デリケートゾーンに関する医療を行うために必要なこと
更新日:2024.01.30
デリケートゾーンに関する医療を行うために必要なこと(産婦人科医師より)
この数年、デリケートゾーンケアを行う、産婦人科医以外の施設が増えているように思います。外陰部、膣のケアをするにあたって、最低必要なことを書いてみたいと思います。
デリケートゾーンの施術
まず、脱毛、モナリザタッチ、ハイフ、インティマレーザーなどたくさんの施術があります。
デリケートゾーン診療は感染症対策が必須で、さらに病気の有無の診断後にしか施術は行えません。
1. 外陰部の診察
2. 膣内の診察
3. 施術可能かの判断
4. 施術後の評価
これらは必須項目です。
内診台で必ずおこない、足台の位置には十分な配慮が必要です。
内診台は、外陰部や膣内の状況を確認するのに有用です。
1. 外陰部の診察
外陰部の診察を行います。コンジローマやヘルペス、梅毒などの感染症の可能性があるか必ず確認しましょう。その後、シェービングや施術を行います。
尿道周囲膿瘍や尿道カルンケルなども確認しましょう。
2. 膣内の診察
膣内の確認は子宮鏡(クスコ)を使用すると見やすいと思います。
それぞれのサイズに合った子宮鏡を使いましょう。
分泌物
細菌性膣症、クラミジア、淋菌、トリコモナス、マイコプラズマなどの感染も有無を考慮して診療しましょう。分泌部の異常がある場合には、施術前に確認してから行いましょう。
膣壁
コンジローマの病変などを見落とさないようにしましょう。
形態異常
重複膣の可能性も考えて診察しましょう。重複膣や重複子宮は本人が知らない場合もあるので、注意して診療にあたりましょう。
子宮膣部
子宮頸がん、子宮頚管ポリープの可能性を考慮しましょう。膣内施術後に出血の原因となります。
子宮膣部の異常があれば、施術より先にがん検診を行いましょう。ポリープがある場合には、切除後のほうが出血しにくいです。切除後2週間以降に施術のスケジュールを組みましょう。
3. 施術の判断
以上の診察後に施術可能と判断した場合は、施術を行いましょう。
4. 施術の評価
施術後、施術の評価を行いましょう。
まとめ
デリケートゾーンの施術は、感染症を引き起こしたり、膣の前方には尿道、膣の後方には直腸があり、泌尿生殖器系の関する機能不全を起こさないためにも、正確な診察が重要です。
これらの配慮を十分に行える施設でデリケートゾーンのケアをすることが大切です。
ぜひ、参考になれば。
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白金高輪 海老根ウィメンズクリニック
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東京都港区高輪1-2-17 高輪梶ビル5,6,7F
03-5789-2590
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。