デリケートゾーンの悩みを解消する医療機器「モナリザタッチ」とは?その効果、副作用、施術後の変化まで女医が丁寧に解説。
更新日:2024.05.24
モナリザタッチ
2019年11月にモナリザタッチを導入してから今ではこのクリニックになくてはならない重要な位置を占めており、大好評を得ている施術です。
施術数も3000件以上を超えて、 毎日毎日、「とんとん」とリズミカルにモナリザタッチの施術を行っております。
特に、性交痛、尿漏れ、膣のゆるみ等でモナリザタッチをご要望の患者様が 毎日沢山いらっしゃっていただいております。しかしながら「モナリザタッチって何?」と疑問に思う方も多いでしょう。
なぜモナリザタッチ?
「モナリザタッチって何?」
実は私も最初にモナリザタッチを知った時、5年間もその効果について半信半疑でした。
「膣レーザーにどんな意味があるの?」と思っていました。
しかし、モナリザタッチを提供するDEKA社のレーザーがとても優秀だと知り、考えが変わりました。この医療機器は子宮頸がんの初期病変の治療、外陰部腫瘍の切除、バルトリン腺嚢胞の開窓術、子宮膣部びらんの治療、コンジローマの治療などに使えるのです。
これを知ってすぐにクリニックに導入を決めました。
患者さんの役に立てると直感的に感じたのです。
モナリザタッチを導入してから、多くの患者さんから初めて聞く悩みがたくさんあることに気付きました。
例えば、
「しばらく性交渉していなかったら、できなくなった」
「閉経後、皮膚が乾燥して下着がつけられない」
「性交渉のたびに出血が止まらない」
「乳癌治療後、膣が痛くて笑顔になれない」
などの声がありました。
これらの悩みに対して少しでも助けになりたいと心から思いました。
20年以上この仕事をしていますが、これまで知らなかったことばかりでした。そして、多くの人がこの治療を希望していることがわかりました。
産婦人科ガイドラインにも膣萎縮に対する治療に追記され、とても嬉しく思ったことを覚えています。今では私にとって毎日行っている手技ですので、空気を吸うくらいとまではいきませんが、とても自然に身についた施術になっています。
モナリザタッチとは?
モナリザタッチは、膣萎縮によるさまざまな変化や不快な症状を緩和するために使用される炭酸ガスレーザーの医療機器です。
この治療は膣内、外陰部、および尿道口周囲に対して行われます。
治療は当日中に受けることができ、数分間のレーザー照射で更年期に伴う膣萎縮のトラブルに効果を発揮します。
また、生殖年齢の20〜30代の女性が経験するストレスによる性交痛や産後の膣のゆるみにも効果的です。さらに、乳がん手術後の方にも治療が可能です。
この技術は、顔のリフトアップやたるみ改善に使用されるレーザー技術を女性器の治療に応用したものです。
治療は一般婦人科の診察時間内に受けることができます。
ご心配な点がある方は、お気軽に白金高輪海老根ウィメンズクリニックまでご来院ください。
膣内のモナリザタッチと外陰部のモナリザタッチ
「モナリザタッチをどの部位に施術すればよいですか?」という質問をよくいただきます。
膣内
膣の緩みや尿漏れなどの膣内のコンディション調整には、膣内のモナリザタッチが効果的です。
膣外(膣口)
また、性交時の痛みや膣口の緩みを感じる場合には、膣口へのレーザー治療が必要です。この部位は痛みが出やすいため、麻酔が必要となります。当クリニックでは、外陰部への照射と併せて行います。
膣外(外陰部)
外陰部にしわや張りがなく、痛みがある方には、外陰部のモナリザタッチが有効です。また、外陰部の皮膚が薄くなって切れやすい患者様におススメです。
時々、性交痛に対して膣内照射のみを希望される方がいますが、外陰部照射も麻酔が必要ですので、セットで行うことをお勧めします。膣内から外陰部は連続した器官ですので、両方をセットで治療することで、より効果的な結果が期待できます。
患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を提供していますので、いつでもお気軽にご相談ください。
モナリザタッチのサイズに関して
レーザー照射の場所によっても異なる機器を使用します。
また腟内に挿入する機器には、標準サイズだけでなく、小さい機器のご用意がございます。
膣萎縮が気になる方も、安心して施術を受けることができますのでご安心ください。
モナリザタッチはこんな方におすすめ
膣のかゆみが気になる
膣のにおいが気になる
膣ゆるみが気になる
乾燥が気になる
尿もれや頻尿
更年期膣萎縮
膣のアンチエイジングケア
性交痛
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ピル内服中の膣萎縮とモナリザタッチ!
産後の膣の緩みとモナリザタッチ!
モナリザタッチ施術後の変化
モナリザタッチを受けた後に、デリケートゾーンにどんな変化があるかをご説明させていただきます。
施術直後
・グロースファクター含有セラムであるエビネセラムと保湿剤のエビネジェルを塗布します。
これにより術後の乾燥を防ぎます。
・麻酔クリームを塗っているため、外陰部の感じは何もないと思いますが、その後の疼痛緩和のために、保冷剤をお渡しします。デリケートゾーンにガーゼを覆った保冷剤を20分以上あててもらいます。このクーリングにより、麻酔クリームの効果が切れたときに感じる痛みが和らぎます。
2₋3時間後
・徐々に麻酔効果が薄れてきて、ひりひり感が出現します。トイレの時に少ししみるかもしれません。
温かくなると痛みが増すことがあるので、お風呂は避けてシャワーを使用するようにしてください。おりものがピンクになることがありますが、数日以内に治まります。膣内を確認していただくと、内腔が狭くなって柔らかくなっているのが実感できます。
翌日
・ほとんどの方が少しのひりひり感が残るだけで、平常に戻ります。
尿漏れがメインの症状の方は翌日にはよくなっているという方もいらっしゃいます。
数日後
・ほぼ症状は軽快して、性交渉も可能です。
その後、徐々に乾燥感、におい、ゆるみ、性交痛は軽減します。
個人差はありますが、2週間後くらいから効果を感じられる方も多いです。
3回くらいまでは、1か月後の施術をお勧めします。
モナリザタッチの副作用
モナリザタッチの副作用について質問を受けることがあります。
大きな有害事象は経験していませんが、以下のような点に注意が必要です。
痛み
原因: 疼痛を感じる部分にレーザーを照射するため。
対策: 麻酔クリームを使用することで痛みを緩和できます。
少量の出血
原因: レーザー照射によるもの。
対策: 出血は通常数日以内に上皮化し、適切なレーザー治療を行っている場合、大きな問題はありません。
効果がすぐに感じられない
原因: コラーゲン生成には約28日かかるため。
対策: 照射直後に効果を感じられない場合は、1か月後に再度ご相談ください。また、数回の治療が必要な場合もあります。
これらの副作用についてご心配な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。患者様の安心と安全を最優先に考え、最適な治療を提供いたします。
モナリザタッチをご検討の方へ
モナリザタッチ施術の流れ
モナリザタッチの施術方法(診察から施術までの流れとその内容)を下記記事で詳しくご紹介しておりますのでご覧ください。
デリケートゾーンのケアを受ける際の注意点【必読】
デリケートゾーンに関する医療を行うために必要なこと(産婦人科医師の視点より)
この数年、デリケートゾーンケアを行う、産婦人科医以外の施設が増えているように思います。外陰部、膣のケアをするにあたって、最低必要なことを書きましたので、施術を受けようとしている方は一度はお読みいただくことをお勧めしております。
施術の頻度について
1回の照射でも効果を実感していただけますが、回数を重ねることで更なる効果が期待できます。
特に、ゆるみ、たるみ、尿漏れなどは、回数を増やすことで効果がさらに上がります。
最初の3ヶ月は月1回、その後は半年に1回程度の間隔での照射がおすすめです。モナリザタッチの定額制プランもご用意しておりますのでお気軽に外来にお問い合わせください。
※効果の出方は個人差がありますので、様子をみながらご相談ください。
モナリザタッチの施術を受けた方の声
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その他の膣トラブル関連リンク
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。