【講演報告】キッセイ薬品工業株式会社 社員研修会|日本発の子宮筋腫治療薬「イセルティ®」への期待
更新日:2026.08.19
昨日、キッセイ薬品工業株式会社の社員研修会で講演をさせていただき、無事に終えることができました。
今回お話ししたテーマは、月経困難症治療の歴史と、子宮筋腫に対する薬物治療についてです。
社員の皆様が最後まで熱心に耳を傾けてくださり、私自身も「これから、子宮筋腫に悩む患者さんにどのような治療を届けていくべきか」を、改めてじっくり考える機会となりました。
日本で創製された子宮筋腫治療薬「イセルティ®」
イセルティ®(一般名:リンザゴリクスコリン)は、キッセイ薬品工業株式会社が日本で創製した、経口投与可能な非ペプチド性GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストです。
下垂体にあるGnRH受容体に作用し、卵巣から分泌されるエストロゲンなどの性ホルモンを低下させることで、子宮筋腫による出血や痛みなどの症状を改善するお薬です。
- 日本で創製された経口GnRHアンタゴニストです
- 子宮筋腫に伴う過多月経、下腹痛、腰痛、貧血の改善を目的に使用されます
- 食前・食後を問わず、生活スタイルに合わせたタイミングで服用できます
- 医師が症状や筋腫の状態、妊娠希望などを確認したうえで処方するお薬です
月経の痛みや出血を我慢している女性へ
子宮筋腫では、月経時の強い痛みや過多月経、それに伴う貧血などにより、仕事や家事、育児、外出といった日常生活が大きく制限されてしまうことがあります。
「生理だから仕方がない」
「筋腫があるから我慢するしかない」
そう思いながら、つらい症状を抱えて生活している女性は、今も少なくありません。
新しい治療薬が登場することで、これまで疼痛や出血のコントロールが難しかった患者さんにも治療の選択肢が広がり、少しでも安心して生活できるようになることを願っています。
食事のタイミングを気にせず服用できることも特徴
イセルティ®は、食事の影響を受けにくく、食前・食後を問わず服用できる点も特徴の一つです。
仕事や育児などで生活時間が一定しない現代女性にとって、食事のタイミングを気にせず服用できることは、治療を継続するうえで大切な要素だと思います。
子宮筋腫の治療は一人ひとり異なります
もちろん、子宮筋腫の治療は、お薬の効果だけで決めるものではありません。
筋腫の大きさや位置、出血や疼痛の程度、貧血の有無、年齢、妊娠希望、仕事や生活環境、そして患者さんご本人が治療に何を望んでいるのか。それぞれを丁寧に確認しながら、その方に合った治療を一緒に考えていくことが大切です。
イセルティ®は、子宮筋腫そのものを根治するお薬ではなく、手術までの保存療法や閉経前の保存療法として使用することが基本です。
エストロゲンを低下させる作用があるため、ほてり、多汗、頭痛、不正出血などがみられることがあります。また、骨塩量への影響を考慮し、投与期間は原則として6か月以内とされています。
妊娠の可能性、授乳、ほかに服用しているお薬などによっても判断が異なるため、必ず医師の診察を受けたうえで治療を開始します。
患者さんの声を伺いながら臨床経験を積み重ねます
発売されて間もないお薬ですので、これから実際に処方し、効果や体調の変化、服用のしやすさなどについて患者さんの声を伺いながら、臨床での経験を積み重ねていきたいと思います。
新しい治療の選択肢が、月経の痛みや出血に悩む女性たちの毎日を少しでも軽くし、その人らしい生活を取り戻す助けになることを期待しています。
生理用品を短時間で交換する、血のかたまりが出る、痛みで日常生活に支障がある、貧血を指摘されたという方は、一度婦人科へご相談ください。診察や超音波検査などを行い、ご希望も伺いながら治療方法を一緒に考えます。
セミナースライド資料(一部公開)






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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



