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生理・妊娠

生理前のおりものは何日前から変わる? 量・色・においの変化や腹痛は妊娠のサイン?医師が徹底解説

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「あれ、いつもと違うかも

生理前になると、

おりものの量が急に増えたり、
色が茶色っぽくなったり、
水っぽくなったりして、

不安に感じた経験はありませんか?

 

「もしかして妊娠のサイン?」

「何か病気だったらどうしよう…」

 

特に妊活中の方や、普段と違う変化に気づいたとき、その不安は大きくなるものでしょう。インターネットで検索しても、様々な情報が溢れていて、どれを信じたら良いのか分からなくなってしまいますよね。

この記事は、そんなあなたの不安を安心に変えるために、産婦人科医監修のもと、専門的な知識を分かりやすく解説します。

 

この記事で解決できること
  • 生理周期に伴う正常なおりものの変化がわかります
  • 気になる色や状態(水っぽい、茶色、黄色など)の原因と対処法がわかります
  • 妊娠初期のおりものとの違いや見分け方がわかります
  • 婦人科を受診すべき危険なサインが明確になります

 

 ほとんどのおりものの変化は、ホルモンバランスによる自然なものです。

しかし、中には体の不調を知らせる大切なサインが隠れていることもあります。

この記事を最後まで読めば、ご自身の体の変化を正しく理解し、適切に行動できるようになります。一緒に、不安を解消していきましょう。

 

目次

【はじめに】おりものは体を守る大切な味方って本当?

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おりものに対して、

「下着が汚れる」「不快なもの」

といったネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実はおりものは、女性の体を健やかに保つために、非常に重要な役割を担っている「大切な味方」なのです。

おりものの主な役割 

おりものの主な役割には、以下のようなものがあります。

自浄作用

膣内を酸性に保ち、外部からの細菌の侵入や増殖を防ぎます。

感染予防

膣内をうるおし、乾燥による摩擦や傷つきから守ります。

受精のサポート

排卵期には、精子が子宮内へスムーズに到達するのを助ける役割も担っています。

 Check point

このように、おりものは膣内の環境を守り、妊娠をサポートする、なくてはならない存在です。そして何より、おりものの量や色、状態の変化は、女性ホルモンのリズムを映し出す「体調のバロメーター」でもあります。

日々の変化を観察することで、排卵のタイミングや生理の訪れを予測したり、体のちょっとした不調にいち早く気づいたりすることができるのです。

「汚いもの」ではなく「体を守るサイン」と捉え、ご自身の体と向き合うきっかけにしてみましょう。

 

なぜ生理前におりものは変わるの?生理周期とホルモンの関係

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生理前のおりものは、一般的に生理予定日の35日前から変化が現れることが多いです。

これは、排卵後に分泌される「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の影響で、体が妊娠に備える準備を始めるためです。

以下で詳しく説明します。

生理前の「女性ホルモン」分泌量の変動

 生理前におりものが変化する最も大きな理由は、「女性ホルモン」の分泌量の変動にあります。女性の体は、約1ヶ月の生理周期の中で、主に2つの女性ホルモンの影響を受けています。

 1.エストロゲン(卵胞ホルモン)

子宮内膜を厚くして妊娠の準備をしたり、女性らしい体つきを作ったりするホルモンです。排卵前に分泌のピークを迎えます。

2.プロゲステロン(黄体ホルモン)

妊娠を維持しやすいように子宮内の環境を整えるホルモンです。排卵後から生理前にかけて分泌が増加します。

 Check point

生理前、つまり「黄体期」と呼ばれる時期には、このプロゲステロンの分泌が優位になります。

プロゲステロンには、受精卵が着床しやすいように子宮内膜をフカフカに保つ働きがあるため、体は妊娠に備えた状態になります。この影響で、おりものも変化するのです。

生理前の「おりもの」の変化 

具体的には、粘り気が強く、白く濁ったおりものが分泌されるようになります。

これは、受精卵の着床を助け、外部からの雑菌の侵入を防ぐために、膣の入り口に蓋をするような役割を果たすためと考えられています。このように、生理前のおりものの変化は、妊娠に向けた体の自然な準備の証なのです。

 

生理周期でおりものはこう変わる!4ステップ解説

生理周期は、大きく4つのステップに分けられ、それぞれでおりものの状態は特徴的に変化します。

① 生理直後~卵胞期(生理終了後~排卵前)

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※画像はイメージです

・経血の排出とともにおりものの量は少なくなります。

・状態はサラサラとしており、色は透明か白っぽいのが特徴です。

・「おりものが最も少ない時期」と覚えておくと良いでしょう。

② 排卵期(排卵日のおよそ前後2~3日)

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※画像はイメージです

・エストロゲンの分泌がピークに達し、おりものの量が最も増えます。

・透明で、生卵の白身のようにドロっとした伸びのあるおりものになります。

・これは、精子が子宮に到達しやすくするための変化です。

③ 黄体期(排卵後~生理前)

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※画像はイメージです

・プロゲステロンの分泌が増えるため、おりものは再び変化します。

・量は次第に減っていき、粘り気が強く、白く濁った状態になります。

・下着につくと、乾いて黄色っぽく見えることもあります。

 Check point

多くの人が「生理前のおりもの」として認識しているのは、この時期の変化です。

④ 生理直前

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※画像はイメージです

・プロゲステロンの分泌が急激に減少し、おりものの量もさらに減ります。

・人によっては、少量の経血が混じり、ピンク色や茶色のおりもの(不正出血)が見られることもあります。

 

生理前のおりものはどんな色・状態になる?変化のサイン早見表

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生理前の黄体期には、白く濁ったネバネバしたおりものが一般的ですが、個人差も大きいものです。

ここでは、よく見られる色や状態の変化と、その主な原因をまとめました。

おりもの状態別早見表

色/状態 よくある原因 正常・異常の目安
透明~乳白色 ホルモンバランスによる正常な変化 【正常】 においやかゆみがなければ心配ありません。
黄色 正常なおりものが酸化したもの・細菌感染 【様子見】 強いにおいやかゆみがなければ正常範囲。続く場合は注意。
茶色・ピンク色 生理直前の経血の混入・排卵出血・着床出血 【様子見】 1〜2日で収まるなら正常範囲。長引く、量が多い場合は受診を検討。
水っぽい 排卵期・妊娠初期・クラミジア感染症など 【様子見】 においがなく一時的なら心配なし。続く場合や悪臭がある場合は注意。
ポロポロした塊 カンジダ膣炎の可能性 【注意】 ヨーグルト状・カッテージチーズ状で、強いかゆみを伴う場合は受診を。
黄緑色・泡状 トリコモナス膣炎など性感染症の可能性 【要受診】 悪臭や強いかゆみを伴うことが多く、早めの受診が必要です。

医師からのアドバイス

表を見ていただくと分かるように、多くの一時的な変化はホルモンの影響によるものです。特に、においやかゆみ、腹痛といった他の症状が伴わない場合は、過度に心配せず、数日間様子を見ても良いでしょう。

ただし、異臭や痛みが伴う場合、また長期間続く場合は、何らかのサインである可能性も考えられますので、婦人科に相談することをおすすめします。

>>おりもの異常について

 

生理前のおりものが「水っぽい・茶色・黄色」などに変わるのはなぜ?症状別解説

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早見表を見て、「自分の状態はどれだろう?」と気になった方もいるでしょう。

ここでは、特に質問の多い症状ごとに、もう少し詳しく原因と対処法を解説していきます。

 「水っぽい・サラサラ」で量が多い原因は?

生理前に水っぽくサラサラしたおりものが増えると、「何か漏れているのでは?」と驚くかもしれません。この原因としては、主に3つの可能性が考えられます。

 まず、においや色に変化がなく、一時的なものであれば心配はいりません。多くの場合、排卵期の影響が少し長引いていたり、ホルモンバランスの一時的な乱れだったりすることがほとんどです。

 1.排卵期の影響

排卵期に出る透明で伸びるおりものが、黄体期に入っても続いているケースです。

2.妊娠の超初期症状

妊娠が成立すると、エストロゲンの分泌が続くため、水っぽいおりものが増えることがあります。ただし、これだけで妊娠を判断することはできません。

3.感染症の可能性

クラミジア感染症などでは、水っぽいおりものが増えることがあります。ただし、この場合はおりものの増加が持続したり、下腹部痛を伴ったりすることが多いです。

まずは慌てず、強いにおいや色の変化がないかを確認しましょう。数日経っても量が減らない、あるいは他の症状が出てきた場合は、婦人科に相談してみましょう。

「おりもの尿漏れみたい?」見分け方、原因(月経・妊娠・病気・更年期)、受診の目安など疑問に女医が丁寧に解説

 

「茶色・ピンク」は大丈夫?いつからなら心配ない?

生理の23日前から、茶色やピンク色のおりものが出ることがあります。これは、子宮内膜が少し剥がれ落ち、少量の経血がおりものに混ざることで起こる現象です。生理が始まるサインと考えて良いでしょう。

 同様に、排卵期に起こる「排卵出血」や、妊娠の兆候である「着床出血」でも、少量の出血がおりものに混じることがあります。

これらの出血は、通常13日程度で自然に止まります。この期間内であれば、多くは心配のない生理的な現象です。

 ただし、以下のような場合は注意が必要です。

・茶色いおりものが3日以上ダラダラと続く
・生理予定日を過ぎても本格的な生理が始まらない
・レバーのような塊が混じる
・下腹部痛や悪臭を伴う

 このような場合は、ホルモンバランスの乱れや、子宮の病気(ポリープやがんなど)の可能性も考えられるため、一度婦人科で相談することをおすすめします。

 Check point

ただし、着床出血はすべての人に起こるわけではありません。
実際には起こらない方のほうが多く、出血がないからといって妊娠していないというわけではありません。

おりもの茶色の原因はストレス?性状や臭いは?生理・妊娠・産後・性行為から更年期以降のお悩みまで女医が丁寧に解説

 

「黄色・黄緑色」は病気のサイン?

おりものが黄色っぽく見える場合、下着について酸化しただけであれば問題ありません。しかし、明らかに鮮やかな黄色や黄緑色のおりものが出た場合は、感染症のサインかもしれません。

細菌性膣症

膣内の常在菌のバランスが崩れ、特定の細菌が増殖することで起こります。灰色がかった黄色いおりものと、「生臭い」「魚が腐ったような」と表現される独特のにおいが特徴です。

トリコモナス膣炎

性感染症の一種で、黄緑色で泡立った、強い悪臭のあるおりものが出ます。外陰部に強いかゆみや痛みを伴うことが多いです。

 これらの症状は、自然に治ることはほとんどありません。特に「痛み・かゆみ・悪臭」のいずれかがセットになっている場合は、病気の可能性が高いと考えられます。放置すると炎症が広がることもあるため、必ず婦人科を受診し、適切な治療を受けましょう。

【黄色・黄緑色・酸っぱいおりもの】原因・受診目安・今すぐ治療すべきサインを女医が徹底解説

 

「白い」「ネバネバ」「ポロポロした塊」など、その他の状態

白くてネバネバしたおりものは、生理前の黄体期における典型的な正常な変化です。

一方で、注意が必要なのは、「ポロポロした塊状」のおりものです。

ヨーグルトやカッテージチーズ、酒粕のようにポロポロ・モロモロした白いおりものが出て、外陰部に強いかゆみを伴う場合は、カンジダ膣炎の可能性が高いです。

カンジダはもともと膣内にいる常在菌ですが、ストレスや疲労で免疫力が低下すると、異常に増殖して症状を引き起こします。市販薬もありますが、初めて症状が出た場合や、再発を繰り返す場合は、他の病気との鑑別のためにも、一度婦人科で診断を受けることを強く推奨します。

「白いおりもの大丈夫?」ねばねば・塊・さらさら・かゆみの有無などの原因・対処法を産婦人科医が解説

 

量が「増える」場合と「減る」場合、妊娠可能性との関係は?

「おりものが増えたから妊娠?」
「減ったから生理が来る?」

と、量だけで判断しようとする方もいますが、これは非常に難しいと言えます。

量が増える場合

黄体期にはプロゲステロンの影響で、粘り気のあるおりものが分泌されます。妊娠が成立した場合、妊娠を維持するためにホルモンの分泌が続くため、おりものの量は増えたまま、あるいはさらに増える傾向があります。

量が減る場合

通常、生理直前にはホルモンの減少とともにおりものの量も減っていきます。

このように傾向の違いはありますが、個人差が非常に大きいため、「量」だけで妊娠を判断することはできません。妊娠の可能性を知りたい場合は、おりものの変化だけで一喜一憂せず、生理予定日前後から1週間前後で妊娠検査薬を使用するのが最も確実です。

※生理不順の方は、妊娠していても気づきにくいことがあります。性交渉があった場合は、「生理が来ないな」と思った時点で、まず妊娠の可能性を意識することが大切です。

 Check point

なお、「生理前なのにおりものがほとんど出ない」という方もいます。

この場合、ホルモン分泌の個人差や加齢、ストレス、過度なダイエット、膣内の乾燥、疲れ、不眠などが関係していることがあります。一時的なものであれば心配いりませんが、長期間おりものが少ない状態が続く場合は、ホルモンバランスの検査を検討しても良いでしょう。

 

生理前のおりものと妊娠初期のおりもの、どう違う?医師が5つのポイントで比較

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妊活中の方にとって、生理前のおりものの変化は「妊娠の兆候(超初期症状)かもしれない」と期待と不安が入り混じるサインですよね。生理前と妊娠初期の症状は非常によく似ていますが、注意深く観察するといくつかの違いが見られることがあります。

妊娠成立までのおりものタイムライン

1.排卵期(受精のタイミング)

・透明〜半透明で、サラサラ〜卵白のように「よく伸びる」おりものが増える時期。
・精子が子宮内へ進みやすい状態です。

2.黄体期(着床を待つ時期/生理前)

・次第に白く濁り、とろみ・粘り気が出てきます。
・量は少しずつ減り、膣の入り口を「ふた」のように守る状態になります。

・妊娠成立(生理予定日頃の超初期)

・乳白色〜クリーム色で、水っぽい〜とろみのあるおりものが続き、量がやや増えることがあります。
・においは基本的に強くありませんが、「いつもと違う状態が、生理予定日を過ぎても続く」のがひとつの目安です。

 Check point

いずれの時期も、悪臭・黄緑色・強いかゆみや痛みを伴う場合は、感染症の可能性もあるため受診をおすすめします。

 

ひと目でわかる!生理前と妊娠初期のおりもの比較表

ここでは、見分けるための5つの比較ポイントを解説します。

項目 生理前 妊娠初期
白く濁ることが多い。 乳白色やクリーム色になることがある。
着床時に少量の出血が起こると、ピンク色や茶色のおりもの(着床出血)が見られることも。
次第に量が減っていくのが一般的。 女性ホルモンの分泌が維持されるため、量は減らず、むしろ増える傾向がある。
におい 少し酸っぱいにおいがすることもあるが、ほぼ無臭。 基本的な性状は同じだが、においに敏感になり、普段は気にならないにおいを強く感じることがある。
粘り気(粘性) 粘り気が強く、ドロッとした状態になりやすい。 より水っぽく、サラサラした状態に変化することがある。
持続期間 生理が始まると変化がおさまり、リセットされる。 妊娠が成立すると、その状態が継続的に続く。

医師からのアドバイス

この表はあくまで一般的な傾向です。
症状には個人差が大きく、これらの違いだけで妊娠を確定することはできません。

最も確実なのは、妊娠検査薬の使用です。焦る気持ちは分かりますが、正確な結果を得るために、生理予定日前後から生理予定日1週間後までに検査をしてみましょう。

>>生理前と妊娠初期の違いの徹底解説記事はコチラ

妊娠検査薬が陰性なのに、おりものが違うのはなぜ?

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「検査薬は陰性だったのに、いつもと違うおりものが続く」というケースもあります。

これには、いくつかの理由が考えられます。

検査のタイミングが早すぎた

妊娠していても、検査薬が反応するhCGホルモンの量がまだ少ない可能性があります。数日後に再検査すると陽性になることもあります。

着床時期の個人差

排卵日がずれると、着床のタイミングもずれます。そのため、ご自身が思っている生理予定日と、実際の妊娠週数に差が出ることがあります。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスや体調不良によってホルモンバランスが乱れ、生理周期が遅れている場合も、おりものの状態が普段と変わることがあります。

想像妊娠

妊娠を強く望む気持ちから、体が妊娠時と似たような症状を示すこともあります。

 Check point

いずれにせよ、生理が2週間以上遅れるようであれば、妊娠の有無にかかわらず、婦人科で一度相談してみることをお勧めします。

また、着床出血はすべての人に起こるわけではありません。実際には起こらない方のほうが多く、出血がないからといって妊娠していないというわけではありません。

一方で着床出血を生理と勘違いし、妊娠8週目になってから初めて妊娠がわかる方もいます。生理不順の方は、「出血=必ず生理」と思い込まず、普段と違う出血や体調の変化があれば早めに検査・受診を考えてください。

 

かゆみ・悪臭・腹痛は危険サイン?婦人科に行くべき「異常なおりもの」

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ここまで解説してきたように、ほとんどのおりものの変化は生理的なものです。

しかし、中には婦人科系の病気が隠れている「危険なサイン」もあります。正常か異常かを見分けるのが難しいと感じる方のために、受診の目安を具体的にお伝えします。

「色や量」だけの変化よりも、「かゆみ」「悪臭」「痛み」といった他の症状が伴うかどうかが、重要な判断基準になります。

おりものの異常で考えられる感染症

おりものの異常に、かゆみや悪臭が伴う場合、以下のような感染症が疑われます。

これらの感染症は、放置すると不妊や早産の原因になることもあります。疑わしい症状があれば、パートナーのためにも、早めに検査と治療を受けましょう。

長引く茶色いおりもの(不正出血)で注意したい病気

生理期間以外に出る少量の出血を「不正出血」と呼びます。茶色いおりものがダラダラと長く続く場合は、不正出血の可能性が高いです。ホルモンバランスの乱れが原因のことも多いですが、中には以下のような病気が隠れている可能性もあります。

  • 子宮頸管ポリープ
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮筋腫
  • 子宮頸がん、子宮体がん
  • 卵巣がん

 
特に、子宮頸がんは初期症状がほとんどありません。

不正出血は、体が発している数少ないサインの一つです。20歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に子宮頸がん検診を受けることが、早期発見のために非常に重要です。

>>おりもの異常について

 

病院に行くべき?受診の目安となる期間

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「様子を見ていいのか、すぐに病院に行くべきか」と迷う方も多いでしょう。
受診の判断は、症状がどのくらい続いているか(時間の経過)で考えるのが分かりやすいです。

 ・1〜2日程度の変化
→ まずは様子を見ても良いでしょう。
・ 3日以上続く、または症状が悪化する
婦人科の受診を推奨します。
・ 強い腹痛、多量の出血、我慢できないかゆみがある
すぐに受診してください。

「これくらいで受診してもいいのかな?」
とためらう必要は全くありません。あなたの不安を解消することも、婦人科医の大切な役割です。

 

生理前のおりものに関するよくある質問

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ここでは、患者様からよくいただく質問について、Q&A形式でお答えします。

 Q1. 生理前のおりものが酸っぱいにおいがします。大丈夫でしょうか?

A1. 膣内は善玉菌である乳酸菌の働きにより、健康な状態では弱酸性に保たれています。

そのため、おりものから少しヨーグルトのような酸っぱいにおいがするのは、むしろ正常な証拠です。心配いりません。ただし、魚が腐ったような生臭いにおいや、明らかにいつもと違う悪臭がする場合は、細菌性膣症などの可能性も考えられますので、一度ご相談ください。

 Q2. ピルを飲んでいるのですが、おりものはどう変わりますか?

A2. 低用量ピルを服用すると、排卵が抑制され、ホルモンバランスが一定に保たれるため、周期的なおりものの変化は少なくなります。量が全体的に減少したり、サラサラした状態が続いたりすることが一般的です。

急に色やにおいが変わった場合は、ピルの影響とは別の原因が考えられますので、かかりつけの医師に相談してみましょう。

 Q3. おりものシートは毎日使っても良いですか?

A3. おりものシートは下着の汚れを防ぎ、快適に過ごすために便利なアイテムです。

ただし、長時間同じものを使い続けると、蒸れて雑菌が繁殖しやすくなり、かぶれや感染症の原因になることがあります。使用する場合は、23時間ごとなど、こまめに取り替えるように心がけましょう。また、肌に合わないと感じたら、使用を中止してください。

 

つらい時期を快適に!不快なおりものを和らげるセルフケア

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生理前はおりものの不快感だけでなく、PMSの症状で心身ともにつらい時期ですよね。

少しでも快適に過ごすために、日常生活でできるセルフケアをご紹介します。

・通気性の良い下着を選ぶ

綿素材など、通気性が良く、体を締め付けない下着を選びましょう。

・清潔を保つ

デリケートゾーンは専用ソープで優しく洗いましょう。ただし、洗いすぎは禁物です。膣内まで洗ってしまうと、自浄作用を担う善玉菌まで流してしまい、かえって感染症のリスクを高めます。お湯で優しく洗い流す程度で十分です。

・生活習慣を整える

バランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけ、ホルモンバランスを整えましょう。

・ストレスを溜めない

アロマを焚いたり、ゆっくりお風呂に浸かったりと、自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。

・体を冷やさない

体が冷えると血行が悪くなり、生理前の不調が悪化することがあります。温かい飲み物を飲んだり、服装を工夫したりして、体を温めましょう。

 

【まとめ】正常な変化と異常の見分け方を再確認

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生理前のおりものは、誰にでも起こる自然な体のサインです。

不安に感じたら「おかしい」ではなく「体が教えてくれている」と捉えてみましょう。

最後に、この記事の要点をもう一度確認しましょう。
生理前のおりものの変化は、あなたの体が正常に機能している証です。

おりもの状態別早見表

色/状態 よくある原因 正常・異常の目安
透明~乳白色 ホルモンバランスによる正常な変化 【正常】 においやかゆみがなければ心配ありません。
黄色 正常なおりものが酸化したもの・細菌感染 【様子見】 強いにおいやかゆみがなければ正常範囲。続く場合は注意。
茶色・ピンク色 生理直前の経血の混入・排卵出血・着床出血 【様子見】 1〜2日で収まるなら正常範囲。長引く、量が多い場合は受診を検討。
水っぽい 排卵期・妊娠初期・クラミジア感染症など 【様子見】 においがなく一時的なら心配なし。続く場合や悪臭がある場合は注意。
ポロポロした塊 カンジダ膣炎の可能性 【注意】 ヨーグルト状・カッテージチーズ状で、強いかゆみを伴う場合は受診を。
黄緑色・泡状 トリコモナス膣炎など性感染症の可能性 【要受診】 悪臭や強いかゆみを伴うことが多く、早めの受診が必要です。

 おりものは、あなた自身の健康状態を知るための貴重な情報源です。普段から自分の体の変化に目を向ける習慣をつけることで、小さな異常にもすぐに気づけるようになります。

 生理前のおりものの変化は、多くの女性が経験することです。ほとんどは心配いりませんが、中には体のサインが隠れていることも。

 「もしかして」と感じたときに、気軽に婦人科を頼ってください。

少しの違和感でも、専門家に相談することが、あなた自身の安心への近道です。
一人で抱え込まず、私たち専門家と一緒に、あなたの健康を守っていきましょう。

 

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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