妊娠初期症状はいつから・いつまで? 超初期の兆候チェックリスト20と陽性後のロードマップを産婦人科医が解説。
更新日:2025.12.12
その「違和感」は赤ちゃんからのサインかも?
「なんだか体が熱っぽい」「いつもより胸が張る気がする」……。
生理予定日が近づくと、少しの体調変化にも敏感になりますよね。「もしかして妊娠?」という期待と同時に、「ただの風邪かな?生理前かな?」という不安も尽きないものです。
ネットで検索をしても情報が溢れすぎていて、「今の私に必要な情報はどれ?」「結局、いつ病院に行けばいいの?」と迷子になってしまう方は少なくありません。
そこでこの記事では、産婦人科医監修のもと、妊娠初期の不安を解消するための情報を網羅しました。
【結論だけ知りたい方へ】
妊娠初期症状は
「いつから出て、いつまで続くのか?」
を端的にまとめると、次のようになります。
・妊娠初期症状が出始める目安:生理予定日ごろ(妊娠4週)〜
・症状がおさまってくる目安:妊娠12〜16週ごろ
・代表的な症状:だるさ・眠気・むかつき(つわり)・胸の張り・においへの敏感さ など
・妊娠の「決め手」になるのは症状ではなく、生理予定日以降の妊娠検査薬の陽性反応と、産婦人科での超音波検査です。
Check point
・妊娠初期症状は「性行為から14日以降」が最も多いですが、生理予定日以降の妊娠検査薬と産婦人科での超音波検査での胎嚢確認が確実です。
・妊娠判定陽性でも胎嚢が確認できるまで数日要しますので、妊娠の有無を早期に判断するには妊娠検査薬の陽性反応が有効です。
・症状が強くても弱くても、妊娠検査薬が非常に重要です。陽性の場合は、迷わずに産婦人科を受診しましょう。
【この記事でわかること】
- 妊娠初期症状が「いつから・いつまで」続くのか
- 性行為から何日後に症状や反応が出るのか
- 吐き気・腰痛・おりものなど、妊娠初期によく見られるサイン
- 「すぐ受診すべき症状」と「様子見でいい症状」の目安
- 初診の内容と費用の目安、今日から気をつけること
※症状別に詳しく知りたい方は、本文中のリンクからそれぞれの解説記事をご覧ください。このガイドを通して、今のあなたの状態を整理し、赤ちゃんを迎えるための正しい一歩を踏み出しましょう。
目次
【早見表】妊娠初期症状はいつから?週数別の目安

※個人差があり一つの目安です
「妊娠した瞬間から症状が出る」と思われがちですが、実は受精してすぐに症状が出るわけではありません。
まずは、「いつ、どんな確率で症状が出るのか」を確認していきましょう。
妊娠週数はどう数える?「妊娠0週=生理が始まった日」
タイムラインを見る前に、少しだけ「週数の数え方」のお話をします。
妊娠週数は、受精や排卵の日からではなく「最後の生理が始まった日」を妊娠0週0日として数えます。
そのため、妊娠0〜2週は、医学的にはまだ妊娠が成立していない「生理周期の前半(生理中〜排卵前)」に当たります。
「妊娠3週で受精・着床」「妊娠4週ごろに生理予定日」「5〜6週で超音波検査で胎嚢や心拍が見える」という流れをイメージしながら、下の表を見てみてください(※目安であり個人差があります)。
| 妊娠週数 | 状態 | 症状の出現度 | 主な変化 |
|---|---|---|---|
| 0週〜2週 | 生理〜排卵 | なし | ほぼ無症状。妊娠自体はまだ成立していません。 |
| 3週 (着床期) |
受精・着床 | △ まれ | 敏感な人は「着床痛(チクチク)」や、 つわり症状・腹痛を感じることも。 |
| 4週 (生理予定日) |
妊娠判明 | ◯ 増加 | 「あれ?生理が来ない」と感じ始める時期。 熱っぽさ、だるさ、胸の張りが始まる。 |
| 5週 | 胎嚢確認 | ◎ ピークへ | つわり(吐き気)が始まり、 眠気が強くなる。 |
| 6週 | 心拍確認 | ◎ つらい | 本格的なつわりの時期。 匂いに敏感になる。 |
ここでは「妊娠判明前〜6週ごろ」の“出始め”の症状をまとめました。
「では、いつごろまで続くの?」という点については、後半の「妊娠初期症状はいつまで続く?」の章で詳しく解説します。
代表的な妊娠初期症状セルフチェック
ここからは、妊娠初期によく見られる症状をまとめました。
「吐き気」「腰痛」「高温期」など、代表的なサインにいくつ当てはまるかチェックしてみてください。
① 全身の症状(風邪っぽい・だるい・消化器系)
ホルモンバランスの激変により、自律神経や胃腸の働きが影響を受けます。
- 微熱・体が熱っぽい(37度前後の微熱が続く)
- 強い眠気・だるさ(いくら寝ても眠い、体が鉛のように重い)
- 吐き気・ムカつきがある(いわゆるつわりの始まり、胃の不快感)
- 便秘または下痢になりやすい
- 頭痛・めまい・立ちくらみ
- 寒気がする(熱はないのにゾクゾクする、悪寒)
- トイレが近くなる(頻尿・夜中に何度も目が覚める)
- 集中力が低下する
ドクターズ・メモ
「風邪薬を飲んでしまった!」と焦る方が多いですが、妊娠4週未満(生理予定日前)の時期は、医学的には市販の風邪薬の場合、影響がないことがほとんどです。
つまり、妊娠が順調に続いているのであれば、そのときに飲んでしまったお薬が赤ちゃんに直接影響している可能性は低いとされています。もちろん、薬の種類や量にもよりますので、「何をどれくらい飲んだか」をメモしておき、妊婦健診の際に担当医に相談してくださいね。
これらの症状が「風邪なのか、妊娠初期なのか分からない…」と迷われている方は、次の記事でより詳しく確認してみてください。
→ 【妊娠初期の「風邪っぽい」はサイン?頭痛・微熱・寒気・めまい・頻尿まとめ】
※近日記事を公開予定
② お腹・胸・おりものの症状
子宮が大きくなろうとする変化や、血流増加の影響がダイレクトに現れます。
- 下腹部がチクチク痛む(子宮が伸びるような痛み)
- 下腹部やお腹の張り感(生理痛に似た重い鈍痛)
- 腰痛(腰が重だるい、痛む)
- 胸の張り・乳首の痛み(ブラジャーが擦れるだけで痛い)
- 足の付け根が痛む(牽引痛)
- おりものの量が増える
- おりものが水っぽくなる(サラサラした乳白色)
- 少量の出血がある(茶色やピンク色の出血/着床出血の可能性)
危険なサインを見逃さない
軽度の腹痛や出血はよくあることですが、「生理2日目以上の出血」「立っていられない激痛」は流産や子宮外妊娠の可能性があります。ためらわず受診してください。
おりものの色・量が気になる方
→ 【妊娠初期のおりもの完全ガイド】
※近日記事を公開予定
お腹の痛みや出血が不安な方
→ 【妊娠初期の腹痛・出血は流産のサイン?】
※近日記事を公開予定
③ メンタル・感覚の変化
「なんとなく変」という感覚は、実は重要なサインです。
- 基礎体温の高温期が3週間以上続いている(いつもより長い)
- においに敏感になる(ご飯、柔軟剤、スーパーのにおいがダメ)
- 食の好みが変わる(酸っぱいものが欲しい、ジャンクフードばかり食べたい)
- 食欲不振または食欲増進(食べづわり)
- わけもなくイライラする
- 涙もろくなる・情緒不安定
ドクターズ・メモ
この時期のイライラや涙、気分の落ち込みは、あなたの性格のせいではなく、急激に変化したホルモンの影響と思われます。自分を責めないでくださいね。 食事がとれないときも、無理は禁物。「食べられるものを、食べられるだけ」で十分です。赤ちゃんはまだ小さいので、ママの蓄えだけで十分に育ちますよ。
・食事の工夫や生活の注意点を知りたい方
→ 妊娠初期に「気をつけること」OK/NGリスト|食事・薬・運動・旅行
※近日記事を公開予定
・「吐き気」や「気持ち悪さ」が辛い・不安な方
→ 生理前の吐き気・気持ち悪さは妊娠初期(つわり)?
・PMS(月経前症候群)との違いを詳しく知りたい方
→ 生理前症状と妊娠初期症状の違いとは?
チェック結果はいかがでしたか?
もし3つ以上の項目に当てはまり、生理が予定日を過ぎている場合は、妊娠の可能性が高いと言えます。
ただし、妊娠初期症状には個人差があるため、「症状が多いから確実に妊娠している」「少ないから妊娠していない」とは断言できません。
「もしかして…」と思ったら、自己判断で終わらせず、妊娠検査薬と産婦人科受診という確実な方法で確認へと進みましょう。
次にやるべきこと
・生理予定日以降に、市販の妊娠検査薬を使う
・陽性が出たら、産婦人科を受診する
以下の章で、具体的な「検査と受診のスケジュール」を解説します。
妊娠初期症状がない・すぐ消えた…妊娠の可能性はある?
「チェックリストにほとんど当てはまらない」
「最初はあったのに急になくなった」
という方も、決して珍しくありません。
妊娠初期症状は、人によって強さも出方も大きく異なるからです。
全く症状が出ないまま妊娠経過が順調な方
つわりや胸の張りなどが、週数とともに自然と軽くなっていく方
も多くいらっしゃいます。
症状の有無だけで自己判断せず、少しでも不安があれば妊娠検査薬を使用して、早めに産婦人科を受診しましょう。
「症状の強さ」と「赤ちゃんの元気さ(妊娠の経過)」は必ずしも比例しませんので、安心してくださいね。
【緊急度別】妊娠初期症状で「すぐ受診」すべき目安リスト
「症状がない」のも不安ですが、逆に「痛みや出血がある」のも不安なもの。
「結局、どんな時に病院に行けばいいの?」という疑問に対し、受診の緊急度目安をまとめました。
すぐ受診してほしいサイン
ためらわず、診療時間内ならクリニックへ電話、夜間なら救急相談などを検討してください。
-
生理2日目以上の大量の出血が続く
-
うずくまるほどの激しい腹痛
-
めまい・息苦しさ・意識が遠のく感じがある(異所性妊娠の破裂リスクなど)
数日以内に受診を検討してほしいサイン
慌てる必要はありませんが、次回の診察を待たずに産婦人科を受診してください。
-
茶色い出血が何日もダラダラ続く
-
下腹部の痛みが、じわじわと強くなっている
-
つわりで水も飲めず、尿が出ない(重症妊娠悪阻の可能性)、体重5㎏以上減少
-
3日以上の便秘
次回健診で相談すればよいことが多いサイン
妊娠初期にはよくある症状です。安静にして様子を見ましょう。
-
軽いチクチク感・お腹の張り(休むと治まる)
-
1日で落ち着いた少量の茶色いおりもの
-
つわりが辛いけれど、水分は摂れている
妊娠初期症状はいつまで続く?つわり・胸の張りなどの目安

※個人差があり一つの目安です
妊娠初期症状は、「いつから」だけでなく「いつまで続くのか」も気になりますよね。
あくまで目安ですが、よくあるパターンを簡単に整理しておきます。
つわり(吐き気・気持ち悪さ)
・始まり: 妊娠5〜6週ごろ
・ピーク: 妊娠8〜10週ごろ
・おさまる時期: 妊娠12〜16週ごろに、少しずつ軽くなる方が多い
胸の張り・乳首の痛み
妊娠4週ごろから目立ち始め、12〜16週ごろに落ち着いてくることが多いです。その後も、授乳に向けて張り感が続く方もいます。
眠気・だるさ
妊娠初期のホルモン変化が大きい時期(〜12週ごろ)に強く出やすい症状です。いったん落ち着いても、仕事や家事で無理をするとぶり返すことがあります。
妊娠初期症状が現れる理由|ホルモンの変化で体が大きく変わる
「どうしてこんなに体がだるいの?」
「なぜ気持ち悪くなるの?」
「どうしてこんなに眠いの?」
妊娠初期の不調の多くは、赤ちゃんを育てるために分泌される「ホルモンの急激な変化」が原因です。主な3つのホルモンを知っておくと、体の変化にも納得しやすくなります。
・hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
妊娠すると作られる胎盤を形成する絨毛細胞からでる妊娠特有のホルモンです。妊娠検査薬はこのホルモンに反応します。急増することで、吐き気(つわり)やだるさを引き起こすと言われています。
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
妊娠を維持するために体温を高く保つホルモンです。この影響で「熱っぽさ」や「強烈な眠気」が出たり、腸の動きが鈍くなって「便秘」になりやすくなります。
・エストロゲン(卵胞ホルモン)
子宮を成長させるために血流を良くしたり、乳腺を発達させたりします。これにより「おりものの増加」や「胸の張り」が起こります。徹底比較!生理前症状・風邪との違いと妊娠初期症状の見分け方
「熱っぽいけど、風邪?」
「お腹が痛いけど、生理?」
迷いやすい3つの状態を、一覧表で比較しました。
| 特徴 | 妊娠初期 | 生理前(PMS) | 風邪・インフル |
|---|---|---|---|
| 基礎体温 | 高温期が続く (14日以上) |
生理開始とともに 下がる |
急激に上がる (38度超えも) |
| 食欲 | 変化する (ムラがある) |
増す (甘い物が欲しい) |
落ちる |
| おりもの | 増える (サラサラ) |
減る (ネバネバ) |
変化なし |
| 鼻水・咳 | あまりない | ない | ある (喉の痛みも) |
| 腹痛 | チクチク・張り | 重い鈍痛 | 下痢を伴う腹痛 |
一番確実なのは「時間の経過」と「検査」
表で見比べても、症状には個人差があるため、体感だけで100%見分けることは医師でも困難です。
「生理予定日を過ぎても高温期が続く」のが、最も有力な妊娠のサインです。
妊娠初期症状と「いつもの生理前」の違いを知りたい方へ
生理前の不調(PMS)と妊娠初期症状は似ている部分が多いのですが、代表的には次のような違いがあります。
・基礎体温
生理前は、生理が始まるタイミングで高温期がストンと下がるのが一般的です。妊娠している場合は、高温期が生理予定日を過ぎても続き、目安としては「17日以上高温が続く」と妊娠の可能性が高いと考えられます(あくまで目安です)。
・出血のようす
生理では、いつも通りの量の出血が数日〜1週間ほど続きます。いわゆる「着床出血」がある場合は、ごく少量で、茶色〜薄いピンク色の出血が半日〜2日ほどでおさまるパターンが多いとされています。
・おりものの変化
生理前はおりものの量が減り、白く濁って粘り気が出ることが多いです。妊娠初期は、ホルモンの影響でおりものの量が増え、水っぽくサラサラ、または乳白色と感じる方が多くなります。
Check point
ただし、これらはあくまで「傾向」であり、症状だけで妊娠かどうかを断定することはできません。生理前の不調なのか、妊娠初期症状なのか迷うときは、妊娠検査薬と産婦人科での診察で確認することが大切です。
詳しく比較したい方は、こちらも参考にしてください。
→ 【関連記事】生理前症状と妊娠初期症状の違いを徹底解説
妊娠かも?と思ったら「今すぐ」気をつけること
まだ病院に行く前であっても、妊娠の可能性がある時点で「やめるべきこと」と「はじめるべきこと」があります。
控えるべきこと(NG行動)
アルコール・喫煙
赤ちゃんの成長を阻害し流産リスクを高めます。直ちにストップしましょう。
自己判断での薬
それぞれの薬には作用と副作用があります。そのメリットとデメリットを判断して内服薬を調整するので、産婦人科医に相談しましょう。
激しい運動・重労働
転倒リスクのあるスポーツや、お腹を圧迫する動作は避けましょう。
はじめるべきこと(OK行動)
葉酸の摂取
赤ちゃんの脳・神経を作る重要成分です。食事+サプリで摂取しましょう。
体を温める
冷えは子宮収縮の敵です。腹巻きや靴下で保温を。
感染症対策
免疫力が下がっているため、人混みでのマスク着用を徹底しましょう。
しっかりと睡眠をとりましょう。
妊娠初期の生活ガイド詳細
「コーヒーは?」「自転車は?」「性行為は?」など、OK/NGリストはこちら。
→ 【妊娠初期に「気をつけること」OK/NGリスト|食事・薬・運動・旅行】
※近日記事を公開予定
妊娠初期症状は性行為から何日後に出る?
よくある疑問として、「性行為から何日くらいで妊娠が分かるのか?」があります。
ざっくりとした流れは、次のとおりです。
1.性行為 0日目
精子と卵子が出会えば受精
2.受精後 5〜7日ほど
受精卵が子宮にたどり着き、着床(妊娠3週ごろ)
3.着床後
hCGというホルモンが増え始め、体調の変化が出てくる(症状が出始める)
4.生理予定日以降
妊娠検査薬で陽性反応が出はじめる時期
つまり、「性行為から1〜2週間ですぐに症状が出る」わけではなく、早くても生理予定日ごろ(性行為から約2〜3週間後)から少しずつ変化を感じる方が多いです。
検査薬と受診のベストスケジュール
「いつ病院に行けばいい?」という疑問に、明確なスケジュールをお答えします。
Step1. 生理予定日以降に妊娠検査
推奨時期:生理予定日後(妊娠4週目以降)
妊娠検査薬は、月経周期が安定している方であれば「生理予定日ごろ(妊娠4週0日)」から反応し始めます。 ただし、多くの妊娠検査薬は、より正確な判定のために「生理予定日の1週間後」からの使用を推奨していますが、妊娠していれば妊娠判定は陽性になります。
なぜ「1週間後」なの?(検査の仕組み)
妊娠すると、受精卵が子宮内膜に着床し、「絨毛(じゅうもう)」という組織が育ちます。この絨毛からhCGというホルモンが作られ、ママの血液に入り、最終的には尿として排出されます。 妊娠検査薬は、この尿中のhCGをキャッチして妊娠しているかどうかを判定する仕組みです。
フライング検査に注意(偽陰性のリスク)
hCGの量が十分に増えるまでには少し時間がかかります。そのため、生理予定日前〜予定日直後などに検査をすると、妊娠していても陰性と出てしまう「フライング検査」になる場合があります。 月経がその後も来ないときには、再度検査しましょう。
受診ガイド詳細
→ 【妊娠検査薬はいつから正確?フライングの注意点と陽性後の「初診」タイミング】
※近日記事を公開予定
Step2. 産婦人科を予約・受診(妊娠4週後半〜6週)
推奨時期:陽性確認から1週間以内
妊娠4週
胎嚢が見えず、胎嚢の着床位置を確認するために「また来週来てください」といわれることがありますが、妊娠4週でも胎嚢がきちんと確認できる場合があります。気になる症状があれば、産婦人科を受診しましょう。
遅すぎる受診(8週〜)
異所性妊娠(子宮外妊娠)などの異常があった場合、破裂してしまうことや破裂前に診断できても手術室の調整ができず、緊急対応ができない場合があります。
【結論】生理予定日後(妊娠4週〜6週)がベストタイミング
妊娠4週
胎嚢が見えるか見えないかの時期
妊娠5週
胎嚢が見えて、心拍が見えない時期
妊娠6週
胎嚢が見えて、心拍が見える時期
Check point
このステップを踏んで妊娠確認することが大切です。
流産や異所性妊娠について
妊娠4週で妊娠検査薬陽性で、胎嚢が妊娠4週でも妊娠5週でもみえない場合は、早期の流産か異所性妊娠が疑われます。
早期に診断し適切な処置や手術を予定するためには、妊娠4週・妊娠5週の所見が非常に重要です。妊娠4週での産婦人科受診をする必要性を理解しましょう。
初診で行う主な検査と、所要時間の目安
初めて産婦人科を受診するときは、「何をされるんだろう?」と不安になりますよね。一般的な妊娠初期の初診では、次のような検査を行います。
問診
最終月経日、これまでの生理周期、体調の変化、持病や内服中の薬の有無などを確認
尿検査
妊娠反応の最終確認
経腟エコー検査
子宮の中に胎嚢(赤ちゃんの部屋)があるか、心拍が確認できるかをチェック
(必要に応じて)血液検査
貧血・感染症などのスクリーニング
Check point
所要時間は、混雑状況にもよりますが、受付から会計までで1〜2時間前後を見ておくと安心です。 不安な点はメモして持参し、診察の際に遠慮なく質問してください。
初診の費用と持ち物について
妊娠の確認は原則「自費診療」となるため、健康保険証と合わせて1〜2万円ほど用意しておくと安心です。
「補助券は使える?」「保険が効くケースは?」など、お金の不安については以下の記事で詳しく解説しています。
→ 【妊娠のお金、最初いくらかかる?初診費用から出産一時金まで完全ガイド】
※近日記事を公開予定
よくある質問(FAQ)
記事を読んでも解消しきれない、細かな疑問にお答えします。
Q:生理予定日前に“妊娠超初期症状”のようなサインが出ることはありますか?
まれですが、「妊娠超初期症状」として感じる方もいます。医学的には妊娠4週未満(生理予定日前)に症状が出ることは少ないですが、敏感な方は「着床出血」や「下腹部のチクチク感」、「異常な眠気」などを感じることがあります。ただし、症状だけで妊娠を確定することはできないため、生理予定日後から妊娠検査薬で確認しましょう。
Q:妊娠検査薬で一度陽性が出たのに、その後生理のような出血がありました。
「化学流産」と呼ばれる、ごく早い時期の流産の可能性があります。
受精卵が着床したものの、妊娠が続かなかった状態を指します。医学的には「流産」に含まれますが、特別な処置は必要ないことがほとんどです。ただし、出血の量や色、腹痛の有無によって対応が変わります。不安な場合は、検査薬の結果や出血の状況をメモして、早めに産婦人科を受診してください。
詳しくはこちら
→ 【妊娠初期の腹痛・出血は流産のサイン?】
Q:下腹部が痛いのですが、流産の兆候ではないですか?
「チクチク」「ズキズキ」程度なら、子宮が大きくなる痛みであることが多いです。妊娠初期は子宮が急速に大きくなるため、靭帯が引っ張られて痛みを感じることがよくあります。
ただし、「うずくまるほどの激痛」や「生理2日目以上の大量出血」を伴う場合は、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性があります。我慢せず、すぐに受診してください。
Q:妊娠検査薬の線がとても薄いのですが、陽性ですか?
薄くても線が出ていれば「陽性」の可能性が高いです。尿中のホルモン(hCG)濃度がまだ低い場合、線が薄くなることがあります。この段階での妊娠の可能性が高いです。数日後にもう一度検査をして、線が濃くなっていれば妊娠はほぼ確実です。
※数分〜数時間経ってから出るグレーの線(蒸発線)の場合は、陰性の可能性があります。
Q:2人目(経産婦)ですが、1人目と症状が全然違います。大丈夫でしょうか?
1人目と2人目で、妊娠初期症状の出方が違うことはよくあります。
つわりの有無や強さ、胸の張り・眠気の感じ方などは、そのときのホルモンバランスや体調によっても変わります。前回と違うことはよくあるので、出血量や痛みの強さ、基礎疾患の有無などを目安にしてください。
Q:初診の費用はどれくらいかかりますか?保険証は必要ですか?
妊娠の確認は自費診療(保険適用外)となり、1万円前後が目安です。
正常な妊娠・分娩は病気ではないため、健康保険が使えません。ただし、出血や腹痛があり検査や処置が必要な場合や、切迫流産などの診断がついた場合は保険適用になることがあります。必ずマイナンバーカード(または健康保険証)をお持ちください。
詳しくはこちら
妊娠中にもらえるお金や、費用の総額について知りたい方はこちらをご覧ください。
→ 【妊娠のお金、最初いくらかかる?初診費用から出産一時金まで完全ガイド】
Q:パートナーと一緒に受診してもいいですか?
もちろんです。ぜひご一緒にいらしてください。
海老根ウィメンズクリニックでは、男性パートナーの同伴も歓迎しています。エコーで赤ちゃんの様子を一緒に見たり、今後の生活について二人で説明を聞くことで、パパになる実感も湧きやすくなります。
Q:双子(多胎妊娠)の場合、妊娠初期症状は重くなりやすいですか?
双子などの多胎妊娠では、hCGなどのホルモン量が単胎妊娠より多くなるため、つわりが強く出る方もいます。
ただし、「症状の強さ=赤ちゃんの元気さ」ではありません。症状がつらいときは我慢せず、早めに産婦人科で相談してください。
Q:持病があり、以前から薬を飲んでいます。妊娠が分かったらすぐ中止した方がいいですか?
自己判断で急に中止するのは危険です。
基礎疾患(高血圧・糖尿病・てんかんなど)の治療をやめることで、お母さんの体調が悪化してしまう場合もあります。「いつから、どの薬を、どのくらい飲んでいるか」をメモにまとめ、できるだけ早く主治医(内科や精神科など)と産婦人科、両方に相談してください。妊娠中でも使えるお薬に切り替えられることも多くあります。
【海老根院長からのメッセージ】
妊娠初期は、喜びと同じくらい不安も大きい時期です。
「こんなことで受診していいのかな」「怒られたらどうしよう」と思い、ひとりで我慢してしまう方も少なくありません。
でも、本来は「心配だから確認したい」という受診こそ、歓迎されるべきものです。
症状が強くても軽くても、検査結果が「何も問題ありませんよ」で終わることも、とても大切な安心材料になります。
気になることがあれば、どうぞ遠慮なく相談にいらしてくださいね。
まとめ|「自己判断」で終わらせず、専門家へ相談を
今回は、妊娠初期症状の「いつから・いつまで」「どんな症状が出やすいか」、そして生理前や風邪との違いについてご紹介しました。
妊娠初期症状のチェックリストは、あくまで「気づき」のためのツールです。
「たくさん当てはまるから妊娠だ」と決めつけたり、逆に「症状がないから大丈夫」と放置したりせず、必ず妊娠検査薬と医師の診察で確認しましょう。
妊娠初期は、体も心も大きく変化する時期です。
「これって普通なのかな?」「病院に行くほどではないかも」と迷いながら、不安を一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
白金高輪海老根ウィメンズクリニックでは、妊娠初期の体調の変化や受診タイミングのご相談も含め、女性のライフステージに寄り添った診療を行っています。
東京メトロ南北線・三田線「白金高輪駅」からすぐの場所にあり、港区・品川区・目黒区など近隣エリアからも多くの方にお越しいただいています。
「妊娠しているかどうか確かめたい」「妊娠初期の症状がつらい」「流産や赤ちゃんへの影響が心配」など、どんな小さな不安でもかまいません。
気になる症状や心配ごとがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
一人ひとりの背景をうかがいながら、今できるベストな選択肢をご一緒に考えていきましょう。
ご予約について
予約制となっております。
【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
平日受診できない方に通院していただきやすいよう、毎朝8時30分から診療を受け付けています。
※最新の診療情報は「お知らせ」よりご確認ください
オンライン診療も対応しておりますので遠方の方やご来院が難しい方は是非ご利用ください。
オンライン診療も実施中
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。





