モナリザタッチは保険適用?国内承認の範囲・自由診療・費用を医師が解説
更新日:2026.08.06
- モナリザタッチは、現在の日本では健康保険の適用外であり、自由診療です。
- レーザー本体は国内承認医療機器ですが、専用プローブとGSM・腟乾燥・性交痛などへの使用目的は国内承認の範囲外です。
- 施術料だけでなく、適応・照射部位・副作用を確認する診察も治療の一部です。
「モナリザタッチは健康保険で受けられますか?」
「医療機関で使用されているレーザーなのに、なぜ自費診療なのでしょうか?」
「日本で承認されていない機械を使用しているのですか?」
「レーザーの施術料金とは別に、初診料や再診料が必要なのはなぜですか?」
モナリザタッチについてご相談を受ける際、このようなご質問を多くいただきます。
結論からお伝えすると、モナリザタッチによる腟・腟前庭部・外陰部へのフラクショナルCO₂レーザー治療は、現在の日本では健康保険の適用外であり、自由診療となります。
しかし、当院で使用しているレーザー装置そのものが、日本で承認されていないという意味ではありません。
当院が使用しているのは、イタリア・DEKA社製のスマートサイド・タッチ(SmartXide Touch)という炭酸ガスレーザー装置です。
スマートサイド・タッチ本体は、皮膚や軟部組織の切開、蒸散、凝固、止血などを目的とする炭酸ガスレーザーとして、日本国内で医療機器承認を受けています。
医療機器承認番号は、22900BZX00019000です。
この装置は、婦人科領域においても、
- 子宮頸部異形成などの子宮頸部病変に対するレーザー蒸散
- 尖圭コンジローマの蒸散
- 外陰部腫瘍や病変の切開・蒸散
- 婦人科手術における切開・凝固・止血
などに使用されます。製造販売元も、婦人科領域の使用例として、子宮頸部異形成のレーザー蒸散、外陰腫瘍、尖圭コンジローマなどを挙げています。
これらの病気に対して、保険診療上の要件を満たすレーザー手術を行った場合には、健康保険を使用して治療できることがあります。
一方、モナリザタッチとして行う、
- 腟の乾燥
- 腟粘膜の萎縮
- GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)
- 性交痛
- 腟入口部の痛み
- 外陰部の乾燥や灼熱感
- 尿漏れや頻尿
などに対する腟内フラクショナル照射は、日本国内の承認された使用目的および公的医療保険の給付対象には含まれていません。
この違いを、できるだけ分かりやすく解説します。
スマートサイド・タッチは日本の承認医療機器です
当院で使用しているスマートサイド・タッチは、波長10,600nmのCO₂レーザー、いわゆる炭酸ガスレーザーです。
炭酸ガスレーザーは、水分に吸収されやすい性質を持っています。
人の皮膚や粘膜、軟部組織には水分が多く含まれているため、レーザーのエネルギーを組織表面に精密に作用させることができます。
スマートサイド・タッチは、日本国内において、
皮膚および軟部組織の切開、蒸散、凝固、止血
などを目的とする炭酸ガスレーザー装置として承認されています。
つまり、スマートサイド・タッチ本体は、未承認の機械ではありません。
日本で医療機器として承認された炭酸ガスレーザー装置です。厚生労働省の保険適用医療機器一覧にも、スマートサイド・タッチはレーザー手術装置として掲載されています。
ただし、ここで理解していただきたい大切な点があります。
医療機器本体が承認されていることと、その機器を使用して行うすべての治療が承認・保険適用されていることは、同じではありません。
モナリザタッチで承認範囲外となるのは何でしょうか?
スマートサイド・タッチには、レーザー本体にさまざまなハンドピースやスキャナー、プローブなどを接続して使用できます。
モナリザタッチでは、腟内に挿入する専用のプローブとフラクショナルスキャナーを用い、腟壁へレーザーを微細な点状に照射します。
日本国内では、
- モナリザタッチとして使用する腟内フラクショナル照射用の専用プローブ・アクセサリー
- GSM、腟乾燥、性交痛、腟萎縮などに対する腟内フラクショナル照射という使用目的
については、国内承認の範囲に含まれていません。
したがって、より正確に表現すると、
スマートサイド・タッチというレーザー本体は日本の承認医療機器ですが、モナリザタッチとして使用する専用の腟内フラクショナル照射システムと、その治療目的は国内未承認です。
ということになります。
単純に「機械全体が未承認」ということではなく、承認されたレーザー本体に、国内承認範囲外の専用プローブを組み合わせ、承認範囲外の目的で使用する自由診療とご理解いただくのが適切です。
国内の医療機関における説明でも、スマートサイド・タッチ本体は承認医療機器である一方、腟乾燥、性交痛、尿漏れなどを対象とするモナリザタッチの使用は、国内で承認された効能・効果ではないことが明示されています。
「未承認」と聞くと、危険な治療なのでしょうか?
「未承認のプローブを使用している」と聞くと、
「安全性が確認されていない危険な治療なのではないか」
と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、国内未承認であることだけをもって、直ちに危険、違法、効果がないという意味にはなりません。
日本の承認制度では、医療機器ごとに、
- どのような装置か
- どの部品を使用するか
- どの病気に使用するか
- どのような目的で使用するか
- どのような方法で使用するか
が定められています。
海外で広く使用され、論文が多数報告されている医療技術であっても、日本国内でそのアクセサリーや使用目的について承認申請が行われていない、または承認を取得していない場合には、国内では未承認の医療機器・適応外使用として扱われます。
モナリザタッチは海外では腟萎縮やGSMなどに対して使用されていますが、日本ではGSM、腟乾燥、性交痛などを対象としたフラクショナル照射について、承認された効能・効果はありません。
したがって、国内で治療を行う場合には、自由診療として、
- 国内未承認のプローブ・アクセサリーを使用すること
- 承認された使用目的とは異なる治療であること
- 期待できる効果
- 効果の限界と個人差
- 副作用や合併症
- 国内で承認された同一目的の医療機器がないこと
- 入手経路
- 代替となる治療法
などを患者さんへ説明し、同意をいただく必要があります。
子宮頸部異形成やコンジローマでは、なぜ保険が使えるのでしょうか?
同じスマートサイド・タッチを使用しても、治療する病気と治療方法によって、保険適用の有無は異なります。
例えば、子宮頸部異形成などの子宮頸部病変や尖圭コンジローマに対して、炭酸ガスレーザーによる切開・蒸散・凝固を行う場合があります。
これらは、病変そのものを切除または蒸散する外科的な治療です。
診断、病変の種類、治療方法、診療報酬上の算定要件などを満たす場合には、保険診療として行うことができます。
一方、モナリザタッチでは、病変を取り除くことを主な目的としているわけではありません。
腟壁へフラクショナルCO₂レーザーを微細な点状に照射し、その後の創傷治癒反応を利用して、
- 腟上皮の成熟
- コラーゲンの再構築
- 線維芽細胞の活性化
- 血流や細胞外基質の変化
などを促すことを目的としています。
同じレーザー本体であっても、
病変を蒸散するレーザー手術
と、
腟粘膜の再構築を目的としたフラクショナル照射
では、使用するプローブ、照射方法、治療目的、保険制度上の位置づけが異なります。
「子宮頸がんの治療にも使える」という表現について
炭酸ガスレーザーは、子宮頸部の病変に使用されることがあります。
ただし、「子宮頸がんの治療に使われる」とだけ表現すると、進行した子宮頸がんにもレーザー照射だけで治療できるような誤解が生じる可能性があります。
実際には、レーザー蒸散などの対象となるのは、主として、
- 子宮頸部異形成
- 子宮頸部上皮内腫瘍
- 病変の範囲や深さなどからレーザー治療が適切と判断された一部の子宮頸部病変
などです。
浸潤がんが疑われる場合には、組織診断、画像検査、手術、放射線治療、薬物療法など、病期に応じた標準治療が必要です。
したがって当院では、患者さんへの説明では、誤解を避けるために、
「子宮頸部異形成などに対するレーザー蒸散」
という表現を用いています。
症状があるのに、なぜモナリザタッチは保険適用にならないのでしょうか?
日本の健康保険は、症状がある治療であれば何でも使用できる制度ではありません。
保険診療として治療を行うためには、
- 対象となる病気
- 治療方法
- 使用する医薬品や医療機器
- 適応となる条件
- 診療報酬上の算定方法
などが、公的医療保険制度の中で定められている必要があります。
現在、GSM、腟乾燥、性交痛、外陰部痛、軽度の尿漏れなどに対して、モナリザタッチの腟内フラクショナル照射を算定できる診療報酬項目はありません。
そのため、患者さんが医学的に非常につらい症状を抱えていても、モナリザタッチによる治療は自由診療になります。
ここで大切なのは、
「症状が医学的な問題ではないから保険が使えない」のではありません。
「その症状に対するモナリザタッチという治療方法が、公的医療保険の給付対象として設定されていないため、保険が使えない」のです。
医療機器の承認と保険適用は、三つに分けて考える必要があります
この問題は複雑ですが、次の三つに分けて考えると分かりやすくなります。
1.レーザー本体が国内承認されているか
スマートサイド・タッチ本体は、日本国内で承認された炭酸ガスレーザー装置です。
2.使用するプローブや使用目的が国内承認されているか
モナリザタッチとして使用する腟内フラクショナル照射用の専用プローブ、およびGSM、腟乾燥、性交痛などに対する使用目的は、国内承認の範囲に含まれていません。
3.その治療が健康保険の給付対象になっているか
モナリザタッチによる腟・外陰部のフラクショナルレーザー治療には、現在、公的医療保険上の算定項目がありません。
そのため自由診療となります。
つまり、
承認されたレーザー本体を使用していることと、モナリザタッチ治療が保険適用になることは別の問題です。
自由診療とは何ですか?
自由診療とは、公的医療保険を使用せず、診察や治療に必要な費用を患者さんが全額自己負担する診療です。
保険診療では、国が診療行為ごとの点数と算定条件を定めています。
一方、自由診療では、医療機関が、
- 治療内容
- 診察に必要な時間
- 使用する医療機器
- 医師や看護師などの人員
- 治療前後の管理
- アフターケア
- 設備や医療材料
などを考慮して料金を設定します。
そのため、自由診療には次のような特徴があります。
- 治療費は全額自己負担
- 医療機関によって料金が異なる
- 治療範囲や回数によって総額が変わる
- 初診料や再診料が別途必要になることがある
- 高額療養費制度の対象には通常ならない
- 医療機関によって診察やアフターケアの内容が異なる
自由診療だからこそ、治療前に総額や標準的な治療回数、副作用、治療の限界について確認することが大切です。
当院におけるモナリザタッチの基本費用
当院では、モナリザタッチを自由診療として行っています。
基本的な費用は以下のとおりです。
モナリザタッチ施術料
1回 55,000円(税込)
症状や組織の状態によって異なりますが、原則として4~6週間程度の間隔で3回を、一つの基本的な治療単位としてご提案しています。
1回目から症状の変化を感じる方もいらっしゃいますが、組織の修復と再構築には時間が必要です。
そのため、治療前後の所見と症状を確認しながら、必要な回数を判断します。
院長指名料
22,000円(税込)
院長による診察・施術をご希望の場合には、施術料とは別に院長指名料が必要です。
診察料
初診料 6,600円(税込)
再診料 3,300円(税込)
腟前庭部レーザー
1回 55,000円(税込)
性交痛、腟入口部痛、接触痛、ヒリヒリ感などがあり、診察によって腟前庭部への治療が必要と判断した場合にご提案します。
腟前庭部への照射は、すべての患者さんに必要な治療ではありません。
痛みの場所、圧痛、組織の状態、炎症、骨盤底筋の緊張などを診察したうえで、適応を判断します。
感染症検査、細胞診、超音波検査、腟内環境の評価、処方薬、ホームケア用品、骨盤底リハビリテーションなどが必要な場合には、別途費用がかかることがあります。
※費用は変更される場合があります。最新の料金については、受診時または当院の料金案内でご確認ください。
なぜ施術料金とは別に診察料が必要なのでしょうか?
「レーザーを受けるだけなのに、なぜ診察料が必要なのですか?」
と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、モナリザタッチはエステティックサービスではありません。
腟や腟前庭部、外陰部という繊細な組織に、医療用レーザーを照射する医療行為です。
安全に治療を行うためには、施術前に医師が診察し、
- 本当にレーザーが適しているか
- 感染症がないか
- 不正出血の原因精査が必要ではないか
- 悪性疾患や前がん病変が疑われないか
- 外陰部皮膚疾患が隠れていないか
- 腟内、腟前庭部、外陰部のどこに問題があるか
- 骨盤底筋の過緊張がないか
- 前回の治療後に副作用がなかったか
- 今回の照射条件を調整する必要があるか
などを判断する必要があります。
診察料は、単にレーザーを照射する前に「少し見る」ための料金ではありません。
その患者さんにレーザーを行ってよいか、どの部位へ、どのような条件で照射するかを医学的に判断するための費用です。
初診では何を確認しますか?
初診では、現在のお悩みだけでなく、症状が起こった背景や、レーザー以外の治療が必要ではないかを確認します。
具体的には、
- 症状が始まった時期
- 乾燥、痛み、かゆみ、灼熱感の有無
- 尿漏れ、頻尿、排尿痛の有無
- 月経や閉経の状況
- 妊娠・出産歴
- 婦人科手術歴
- がんや放射線治療の既往
- ホルモン治療歴
- 使用中の薬剤
- 不正出血の有無
- 感染症を疑う症状
- 性交痛が起こる場所
- 骨盤底筋の緊張
- 痛みに対する恐怖
などを確認します。
必要に応じて、腟内、腟前庭部、外陰部を分けて診察します。
患者さんが「腟が痛い」と表現していても、実際の痛みの中心が腟壁ではなく、腟入口部の前庭にある場合があります。
また、「外陰部がかゆい」という症状の原因が、カンジダ腟炎、細菌性腟症、接触皮膚炎、硬化性苔癬などである可能性もあります。
診察の結果、レーザーよりも先に、
- 感染症治療
- 外陰部皮膚疾患の治療
- ホルモン治療
- 保湿ケア
- 骨盤底リハビリテーション
- 疼痛治療
などをご提案することがあります。
これはレーザー治療を否定するということではありません。
症状の原因に対して、より適切な順序で治療を行うためです。
なぜ再診料も必要なのでしょうか?
モナリザタッチは、一度照射したら、その後の評価が不要な治療ではありません。
再診では、
- 前回の治療後に痛みや出血がなかったか
- 分泌物やかゆみが増えていないか
- 症状がどの程度改善したか
- 前庭部の圧痛が変化したか
- 腟粘膜や外陰部の状態がどう変化したか
- 次回の出力や照射範囲を変更する必要があるか
- ホームケアが適切に行われているか
などを確認します。
レーザー治療の効果や副作用には個人差があります。
前回と同じ条件で機械的に繰り返すのではなく、治療後の反応を評価しながら、次の照射条件を調整することが重要です。
保険診療の検査と自由診療のレーザーは同時に受けられますか?
日本の医療制度では、保険診療と保険外診療を一連の診療として無制限に組み合わせることはできません。
モナリザタッチの適応を判断するための診察や、レーザー施術後の評価は、自由診療であるモナリザタッチと一体の診療として扱われます。
したがって、
「診察だけ健康保険を使い、レーザーの施術料金だけを自費にする」
という扱いは、原則として適切ではありません。
一方で、モナリザタッチとは独立した病気があり、保険診療上必要な検査や治療を行う場合には、診療目的と内容を明確に分けたうえで、保険診療を行うことがあります。
例えば、
- 原因不明の不正出血の精査
- 子宮頸部細胞診
- 腟炎や性感染症の診断・治療
- 膀胱炎に対する尿検査・治療
- 外陰部皮膚疾患の診断・治療
などです。
何が保険診療となり、何が自由診療となるかは、症状、診断、検査の目的、その日の診療内容などによって異なります。
保険で受けられる代替治療はありますか?
症状の原因によっては、モナリザタッチ以外の治療が適している場合があります。
腟炎や感染症がある場合
細菌性腟症、カンジダ腟炎、トリコモナス腟炎、性感染症などを検査し、原因に応じた薬物治療を行います。
外陰部皮膚疾患がある場合
接触皮膚炎、湿疹、硬化性苔癬などでは、外用薬などの治療を優先します。
膀胱炎や尿路感染症がある場合
尿検査や尿培養を行い、必要に応じて抗菌薬などを使用します。
ホルモン低下が主な原因の場合
患者さんの年齢、症状、既往歴に応じて、ホルモン補充療法や局所治療などを検討できる場合があります。
骨盤底筋の過緊張がある場合
骨盤底リハビリテーションや、痛みのない範囲から始める段階的なセルフケアが必要になることがあります。
保険診療だから必ず優れた治療であり、自由診療だから必ず高い効果があるということではありません。
症状の原因、身体所見、既往歴、患者さんの希望を踏まえて、治療法ごとのメリットとデメリットを比較することが大切です。
費用だけで医療機関を選ばないでください
自由診療では医療機関によって費用が異なるため、治療費を比較することは大切です。
しかし、同じ「モナリザタッチ」という名称であっても、
- どの機器を使用しているか
- 医師が治療前に診察するか
- 感染症や皮膚疾患を鑑別するか
- 腟内だけでなく前庭部や外陰部も評価するか
- 照射条件を患者さんごとに調整するか
- 治療後の診察があるか
- 副作用が起きた場合に対応してもらえるか
- ホームケアの指導があるか
などに違いがあります。
1回の施術料金だけではなく、
- 初診・再診を含めた総額
- 標準的な治療回数
- 追加照射の費用
- 維持治療の可能性
- 治療後の診察料
- 効果が得られなかった場合の対応
- 副作用が起きた場合の対応
まで確認することをおすすめします。
医療費控除の対象になりますか?
自由診療であっても、病気や身体症状の治療を目的として医師が行う医療費については、医療費控除の対象になる可能性があります。
一方で、純粋な美容目的や健康増進目的の費用は、一般的には医療費控除の対象となりません。
モナリザタッチが医療費控除の対象になるかどうかは、治療目的、症状、診療内容、税務上の判断によって異なります。
領収書や診療内容が分かる書類は保管し、具体的な取り扱いについては、税務署または税理士へご確認ください。
医療機関から「必ず医療費控除の対象になります」と断定できるものではありません。
なぜ当院は自由診療でも診察を重視しているのでしょうか?
私は2019年から4,300例以上のモナリザタッチ治療を行ってきました。
その中で強く感じているのは、同じ「乾燥」「痛み」「かゆみ」「尿漏れ」という訴えであっても、原因は患者さんごとに異なるということです。
性交痛一つをとっても、
- 腟粘膜の萎縮
- 腟入口部の前庭痛
- 外陰部の乾燥や炎症
- 処女膜の問題
- 骨盤底筋の過緊張
- 神経過敏
- 感染症
- 痛みに対する恐怖
など、複数の原因が考えられます。
レーザーが役立つ患者さんもいれば、レーザーより先に別の治療を行うべき患者さんもいます。
また、同じ患者さんであっても、腟内、腟前庭部、外陰部では組織の性質が異なり、照射条件も同じではありません。
だからこそ私は、施術そのものと同じくらい、施術前の診察と治療後の評価が重要だと考えています。
自由診療の診察料は、患者さんの負担を増やすことを目的としたものではありません。
本当にレーザーが必要なのか、どの部位に治療が必要なのか、安全に照射できる状態なのかを、婦人科医が医学的に判断するための費用です。
まとめ
当院で使用しているスマートサイド・タッチ本体は、日本国内で承認された炭酸ガスレーザー装置です。
医療機器承認番号は、22900BZX00019000です。
子宮頸部異形成などの子宮頸部病変、尖圭コンジローマ、外陰部病変などに対して、切開、蒸散、凝固、止血を目的として使用され、診断や算定要件を満たす場合には保険診療として治療できることがあります。
一方、モナリザタッチとして行う、
- 腟内フラクショナル照射用の専用プローブ・アクセサリー
- GSM
- 腟乾燥
- 腟萎縮
- 性交痛
- 外陰部痛
- 尿漏れや頻尿
などに対する使用目的は、日本国内の承認範囲および公的医療保険の給付対象には含まれていません。
そのため、モナリザタッチによる腟・腟前庭部・外陰部へのフラクショナルCO₂レーザー治療は自由診療となります。
当院の基本費用は、
- モナリザタッチ1回 55,000円(税込)
- 院長指名料 22,000円(税込)
- 初診料 6,600円(税込)
- 再診料 3,300円(税込)
- 腟前庭部レーザー1回 55,000円(税込)
です。
スマートサイド・タッチ本体が承認されていることと、モナリザタッチとしての専用プローブや治療目的が承認されていること、さらに健康保険が適用されることは、それぞれ別の問題です。
整理すると、
01レーザー本体は国内承認医療機器です。
02モナリザタッチで使用する腟内フラクショナル照射用プローブと、GSM・腟乾燥・性交痛などに対する治療目的は、国内承認の範囲外です。
03そのため、モナリザタッチは自由診療となります。
私は、自由診療だからこそ、効果だけを強調するのではなく、
- 国内承認の状況
- 治療の目的
- 標準的な回数
- 費用
- 副作用やリスク
- 効果の個人差
- 代替となる治療
について正しく説明することが重要だと考えています。
私が目指しているのは、単にレーザーを照射することではありません。
患者さんの症状の原因を診断し、必要な部位へ、必要な治療を、安全に行うことです。
保険診療と自由診療、承認医療機器と承認範囲外の使用の違いをご理解いただいたうえで、患者さんご自身が納得できる治療を選択していただきたいと考えています。
治療・受診をご検討の方へ
料金だけでなく、症状の原因と治療の適応を確認します
モナリザタッチを希望される場合も、まず診察で症状の場所、感染症や皮膚疾患の有無、レーザー以外の治療を優先すべき状態がないかを確認します。
オンライン診療では、症状や受診先についてご相談いただけますが、視診・触診・内診・検査・レーザー施術はできません。出血、強い痛み、発熱、急な悪化、できもの・ただれ、排尿困難などがある場合は、来院による診察をご検討ください。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



