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ラクトバチルスとは?ラクトバチルス菌の働き・増やす方法、腟内・子宮内フローラとの関係を婦人科医が解説。

ラクトバチルスと女性の腟内環境のイメージ

こんにちは。白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長の海老根真由美です。

最近、「ラクトバチルス」「ラクトバチルス菌」「腟内フローラ」「子宮内フローラ」という言葉を耳にする機会が増えています。

妊活、更年期、フェムケア、デリケートゾーンケアへの関心が高まる中で、腟内環境を整えることの大切さが少しずつ知られるようになってきました。

一方で、診療の中では次のようなご質問をいただくこともあります。

診療でよくいただくご質問

  • ラクトバチルスとは何ですか?
  • ラクトバチルス菌と乳酸菌は違いますか?
  • ラクトバチルスを増やすにはどうすればよいですか?
  • ヨーグルトやサプリで増えますか?
  • 検査でラクトバチルスが少ない、0と言われました
  • 妊活や子宮内フローラにも関係しますか?
  • おりもの、におい、かゆみ、更年期の不調にも関係しますか?

ラクトバチルスは、女性の腟内環境を守る大切な善玉菌の一つです。

ただし、「ラクトバチルスを増やせばすべて解決する」「サプリを飲めば妊娠しやすくなる」「腟錠を使えば腟内環境が必ず整う」と単純に考えるものではありません。

ラクトバチルスを考えるうえで大切なのは、菌を増やすことだけではありません。

ラクトバチルスが腟内で働きやすい環境を守ること、つまり、ラクトバチルスが住みやすい腟内環境を整えることが大切です。

私は、腟活とは「ラクトバチルスを無理に増やすこと」ではなく、ラクトバチルスが気持ちよく暮らせる腟内環境を守ることだと考えています。

この記事では、ラクトバチルスの基本から、増やす方法、サプリ・ヨーグルト・腟内使用の考え方、妊活や更年期との関係まで、婦人科医の立場からわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • ラクトバチルスは、腟内を弱酸性に保つ乳酸菌の一種です。
  • 大切なのは、ラクトバチルスを無理に増やすことではなく、働きやすい腟内環境を守ることです。
  • ラクトバチルスが少ないと、おりもの、におい、細菌性腟症、更年期以降の腟トラブルなどと関係することがあります。
  • 妊活や子宮内フローラとの関係も研究されていますが、ラクトバチルスの割合だけで妊娠しやすさを判断することはできません。
  • サプリやヨーグルトは日常的なケアの選択肢ですが、症状がある場合は婦人科で原因を確認することが大切です。

目次

ラクトバチルスとは?ラクトバチルス菌と乳酸菌の違い

ラクトバチルスとは何かを説明するイメージ

ラクトバチルス(Lactobacillus)は、日本語では「乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)」と呼ばれます。

名前を分解すると、

  • Lacto=乳酸
  • Bacillus=桿菌、つまり細長い棒状の菌

という意味があります。

つまりラクトバチルスとは、乳酸を作る棒状の細菌のことです。

ラクトバチルスは糖を分解して乳酸を作ります。この乳酸が、女性の腟内環境を守るうえで重要な役割を果たしています。

ラクトバチルスは、

  • 口腔内
  • 皮膚

など、身体のさまざまな場所に存在しています。

その中でも、女性の健康において特に重要なのが、腟内に存在するラクトバチルスです。

健康な女性の腟内では、ラクトバチルスが優勢な状態を保っていることが多く、腟内を弱酸性に保つことで、雑菌や病原菌が増えにくい環境をつくっています。

私は患者様に、よくこのようにお話しします。

「ラクトバチルスは腟のボディガードです」

目には見えませんが、ラクトバチルスは腟内環境を守るために働いてくれている大切な存在です。

乳酸菌とラクトバチルスは同じ?

結論からいうと、ラクトバチルスは乳酸菌の一種です。

乳酸菌とは、糖を分解して乳酸を作る細菌の総称です。

乳酸菌という大きなグループの中には、

  • ラクトバチルス
  • ビフィズス菌
  • ラクトコッカス
  • サーモフィラス菌

など、さまざまな種類があります。

つまり、乳酸菌という大きなグループの中に、ラクトバチルスが含まれているという関係です。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌も、腟内に存在するラクトバチルスも、同じ「乳酸菌」の仲間です。

ただし、すべての乳酸菌が腟内で同じように働くわけではありません。

腸で働きやすい菌、食品に使われる菌、腟内環境に関係しやすい菌など、それぞれ得意な場所や働きが異なります。

そのため、「乳酸菌なら何でもよい」「ヨーグルトを食べれば腟内のラクトバチルスが必ず増える」とは考えない方がよいでしょう。

デーデルライン乳酸菌とは?

デーデルライン乳酸菌の説明イメージ

婦人科の教科書によく登場する言葉に、「デーデルライン乳酸菌」または「デーデルライン桿菌」があります。

これは、特定の一つの菌の名前ではありません。

19世紀末、ドイツの産婦人科医であるAlbert Döderleinが、健康な女性の腟内に乳酸を作る細菌が豊富に存在することを発見しました。

その功績から、健康な女性の腟内に存在する乳酸を産生する菌の集まりを、

  • デーデルライン桿菌
  • デーデルライン乳酸菌

と呼ぶようになりました。

現在では、遺伝子解析が進み、腟内にはさまざまな種類のラクトバチルスが存在することが分かっています。

つまり、デーデルライン乳酸菌とは、現代的には腟内に存在するラクトバチルス群を指す歴史的な呼び方と考えると分かりやすいでしょう。

ラクトバチルス菌の種類

ラクトバチルス菌の種類のイメージ

ラクトバチルスには、さまざまな種類があります。

代表的なものには、次のような菌があります。

菌の種類 特徴
Lactobacillus crispatus(ラクトバチルス・クリスパタス) 健康な腟内環境との関連が強い菌として知られています。
Lactobacillus gasseri(ラクトバチルス・ガセリ) 腟内にみられる代表的なラクトバチルスの一つです。
Lactobacillus jensenii(ラクトバチルス・ジェンセニー) 腟内環境の維持に関係するとされています。
Lactobacillus iners(ラクトバチルス・イナーズ) 腟内に存在しますが、状態によって評価が分かれる菌です。
Lactobacillus acidophilus(ラクトバチルス・アシドフィルス) ヨーグルトやサプリメントなどでも知られる乳酸菌の一つです。
Lactobacillus reuteri(ラクトバチルス・ロイテリ) 腸内環境や女性の健康分野でも研究されている菌種です。
Lactobacillus rhamnosus(ラクトバチルス・ラムノーサス) プロバイオティクスとして幅広く研究されている菌種です。

Lactobacillus crispatus
ラクトバチルス・クリスパタス

特徴健康な腟内環境との関連が強い菌として知られています。

Lactobacillus gasseri
ラクトバチルス・ガセリ

特徴腟内にみられる代表的なラクトバチルスの一つです。

Lactobacillus jensenii
ラクトバチルス・ジェンセニー

特徴腟内環境の維持に関係するとされています。

Lactobacillus iners
ラクトバチルス・イナーズ

特徴腟内に存在しますが、状態によって評価が分かれる菌です。

Lactobacillus acidophilus
ラクトバチルス・アシドフィルス

特徴ヨーグルトやサプリメントなどでも知られる乳酸菌の一つです。

Lactobacillus reuteri
ラクトバチルス・ロイテリ

特徴腸内環境や女性の健康分野でも研究されている菌種です。

Lactobacillus rhamnosus
ラクトバチルス・ラムノーサス

特徴プロバイオティクスとして幅広く研究されている菌種です。

同じラクトバチルスでも、菌種によって特徴が異なります。

そのため、「ラクトバチルスが含まれていればすべて同じ」と考えるのではなく、どの菌種がどの部位や目的に関係しているのかを整理して理解することが大切です。

なお、ラクトバチルスの一部は、近年の分類変更により学術的な菌名が変わっている場合があります。ただし、一般的には現在も「ラクトバチルス」として説明されることが多いため、この記事では患者様に分かりやすい表記を優先しています。

ラクトバチルスの菌種ごとの特徴や、L. crispatus、L. gasseri、L. jensenii、L. inersの違いについて詳しく知りたい方は、ラクトバチルスの種類と特徴も参考にしてください。

なぜ腟は酸性なの?ラクトバチルスと腟の自浄作用

腟が酸性に保たれる仕組みのイメージ

ラクトバチルスの大きな役割は、腟内を弱酸性に保つことです。

健康な閉経前女性の腟内は、一般的に弱酸性の環境に保たれています。

なぜ腟は酸性なのでしょうか。

それは、病原菌から身体を守るためです。

人間の体には、「酸」を利用して外から入ってくる細菌や病原体から身を守る仕組みがあります。

胃は胃酸で、皮膚は弱酸性の環境で、そして腟はラクトバチルスが作る乳酸によって守られています。

つまり、腟が酸性であることは異常ではありません。

女性の体に備わった、大切な防御システムの一つです。

エストロゲンとラクトバチルスの関係

思春期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が増えます。

エストロゲンが働くと、腟の粘膜にグリコーゲンという糖が蓄えられるようになります。

ラクトバチルスは、このグリコーゲンを利用して乳酸を作ります。

流れとしては、次のように考えると分かりやすいです。

  1. エストロゲンが増える
  2. 腟粘膜にグリコーゲンが蓄えられる
  3. ラクトバチルスがグリコーゲンを利用する
  4. 乳酸が作られる
  5. 腟内が弱酸性に保たれる
  6. 雑菌や病原菌が増えにくくなる

この仕組みによって、女性の腟内環境は守られています。

腟の自浄作用とは?

「腟には自浄作用があります」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

自浄作用とは、腟が自分で健康な環境を維持する力のことです。

これは単に、分泌物で汚れを洗い流しているという意味だけではありません。

実際には、

  • ラクトバチルスが乳酸を作る
  • 腟内が弱酸性に保たれる
  • 病原菌が増えにくくなる
  • 常在菌のバランスが保たれる
  • 腟粘膜の免疫機能が働く

といった複数の仕組みが同時に働いています。

さらに一部のラクトバチルスは、乳酸だけでなく、過酸化水素や細菌の増殖を抑える物質に関係するとされ、腟内で病原菌が定着しにくい環境づくりにも関わると考えられています。

このように、腟内環境は「菌をすべて排除する」ことで守られているわけではありません。

ラクトバチルスをはじめとする常在菌と共生しながら、女性の体は守られています。

健康とは、菌がいない状態ではなく、良い菌が優勢な状態ともいえます。

ラクトバチルスが少ないとどうなる?

腟内環境の乱れに悩む女性のイメージ

ラクトバチルスが減ると、乳酸の産生が減り、腟内のpHが上がりやすくなります。

その結果、腟内の菌バランスが乱れ、おりもの、におい、かゆみ、ヒリヒリ感などの不調につながることがあります。

ただし、ラクトバチルスが少ないからといって、必ず症状が出るわけではありません。また、症状がある場合でも、原因がラクトバチルスだけとは限りません。

おりもののにおいが変わることがある

ラクトバチルスが減り、腟内で嫌気性菌(酸素が少ない環境で増えやすい菌)などが増えると、おりもののにおいが強くなることがあります。

特に、魚のようなにおいが気になる場合は、細菌性腟症などが関係している可能性があります。

おりものの量・色が変わることがある

腟内環境が乱れると、おりものの量が増えたり、色や性状が変わったりすることがあります。

ただし、おりものの変化は、細菌性腟症、カンジダ、性感染症、子宮頸部の炎症などでも起こります。

自己判断で「ラクトバチルスが足りないだけ」と決めつけないことが大切です。

かゆみ・ヒリヒリ・しみる感じが出ることがある

腟内環境や外陰部のバリア機能が乱れると、かゆみ、ヒリヒリ感、しみる感じ、違和感が出ることがあります。

特に、更年期以降は腟や外陰部の粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなるため、少しの摩擦や刺激でも症状が出やすくなります。

デリケートゾーンのヒリヒリ感やしみる症状が続く場合は、デリケートゾーンのヒリヒリ・しみる症状も参考にしてください。

細菌性腟症との関係

細菌性腟症は、腟内の菌バランスが乱れ、ラクトバチルスが減少し、嫌気性菌(酸素が少ない環境で増えやすい菌)などが増えることで起こると考えられています。

主な症状としては、

  • 魚のようなにおい
  • 灰白色のおりもの
  • おりものの増加
  • 軽いかゆみや違和感

などがあります。

ただし、無症状のこともあります。

カンジダ・性感染症とは違う?

カンジダは、真菌と呼ばれるカビの一種が増えることで起こる腟炎です。

主な症状としては、

  • 強いかゆみ
  • 白いポロポロしたおりもの
  • 赤み
  • ヒリヒリ感
  • 排尿時にしみる感じ

などがあります。

ラクトバチルスの減少と腟内環境の乱れが関係することはありますが、カンジダは細菌性腟症とは異なる病態です。

また、性感染症でも、おりもの、におい、痛み、出血、下腹部痛などが起こることがあります。無症状のこともあるため、症状だけで判断することはできません。

におい、おりもの、かゆみ、痛みが続く場合は、自己判断せず、必要に応じて婦人科で検査を受けることが大切です。

細菌性腟症の症状やカンジダとの違いについては、細菌性腟症の症状やカンジダとの違いでも詳しく解説しています。

ラクトバチルスが少ない・0と言われたら?

ラクトバチルスが少ないと言われて不安な方のイメージ

腟内フローラや子宮内フローラの検査を受けた際に、「ラクトバチルスが少ない」「ラクトバチルスが0%に近い」と言われ、不安になる方がいます。

ただし、ラクトバチルスが少ない、または0と出たからといって、すぐに病気という意味ではありません。

また、ラクトバチルスが少ないから妊娠できない、必ず腟炎になる、ということでもありません。

検査結果は、

  • 採取した部位
  • 採取方法
  • 検査方法
  • 月経周期
  • 性交の有無
  • 抗生物質の使用
  • ホルモン状態
  • 腟内の炎症や感染の有無

などによって変わることがあります。

特に子宮内は、腟内に比べて菌の量が非常に少ない場所です。そのため、子宮内フローラの検査結果は、腟内フローラ以上に慎重に解釈する必要があります。

大切なのは、検査結果だけを見て判断するのではなく、

  • おりものやにおいなどの症状があるか
  • かゆみや痛みがあるか
  • 妊活や不妊治療の状況
  • これまでの流産歴
  • 慢性子宮内膜炎の有無
  • 更年期以降の変化
  • 抗生物質使用歴

などを総合的に見ることです。

「ラクトバチルスが少ないから、すぐにサプリを飲む」「0だから腟内にプロバイオティクスを入れる」と自己判断するのではなく、症状や背景に合わせて婦人科で相談しましょう。

ラクトバチルスが減る原因

ラクトバチルスが減る原因のイメージ

ラクトバチルスが減る原因は一つではありません。

日常生活、ホルモン変化、薬剤、性交、体調、ストレスなど、複数の要因が重なって腟内環境が乱れることがあります。

抗生物質の使用

抗生物質は、病気の原因となる細菌を抑えるために必要な薬です。

一方で、体内の常在菌にも影響することがあり、腟内のラクトバチルスが減少することがあります。

抗生物質を使った後に、カンジダや腟の違和感が出やすい方もいます。

過度な腟洗浄

腟の中を洗いすぎると、本来必要な常在菌まで洗い流してしまうことがあります。

腟には自浄作用があります。

清潔にすることは大切ですが、腟炎でない正常の腟環境をお持ちの方は、腟内まで頻繁に洗浄する必要はありません。

外陰部はデリケートゾーン専用洗浄剤でやさしく丁寧に洗い、腟内を洗いすぎないことが基本です。

pHに合わない石鹸や刺激の強い製品

デリケートゾーンに刺激の強い石鹸やボディソープ、香料の強い製品を使うと、乾燥やしみる感じ、かゆみにつながることがあります。

「清潔にしたい」という気持ちから洗いすぎてしまう方もいますが、洗いすぎは逆に腟まわりのバリア機能を弱めることがあります。

性交や精液によるpH変化

精液は腟内よりもアルカリ性に近いため、性交後に腟内pHが一時的に変化することがあります。

健康な腟内環境であれば自然に戻ることも多いですが、ラクトバチルスが少ない状態や、乾燥・炎症がある状態では、違和感やにおい、おりものの変化が出やすくなることがあります。

性交後に腟炎や膀胱炎のような症状を繰り返す方は、性交後に腟炎・膀胱炎を繰り返す原因と対策も参考にしてください。

更年期・閉経後のエストロゲン低下

更年期から閉経後にかけてエストロゲンが低下すると、腟粘膜に蓄えられるグリコーゲンが減少しやすくなります。

グリコーゲンはラクトバチルスの栄養源になるため、エストロゲンの低下によりラクトバチルスが減り、腟内pHが上がりやすくなります。

その結果、

  • 乾燥
  • ヒリヒリ
  • かゆみ
  • におい
  • 性交痛
  • 頻尿
  • 膀胱炎を繰り返す感じ

などが起こりやすくなることがあります。

子宮内のラクトバチルスの割合が高いと妊娠にどう関係する?

子宮内フローラと妊活のイメージ

近年、腟内フローラだけでなく、子宮内フローラと妊娠・着床環境との関係も注目されています。

子宮内フローラとは、子宮内に存在する細菌の集まりを指します。

以前は、子宮内はほぼ無菌と考えられていましたが、近年では、子宮内にもごく少量の微生物が存在する可能性が研究されています。

体外受精などの生殖補助医療の分野では、子宮内でラクトバチルスが多い環境が、着床や妊娠成績と関連する可能性が報告されています。

一方で、すべての研究で同じ結果が出ているわけではありません。

実際に、ラクトバチルスが多い子宮内環境と良好な妊娠成績との関連を示す研究がある一方で、ラクトバチルスが0%でも妊娠が継続した症例を報告する研究もあります。

また、子宮内は腟内と比べて菌の量が非常に少ないため、検査結果の解釈には注意が必要です。

採取方法や検査方法、腟からの菌の混入、月経周期、抗生物質の使用などによって、結果が変わる可能性があります。

大切なのは、

  • ラクトバチルスが多ければ必ず妊娠しやすい
  • ラクトバチルスが少なければ妊娠できない
  • サプリを飲めば妊娠率が上がる

と極端な考えにならないことです。

妊娠には、

  • 卵子の状態
  • 精子の状態
  • 受精卵の質
  • 子宮内膜の状態
  • ホルモン環境
  • 年齢
  • 慢性子宮内膜炎の有無
  • 感染症
  • 免疫
  • 生活習慣

など、さまざまな要因が関係します。

ラクトバチルスや子宮内フローラは、その中の一つの要素として考えることが大切です。

妊活中で腟内フローラや子宮内フローラが気になる場合は、自己判断でサプリや腟内使用の製品を使うのではなく、不妊治療の状況やこれまでの検査結果も含めて、婦人科で相談しましょう。

流産・早産・細菌性腟症との関係

妊娠中の腟内環境と注意点のイメージ

ラクトバチルスは、妊娠や出産に関わるテーマでも注目されています。

特に、細菌性腟症との関係は重要です。

細菌性腟症は、腟内の菌バランスが乱れ、ラクトバチルスが減少し、嫌気性菌(酸素が少ない環境で増えやすい菌)などが増えることで起こると考えられています。

妊娠中に症状のある細菌性腟症がある場合、早産や前期破水などとの関連が報告されています。

ただし、「ラクトバチルスを増やせば流産や早産を防げる」と簡単に判断できるものではありません。

妊娠中の腟内環境は、母体の健康、感染症、炎症、子宮頸管の状態、妊娠週数、既往歴など、さまざまな要素と関係します。

おりもののにおい、かゆみ、違和感、出血、下腹部痛などがある場合は、自己判断せず、妊婦健診や婦人科で相談することが大切です。

ラクトバチルスを増やすには?

ラクトバチルスを増やす方法を相談するイメージ

ここまで、ラクトバチルスが少ない場合に起こりやすい不調や、ラクトバチルスが減る原因について見てきました。

では、日常生活ではどのような点に気をつければよいのでしょうか。

「ラクトバチルスを増やすにはどうしたらよいですか?」という質問はとても多いです。

ラクトバチルスを増やすには、サプリやヨーグルトだけを考えるのではなく、まずラクトバチルスが働きやすい環境を整えることが大切です。

私は、腟活とは「ラクトバチルスを無理に増やすこと」ではなく、ラクトバチルスが気持ちよく暮らせる腟内環境を守ることだと考えています。

そのためには、洗いすぎ、刺激、ムレ、摩擦、睡眠不足、ホルモン変化など、腟内環境を乱す要因を減らしていくことが大切です。

腟内を洗いすぎない

腟内には自浄作用があります。

腟の中まで頻繁に洗うと、本来必要なラクトバチルスまで洗い流してしまう可能性があります。

外陰部はデリケートゾーン専用洗浄剤でやさしく丁寧に洗い、腟内洗浄を習慣化しないようにしましょう。

ムレ・摩擦を減らす

ムレや摩擦は、外陰部や腟まわりの不快感を悪化させることがあります。

通気性のよい下着を選ぶ、締めつけの強い衣類を避ける、ナプキンやおりものシートを長時間つけっぱなしにしない、といった工夫も大切です。

睡眠・ストレス・食生活を整える

腟内環境は、体調全体とも関係します。

睡眠不足、強いストレス、疲労、偏った食生活が続くと、免疫やホルモンバランスが乱れ、腟炎や不快感を繰り返しやすくなることがあります。

ラクトバチルスだけを意識するのではなく、身体全体のコンディションを整えることも大切です。

症状がある場合は検査を優先する

におい、おりもの、かゆみ、痛み、出血がある場合は、セルフケアだけで様子を見るのではなく、まず婦人科で原因を確認しましょう。

細菌性腟症、カンジダ、性感染症、GSM、皮膚トラブルなど、原因によって必要な対応は異なります。

ヨーグルトや食べ物でラクトバチルスは増える?

ヨーグルトや発酵食品とラクトバチルスのイメージ

ラクトバチルスを増やす方法として、ヨーグルトや発酵食品を意識する方も多いと思います。

ヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵食品などは、腸内環境を整える食事の一部として役立つことがあります。

ただし、ヨーグルトを食べたからといって、その菌がそのまま腟内や子宮内に届き、腟内フローラを改善するとは限りません。

食事として取り入れることはよいですが、症状がある場合の治療代わりにはなりません。

日本の食文化には、味噌、醤油、納豆、漬物など、発酵食品が自然に取り入れられてきました。

昔の人は「ラクトバチルス」という名前を知らなくても、発酵食品や食物繊維を含む食事を通して、腸内環境を支える食生活を続けてきたとも考えられます。

ただし、食事による腸内環境のケアと、腟内や子宮内のラクトバチルスを直接増やすことは同じではありません。

発酵食品は健康的な食生活の一部として取り入れながら、症状がある場合は婦人科で原因を確認することが大切です。

ラクトバチルスサプリはどう選ぶ?婦人科医が重視するポイント

ラクトバチルスサプリを選ぶポイントのイメージ

ラクトバチルスを補う方法として、サプリメントを検討する方も増えています。

ただし、ラクトバチルスサプリは「菌数が多ければよい」「乳酸菌と書いてあれば何でも同じ」というものではありません。

婦人科の視点では、次のような点を確認することが大切です。

  • どのラクトバチルス菌種が含まれているか
  • 生きた菌として配合されているか
  • 死菌として価値のある菌が配合されているか
  • 腟内環境との関係が研究されている菌種か
  • 品質管理や保管方法に配慮されているか
  • 経口摂取なのか、医師の指導のもとで腟内使用するものなのか
  • 妊活中、妊娠中、授乳中、治療中でも使用できるか相談できるか

同じラクトバチルスでも、菌種によって働きや得意な環境は異なります。

そのため、「ラクトバチルス配合」と書かれているだけで判断するのではなく、どの菌種が、どのような目的で配合されているのかを確認することが大切です。

また、サプリメントはあくまで日常的なケアの一つです。

細菌性腟症やカンジダ、性感染症、不妊症などを、サプリメントだけで治療・改善できるわけではありません。

おりもののにおい、かゆみ、ヒリヒリ感、性交後の違和感、妊活中の検査結果などが気になる場合は、サプリだけで対応しようとせず、婦人科で原因を確認しましょう。

当院開発のラクトバチルスケアについて

EBINEフローラのイメージ

当院では、ラクトバチルスを「ただ補えばよい」とは考えていません。

大切なのは、腟内環境を乱す要因を減らし、ラクトバチルスが働きやすい状態を支えることです。

当院が開発したラクトバチルスサプリ

白金高輪海老根ウィメンズクリニックでは、ラクトバチルスに関する研究知見と婦人科診療での経験をもとに、女性の腟内環境を意識したホームケアとして「EBINE flora」を開発しています。

サプリメントは治療の代わりではありませんが、日常的なインナーケアの選択肢として検討される方もいます。

当院開発のラクトバチルスケアについては、EBINE floraの詳細ページでもご案内しています。

EBINEフローラを見る

ラクトフェリンとラクトバチルスの違い

ラクトフェリンとラクトバチルスの違いのイメージ

ラクトバチルスとあわせて、ラクトフェリンという言葉を聞くことがあります。

ラクトバチルスとラクトフェリンは、名前は似ていますが別のものです。

ラクトバチルスは、乳酸を作る細菌です。

一方、ラクトフェリンは、母乳や唾液、涙などに含まれるたんぱく質の一種です。

ラクトフェリンは、善玉菌が育ちやすい環境を支える目的で使われることがありますが、ラクトバチルスそのものではありません。

妊活や腟内フローラを意識してサプリを選ぶ場合も、成分の違いを理解しておくことが大切です。

ラクトバチルス腟錠・腟内プロバイオティクスは使ってよい?

腟錠や腟内プロバイオティクスの相談イメージ

ラクトバチルスを含む製品には、経口で摂取するタイプのほか、医療機関で状態を確認したうえで腟内使用を提案する場合があります。

腟内に使用する方法は、腟内環境に直接アプローチする考え方です。

ただし、その使用方法は医師の判断によるものです。

おりもの、におい、かゆみ、痛み、出血がある場合は、まず原因を確認して医師が判断する必要があります。

細菌性腟症なのか、カンジダなのか、性感染症なのか、GSMなのか、皮膚トラブルなのかによって、必要な対応は異なります。

特に、

  • 妊娠中
  • 授乳中
  • 不妊治療中
  • 出血がある
  • 強い痛みがある
  • 性感染症の可能性がある
  • 免疫力が低下している
  • 基礎疾患がある

という方は、使用前に必ず婦人科で相談してください。

更年期以降にラクトバチルスが減りやすい理由

更年期以降の腟内環境の変化のイメージ

更年期以降の腟トラブルには、ラクトバチルスの減少が関係していることがあります。

閉経に近づくと、女性ホルモンであるエストロゲンが低下します。

エストロゲンが低下すると、腟粘膜が薄くなり、うるおいや弾力が低下しやすくなります。

さらに、腟粘膜に蓄えられるグリコーゲンが減ることで、ラクトバチルスが育ちにくくなります。

その結果、

  1. ラクトバチルスが減る
  2. 乳酸が減る
  3. 腟内pHが上がる
  4. 雑菌が増えやすくなる
  5. 乾燥・ヒリヒリ・かゆみ・におい・性交痛・尿症状が出やすくなる

という流れが起こることがあります。

近年注目されているGSM(閉経関連尿路性器症候群)も、このような更年期以降の腟・外陰部・尿まわりの変化をまとめて考える概念です。

GSMでは、次のような症状がみられることがあります。

  • 腟の乾燥
  • ヒリヒリ感
  • しみる感じ
  • かゆみ
  • におい
  • おりものの変化
  • 性交痛
  • 性交後の痛み
  • 頻尿
  • 尿もれ
  • 排尿痛
  • 膀胱炎を繰り返す感じ

更年期・閉経後に性交痛や潤い不足が気になる場合は、腟内環境だけでなく、萎縮性腟炎やGSMの視点から原因を整理することが大切です。

「年齢のせいだから仕方ない」と我慢している方も少なくありません。

しかし、更年期以降の腟内環境の変化は、婦人科で相談できる症状です。

GSM(萎縮性腟炎)の治療について

更年期以降の腟の乾燥、ヒリヒリ感、性交痛、尿まわりの不調が気になる方は、当院のGSM治療ページもご覧ください。

GSM(萎縮性腟炎)治療を見る

妊娠中・授乳中・不妊治療中に注意したいこと

妊娠中や授乳中の注意点のイメージ

妊娠中、授乳中、不妊治療中は、ラクトバチルスサプリや腟内プロバイオティクスの使用について、より慎重に考える必要があります。

妊活中に腟内フローラや子宮内フローラを意識することは大切ですが、自己判断でサプリや腟内使用の製品を使えばよいというものではありません。

特に妊娠中は、腟内環境の変化だけでなく、感染症、出血、腹痛、破水感、子宮頸管の状態なども確認が必要です。

特に次のような場合は、自己判断で対応せず、医師に相談しましょう。

  • 妊娠中におりもののにおいが強い
  • かゆみや痛みがある
  • 出血がある
  • 下腹部痛がある
  • 破水のような感覚がある
  • 不妊治療中で子宮内フローラ検査の結果が気になる
  • 流産や早産の既往がある
  • サプリや腟内使用の製品を使ってよいか迷っている

ラクトバチルスは大切な菌ですが、妊娠・出産・不妊治療に関しては、他の要因も含めて総合的に判断することが必要です。

ラクトバチルスは母から子へ受け継がれる

母から子へ受け継がれるラクトバチルスのイメージ

ラクトバチルスには、もう一つ大切な役割があります。

それは、次世代へ受け継がれる菌であるということです。

赤ちゃんは生まれる瞬間に、お母さんから最初の細菌との出会いを受け取ります。

経腟分娩では、赤ちゃんは産道を通る際に、母親の腟内細菌叢に触れます。

健康な腟内では、ラクトバチルスが優勢な状態にあることが多く、赤ちゃんはその菌を口や皮膚から受け取り、腸内細菌叢形成の第一歩を踏み出します。

また、母乳には赤ちゃんの腸内環境を育てるオリゴ糖や免疫物質、さまざまな有益な細菌が含まれています。

母乳は単なる栄養ではありません。

赤ちゃんの腸内環境を育てるための、自然からの贈り物でもあります。

産婦人科医として周産期医療に関わってきた経験からも、私は母体の細菌叢や母乳が赤ちゃんの腸内環境を育てることの大切さを強く感じています。

ラクトバチルスは、女性自身の腟内環境を守るだけでなく、妊娠・出産・母乳育児という流れの中で、次の世代の健康とも関わる可能性があります。

こんな症状・状況なら婦人科で相談を

婦人科で相談したい症状のイメージ

ラクトバチルスや腟内フローラに関心を持つことは、とても大切です。

しかし、症状がある場合は、サプリやセルフケアだけで対応しようとせず、婦人科で原因を確認することが大切です。

特に、次のような症状や状況がある場合はご相談ください。

  • おりもののにおいが強い
  • 魚のようなにおいがする
  • おりものの量が増えた
  • おりものの色が変わった
  • かゆみが続く
  • ヒリヒリ感、しみる感じがある
  • 性交後に腟炎や膀胱炎感を繰り返す
  • 更年期以降、乾燥や性交痛が増えた
  • 頻尿、排尿痛、膀胱炎を繰り返す感じがある
  • 出血がある
  • 妊活中で腟内フローラや子宮内フローラが気になる
  • 検査でラクトバチルスが少ない、0と言われた
  • サプリや腟内使用の製品を使う前に相談したい

症状が軽く、短期間で改善する場合は様子を見ることもあります。

一方で、症状が1〜2週間以上続く、繰り返す、生活に支障がある、においや痛みが強い、出血がある場合は、早めに受診しましょう。

当院で相談できること

白金高輪海老根ウィメンズクリニックで相談できることのイメージ

白金高輪海老根ウィメンズクリニックでは、腟内環境やデリケートゾーンのお悩みについて、婦人科の視点から原因を整理し、状態に合わせた治療やケアをご提案しています。

当院では、次のようなご相談が可能です。

  • おりもの・におい・かゆみの診察
  • 細菌性腟症、カンジダ、性感染症などの検査
  • 更年期以降の腟の乾燥、ヒリヒリ、性交痛の相談
  • GSMに関する相談
  • 頻尿、膀胱炎を繰り返す感じ、尿もれなどの相談
  • 妊活中の腟内・子宮内環境に関する相談
  • ホームケアやインナーケアのご案内

症状がある場合は、まず原因を確認することが大切です。

そのうえで、必要に応じて保険診療、自費診療、ホームケアなどを組み合わせながら、その方に合った方法を一緒に考えていきます。

「こんなことで受診してよいのかな」と迷う方も少なくありません。

しかし、腟内環境やデリケートゾーンの不調は、女性のQOLに大きく関わる大切なテーマです。

一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

よくある質問

ラクトバチルスに関するよくある質問のイメージ
ラクトバチルスとは何ですか?

ラクトバチルスは、乳酸を作る細菌の一種です。日本語では乳酸桿菌と呼ばれます。腟内では乳酸を作り、腟内を弱酸性に保つことで、雑菌や病原菌が増えにくい環境をつくっています。

ラクトバチルス菌と乳酸菌は同じですか?

ラクトバチルス菌は乳酸菌の一種です。乳酸菌という大きなグループの中に、ラクトバチルス、ビフィズス菌、ラクトコッカスなどが含まれます。

デーデルライン乳酸菌とは何ですか?

デーデルライン乳酸菌とは、健康な女性の腟内に存在する乳酸を作る菌の集まりを指す言葉です。現在では、腟内に存在するラクトバチルス群を指す歴史的な呼び方として使われます。

ラクトバチルス菌を増やすにはどうすればよいですか?

ラクトバチルスを増やすには、サプリやヨーグルトだけでなく、ラクトバチルスが働きやすい腟内環境を整えることが大切です。腟を洗いすぎないこと、デリケートゾーン専用洗浄剤でやさしく丁寧に洗うこと、ムレや摩擦を減らすこと、睡眠・食生活・ストレスを整えることを意識しましょう。

ヨーグルトで腟内のラクトバチルスは増えますか?

ヨーグルトや発酵食品は、腸内環境を整える食事の一部として役立つことがあります。ただし、食べた乳酸菌がそのまま腟内や子宮内に届き、腟内フローラを改善するとは限りません。症状がある場合は、食事だけで対応せず婦人科で相談しましょう。

ラクトバチルスのサプリは妊活に良いですか?

腟内フローラや子宮内フローラと妊娠・着床環境との関係は研究されています。ただし、サプリを飲めば妊娠しやすくなる、流産を防げる、と断定できるものではありません。不妊や流産の原因は複合的であるため、妊活中の方は医師に相談しながら考えることが大切です。

ラクトバチルスが少ない、0と言われたらどうすればよいですか?

ラクトバチルスが少ない、0と出ても、それだけで病気や不妊と判断することはできません。検査方法や採取状況によって結果が変わることもあります。症状や妊活状況、既往歴などと合わせて婦人科で相談しましょう。

ラクトフェリンとラクトバチルスの違いは何ですか?

ラクトバチルスは乳酸を作る細菌です。一方、ラクトフェリンは母乳や唾液などに含まれるたんぱく質の一種です。ラクトフェリンは善玉菌が育ちやすい環境を支える目的で使われることがありますが、ラクトバチルスそのものではありません。

ラクトバチルスと細菌性腟症は関係ありますか?

関係があります。細菌性腟症は、ラクトバチルスが減少し、嫌気性菌などが増えることで起こる腟内環境の乱れと考えられています。魚のようなにおい、おりものの増加などがある場合は婦人科で相談しましょう。

カンジダとラクトバチルス不足は同じですか?

同じではありません。カンジダは真菌による腟炎で、強いかゆみや白いポロポロしたおりものなどが出ることがあります。ラクトバチルスの減少が腟内環境の乱れに関係することはありますが、症状だけで判断せず検査を受けることが大切です。

更年期以降でもラクトバチルスは関係ありますか?

関係します。更年期以降はエストロゲンが低下し、腟粘膜のグリコーゲンが減ることで、ラクトバチルスが育ちにくくなります。その結果、腟内pHが上がり、乾燥、ヒリヒリ、性交痛、におい、尿症状などが出やすくなることがあります。

腟錠や腟内プロバイオティクスは自分で使ってもよいですか?

自己判断での使用はおすすめしません。症状の原因が細菌性腟症、カンジダ、性感染症、GSM、皮膚トラブルなど、どれにあたるかによって対応は異なります。腟内に使用する製品を検討する場合は、婦人科で相談しましょう。

まとめ

ラクトバチルスと女性の健康のまとめイメージ

ラクトバチルスとは、乳酸を作る細菌の一種で、健康な女性の腟内に多く存在する善玉菌です。

ラクトバチルスは乳酸を作り、腟内を弱酸性に保つことで、雑菌や病原菌が増えにくい環境をつくっています。

また、ラクトバチルスは、

  • 腟内フローラ
  • 子宮内フローラ
  • おりもの
  • におい
  • かゆみ
  • ヒリヒリ感
  • 細菌性腟症
  • 性交後の不調
  • 更年期以降の乾燥や性交痛
  • 妊活・妊娠環境

などと関係する可能性があります。

ただし、ラクトバチルスだけですべての症状を説明できるわけではありません。

サプリやヨーグルト、セルフケアは日常的なサポートにはなりますが、症状が続く場合や繰り返す場合は、婦人科で原因を確認することが大切です。

大切なのは、ラクトバチルスを無理に増やすことではなく、ラクトバチルスが働きやすい腟内環境を守ることです。

人間の体は、菌をすべて排除することで健康を保っているわけではありません。

良い菌と共に生きることで、腸も、皮膚も、腟も守られています。

ラクトバチルスは、女性の一生に寄り添い、腟内環境を守る大切なパートナーです。

そして、腟内環境を整えることは、女性自身の健康だけでなく、妊娠・出産・次世代の健康にもつながる可能性があります。

デリケートゾーンのお悩みは、恥ずかしいことではありません。

気になる症状がある方は、一人で悩まず婦人科でご相談ください。

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監修・執筆

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック
院長 海老根 真由美
産婦人科医師・医学博士

本記事は、産婦人科医として腟内環境、GSM、妊活、更年期診療に携わり、ラクトバチルスを用いたホームケア商品の開発にも関わってきた医師が解説しています。

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。

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