細菌性腟症とは? 魚のようなにおい・おりものの特徴、カンジダとの違い、自然に治るか、治療と再発予防を解説。
更新日:2026.04.27
「おりもののにおいが気になる」
「魚のようなにおいがする」
「さらっとしたおりものが増えた」
そんなときに原因のひとつとして考えられるのが、細菌性腟症です。
細菌性腟症は、
腟の中で乳酸菌が減り、ほかの菌が増えることで起こる状態です。
魚のようなにおいと、白色〜灰白色のさらっとしたおりものがヒントになる一方で、強いかゆみが前面に出ないこともあります。
ただし、こうした症状があればすべて細菌性腟症、というわけではありません。
おりものやにおいの変化は、
カンジダなどほかの原因でも起こりますし、更年期以降では乾燥やGSMが背景にあることもあります。
そのため、
見た目やにおいだけで自己判断しすぎず、必要に応じて婦人科で確認することが大切です。
この記事では、
- 細菌性腟症を疑いやすい特徴
- カンジダとの違い
- 自然に治るのか
- 市販薬で治せるのか
- 繰り返す理由と再発予防
まで、順番に整理してお伝えします。
目次
細菌性腟症を疑いやすい特徴
細菌性腟症で比較的よくみられるのは、においの変化とおりものの変化です。
主な特徴
特徴として知られているのは、魚のようなにおいです。
おりもの
白っぽい〜灰白色で、比較的さらっとした性状になることがあります。
かゆみの有無
かゆみがまったくないとは言い切れませんが、強いかゆみよりも、においや違和感が気になるという方は少なくありません。
疑いやすい症状
次のような場合は細菌性腟症を疑いやすくなります。
- 魚のようなにおいがする
- 白っぽい〜灰色っぽい、さらっとしたおりものが増えた
- 強いかゆみよりも、においや違和感が気になる
- 何度か同じような症状を繰り返している
Check point
ただし、これだけで確定することはできません。
実際には、カンジダやほかの感染症、更年期の乾燥やGSMでも似た症状が出ることがあります。
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カンジダとの違い
おりものやにおいの異常があるとき、よく迷いやすいのがカンジダです。
細菌性腟症では、
魚のようなにおいや灰白色のさらっとしたおりものがヒントになります。
一方、カンジダでは、
強いかゆみや白くポロポロしたりツブツブが入ったりしたおりものが目立ちやすいのが特徴です。
整理すると、
- においが気になる・さらっとしたおりものや違和感が中心なら細菌性腟症
- かゆみが強い・白くポロポロしたおりものならカンジダ
を疑いやすい、という違いがあります。
ただし、実際の症状はきれいに分かれるとは限りません。
細菌性腟症とカンジダが重なっていることもありますし、ほかの原因が隠れていることもあります。
そのため、見た目だけで決めつけず、必要に応じて検査で確認することが大切です。
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細菌性腟症は自然に治る?様子見してよい?
結論からいうと、軽い変化が自然にもどることはあっても、自然に治ると決めつけるのはおすすめできません。
細菌性腟症は、症状が軽いと「そのうち治るかも」と様子を見てしまいやすい状態ですが、そもそも細菌性腟症になる時は疲れなどで免疫力が低下していることもあり、なかなか治らないという場合も多いです。
注意すべき症状
においが続く、何度も繰り返す、ほかの症状もあるといった場合は、放置しない方が安心です。
自己判断で様子見を続けていると、実はカンジダだった、別の感染症だった、あるいは更年期の乾燥が背景だった、ということもあります。
次のような場合は、自然に治るかを待ちすぎず、婦人科で確認した方がよいでしょう。
- においが続く
- 何度も繰り返す
- おりものの変化が強い
- 不正出血や下腹部痛がある
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある
細菌性腟症は市販薬で治せる?
結論として、市販薬だけで自己判断しながら治すのはおすすめしにくいです。
理由は、細菌性腟症とカンジダでは原因も薬も違うからです。
カンジダ向けの抗真菌薬は薬局で購入できる場合もありますが、細菌性腟症の場合、治療薬を市販で購入することはできません。
また、腟洗浄液やデリケートゾーン用ソープは、補助的なケアにはなっても、原因そのものを治療する薬ではありません。
Check point
特に、
- 市販薬を使っても改善しない
- においが強い
- 繰り返している
- 妊娠中
- 痛みや不正出血がある
といった場合は、自己判断を長引かせない方が安心です。
細菌性腟症はなぜなる?原因ときっかけ
細菌性腟症は、腟の中の乳酸菌と細菌バランスが崩れることで起こります。
ひとつの原因だけで起こるわけではなく、いくつかの要素が重なって起こることが多いと考えられています。
関連が考えられるものとしては、
- 性交渉の相手が変わった
- ホルモンバランスの変化
- 月経時期
- 体調不良やストレス、不眠
などがあります。
Check point
とくに注意したいのが、アルカリ性の石けんによる洗いすぎです。
腟内は弱酸性に保たれており、この環境が保たれることで、腟内環境が細菌感染から守られやすくなります。
ところが、アルカリ性の石けんで洗いすぎたり、腟の中まで洗浄したりすると、酸・アルカリのバランスが変化し、違和感や細菌性腟症による症状が生じることがあります。
また、性交後ににおいやおりものの違和感が出る方もいます。
ただし、性交後の変化がすべて細菌性腟症とは限らず、摩擦や乾燥、ほかの感染症など、別の原因が関係していることもあります。
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細菌性腟症を繰り返すのはなぜ?
細菌性腟症を繰り返すときは、単に“治りきっていない”だけとは限りません。
たとえば、
- 毎回同じ細菌性腟症とは限らない
- カンジダなどほかの原因菌が混じっていることがある
- 洗いすぎや腟洗浄が影響している
- 刺激の強いケアや摩擦が続いている
- 体調やストレスや不眠が関係している
といった背景が考えられます。
Check point
「前回と同じ症状だから、今回も同じだろう」と自己判断して同じケアを繰り返すと、かえって長引くことがあります。
再発を繰り返す場合は、
今回も本当に細菌性腟症なのかを含めて、一度確認した方が安心です。
当院では、治療後のホームケアもご相談いただけます
細菌性腟症は、治療でいったん落ち着いても、体調の変化や洗いすぎ、刺激などをきっかけに繰り返すことがあります。
そのため、再発しやすい方では、原因の確認や必要な治療に加えて、毎日のケアを見直すことも大切です。
当院では、治療後の日常ケアとして、必要に応じてホームケアもご案内しています。
EBINEムース
たとえば、EBINEムースは、デリケートゾーンの清潔ケアをやさしく見直したい方に取り入れやすいホームケアです。
腟内の乳酸菌をサポートして、腟内の健康を守る酸性を保持し、保湿成分を配合することにより、何度も洗浄した後も潤いを残す設計をしております。きれいな環境を保持しながら洗浄を意識したい方におすすめです。
EBINEフローラ
また、EBINEフローラは、乳酸菌ケアとしてご案内しているサプリメントです。
細菌性腟症や膀胱炎を繰り返しやすい方やにおいが気になる方が、日常の体調管理や生活習慣の見直しとあわせて取り入れやすいホームケアのひとつです。
この乳酸菌は、腟内に存在するラクトバチルスの生菌であり、腸管内でも腟内でも役立つ善玉菌です。
ご自身の体力が落ちているときのサポートとしてご使用ください。
Check point
ただし、こうしたホームケアは、細菌性腟症そのものを治すためのものではありません。
においやおりものの異常があるとき、繰り返すとき、妊娠中や痛み・不正出血を伴うときは、まず原因を確認したうえで、その後のケアを考えていくことが大切です。
妊娠中は自己判断しない・更年期は自己判断しすぎない
妊娠中
妊娠中は、おりものやにおいの変化が気になりやすい時期です。
腟内の細菌叢は、妊娠継続に非常に重要なファクターであり、どのような変化であっても主治医に相談することが大切です。
妊娠中に気になる症状がある場合は、自己判断で長引かせず、早めに相談した方が安心です。
更年期
また、更年期では、低エストロゲンによる乾燥やGSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)が背景になって、ヒリヒリ感、違和感、しみる感じ、性交痛、尿路症状などが出ることがあります。
感染症だと思っていたら、実際には乾燥や萎縮の影響が大きかった、ということもあります。
そのため、更年期以降のデリケートゾーン症状では、感染症だけでなく、女性ホルモンの視点もあわせて考えることが大切です。
受診すると何をする?
細菌性腟症かどうかを判断するときは、症状だけでなく、診察やおりもの検査を組み合わせて考えます。
問診では、
- いつから症状があるか
- においが気になるか
- おりものの量や色
- かゆみや痛みの有無
- 繰り返しているか
などを確認します。
Check point
そのうえで、細菌性腟症なのか、カンジダなのか、ほかの原因なのかを見分けていきます。
見た目やにおいだけで断定できないため、長引く場合や再発する場合ほど、検査で確認する意味があります。
当院で確認したいこと
当院では、おりものやにおいの異常があるとき、細菌性腟症かどうかだけでなく、ほかの原因が隠れていないかも含めて確認していきます。
たとえば、
- 細菌性腟症か、カンジダか
- 別の感染症の可能性はないか
- 不正出血や下腹部痛を伴っていないか
- 更年期ではGSMや乾燥が背景にないか
- 繰り返す場合、洗い方や使用しているケア用品に問題がないか
といった点も大切です。
Check point
においやおりものの異常は、ありふれた悩みに見えても、背景はひとつではありません。
だからこそ、「何となく似ているから」で済ませず、必要に応じて確認していくことが大切です。
よくある質問
細菌性腟症は自然に治ることがありますか?
軽い変化が自然にもどることはありますが、必ず自然に治るとは言えません。
においが続く、繰り返す、妊娠中、ほかの症状を伴う場合は、様子見を長引かせない方が安心です。
細菌性腟症は性病ですか?
典型的な性感染症と単純には言い切れません。
ただし、性行為との関連がみられることはあります。
細菌性腟症は、特定の単一病原体による感染というより、腟内環境のバランスの崩れとして考えられています。
細菌性腟症は市販薬で治せますか?
市販の腟ケア用品やソープは補助的なケアにはなっても、根本的な治療の代わりにはなりません。細菌性腟症とカンジダでは必要な薬が異なるため、自己判断はおすすめしにくいです。
細菌性腟症を繰り返すのはなぜですか?
免疫力の低下や不眠などにより繰り返すことがあります。性交渉が原因のこともあります。毎回同じ原因とは限らず、カンジダやほかの原因が混じっていることもあります。
アルカリ性の石けんの使用、腟洗浄、性交渉、生活習慣などが関係していることもあるため、再発を繰り返す場合は一度確認した方が安心です。
まとめ
細菌性腟症は、腟内の乳酸菌が減り、ほかの菌が増えることで起こる状態です。
魚のようなにおいと、白色〜灰白色のさらっとしたおりものがヒントになりますが、強いかゆみが目立たないこともあります。
一方で、カンジダなど似た症状を起こす原因もあり、実際にはほかの感染症や、更年期の乾燥・GSMが背景にあることもあります。
見た目やにおいだけで自己判断するのはおすすめできません。
症状が続く、繰り返す、妊娠中、不正出血や下腹部痛があるときは、婦人科で相談してください。
気になる変化があるときは、ひとりで抱え込まず、早めに確認することが大切です。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。




