛み・発熱・咳

風邪と似ていますが、オーラルセックスによる「咽頭クラミジア・咽頭淋菌」でも喉の痛みや腫れ、発熱、咳が起こります。

風邪薬を飲んでも改善しない場合は、咽頭STIの可能性も疑い検査を受けることをお勧めします。

【受診の目安】

市販薬を服用しても喉の痛みや咳が長引く、高熱が出る場合はご相談ください。
白い痰がたくさん出ることがあります。

息苦しい・胸が痛い

強い緊張や不安から過換気症候群のようになり、息苦しさや動悸を感じることがあります。

また、稀ですが精液やラテックスへのアレルギー反応(アナフィラキシー)として、呼吸苦や胸の圧迫感が現れることもあります。また、ストレスやパートナーとの関係による精神的な緊張から、一時的な不安発作のように感じることもあります。

【受診の目安】

強い息苦しさ、呼吸困難、締め付けられるような胸痛が続く場合は、救急外来の受診も検討してください。
口の中の粘膜浮腫による呼吸苦の場合は、早急な対応が必要です。

むくみ・腫れる・かぶれ

潤滑剤やコンドーム、精液などへのアレルギー反応で、外陰部の腫脹(腫れ)やかぶれが起こることがあります。

苦しさや全身の蕁麻疹、喉の腫れや呼吸苦を伴う場合は重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)の可能性があります。

【受診の目安】

デリケートゾーンの腫れやかぶれが引かない、または呼吸困難などを伴う場合は、速やかに受診してください。

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目のトラブル(目の痛み・充血)

精液などが目に入ると、刺激や感染により一時的な炎症が起こることがあります。

【受診の目安】

目の充血や痛みが数日経っても改善しない場合は、眼科の受診をお勧めします。

目の痛みや充血、目やになど結膜炎のような症状が続く場合は注意が必要です。性病の場合は、症状が悪化しますので、早めの眼科受診をお勧めいたします。

感染症・ホルモン・自律神経で起こる全身反応

性交後の不調は、複数の要因が重なって起こることが多く、主に以下の3つが関係しています。

・性感染症(STI

クラミジアや淋菌などが喉や子宮頸管に感染すると、骨盤腹膜炎や全身の倦怠感や微熱などを引き起こすことがあります。

自律神経の乱れ

性的な興奮や緊張、不安は自律神経に大きく影響し、めまいや立ちくらみ、動悸、頭痛などを引き起こす可能性があります。

ホルモン変動

排卵期や月経前(PMS)などホルモンが揺らぎやすい時期は、性行為の刺激がきっかけで不調が表面化し、「周期が乱れる」こともあります。

 

【危険なサイン】以下の症状がある場合は早急に受診を!

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特に注意すべき症状 考えられる主な原因
38.5℃以上の高熱 + 腰や背中の強い痛み、血尿 腎盂腎炎 や 骨盤腹膜炎、卵巣膿瘍の破裂の可能性が高い
市販薬で改善しない喉の痛みや咳、発熱の持続 咽頭STI(クラミジア・淋菌)など
強い吐き気やめまいを繰り返す 自律神経の不調、妊娠初期症状など
息苦しさ、呼吸困難、締め付けられるような胸痛 重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)など
全身の蕁麻疹、顔や喉の腫れ、呼吸苦 重篤なアレルギー反応

 

症状別「何科を受診すべき?」迷ったときのガイド

体調が悪いとき、どの病院に行けばいいか迷うのは当然のことです。

「まずは相談したい」という場合は、女性の不調に幅広く対応できる婦人科が最初の窓口として適しています。

症状 主な診療科 ポイント
吐き気、だるさ、微熱、生理不順 婦人科 ホルモンバランスや婦人科系感染症、妊娠の可能性を調べます。
高熱、強い腰痛、血尿、排尿痛 泌尿器科、内科、婦人科 腎盂腎炎の疑いがあります。まずはかかりつけ医や専門科へ。
長引く喉の痛み、咳 耳鼻咽喉科、婦人科 咽頭STI検査は婦人科で可能です。一般の喉の診察は耳鼻咽喉科が専門です。
激しい頭痛、めまい 脳神経内科、婦人科 危険な頭痛を除外するため、症状が強い場合は脳神経内科の受診もご検討ください。
息苦しさ、全身の蕁麻疹 救急外来、アレルギー科 アナフィラキシーの可能性があり、緊急を要します。
※当院では、必要に応じて適切な専門医療機関へのご紹介もスムーズに行っています。

 

性行為後の体調不良に関するよくあるご質問

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Q1. 性行為後に体調が悪くなる原因は?

A. 疲労や自律神経の乱れのほか、性感染症(STI)やホルモンバランスの変化が関係します。これらが複合的に影響し、吐き気・発熱・倦怠感などの症状を引き起こします。

Q2. 性行為のたびに体調が悪くなります。体質なのでしょうか?

A. 毎回繰り返す場合、精神的な緊張や身体的負担、または精液アレルギー、ラテックスアレルギーなどの可能性もあります。ストレスや疲労が重なって自律神経が乱れるケースもあるため、一度ご相談ください。

Q3. 性行為後の不調はメンタル面も関係しますか?

A. はい。罪悪感やパートナーとの関係の不安などがストレスとなり、自律神経を介して身体的な不調(吐き気・頭痛・倦怠感など)を起こすことがあります。精神的な要因と身体反応が重なることも珍しくありません。

Q4. ストレスや疲れだけで、熱や吐き気などの症状は出ますか?

A. はい、出ることがあります。強いストレスや疲労は自律神経・ホルモンバランスを乱し、頭痛・吐き気・微熱・倦怠感などの全身症状として現れることがあります。

Q5. 強い吐き気・発熱・息苦しさがあるときは?

A. 細菌感染による腎盂腎炎や、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)などが考えられます。38℃以上の発熱、腰背部痛、呼吸苦がある場合は速やかに受診してください。

Q6. 症状はどれくらい続いたら受診すべきですか?

A. 軽い疲れなら12日で改善しますが、3日以上続く、または悪化する場合は受診をおすすめします。「赤信号サイン」がある場合は早急にご相談ください。

Q7. 妊娠の可能性はいつから調べられますか?

A. 妊娠検査薬で正確に確認できるのは、性行為から3週間後が目安です。早すぎる検査(フライング)は誤判定につながることがありますが、2週間から陽性反応が出ることがあります。。

Q8. 婦人科ではどんな検査をしますか?

A. 症状に応じて、尿検査(膀胱炎など)、妊娠反応検査、性感染症検査(クラミジア・淋菌など。咽頭の検査も可能)を行い、原因を特定します。

Q9. オーガズムのあとに体がだるくなるのは病気ですか?

A. 一時的な疲労やホルモン変動による反応が多いですが、まれに「オーガズム後症候群(POIS)」と呼ばれる状態が報告されています。数日続く倦怠感や発熱がある場合は、婦人科や内科でご相談ください。

Q10. ピルを飲んでいても体調が悪くなることはありますか?

A. はい。ピル服用中でも、疲労や感染などで体調を崩すことがあります。また、ピルの種類によっては副作用として吐き気や頭痛が出ることもあるため、症状が続く場合は医師にご相談ください。

 

まとめ】繰り返す不調は婦人科にご相談ください

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性行為後の体調不良は、一時的な疲労だけでなく、性感染症、ホルモンバランス、自律神経の乱れなど、さまざまな要因が隠されています。

特に、ホルモンバランスの変動から生理が早まるなど、周期が乱れることも不調のサインの一つです。

「いつもと違う」
「症状が長引く」
「どんどん悪化する」

と感じる場合は、決して一人で抱え込まず、婦人科の専門医にご相談ください。

性行為後に吐き気・だるさ・熱っぽさなどが続く方へ

繰り返す不調は、婦人科だけでなく、泌尿器科や内科など複数の領域にまたがるサインかもしれません。

「何科に行けばいいかわからない」という場合も、まずは当院にご相談ください。

女性医師が丁寧にお話を伺い、必要な検査・診断から専門科との連携まで、責任をもってサポートいたします。

【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
平日受診できない方に通院していただきやすいよう、毎朝830分から診療を受け付けています。

※最新の診療情報は「お知らせ」よりご確認ください

オンライン診療も対応しておりますので遠方の方やご来院が難しい方は是非ご利用ください。

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性交痛全般については以下をご覧ください

セックスが痛い時の原因と治療法を女医が徹底解説

 

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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