低用量ピル内服中の膣萎縮、性交痛にレーザー治療

低用量ピルの長期服用することにより、性交時の痛みを感じるようになったという方はいませんか？

低用量ピルは、女性主体でおこなえる避妊方法で、月経痛やPMS、子宮内膜症や子宮筋腫の治療薬として使用できるようになり、近年は日本でも服用されている方が多くなってきました。

ピル服用により、女性が月経痛から解放されるようになったことは、女性のQOL（生活の質）の向上に大変役立ちますが、一方で、若い方から性交痛や腟の違和感といった「萎縮性腟炎／萎縮性腟症」のような症状を訴える方が増えている印象があります。

腟の違和感は、ピルが原因かもしれません。

萎縮性腟炎とは？

萎縮性腟炎というのは、腟や外陰部の皮膚が薄くなったり乾燥したりすることで、ちょっとした刺激に弱くなり、炎症やかゆみなどの症状が出たものです。一般的には、更年期以降の女性に多く出現する症状であり、以前は更年期前の女性からの訴えはほぼありませんでした。

萎縮性腟炎の発症には、女性ホルモンが大きく関わります。

女性ホルモンは、月経を作り出すだけでなく、体中のさまざまな細胞に作用しております。とくにエストロゲンは、水分を細胞内に蓄え、さらにコラーゲンの合成を促す作用があり、弾力性のある皮膚を健康的に保つために重要です。腟に対しても、粘膜の潤いを保ったり、自浄作用を保持する乳酸菌がすみやすい環境を作ったりといった役割を果たしています。

低用量ピルを服用中は、本来身体から分泌されるよりも女性ホルモン量が少なく維持されます。その影響でしょうか、長期間にわたって低用量ピルを服用されている方の中に、デリケートゾーンの皮膚が薄くなっていたり、それにより刺激に弱くなって炎症を生じたりしているのを見かけます。

このようにデリケートゾーンが炎症を起こした状態を、萎縮性腟炎と呼びます。

低用量ピルを服用中の若い方では、性交痛で気がつく方が多いです。一般的に、更年期や閉経後には、女性ホルモンの分泌量低下の影響で、萎縮性腟炎が生じる女性は少なくありません。

【萎縮性腟炎に伴う症状】

性交痛、不正出血、腟や外陰部の乾燥やひりひり感、デリケートゾーンの違和感やかゆみ、おりものの増加、おりもののニオイの変化

萎縮性腟炎の治療

萎縮性腟炎を改善するためには、いくつか方法があります。

その１　低用量ピルをやめてみる

まずは、低用量ピルをやめてみるというのが一つの選択肢です。

とはいえ、月経痛や子宮内膜症の治療、避妊など、それなりの理由があって服用されている方が多いと思いますので、低用量ピルの中止はそう簡単に決められるものではないかもしれません。 ピルの内服に関して、メリットデメリット双方の考えを尊重しつつ、治療方針を決めていきたいと思います。

子宮内装着リングを提案するとか、ピルのエストロゲン含有量を調整してするとか、それぞれのニーズに合った治療法をご提案したいと思います。 何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

その２　女性ホルモンが含まれた腟坐剤やクリーム

女性ホルモンが含まれた腟坐剤やクリームを使用する方法もあります。

ただし、女性ホルモンの外用薬は、血液中に吸収されるため、不正出血等の合併症もあります。また、更年期以前の腟坐剤やクリームは、保険適応では使用できないことも多いです。年齢、ホルモン分泌の有無、症状に合わせて治療を選択いたします。

その３　モナリザタッチ

当クリニックでは、女性ホルモンを使用しないモナリザタッチ（腟レーザー）もおすすめしております。

お顔のリフトアップなどに使われている技術を、女性器の治療に応用した機械です。局所的に治療を行うので、比較的安全に治療が行えます。レーザーの刺激により、デリケートゾーンの血流を改善し、腟粘膜のコラーゲン生成と腟粘膜上皮の生成を促します。このことにより、腟の状態が改善し、性交痛の緩和にもつながります。2〜3回の施術で効果を実感される方が多いです。

モナリザタッチ詳しくはコチラ

その４　保湿ジェル

デリケートゾーンの症状が気になったときは、乾燥が背景にあることが多く、保湿ジェルを使うのもよいでしょう。

当クリニックでは、デリケートゾーンの乾燥やかゆみ、痛み、ひきつれ感などを緩和するためのEBINEジェルを販売しております。

繊細な部位に使うジェルですので、なるべく保湿する効果をキープしつつも、化学物質を少なく、安全に使用できるよう配慮いたしました。ご興味のある方はお声がけください。

EBINEジェル詳しくはコチラ