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生理・妊娠

【産婦人科医監修】生理前症状と妊娠初期症状の違いを徹底解説|症状チェックリストと見分け方まとめ

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「生理前の不調かな?でも、もしかして妊娠?」

生理予定日が近づくにつれ、胸の張りや下腹部痛、眠気といった体のサインに、「いつも通り」と感じながらも、心のどこかで「いつもと違うかも」と期待や不安が入り混じる

そんな経験はありませんか?

 

その症状は、多くの女性が経験する月経前症候群(PMS)なのでしょうか。

それとも、新しい命のサインである妊娠初期症状なのでしょうか。

この記事では、産婦科専門医が、生理前と妊娠初期の症状の見分け方を徹底解説します。

 

ご自身の症状を客観的に振り返るセルフチェックリストから、基礎体温やおりものの変化、妊娠の可能性を判断する医学的なポイントまで、あなたの疑問と不安に一つひとつ丁寧にお答えします。

この記事を読み終える頃には、ご自身の体の状態への理解が深まり、「次に何をすべきか」が明確になっているはずです。

 

目次

まず結論から|生理前と妊娠初期の症状は、なぜこんなに似ているの?

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多くの方が症状の違いを知りたいと思う中で、まずお伝えしたいのは「両者の症状は酷似しており、症状だけで断定はできない」という事実です。

その理由は、どちらの症状も「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という一つの女性ホルモンの影響で引き起こされるからです。

生理前(PMS

排卵後、黄体ホルモンの分泌量が増え、妊娠の準備をします。

このホルモンの影響で、眠くなったり、イライラしたり、体に様々な不調が現れます。妊娠が成立しないと自然に月経となり、妊娠が成立すると月経はきません。

妊娠初期

妊娠が成立すると、赤ちゃんを育てるために黄体ホルモンの分泌が継続します。

そのため、生理前と同じような症状が続く、あるいはより強く現れるのです。

 

【参考】女性ホルモンの通常周期と妊娠時の比較

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※【図について】本図はホルモン推移を理解するための概念図です。個人の数値や診断を示すものではありません。体調や検査結果は医師にご相談ください。

このように、生理前も妊娠初期も、黄体ホルモン(プロゲステロン)分泌量が増えるため、症状も似通ってくるのです。

「症状だけで一喜一憂しない」ことが、心穏やかに過ごすための第一歩です。

 

なぜ生理前はつらい?PMS(月経前症候群)が起こる仕組みと期間

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生理前の不調(PMS)は、排卵後から月経までのあいだにあらわれ、月経が始まると少しずつ楽になっていくのが大きな特徴です。
毎月ほぼ同じ時期に同じような不調がくり返されるため、「生理前になると必ず調子が悪くなる」と感じる方も多いでしょう。

PMSが起こる期間

PMSの多くは、排卵後から月経開始直前までの「黄体期」にあらわれます。
そして、月経が始むとともに症状が軽くなったり、消えていったりします。

PMSが起こる理由(仕組み)

はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、「生理前の短いあいだにホルモンのバランスが大きく変化すること」が関係していると考えられています。そのなかでも、次のような変化が影響すると言われています。

1.黄体ホルモン(プロゲステロン)の増加

排卵後、黄体ホルモンが増えることで

  • 体温が上がる

  • 眠気が強くなる

  • むくみやすくなる(体に水分がたまりやすい)

  • 便秘がちになる

などの変化が起こりやすくなります。

2.プロスタグランジンの増加

プロスタグランジンは子宮を収縮させる物質で、排卵期や月経期に増えることがあります。
これが過剰になると、

  • 生理痛のような下腹部痛・腰痛

  • 下痢

といった症状の原因になることがあります。

3.脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)の変動

ホルモンバランスの変化は、脳内の神経伝達物質にも影響すると考えられています。
なかでも「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンが減ると、

  • 気分の落ち込み

  • イライラ・不安・過敏さ

  • 甘いもの・炭水化物などの過食

といった精神的な症状が出やすくなるとされています。

PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前不快気分障害)の違い

「PMS(月経前症候群)」は主に身体的な症状が中心であるのに対し、「PMDD(月経前不快気分障害)」はイライラや抑うつなど精神的な症状が強く現れるのが特徴です。

ほとんどのPMSはセルフケアや生活習慣の見直しで対応できますが、気分の落ち込みやイライラが極端に強く、日常生活や仕事、人間関係に著しい支障が出たり、希死念慮(死にたいと思う気持ち)が現れたりする場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性があります。

これは精神科領域の治療も必要となる場合があるため、必ず医療機関にご相談ください。

また、気分の不調だけでなく、【我慢できないほどの胸の張りや眠気】や、【日常生活に支障が出るほどの腹痛】がある場合も、無理をせず婦人科に相談することが大切です。

妊娠初期の症状も、この「黄体ホルモン」が高値を維持することで起こるため、生理前のPMSと症状が非常に似通うのです。

 

あなたの不調はどれ?生理前の症状別セルフケアと詳細解説

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生理前の症状を原因・セルフケア・受診目安で一覧化。気になる症状の詳細は個別記事で確認しましょう。

ご自身の症状が「生理前の不調(PMS)」なのか、「妊娠初期症状」なのか見極めるために、まずはPMSでよく見られる症状を知ることが大切です。

特に気になる症状はありますか?

「いつもと違うかも?」と感じる症状がある方は、それぞれの詳しい解説記事もあわせてお読みください。

・おりものの変化が気になる方

生理前は量が減り、白っぽく粘り気が強くなるのが一般的ですが、妊娠初期は逆に量が増え、水っぽくなる傾向があります。この違いは何なのか、詳しくはこちらをご覧ください。

>>生理前のおりものの変化と妊娠との違いはこちら

・ 胸の張り・強い眠気が気になる方

どちらも生理前によくある症状ですが、妊娠初期との違いは「強さ」と「持続期間」に現れることがあります。PMSなら生理開始で和らぐ症状が、予定日を過ぎても続く・強くなる場合は注意が必要です。見分け方のポイントを解説します。

【生理前の胸の張り・眠気の見分け方】

・腹痛・腰痛がいつもと違う方

生理前はズーンとした重い痛み(生理痛の予兆)が多いですが、妊娠初期は「下腹部がチクチクする」「足の付け根が引っ張られる感じ」など、痛みの“種類”がいつもと違う場合があります。その違いを詳しく見ていきましょう。

【生理前の腹痛・腰痛と妊娠初期症状の違い】

・少量の出血・血が混じる方

生理予定日近くの少量の出血は、「もうすぐ生理が始まるサイン」なのか、妊娠のサインである「着床出血」なのか迷う方が多いです。着床出血はごく少量・短期間という特徴がありますが、不正出血の可能性もあります。それぞれの見分け方を解説します。
※なお、着床出血は全ての妊娠で起こるわけではありません。見られない方のほうが多いとされています。

【生理前の出血と着床出血の違いについて】

生理前の症状別比較表

以下に、PMSの代表的な症状と、ご自宅でできるケア、受診の目安を一覧にまとめました。

症状 主な原因 自宅ケア 受診目安
下腹部痛・腰痛 プロスタグランジン↑で子宮収縮 保温・ストレッチ・刺激物控えめ 我慢できない痛み/片側の激痛/発熱
下痢・便秘・張り 腸管運動の変化・水分貯留 消化にやさしい食事・整腸・軽運動 血便・脱水・体重急減
胸の張り・乳首過敏 黄体ホルモンで乳腺が張る ワイヤー圧少なめの下着・刺激回避 しこり増大・皮膚のえくぼ・血性分泌
眠気・だるさ 体温上昇・睡眠質低下 就寝/起床固定・短時間仮眠・軽運動 日常生活に支障・呼吸異常
気分の落ち込み・イライラ ホルモン変化への感受性(セロトニン低下など) 睡眠・栄養・ストレス対策 PMDD疑い(強い抑うつ/希死念慮)
むくみ・体重増 水分/塩分貯留・血行変化 塩分控え・入浴・軽運動 片側のみの強い腫れや痛み
おりものの変化 排卵後は分泌減少し白濁/粘調 低刺激ケア・通気性の良い下着 悪臭・黄緑・強いかゆみ/痛み

本表は一般的情報です。診断は医療機関で行います。
※妊娠の可能性がある場合、薬は自己判断で開始/中止しないでください。

 

生理前と妊娠初期の違いはいつから?妊娠成立までの流れ

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妊娠していた場合、体の中ではいつから変化が起こり始めるのでしょうか。

排卵から生理予定日までの流れを時系列で見ていきましょう。

1.排卵・受精(約0日目)

卵子が排出され、精子と出会い受精します。

2.細胞分裂

受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管を通って子宮へ移動します。

3.着床(排卵から約610日後、遅い人では12日後)

受精卵が子宮内膜に潜り込み、「妊娠が成立」となります。

4.hCGホルモン分泌開始

着床後、妊娠を維持するための「hCGホルモン」が分泌され始めます。

これが妊娠検査薬で陽性反応を示すホルモンです。

5.妊娠初期症状の出現

hCGホルモンの影響で黄体ホルモンの分泌が続き、生理予定日前後から「妊娠初期症状」として自覚症状が出始めます。

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)とは?

hCGは、着床後に絨毛(胎盤のもと)から分泌され、黄体を刺激してプロゲステロンを保ち妊娠を支えるホルモンです。

 

あなたはどっち?妊娠初期症状セルフチェックリスト

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ご自身の症状を客観的に振り返ってみましょう。

以下の項目で、「妊娠初期に当てはまるかも」と思うものが多ければ、可能性を考えてみてもよいかもしれません。

【体の変化編】

【感覚・気分の変化編】

※1:PMSでも見られることがあります
※このチェックリストは、妊娠を診断するものではありません。あくまで目安としてご活用ください。

 

【症状別】生理前と妊娠初期の違いを徹底比較

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基礎体温・おりもの・出血・胸のはり・腹痛・眠気だるさ・吐き気の順で、PMSと妊娠超初期を比較します。

症状ごとの違いの傾向を一覧表にまとめます。まずは一覧表で、症状ごとの違いの傾向を掴みましょう。

症状 生理前(PMS) 妊娠初期(超初期) 見分け方のポイント
基礎体温 高温期が続くが、生理開始とともに急激に下がる。 普段より高温の状態が17日以上続いている。 【最も客観的なサイン】
高温期が「持続するか、低下するか」。17日以上の持続はヒントになります(診断ではありません)。
おりもの 量は減少し、白く濁って粘り気が出る。 量は増加し、水っぽくサラサラしたり、乳白色になったりする。 生理予定日を過ぎても続くおりものの「量」と「性状」。
おりものの詳しい違いはこちら
出血 月経(生理)が始まる。 ごく少量・短期間(半日~2日程度)の茶色やピンクの出血(着床出血)がある場合も。 「着床出血」はない人も多いです。生理とは明らかに異なる「量」と「期間」が特徴です。
【出血の詳しい見分け方はこちら】
胸の張り 生理開始とともに症状が和らぐ。 生理予定日を過ぎても張りが持続・増強する。乳首が敏感になることも。 症状の「持続期間」。乳輪の色調変化は個人差が大きいため、早期のサインとしては不確実です。
【胸の張りの詳しい違いはこちら】
腹痛 生理痛のようなズーンとした重い痛み。 下腹部がチクチク・シクシク痛んだり、足の付け根が引っ張られるような痛み。 痛みの「種類」と「場所」。
【腹痛の詳しい違いはこちら】
眠気・だるさ 生理が始まると解消される(一過性)。 生理予定日を過ぎても「いつもとは比べ物にならない」ほどの異常な眠気や倦怠感が続く。 日常生活に支障が出るほどの「強さ」と「持続性」。
【眠気の詳しい違いはこちら】
吐気 胃のむかつき程度(ない人も多い)。 「つわり」の始まり。空腹時や特定の匂いで吐き気がするなど、特徴的な症状が出始める。 気持ち悪くなる「タイミング」や「きっかけ」。
※症状の出方には個人差があり、これだけで妊娠を断定することはできません。最終的な判断は妊娠検査薬と医師の診察で行ってください。

症状の出方には個人差があり、これだけで妊娠を断定することはできません。最終的な判断は妊娠検査薬と医師の診察で行ってください。

特に気になる症状を詳しく解説

表で概要を掴んだ上で、特に多くの方が「これって妊娠?」と悩まれる症状について、見分け方のポイントをさらに詳しく解説します。

①【基礎体温の変化】「高温期が続く」が最大のサイン

生理前の体温は、排卵後に黄体ホルモンの影響で上昇し「高温期」に入ります。

これは妊娠に備えて子宮内膜を厚く保つための正常な働きです。そして生理が始まると、黄体ホルモンが減少するため体温はガクンと下がります。

一方、妊娠が成立した場合は、妊娠を維持するために黄体ホルモンが分泌され続けるため、生理予定日を過ぎても高温期が続きます。

具体的には、普段の高温期が17日以上続いた場合、妊娠の可能性が非常に高いと考えられます。体の感覚的な「熱っぽさ」だけでなく、基礎体温を測り続けることが、最も客観的で信頼できる見分け方の一つです。

②【おりものの変化】量・色・性状に注目

生理前のおりものは、排卵期を過ぎると水分量が減り、白濁した粘り気のある状態になるのが一般的です。量は次第に減少していきます。

これに対し、妊娠初期のおりものは、エストロゲンというホルモンの分泌が増える影響で、量が増加する傾向にあります。色は無色透明~乳白色で、性状は「水っぽくサラサラしている」と感じる方が多いです。

また、妊娠のサインとして有名な「着床出血」も、おりものの変化として現れます。これは、受精卵が子宮内膜に着床する際(排卵から約612日後)にごく少量の出血が起こるもので、生理予定日の数日前に「薄いピンク色のおりもの」や「茶色のおりもの」が下着に付着する程度、半日〜2日ほど続くことがあります。

ただし、着床出血は全ての人に起こるわけではありません。

③【胸の張り・痛み】持続期間と乳首の変化

生理前に胸が張って痛むのは、PMSの代表的な症状です。

多くの場合、この張りや痛みは生理が始まると同時に軽快していきます。

妊娠初期の胸の張りとの大きな違いは「持続性」と「強さ」です。生理予定日を過ぎても張りが治まらない、むしろ強くなるといった場合は妊娠の可能性が考えられます。

また、「乳首が下着にこすれるだけで痛い」といった乳首の敏感さは、生理前にはあまり見られない、より妊娠に特有のサインと言えます。(乳輪の色の変化は個人差が大きく、もっと後になってから現れることが一般的です)

④【腹痛・下腹部痛】痛みの種類や場所の違い

生理前の腹痛は、生理本番の痛みに似た「ズーンとした重い痛み」や「鈍痛」が中心です。

妊娠初期の腹痛は、少し痛みの種類が異なります。
子宮が少しずつ大きくなろうとすることで、下腹部がチクチク、シクシクするような軽い痛みや、足の付け根が引っ張られるような違和感を感じることがあります。

ただし、痛みが強い・持続する場合は異所性妊娠などの可能性もあるため、医療機関を受診してください。

⑤【吐き気・気持ち悪さ】つわりの始まりかも?

生理前でも、ホルモンバランスの影響で胃がムカムカしたり、気持ち悪いと感じたりする方はいます。

しかし、妊娠初期の気持ち悪さ、いわゆる「つわり」は、より特徴的です。
代表的なのが「食べつわり」(空腹になると気持ち悪くなる)や「においつわり」(炊きたてのご飯や特定の食べ物の匂いで吐き気を催す)です。

もし、生理予定日を過ぎても気持ち悪い状態が続き、特定の状況で症状が強まるようであれば、それは、つわりの始まりかもしれません。

⑥【眠気・だるさ】「いつもと違う」レベルの倦怠感

生理前に眠くなるのも、黄体ホルモンの作用によるものです。しかし、その多くは生理が始まればスッキリします。

妊娠初期の眠気やだるさは、そのレベルが違います。

「日中、仕事に集中できないほど眠い」
「ソファに座るとすぐに寝てしまう」
「体を起こしているのが辛い」

といった、日常生活に支障をきたすほどの強い倦怠感が続く場合、妊娠のサインである可能性があります。

 

「生理前」の性行為でも妊娠の可能性はある?排卵日のズレと“日数”で考える 

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「生理前でも妊娠するの?」という疑問について解説します。

排卵日のズレと精子の生存で「生理前」でも妊娠はあり得ます。
排卵日からの日数で評価しましょう。
「生理前だから絶対に妊娠しない」とは言い切れません。

排卵日のズレ

妊娠の確率が最も高まるのは「排卵日の直前〜排卵日」です。

しかし、ストレスや体調不良で排卵日が予定より後ろにずれることは珍しくありません。ご自身が「もう生理前」と思っている時期が、実は排卵直前の「妊娠しやすいタイミング」である可能性があります。

精子の寿命

精子は女性の体内で平均2〜3日、条件が整えば最長で5〜7日ほど生存することもあります。

そのため、性交のタイミングが排卵日の数日前であっても、体内で待機していた精子が排卵された卵子と出会い、妊娠に至る可能性があります。

大切なのは、「生理周期の何日目か」といったおおまかな日数の目安ではなく、

「排卵日がいつだったか」や「排卵日(または性行為)から何日経っているか」を基準に考えることです。

妊娠の可能性がある性交があり、いつもと違う症状を感じる場合は、時期にかかわらず妊娠の可能性を考慮することが大切です。

排卵日がずれれば、生理予定日もずれるため、予定日を過ぎても生理が来ないときは、以下の記事で詳しく解説しています。

【生理予定日を過ぎても生理が来ないときの対処法はこちら】

 

生理前に妊娠検査薬は使える?正確な時期とフライングの注意点 

ご自身で確認できる最も確実な方法が妊娠検査薬です。

・妊娠検査薬はいつから反応する?

検査薬は、妊娠が成立すると分泌される「hCGホルモン」を検出します。

このhCGが尿中で検出できる量になるのは、早くても着床(排卵から約6~12日後)してから数日後、つまり生理予定日前後です。月経が正確な場合には、生理予定前から妊娠判定が陽性となる場合があります。

 ・「生理予定日の1週間後」と書いてあるのはなぜ?

市販されている多くの妊娠検査薬は、説明書で「生理予定日の1週間後から使用してください」と記載しています。
これは、

  • 排卵日がずれている場合

  • hCGの立ち上がりに個人差がある場合

なども含め、より確実に陽性・陰性を判断できるタイミングとしてメーカー側が設定している目安です。

 【フライング検査の注意点】

早く知りたいために生理予定日前に使用(フライング検査)すると、hCGホルモン分泌がまだ少ない時期には、妊娠していても陰性(偽陰性)と出ることがあります。

フライング検査で陰性でも、その後生理が来ない場合は、数日〜1週間ほど間隔をあけて繰り返し再検査するか、産婦人科を受診しましょう。

 

【状況別】生理前のつらい症状を和らげるセルフケアと注意点

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妊娠可能性が低い場合はPMSケアを、高い場合は薬の自己判断をせず体を大切に。

生理前や妊娠初期は、ホルモンバランスの影響で心身ともに不安定になりがちです。ご自身の状況に合わせて、適切に対処しましょう。

1.妊娠の可能性が低い・PMS症状を和らげたい場合

毎月のPMSの症状がつらいと感じる方は、以下のセルフケアを試してみましょう。

生活リズムを整える

就寝・起床時間をなるべく固定し、睡眠リズムを整える。

軽い運動

ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動で血行を促す。

食事の調整

・控えるもの:むくみやすい時期は塩分を控える。カフェインやアルコール、刺激物も症状を悪化させることがあるため控えめに。
・食事回数:血糖値の変動を緩やかにするため、1回の食事量を減らし小分けに食べる。

医療機関での治療

セルフケアで改善しない、または日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢しないでください。
婦人科では、症状を和らげるための漢方薬や、ホルモン変動自体を抑える低用量ピルなど、専門的な治療も選択肢となります。

>>ピルとPMSについて

2.妊娠の可能性がある(または希望している)場合

「もしかしたら妊娠かも」と思う時期は、特に体を大切にしてください。

体を冷やさない

保温に努め、血行を良く保ちましょう。

栄養バランス

特定のものを食べるより、バランスの良い食事を心がけましょう。妊娠を計画している段階から推奨される「葉酸」を意識するのも良いでしょう。

カフェインやアルコール

摂取を控えるようにしましょう。

【最重要】薬の使用について

妊娠の可能性がある時、医師の診断のもと、必要がある場合は薬を内服してください。

まずは妊娠検査薬で確認し、薬が必要な場合は必ず医師または薬剤師に「妊娠の可能性がある」ことを伝えてご相談ください。

 

 

これは危険なサインかも?すぐに産婦人科を受診すべき症状

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以下の症状は、異所性妊娠(子宮外妊娠)や切迫流産など、緊急を要する状態のサインかもしれません。

一つでも当てはまる場合は、様子を見ずにすぐに産婦人科を受診してください。

 

・生理の時よりも明らかに多い出血、鮮血が出る
・レバーのような血の塊が出る
・我慢できないほどの下腹部痛、時間が経つにつれ痛みが強くなる
・めまいや失神、冷や汗を伴う腹痛

 

「いつもと違う」「おかしい」
という直感は非常に大切です。不安な時は迷わず専門医を頼ってください。

 

よくある質問(FAQ)|生理前と妊娠初期の違いまとめ

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この記事の要点をQ&A形式でまとめました。ご自身の状況を整理するためにご活用ください。

Q1. 生理前と妊娠初期症状の一番の違いは何ですか?

A1. 最も客観的で信頼できる違いは「hCG検出」です。hCGは胎児の成分から分泌されるため、妊娠していない場合は検出されません。症状の強さや種類だけでの判別は困難です。

Q2. 生理予定日前から妊娠の可能性はわかりますか?

A2. 月経が正確な場合には、生理予定前から妊娠判定が陽性となる場合があります。 ただし、生理予定日前はhCGの分泌がわずかなので、検出できない場合があります。

Q3. 妊娠検査薬はいつ使うのがベストですか?

A3. 市販されている多くの妊娠検査薬は、「生理予定日の1週間後」からの使用を推奨しています。この時期になると、妊娠していた場合に尿中に含まれるhCGホルモンの量が十分に増え、正確な判定がしやすくなります。

Q4. 妊娠検査薬で陽性が出たら、すぐ病院に行くべきですか?

A4. 陽性反応が出たら、早めに産婦人科受診をお勧めします。
妊娠週数により超音波検査で胎嚢が確認できない場合もありますが、正常妊娠かどうかの判定に役立ちます。

Q5. 妊娠の可能性がある時、薬を飲んでも大丈夫ですか?

A5. 医師の診断のもと、必要がある場合は薬を内服してください。

Q6. 生理前でも妊娠する可能性はありますか?

A6. はい。排卵日がずれたり精子の寿命(数日間)の関係で、ご自身が「生理前」と思っている時期の性交渉でも妊娠する可能性はゼロではありません。時期だけで判断せず、必要に応じて検査や受診をしてください。

【生理がこない場合の詳しい原因はこちら】

 

【まとめ】その不安、専門医と一緒に安心に変えませんか?

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生理前と妊娠初期の症状は非常によく似ています。

症状だけで判断するのは難しく、不安な時間を過ごされる方も多いでしょう。

 

基礎体温の高温期が17日以上続いているか
生理予定日を過ぎても症状が持続・悪化しているか
妊娠検査薬で陽性が出たか

 

これらが、ご自身で判断するための一つの目安となります。

しかし、最終的な妊娠の判断、そしてそれが正常な妊娠であるかの確認は、ご自身ではできません。最も大切なのは、一人で悩みすぎないことです。

私たち白金高輪海老根ウィメンズクリニックは、月経の悩みから妊娠、出産、そしてその先のライフステージまで、女性のあらゆる健康の悩みに寄り添うパートナーでありたいと考えています。

「こんなことで受診していいのかな?」という遠慮は全く必要ありません。

あなたのその不安な気持ちを、専門医による的確な診断と温かいサポートで、安心へと変えるお手伝いをさせてください。どうぞお気軽に、私たちにご相談ください。

 

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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