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おりものが臭い原因は?においの種類・色・かゆみの有無別のセルフチェックと対処法ガイド

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「おりもののニオイ」は、体のトラブルを非常によく反映します。

何らかの疾患が原因のこともあれば、ストレスなどが原因のこともあり、原因はさまざまです。おりもののニオイが気になるというだけで、すぐに病気とは断定できませんが、放置すべきでない、体からのサインかもしれません。

今回は、おりもののニオイに加えて、色・時期・症状と合わせて、原因や対策をご紹介します。女性の皆さんの健康のバロメーターとして、おりものをよく理解していただきたいと思います。

 

目次

【セルフチェック】おりもののにおい・色・症状から原因を推測

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おりものに異変を感じたら、まずは簡単にチェックしてみましょう。

 


Yes


No

酸っぱいようなニオイがする

 

 

チーズのようなニオイがする

 

 

生臭いようなニオイがする

 

 

かゆみがある

 

 

黄色や茶色っぽく色が変化している

 

 

性行為の後にニオイが強くなる

 

 

ズボンを通してにおうほど強いニオイがする

 

 

不正出血を伴っている

 

 

 

チェックが多いほど、何らかの問題を抱えている可能性が高いです。

おりものは、通常は透明に近い白色で、ニオイはほとんどありませんが、人により少し酸っぱいように感じる場合もあります。ご自身の「通常のおりもの」をまずは知っておくことが大切です。

次から、ニオイの種類や時期、かゆみの有無など「おりものの特徴」ごとに解説していきます。

 

【ニオイの種類別】おりもののニオイと原因

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いつものおりものとニオイが違っているとき、ニオイの系統から原因をある程度予測できる場合もあります。

酸っぱいニオイ

腟内にはデーデルライン桿菌という乳酸菌の一種がすみついています。
そのため、乳酸が作られており、少し酸っぱいようなニオイ、ヨーグルトのようなニオイがするのは正常な状態です。少しニオイが強めの場合、チーズのようなニオイと表現される方もおられます。月経前は、いつもよりもニオイが強くなり、色も白っぽく、やや粘り気が強くなる傾向にあります。

あるいは、腟内のpHバランスが崩れはじめているサインかもしれません。腟カンジダ症も考えられます。

生臭いニオイ

生臭いニオイで、黄緑〜灰色で泡っぽいおりものの場合は、細菌性膣炎かトリコモナス腟炎を疑います。
また、タンポンの抜き忘れで、腟内での時間が経過し、雑菌が繁殖した場合にも生臭いような強いニオイを発することがあります。

魚のようなニオイ

細菌性腟症を疑います。
細菌性腟症の場合、かゆみや痛みは少ない傾向にありますが、人によってはかゆみを感じる場合も少なくはありません。

尿のようなニオイ

膀胱炎や、腟炎の可能性があります。

 

【においの強さ】ズボン越しでも強烈な臭いがする原因

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基本的に、おりもののニオイが「ズボンを穿いていてもわかる」ほど強いのであれば、何らかのトラブルがあると考えてよいでしょう。正常な状態でのニオイの強さにも個人差はありますが、顔を近づければニオイを感じる程度が、正常の範囲と考えてください。

洋服を着ていても感じるほどニオイが強い場合は、次のような疾患やトラブルを考えます。

・細菌性腟症

・腟カンジダ症

・性感染症(とくにトリコモナス腟炎)

・ストレスや洗いすぎによる腟内環境の乱れ

・タンポンの抜き忘れ

 

【時期別】排卵日・生理前後・妊娠・更年期…いつ臭う?

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おりものは、ホルモンバランスによってその性状やニオイが変化します。

排卵日

透明〜白いおりものが増え、ニオイも強くなる傾向にあります。

月経前

白く濁ったような、粘度の高いおりものが増えます。
ニオイも強くなりやすいです。また、ホルモン変化により雑菌が増えやすくなり、腟カンジダ症を起こしやすくなるという方もおられます。

妊娠中

ホルモンの影響で、妊娠していない時期とはおりものが大きく変わります。
初期は比較的さらっとしてニオイも少ないですが、中期〜後期にかけては量が増えて粘度も高くなり、ニオイが強くなることがあります。

性行為後

性行為後は、精液を体外に出そうと自浄作用が働き、おりものの量が増えるのは自然なことです。おりものに精液が混ざり合い、精液のニオイがします。

あるいは、性行為の際に雑菌が入り込み、細菌性腟症などの腟炎起こした可能性も考えられます。数日経過してもニオイが改善しない場合は、腟炎かもしれません。

更年期、閉経後

エストロゲンの分泌低下に伴い、腟内が乾燥し、自浄作用が低下して、細菌増殖がしやすい環境となります。あまり自覚されていない方もおられますが、更年期以後の多くの女性が、萎縮性腟炎の状態になることがあります。

 

【ニオイ+色の変化】黄色・黄緑・茶色など色が変化する原因

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ニオイだけでなく、色も原因を考える上で大きなヒントになります。

黄色いおりもの

通常でも、クリーム色のようなおりものが出る場合はあります。また、細菌性腟症やクラミジア感染症、淋菌感染症(淋病)などでも濃い黄色のおりものが出ます。

黄緑色のおりもの

トリコモナス腟炎の場合、黄緑色や灰色のような色で、泡っぽい性状のおりものがでます。

「おりもの黄色・黄緑色」の詳細はこちら

茶色いおりもの

茶色は、基本的には血液の混入が原因です。不正出血、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮膣部びらん、性行為で腟が傷ついたことなどが考えられます。不正出血の場合、あまり大きなニオイの変化はないことが多いです。

「おりもの茶色」の詳細はこちら


 

【ニオイ+かゆみの有無】かゆみの有無で考えられる原因

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おりもののニオイの変化と、かゆみの有無を合わせて考えることで、原因の特定に役立ちます。

ニオイ+かゆみあり

腟カンジダ症、トリコモナス腟炎、細菌性膣症、デリケートゾーンのアレルギー反応(ソープ、洗濯洗剤、ナプキンなど…)、蒸れによる「かぶれ」などを考えます。

ニオイ+かゆみなし

pHバランスの乱れ、細菌性腟症などを考えます。

「デリケートゾーンのかゆみ」の詳細はこちら

 

【不正出血あり】婦人科疾患のリスクが高いケース

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不正出血を伴い、かつニオイにも変化があるという場合には、何らかの婦人科疾患のリスクが高いです。おりものに微量の血が混じって茶色になっている程度の場合も含め、続くようであれば早めに婦人科でご相談ください。

考えられる婦人科疾患としては、以下のようなものが挙げられます。

子宮頸がん

おりものの量が増え、月経とは無関係のタイミングでの不正出血が増えます。ダラダラと出血が続く方や、性行為やスポーツの後に出血する方が非常に多いです。あまり知られていませんが、おりもののニオイが強くなります。

「子宮頸がん」の詳細はこちら

子宮体がん

子宮体がんは、初期から不正出血の症状が非常に出やすく、おりものの量が増え、ニオイも強くなります。更年期ごろから発症が増えますので、「ホルモンバランスの乱れだろう」と症状を放置していると危険です。

「子宮体がん」の詳細はこちら

子宮肉腫

子宮肉腫は非常にまれですが、不正出血やおりものの違和感により早期発見できる場合があります。命にかかわる重要な疾患です。

子宮頸管炎、子宮内膜炎

腟からの上行感染が生じて、子宮頸管や子宮内膜で炎症が持続した状態です。悪臭を伴う、黄緑色や茶色のおりものが出ます。クラミジア、淋菌、大腸菌などの感染、タンポンの長時間使用などが原因になりやすいです。

 

【原因一覧】おりものが臭う原因をまとめてチェック

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これまでに説明してきた「おりものがにおう原因」について、大まかにまとめます。

1.性感染症

おりものの変化といえば、性感染症の可能性が代表的です。

すぐには変化が出ないもの、自覚症状に乏しいものもあるため、おりもののニオイや色だけで感染しているかどうか判断するのは難しいケースもありますが、おりものの変化は大きなポイントとなります。

トリコモナス腟炎や淋菌感染症は、おりものに変化が出やすい性感染症です。

「女性の性病」の詳細はこちら

2.ストレス・ホルモンバランスの乱れ・免疫低下

ストレスや心身の疲れが溜まっている状態が続くと、ホルモンバランスが乱れ、免疫力が低下し、腟内環境が乱れて細菌性腟症や腟カンジダ症となりニオイが強くなることがあります。

糖尿病のある方、免疫抑制剤を使用している方などは免疫が低下した状態となるため、おりもののニオイにも影響しやすいといえます。

3.洗いすぎ

ニオイを気にして洗いすぎていることが、かえってニオイの原因となっている可能性があります。洗う回数が多かったり、洗浄力の強いソープを使っていたりすると、腟内の有益な常在菌にまで影響を与え、腟内環境が乱れてしまうのです。

もし、ご自身のデリケートゾーンが臭うのではないか?とご不安があるようなら、婦人科でご相談ください。ニオイがあるかどうか、あるなら原因は何か、治療法や日常生活の注意点を含め、適切なアドバイスをいたします。

4.ナプキンやおりものシート、タンポンの長時間使用

ナプキンやおりものシート、タンポンを、交換せずに長時間使用していませんか?一般的に、ナプキンは3時間程度、おりものシートは1日に2〜3回、タンポンは4〜8時間程度での交換が必要です。

長く使用していると、雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイの原因となります。稀ではありますが、タンポンは高熱やショック症状などを引き起こす「トキシックショック症候群(TSS)」発症の可能性があります。

 

おりもののにおい対策と医療機関受診の目安

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おりもののニオイに悩まされないために、ご自身でできるケア方法についてご紹介します。また、医療機関を受診する目安もお伝えしますので、受診のタイミングを逃さずにご相談ください。

日常でできるセルフケア

次のようなケアを実践してみてください。

洗いすぎない

デリケートゾーンは、1日1~2回の洗浄で十分です。デリケートゾーン専用のソープを使うのもよいでしょう。ウォッシュレットの使いすぎにも注意してください。

通気性のよい下着や洋服を身につける

デリケートゾーンの蒸れによって、ニオイが強くなることもあります。コットンなど、自然素材で通気性のよい下着、締め付けの少ない洋服を選びましょう。

食事改善

腟内環境を整えるためには、食事に気を使うことも大切です。女性の場合、腸内環境が腟内環境にも影響します。食物繊維をよくとり、お味噌や発酵食品などで乳酸菌を取り入れましょう。

当院では、女性のための乳酸菌ケア商品として膣ピル「EBINE flora」を開発しました。ご興味のある方は、お試しください。

市販薬で対応できるケースは?

過去に医療機関で腟カンジダ症の治療をしたことがある方に限り、再発に市販薬の治療薬を使うことが可能です。

腟カンジダ症は特徴的なニオイやかゆみがありますので、一度かかったことのある場合は、「これはカンジダだ」と予想がつくと思います。そういった場合には、ドラッグストア等でお薬を購入し、使用することができます。使用しても症状がよくならない場合には、医療機関を受診してください。

それ以外の細菌性腟症、性感染症などは、市販薬で対応できません。

受診すべき目安

次のような点に当てはまる方は、早めに婦人科を受診してください。

・数日以上経過してもニオイが改善しない

・不正出血を伴っている

・かゆみを伴っている

・特徴的なニオイがある(生臭い、魚のようなニオイなど)

・洋服を着ていてもニオイを感じる

婦人科での治療方法

婦人科では、次のような検査・治療をおこないます。

・問診

いつから、過去に同じような症状はあったかなどをお伺いします。

・診察、検査

おりものの性状やニオイ、色などを実際に確認し、検査をおこないます。検査結果はすぐに出ないものも多いので、所見から原因をある程度想定し、治療も先行します。

・再診

症状が良くなっているかどうかの確認のため、再度受診していただきます。検査結果に合わせ、治療を変更する場合もあります。

費用としては、3割負担の場合でおりものの検査が1000〜2000円程度(調べる種類により変動)、腟洗浄や治療薬の投与が数百円程度で、それに加えて初診料などがかかります。

 

おりもののニオイに関するQ&A

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おりもののお悩みでご来院される方は非常に多いです。良くあるご質問について、お答えします。

Q. ニオイはあってもかゆみがなければ、問題ないですか?

ニオイだけが変化し、かゆみが出にくい疾患もいくつかあります。たとえば、心身の疲れが溜まった時などに生じやすい「細菌性腟症」は、かゆみがないことがある疾患の1つです。また、性感染症のうち、クラミジアや淋菌感染症などもあまりかゆみが出ません。

かゆみがないから大丈夫、とは断言できませんので、症状が続くようなら受診をお勧めいたします。

Q. 元々おりもののニオイが強いような気がします。何が原因ですか?

おりもののニオイには個人差がありますので、少しニオイが強めの方もいらっしゃいます。腟内環境が乱れている可能性や、洗いすぎの可能性が考えられるでしょう。また、おりものシートの使い方や下着の素材に問題があるかもしれません。

Q. おりもののニオイが悪化したら、どう対処したらよいですか?

まずは、原因を突き止めるため、婦人科でご相談していただくのがよいと思います。おりもののお悩みは非常にたくさんの方がお持ちです。恥ずかしいことではありませんので、お気軽にご来院ください。

 

まとめ

おりもののニオイを主訴に、日々多くの女性がご来院されています。おりものの変化は、体からの「異変」のサインです。ご自身の「いつものおりもの」を把握しておき、変化があれば早めに受診しましょう。不安なときは、遠慮せず婦人科でご相談ください。

腟内環境が乱れやすい方は、保湿する、デリケートゾーン専用ソープを使う、規則正しく生活する、食事を改善する、ストレスをためないなどのセルフケアも有効です。

 

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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