モナリザタッチは初診当日に受けられる?施術前に確認する10項目
更新日:2026.07.27
患者さんからよくいただくご質問
「モナリザタッチを受けたいのですが、初診当日に施術できますか?」
先に結論
まず診察を行い、施術が適しているかを確認します。診察・検査の結果によっては、初診当日に施術できる場合もあります。
一方で、感染症や炎症、不正出血、皮膚疾患などが疑われる場合は、必要な検査や治療を優先し、モナリザタッチは別の日にご案内します。
モナリザタッチは、腟や外陰部の乾燥、萎縮性変化、性交痛などに対して、組織の状態を整えることを目的に行うCO₂フラクショナルレーザー治療です。
ただし、どなたにも同じ部位・同じ方法で照射すればよい治療ではありません。似た症状でも、原因や痛みの場所、皮膚・粘膜の状態は一人ひとり異なります。
当院では2019年11月にモナリザタッチを導入し、2026年6月までに累計4,200件を超える施術を行ってきました。その経験から、レーザーを照射する前に症状の背景を確認することが、適切な治療選択につながると考えています。
この記事でお伝えしたいこと
診察は「施術前の形式的な確認」ではなく、モナリザタッチを行うか、別の治療を優先するか、どこにどのように照射するかを決める大切な治療プロセスです。
目次
モナリザタッチの施術前に確認する10項目
当院では、主に次の10項目を確認しています。すべての方に同じ検査を行うわけではなく、問診や診察結果に応じて必要な検査を選びます。
確認する項目を一覧で見る
CHECK 01|感染・炎症
感染症(カンジダ・細菌性腟症・性感染症など)
かゆみ、痛み、におい、おりものの変化がある場合は、感染症や腟内環境の乱れが関係していることがあります。
確認する主な感染症には、次のようなものがあります。
- カンジダ腟炎
- 細菌性腟症
- トリコモナス感染症
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
活動性の感染や強い炎症が疑われる状態では、レーザー治療を急がず、検査と原因に応じた治療を優先します。
感染症の既往があるだけで一律に施術できないわけではありません。治療後に症状や炎症が落ち着き、診察で問題がないことを確認してから施術を検討します。
CHECK 02|ウイルス感染
性器ヘルペスの症状・既往歴
外陰部に痛み、水ぶくれ、ただれ、潰瘍などがある場合は、性器ヘルペスの可能性を確認します。
ヘルペスは一度感染すると神経節に潜伏し、疲労、ストレス、体調不良などをきっかけに再発することがあります。
現在症状がある場合は施術を延期し、抗ウイルス薬などによる治療を優先します。過去にヘルペスを発症したことがある方には、再発の頻度、直近の症状、治療歴などを伺います。
水疱や潰瘍などの活動性病変がなく、粘膜・皮膚の状態が落ち着いていることを診察で確認したうえで、施術時期を判断します。
CHECK 03|ホルモン・粘膜
GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の状態
乾燥、ヒリヒリ感、灼熱感、性交痛、頻尿、尿道まわりの違和感などは、閉経前後・閉経後の女性ホルモン低下によって起こるGSMが関係していることがあります。
一方で、同じような症状でも、感染症、皮膚疾患、慢性炎症、神経の過敏化、骨盤底筋の緊張などが関係している場合があります。
腟内、腟前庭部、外陰部の状態を確認し、レーザーの照射部位、回数、保湿や薬物療法などとの組み合わせを一人ひとりに合わせて考えます。
CHECK 04|痛みの評価
痛みが生じる場所
「性交痛があります」という訴えだけでは、原因や治療方法を決めることはできません。当院では、どこに、どのようなときに痛みが生じるかを確認します。
- 外陰部
- 腟前庭部
- 腟の入口
- 腟内
- 腟の奥・下腹部
入口の痛みと、腟の奥や下腹部に響く深部性交痛では、考えられる原因が異なります。深部性交痛では、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、卵巣疾患、骨盤内の炎症や癒着などの確認が必要になることがあります。
痛みの中心が腟前庭部や外陰部にあるのか、腟内にあるのか、子宮・卵巣周辺にあるのかを確認し、レーザー治療が適しているかを判断します。
CHECK 05|外陰部の皮膚
皮膚疾患の有無
外陰部のかゆみ、痛み、白色変化、ひび割れ、ただれなどは、皮膚疾患によって起こることがあります。
- 硬化性苔癬
- 扁平苔癬
- 接触皮膚炎
- 慢性湿疹
症状や状態によってはレーザー治療を組み合わせることもありますが、まず皮膚疾患そのものの診断と薬物療法などを優先した方がよい場合があります。
皮膚の色、厚み、傷、炎症の範囲などを確認し、レーザーを行うか、皮膚疾患の治療を先に行うかを判断します。
CHECK 06|既往歴・治療歴
がんの既往歴と現在の治療
乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの既往歴と、手術、薬物療法、ホルモン療法、放射線治療などの治療歴を確認します。
特に乳がん治療後にホルモン療法を受けている方では、強い乾燥や性交痛が生じることがあります。また、骨盤への放射線治療歴がある場合は、組織の状態や傷の治り方を慎重に評価する必要があります。
現在の治療内容、主治医からの説明、腟や外陰部の組織の状態を確認します。状態によっては照射方法を調整するほか、施術を行わない、またはほかの治療を優先する場合があります。
CHECK 07|全身状態
膠原病などの全身疾患
シェーグレン症候群、全身性強皮症、全身性エリテマトーデス(SLE)などでは、皮膚や粘膜の乾燥・菲薄化がみられたり、炎症や傷の治り方に影響したりすることがあります。
病気の活動性や現在使用している薬によっても判断が変わるため、既往歴、通院状況、内服薬などを確認します。
全身状態と皮膚・粘膜の状態を踏まえ、施術の可否や照射範囲を慎重に判断します。必要に応じて、先に主治医へ確認していただくことがあります。
CHECK 08|婦人科検診
子宮がん検診の受診状況・不正出血の有無
モナリザタッチは、診察で適応を確認した良性疾患・症状に対して行う自由診療です。
長期間子宮頸がん検診を受けていない場合や、不正出血、性交後出血などがある場合は、レーザー治療を行う前に、検診や原因を確認するための検査をご案内することがあります。
出血の原因が確認できていない場合は、必要な診察・検査を優先します。検診結果や精密検査の結果によって、施術時期を改めて判断します。
CHECK 09|症状とご希望
性交痛の状況・治療で目指したいこと
性交痛の治療では、現在の症状だけでなく、「どのような場面で困っているか」「治療によって何を目指したいか」も大切な情報です。
- 挿入時や性交中の痛みに悩んでいる
- 痛みへの不安や恐怖で性交渉が難しい
- 現在は性交渉がないが、将来的には希望している
- 診察やセルフケアでも痛みを感じる
無理に詳しくお話しいただく必要はありません。お話しできる範囲で症状やご希望を伺い、診察方法にも配慮しながら治療方針を一緒に考えます。
レーザーだけでなく、保湿、薬物療法、骨盤底筋の緊張への対応、段階的なセルフケアなどを組み合わせる必要があるかを検討します。
CHECK 10|出産後の変化
経腟分娩歴・会陰や骨盤底の状態
経腟分娩の経験や回数、出産からの経過期間、会陰切開・会陰裂傷、吸引分娩などの有無を確認します。
出産による腟や骨盤底への影響には個人差があり、尿もれ、腟のゆるみ、性交時の違和感、会陰のつっぱりや痛みなどに関係している場合があります。
腟や外陰部だけでなく、会陰の傷あとや骨盤底の状態も確認し、レーザーの照射部位、骨盤底筋への治療、瘢痕への対応などを組み立てます。
初診からモナリザタッチ施術までの流れ
施術を希望される場合も、最初からレーザー照射だけを行うのではなく、次の流れで適応を確認します。
問診・婦人科診察
症状、既往歴、治療歴、ご希望を伺い、外陰部や腟内、必要に応じて子宮・卵巣の状態を確認します。
必要な検査
感染症検査、子宮がん検診、超音波検査などから、症状に応じて必要な検査をご案内します。
施術可否と治療計画
当日施術が可能か、別の治療を優先するか、照射部位や回数をどうするかをご説明します。
モナリザタッチ施術前のよくある質問
10項目すべてについて検査を受けるのでしょうか?
いいえ。10項目は施術前に確認する視点です。問診や診察で症状を整理し、感染症検査、超音波検査、子宮がん検診などから必要なものを選びます。
初診日にモナリザタッチを受けたい場合、予約時に伝えた方がよいですか?
はい。予約時や問診票で施術希望とお伝えください。ただし、診察結果や当日の予約状況によっては、施術を別日にご案内する場合があります。
感染症やがん治療の経験があると、施術は受けられませんか?
既往歴だけで一律に施術できないわけではありません。現在の症状、治療内容、炎症や組織の状態を確認したうえで個別に判断します。お薬手帳や検査結果、主治医からの説明資料があればお持ちください。
来院前にオンライン診療で相談できますか?
症状や受診先、治療の選択肢について事前にご相談いただけます。ただし、オンライン診療では視診・触診・内診・検査・レーザー施術はできないため、最終的な適応判断には来院が必要です。
一人ひとりに合わせたモナリザタッチを
モナリザタッチは、「レーザーを当てれば終わり」の治療ではありません。
症状の原因、痛みの場所、皮膚や粘膜の状態、既往歴、ライフステージ、治療で目指したいことは、患者さん一人ひとり異なります。
当院では、腟内だけでなく、外陰部、腟前庭部、会陰、腟内環境、必要に応じて子宮・卵巣や骨盤底の状態まで確認します。そのうえで、モナリザタッチが適しているのか、別の治療を優先すべきなのか、ほかのケアを組み合わせるのかをご提案します。
「自分の症状は相談してよいのかな」「モナリザタッチが自分に合うのか分からない」と迷われている方も、まずは現在のお悩みをお聞かせください。
モナリザタッチについて
- モナリザタッチは自由診療です。
- 主な料金は、1回55,000円、ポイントモナリザタッチ1回33,000円、腟前庭部レーザー1回33,000円です。初診料6,600円、再診料3,300円、表面麻酔3,300円、シェービング3,300円が別途必要になる場合があります。価格は税込みです。
- 施術後に痛み、ヒリヒリ感、少量の出血などが生じることがあります。
- 症状の変化や治療への反応には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
- 施術の適応、料金、治療回数、注意事項は診察時にご説明します。最新情報はモナリザタッチの治療ページをご確認ください。
治療・受診をご検討の方へ
施術を希望される場合も、まず診察で症状と適応を確認します
レーザー治療を行うことだけを目的にせず、現在のお悩みに合う治療を一緒に考えていきます。
オンライン診療では症状や受診先についてご相談いただけますが、視診・触診・内診・検査・レーザー施術はできません。出血、強い痛み、発熱、急な悪化、できもの・ただれなどがある場合は、来院による診察をご検討ください。
2026年7月開催 無料WEBセミナーのご案内
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



