性交痛って膣壁が痛い?痛む部位とセカンドオピニオン、セルフチェック法について。
更新日:2026.04.08
目次
性交痛って、本当に膣壁が痛いの?
性交痛の原因は、膣壁ではないことが多いです。
痛みの部位がわからない性交痛
性交痛の方が、毎日クリニックを訪れます。
「どこが痛いですか?」とお聞きすると、ご自身では疼痛の部位がわからない方がたくさんいらっしゃいます。
性交するときは痛いけれど、どこが痛いのかわからない。
診察してみると、最も多い場所は膣から会陰部にかけての正中の薄い組織と、その周辺です。
性交痛で痛みが出やすい部位は?
膣壁は痛覚神経が少なく、疼痛は膣前庭や会陰部に生じることが多いとされています。
この部分の次に、尿道口の脇が痛い方が多いです。
診察すると、皮膚の薄い部分が少し赤みを帯びていることがあります。このような組織変化は小陰唇の内側に多く、少し触れただけでも痛いことがあります。
粘膜萎縮による疼痛について
臨床的には、この粘膜萎縮による疼痛や、知覚過敏のような症状を呈する方が多いです。
エストロゲンが少ないことが原因なのか、更年期以降の方に多くみられます。
また、以下のような方にもみられることがあります。
・乳がん治療後の方
・長期に低用量ピルを内服していた方
最近は、若い女性でもこの症状の方がいらっしゃいます。
セカンドオピニオンとしての来院
いろいろなクリニックを受診したあと、セカンドオピニオンを求めて来院される患者さんもいらっしゃいます。
そこで、私の知らない世界観で診療が行われていることを知りました。
ケース1. 受診したのは美容外科
性交痛に対して、痛みを感じている部分を外科的に切除しましょうと提案を受けた患者さんです。
もちろん、処女膜強靭症ではなく、正常の外陰と膣の形態の患者さんです。
どこを切るのだろう、と感じました。
本人はどこを切るのか説明を受けておらず、診察所見では疼痛部分は小陰唇内側全部と膣口でした。
これを切除したら、外陰部の形状が変わり、乾燥が止まらなくなるけれど、どのような手術予定なのか疑問でした。
結果として、手術はせず、保湿ケアで性交痛はよくなりました。
ケース2. 受診したのは、やはり美容外科
性交痛を主訴に受診し、処女膜強靭症と診断され、処女膜強靭症治療のために手術を受けた患者さんです。
手術後3週間したら性交して大丈夫と説明を受けたものの、術後も疼痛が全くよくならないという主訴で来院されました。
診察では、処女膜強靭症はなく、手術部位も明らかではありませんでした。どこを切開したのか本人も知らず、診察が難しいほどの疼痛がありました。
会陰部の皮膚の菲薄化が原因のように思われましたが、心理的にきちんとした診察を受けることができない状態でした。
保湿ケアとマッサージを提案し、きちんと性交できるまで経過観察することにしました。
ケース3. 受診したのは血管外科
性交痛に対して、膣内の神経を麻痺させれば疼痛がなくなると説明された患者さんです。
セカンドオピニオンとして来院されました。
診察すると、膣内の疼痛はありませんでした。尿道口の両側および会陰部の菲薄化と疼痛がみられました。
保湿とマッサージを提案し、その後、どうしても疼痛が取れない場合には膣レーザーを提案することを考えています。
性交痛の診察は重要です。診察時に乾燥しているようであれば、保湿剤を使用しながら診察します。
性交痛でお悩みの方へ
まず、ご自身で疼痛部位を確認してください。
Check1.
大陰唇を触って、痛くないかを確認してください。
Check2.
小陰唇のサイズを確認してください。小陰唇が小さい方では、外陰部が露出しやすく、乾燥を感じやすいことがあります。
Check3.
小陰唇の内側を確認してください。一番痛い部位は、肛門から膣の入り口にかけての部分です。その次に多いのが尿道の脇で、その他、小陰唇の内側に痛みが出ることもあります。
Check4.
膣口に指を入れてみてください。
1本も入れられず、処女膜がピンと張って、指が痛くて入れられないようであれば、処女膜強靭症の可能性があります。
必ず婦人科を受診してください。正常な処女膜をたくさん診た経験がないと、処女膜強靭症は診断しにくいです。
Check5.
指が入るようであれば、奥まで確認してください。膣の中に痛い部分がありますか?
セルフチェックの重要性
このように、ご自身で確認していただいたうえで婦人科医と相談すると、診察がスムーズに受けられます。
疼痛部位がわかったら、洗浄、保湿、マッサージを毎日行ってみてください。
強い痛みのある状態でダイレーターを使用すると、膣前庭や膣壁に裂傷を起こすことがあります。
実際に、膣壁裂傷で外来を訪れる患者さんもいらっしゃいます。ダイレーターを使用したい方は、婦人科でご相談ください。
処女膜強靭症は、ご自身でも判断できることがあります。
医師任せにせず、他人任せにせず、ご自身の大切な生殖器を確認することは大切です。
ご予約について
予約制となっております。
【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
平日受診できない方にも通院していただきやすいよう、毎朝8時30分から診療を受け付けています。
※最新の診療情報は「お知らせ」よりご確認ください。
オンライン診療も対応しておりますので、遠方の方やご来院が難しい方はぜひご利用ください。
オンライン診療も実施中
2026年5月開催 無料WEBセミナーのご案内
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。




