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モナリザタッチ(腟レーザー)

モナリザタッチは何回まで受けられる?毎月・長期継続の安全性を婦人科医が解説

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モナリザタッチの診療をしていると、患者さんから次のような質問をいただきます。

「何回まで受けても大丈夫ですか?」

「毎月受け続けると、腟粘膜が傷んだり薄くなったりしませんか?」

「症状が戻ったときは、追加で治療できますか?」

先に結論をお伝えします
  • モナリザタッチの「3回」は、すべての方に共通する上限ではありません。
  • 症状や腟粘膜の状態によっては、診察で回復を確認しながら追加治療を行うことがあります。
  • 症状が改善した後は、3か月、6か月、1年など状態に合わせて治療間隔を空けます。
  • 反復治療後の組織を調べた研究や2年間の追跡研究では重篤な問題を示す結果は確認されていませんが、5年、10年にわたる大規模な長期安全性データはまだ十分ではありません。

当院では2019年にモナリザタッチを導入し、これまでに4,300件を超える施術を行ってきました。その経験から強く感じているのは、必要な治療回数や治療間隔は、患者さんによって大きく異なるということです。

私は、すべての患者さんに一律の回数を当てはめるのではなく、必要な患者さんには、診察で状態を確認しながら、必要な分だけ治療を行いたいと考えています。

モナリザタッチは「3回受けたら終了」ではありません

モナリザタッチは、一般的に約1か月間隔で3回をひとつの基本的な治療単位としています。

しかし、「3回」という数字は、すべての患者さんにとっての上限ではありません。反対に、全員が必ず3回受けなければならないという意味でもありません。

GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の程度や症状、年齢、ホルモン環境、腟粘膜の状態、痛みの部位によって、必要な治療回数は異なります。

比較的状態の良い患者さんでは、毎月1回、合計3回程度の施術によって症状が改善し、その後は3か月から1年ほど間隔を空けたメンテナンス治療で、痛みの少ない状態を維持できている方がいらっしゃいます。

一方、GSMが強い患者さんでは、3回で十分な改善が得られるとは限りません。

その場合には、診察で粘膜の状態や治療後の反応を確認しながら、約1か月間隔で治療を追加することがあります。

GSMの程度によって、必要な治療回数は違います

GSMは、閉経などによるエストロゲン低下を背景に、外陰部、腟、尿路にさまざまな症状が現れる状態です。

主な症状には、次のようなものがあります。

  • 腟や外陰部の乾燥
  • 灼熱感やかゆみ
  • 腟入口部や腟内の痛み
  • 性交痛
  • 少量の出血
  • 頻尿や尿意切迫感
  • 排尿時の違和感
  • 尿漏れ
  • 繰り返す膀胱炎
  • 腟の違和感やにおい

これらの症状の強さや組み合わせは、患者さんごとに異なります。

上皮が非常に薄くなり、触れるだけでも痛い患者さんと、軽い乾燥だけを感じている患者さんとでは、同じ治療計画にはなりません。

3回程度で大きく改善する方もいれば、4回、5回、6回と治療を重ねることで、少しずつ粘膜の状態が整い、痛みが軽くなる方もいらっしゃいます。

大切なのは、回数だけで判断するのではなく、患者さんが困っている症状と、実際の診察所見を確認することです。

毎月施術しても大丈夫なのでしょうか

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モナリザタッチは、腟粘膜全体を連続的に焼灼する治療ではありません。

フラクショナルCO₂レーザーを細かな点状に照射し、照射されていない正常組織を残しながら、微小な熱刺激を与えます。

その刺激によって創傷治癒反応が起こり、線維芽細胞が活性化され、コラーゲンや弾性線維の再構築、血流の改善、上皮の再生などが促されると考えられています。

照射後には治癒のための期間が必要です。そのため当院では、原則として約1か月の間隔を空け、前回の施術から十分に回復していることを確認してから次の治療を行います。

毎月受けること自体が問題なのではありません。

重要なのは、

  • 前回の照射から十分な期間が空いているか
  • 腟粘膜がきちんと回復しているか
  • 痛みや出血が続いていないか
  • 追加照射によって改善が期待できる状態か
  • 同じ部位に必要以上の刺激を加えていないか

を、施術前に確認することです。

症状が残っており、粘膜の回復も確認でき、追加治療による効果が期待できるのであれば、毎月治療を継続することには医学的な合理性があると考えています。

一方、症状が十分に改善している患者さんに、理由なく毎月施術を続ける必要はありません。

症状が改善した後は、間隔を空けます

モナリザタッチは、回数を増やすこと自体が目的ではありません。

乾燥や痛みが改善し、腟粘膜の状態も良くなった患者さんでは、診察間隔を3か月、6か月、1年と空けて状態を確認しております。

「1年に1回、必ず受ける」という決まりもありません。

症状が戻り始めたときに追加する方もいれば、症状が安定しているため、1年以上施術を必要としない方もいらっしゃいます。

反対に、GSMが強く、施術間隔を長くすると痛みが戻ってしまう方では、1か月ごとのメンテナンスを検討します。

治療間隔はカレンダーだけで決めるのではなく、その方の症状と腟粘膜の状態によって決めるべきだと考えています。

長期間続けることで、副作用は起こらないのでしょうか

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モナリザタッチを含むフラクショナルCO₂腟レーザーについては、1~2年程度の追跡研究や、反復治療後の腟粘膜を組織学的に調べた研究が報告されています。[1][2][3]

2023年に報告された組織学的研究では、過去にも複数の治療サイクルを受けていた閉経後女性15人を対象に、反復治療後の腟粘膜が調べられました。治療後には上皮細胞層や上皮厚、グリコーゲンを含む細胞などの増加が確認され、研究対象となった組織には線維化を示す所見は認められませんでした。[1]

また、乳がん治療後のGSM患者さんを対象に、3回のフラクショナルCO₂レーザー治療後を2年間追跡した研究では、2年時点でGrade 3以上の有害事象は確認されていません。[2]

研究結果を見るときに大切なこと

これらは、長期継続を考えるうえで参考になる研究です。一方で、対象人数が少ない研究や比較対照群のない研究も含まれています。これらの結果だけから「何回受けても安全」と判断できるわけではありません。

当院でも、GSMの症状が強く、5年間にわたり状態を確認しながら継続的にモナリザタッチを受けている患者さんがいらっしゃいます。

現在まで、当院では長期継続が原因と考えられる腟狭窄、癒着、明らかな瘢痕、慢性疼痛などの重篤な有害事象は経験していません。

ただし、これは当院における臨床経験であり、長期安全性を証明する大規模な比較試験ではありません。

世界的にも、5年、10年という長期間にわたり、多数の患者さんへ反復照射を行った研究はまだ十分ではありません。そのため、「何回受けても絶対に安全」「長期的な副作用はまったくない」と断定することはできません。

顔に使用するフラクショナルCO₂レーザーの長期データ

フラクショナルCO₂レーザーは、腟治療のためだけに使用されている技術ではありません。

皮膚科や美容医療では、顔のしわ、光老化、ニキビ跡、瘢痕などに対してCO₂レーザーが長年使用されており、フラクショナルCO₂レーザーについても、皮膚の創傷治癒やコラーゲン再構築についてさまざまな研究が行われています。

光老化した人の皮膚を調べた研究では、フラクショナルCO₂レーザーによって真皮のリモデリングやコラーゲン産生に関わる反応が確認されています。[4]

また、アジア人56人に顔全体のフラクショナルCO₂レーザーを1回施術し、そのうち30人を5年間追跡した研究では、5年後まで皮膚の改善効果が確認されています。[5]

ただし、この研究は「5年間レーザーを繰り返した研究」ではなく、「1回の治療後を5年間追跡した研究」です。長期追跡データと長期反復照射の安全性データは、分けて考える必要があります。

CO₂レーザーと発がん性について分かっていること

CO₂レーザー治療によって皮膚がんの発生リスクが高まることを示す確立したエビデンスは、現時点ではありません。

CO₂レーザーと発がんの関係を直接検討した動物実験では、CO₂レーザー単独による腫瘍形成や、紫外線による発がんを促進する結果は確認されませんでした。[6]

さらに、紫外線を照射したヘアレスマウスにフラクショナルCO₂レーザーを3週間間隔で繰り返した研究では、レーザーを受けた群で皮膚腫瘍の発生が抑えられたことが報告されています。[7]

2023年に報告された別の前臨床研究でも、紫外線に曝露したマウスへフラクショナルCO₂レーザーを反復照射した結果、扁平上皮がん(SCC)の形成が遅延しました。[8]

人の光老化皮膚を対象とした研究では、CO₂レーザーリサーフェシング後にp53陽性細胞が大きく減少したことも報告されています。p53の異常は紫外線による皮膚の前がん性変化と関連するため興味深い所見ですが、この研究だけで「CO₂レーザーが皮膚がんを予防する」と結論づけることはできません。[9]

つまり、現在の研究からは、フラクショナルCO₂レーザーを繰り返すことで組織が単純に薄くなり続けたり、発がんが促進されたりすることを示す結果は確認されていません。

一方で、「長期間、何度繰り返しても発がんリスクが全くない」と証明されたわけでもありません。

レーザー治療後に皮膚がんが確認された症例報告もあります

一方、CO₂レーザーによる皮膚リサーフェシング後に、基底細胞がんや扁平上皮がんなどが確認された症例報告があります。[10][11]

症例報告では、もともと強い光老化や前がん病変、皮膚がんの既往などがある患者さんも含まれており、CO₂レーザーそのものが新たにがんを発生させたことを証明するものではありません。

そのため、現在の研究を総合すると、CO₂レーザー治療によって発がんリスクが高まることを示す確立したエビデンスはありませんが、長期反復治療に伴う発がんリスクが完全に否定されているわけでもない、という理解が適切です。

顔の皮膚と腟粘膜は同じではありません

こうした皮膚科領域での使用実績や研究は、フラクショナルCO₂レーザーという技術そのものの長期的な組織反応を考えるうえで、ひとつの参考になります。

ただし、顔の皮膚と腟粘膜では、上皮の構造、ホルモンの影響、細菌環境などが異なります。

顔のデータだけを根拠に、腟への長期反復照射が安全だと断定することはできません。

だからこそ、腟レーザーでは治療回数だけでなく、毎回の診察が重要になります。

考えられる有害事象

モナリザタッチ後に比較的みられやすいのは、一時的な軽い症状です。

  • 軽い灼熱感や痛み
  • 少量の出血
  • 水様性のおりもの
  • 腫れや違和感
  • 排尿時のしみる感じ
  • 一時的な性交痛

通常は数日以内に改善します。

一方、腟レーザー全体の症例報告としては、頻度は不明ですが、腟壁の裂傷、出血、瘢痕、線維化、癒着、性交痛の悪化なども報告されています。

これらの報告には、使用された機器や照射設定、施術方法、施術前の腟粘膜の状態が明確でないものも含まれています。そのため、適切に行われたモナリザタッチの有害事象発生率を示すものではありませんが、どのような治療にもリスクが全くないわけではないことは理解しておく必要があります。

「必要な患者さんに、必要な分だけ」

私は、モナリザタッチの回数を一律に制限することも、反対に症状や診察所見を確認せず、漫然と続けることも適切ではないと考えています。

症状が十分に改善した患者さんは、施術間隔を空けます。

症状が残っている患者さんには、痛みの部位や腟粘膜の状態を再評価します。

そして、追加治療によってさらなる改善が期待できるのであれば、必要な回数だけ施術を行います。

患者さんによっては、腟内への照射だけではなく、痛みの強い腟前庭部への治療、保湿ケア、局所ホルモン療法、骨盤底筋への治療などを組み合わせた方がよい場合もあります。

「3回受けたから終了」「1年たったから必ず追加」という数字だけの治療ではなく、患者さんがどの症状で困っているのかを確認し、その方にとって必要な治療を選ぶことが大切です。

当院が大切にしていること

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GSMは進行性の変化であり、一度治療すれば、生涯にわたって症状が戻らないとは限りません。

しかし、症状が再び現れたときに、適切な治療を追加することで、痛みや乾燥の少ない状態を長く維持できる可能性があります。

当院では、施術のたびに腟粘膜や痛みの状態を確認し、治療の効果と必要性を判断しています。

必要な患者さんには、必要な分だけ施術して差し上げたい。

そして、状態が良くなった患者さんには、安心して治療間隔を空けていただきたい。

回数を増やすことではなく、患者さんが痛みや不快感に悩まされず、より快適に毎日を過ごせることが、モナリザタッチ治療の本当の目的だと考えています。

モナリザタッチを何回受けるべきか迷っている方へ

必要な回数や治療間隔は、症状や腟粘膜の状態によって異なります。当院では診察で状態を確認したうえで、その方に必要な治療をご提案しています。

参考文献

  1. Casiraghi A, Calligaro A, Zerbinati N, et al. Long-term clinical and histological safety and efficacy of the CO2 laser for treatment of genitourinary syndrome of menopause: an original study. Climacteric. 2023;26(6):605-612. PubMed
  2. Quick AM, Hundley A, Evans C, et al. Long-Term Follow-Up of Fractional CO2 Laser Therapy for Genitourinary Syndrome of Menopause in Breast Cancer Survivors. J Clin Med. 2022;11(3):774. PubMed
  3. Eder SE. Long-Term Safety and Efficacy of Fractional CO2 Laser Treatment in Post-Menopausal Women with Vaginal Atrophy. Laser Therapy. 2019;28(2):103-109. PubMed
  4. Orringer JS, Sachs DL, Shao Y, et al. Direct quantitative comparison of molecular responses in photodamaged human skin to fractionated and fully ablative carbon dioxide laser resurfacing. Dermatol Surg. 2012. PubMed
  5. Tan J, Lei Y, Ouyang HW, Gold MH. The use of the fractional CO2 laser resurfacing in the treatment of photoaging in Asians: five years long-term results. Lasers Surg Med. 2014;46(10):750-756. PubMed
  6. Hedelund L, Haedersdal M, Egekvist H, Heidenheim M, Wulf HC, Poulsen T. CO2 laser resurfacing and photocarcinogenesis: an experimental study. Lasers Surg Med. 2004;35(1):58-61. PubMed
  7. Gye J, Ahn SK, Kwon JE, Hong SP. Use of Fractional CO2 Laser Decreases the Risk of Skin Cancer Development During Ultraviolet Exposure in Hairless Mice. Dermatol Surg. 2015. PubMed
  8. Olesen UH, Jacobsen K, Lerche CM, Haedersdal M. Repeated exposure to fractional CO2 laser delays squamous cell carcinoma formation and prevents clinical and subclinical photodamage visualized by line-field confocal optical coherence tomography and histology. Lasers Surg Med. 2023;55(1):73-81. PubMed
  9. Orringer JS, Johnson TM, Kang S, et al. Effect of Carbon Dioxide Laser Resurfacing on Epidermal p53 Immunostaining in Photodamaged Skin. Arch Dermatol. 2004;140(9):1073-1077. PubMed
  10. Stratigos AJ, Tahan S, Dover JS. Rapid development of nonmelanoma skin cancer after CO2 laser resurfacing. Arch Dermatol. 2002;138(5):696-698. PubMed
  11. Nicoli F, Balzani A, Gentile P, et al. Squamous cell carcinoma developing after CO2 laser resurfacing. J Cutan Med Surg. 2013;17(2):139-142. PubMed

※研究結果は対象者、照射条件、機器、治療回数などによって異なります。本記事で紹介した研究は、すべての患者さんに同じ結果が得られることや、長期反復治療の安全性を保証するものではありません。

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。

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