【性行為後に不調を感じる方へ】膣炎・膀胱炎・出血・下腹部痛の正しい対処法を婦人科女医が解説!
更新日:2025.09.13

性行為のあとに
「おしっこがしみる」
「膣がかゆい」
「出血があった」
「なんとなく体調が悪い」
「尿が近い」
といった不調を感じる方は少なくありません。
一時的な違和感で済むこともありますが、繰り返す・強く出る症状の裏には 膀胱炎・膣炎・子宮の病気・ホルモン変化・性感染症 など、さまざまな原因が隠れていることがあります。
「性行為後の不調=恥ずかしいから様子を見る」で放置してしまうと、慢性化や妊娠・将来の健康に影響するリスクも否定できません。
本記事では、
- 性行為後によくある症状(排尿痛・膣炎・膀胱炎・出血・下腹部痛・倦怠感)
- その原因や考えられる病気
- セルフケア・予防の方法
- 受診した方がよい目安
を女医の視点でまとめて解説します。
「どの症状が自分に当てはまるか」
「病院に行った方がよいのか」
を判断するためのガイドとしてご活用ください。
目次
性行為後に不調が起こりやすい理由とは?

性行為のあとに体調不良や違和感が出やすいのは、女性の身体の構造やホルモンの影響が大きく関わっています。ここでは代表的な理由を解説します。
1.膣や尿道がデリケートな構造
女性の尿道は男性に比べて短く、肛門とも近いため、細菌が尿道を通って膀胱に侵入しやすい構造をしています。性行為によって尿道口が刺激を受けて尿道内に菌が入り込み、膀胱炎を生じて排尿痛や頻尿を起こしやすくなります。また、性行為により膣内に菌が入り込み膣炎になることもあります。
2.性交による摩擦や刺激
性行為では膣粘膜や尿道口に摩擦が加わり、わずかな傷や炎症が生じることがあります。特に潤滑不足やホルモン低下があると粘膜が薄く傷つきやすく、性交後の出血や膣のヒリヒリ感につながります。精液により膣内pH変化や粘膜環境の変化も、最近の増殖を促すことがあります。
3.ホルモン変化の影響
更年期やピルを長期的に服用している方は、女性ホルモン(エストロゲン)が低下しやすく、膣粘膜が乾燥・萎縮する傾向があります。その結果、膣炎や萎縮性膣炎、性交後の出血が起こりやすくなります。
4.免疫力の低下
疲労・睡眠不足・ストレスなどで免疫力が落ちていると、性行為後に膣炎や膀胱炎などの感染症が繰り返しやすくなります。また体調不良が背景にあると、性交後にだるさや発熱といった全身症状を伴うこともあります。
★まとめ
性行為後の不調は「構造的に起こりやすい+ホルモンや免疫の状態で悪化しやすい」 という2つの要因が重なって生じます。
性行為後によくある症状と考えられる原因

性行為のあとに起こる不調は「一時的な違和感」で済むこともありますが、繰り返す・強く出る場合は病気が背景にあることも少なくありません。代表的な症状ごとに原因を見ていきましょう。
排尿痛・残尿感
性交後に「おしっこがしみる」「排尿のたびに痛い」と感じる方は多いです。
主な原因
急性膀胱炎
性交で尿道から大腸菌などが侵入し、膀胱に炎症を起こす。頻尿・残尿感を伴うことが多い。
尿道炎
クラミジアや淋菌など性感染症によることも。膿のような分泌物を伴う場合は要注意。
摩擦や刺激
潤滑不足で尿道口が炎症を起こし、一時的に排尿痛が出るケース。
▶繰り返す排尿痛や膀胱炎は、免疫力の低下や生活習慣も関与していることがあり、自己判断で市販薬を繰り返すのは危険です。
詳しくは以下記事もご覧ください。
膣のかゆみ・おりものの異常
性交後に「かゆみが強くなる」「おりものの色やにおいが気になる」と感じる場合、膣内の炎症や性感染症が関わっていることがあります。
主な原因
・カンジダ膣炎
チーズのようにボロボロした白いおりもの+強いかゆみ。抗生物質使用や免疫低下で悪化しやすい。
・細菌性膣症
灰白色でにおいの強いおりもの。性交後に悪化しやすい。
・トリコモナス膣炎
泡立つようなおりもの・悪臭・かゆみ。性交でパートナーにうつる性感染症。
・クラミジア感染症・淋菌感染症
おりものが増える・膿のようになる、下腹部痛や排尿痛を伴うことも。性感染症に由来する膣炎は自覚症状が軽いことも多く、気づかないまま進行することもある。
▶性交後に症状が出やすいのは、摩擦や膣内pHの変化で「膣フローラ」が乱れるためです。性感染症との区別は自己判断が難しいため、検査での確認が安心です。
詳しくは以下記事もご覧ください。
膣や子宮からの出血
「性行為のあとに出血した」という経験も珍しくありません。
少量なら一時的な粘膜損傷ですが、繰り返す場合は病気が背景にある可能性があります。
主な原因
・摩擦や裂傷による出血
潤滑不足や長時間の性交で膣粘膜や会陰が切れ、鮮血が出ることがある。出産後の瘢痕や膣萎縮があると起こりやすい。
・萎縮性膣炎
更年期や低エストロゲン状態で粘膜が薄く、わずかな摩擦で出血。
・子宮頸部ポリープ・子宮頸がん
子宮頸部の病変で接触出血を起こす。早期発見のため検診が重要。
・妊娠初期の出血
妊娠の可能性がある場合、切迫流産などリスクを伴うことがある。
・子宮膣部びらん
子宮膣部の粘膜が出血しやすい。子宮頸がんや子宮体がんの場合も性行為の後に出血する。婦人科での検診が大切。
▶一度きりの少量出血は心配不要なことも多いですが、繰り返す・量が多い・鮮血が多い場合は婦人科での検査が必要です。
詳しくは以下記事もご覧ください。
下腹部痛
性交後に「お腹の奥が痛い」と感じる場合、膣や子宮の奥で炎症や病気が関わっている可能性があります。
主な原因
・子宮内膜症
性行為時・後に下腹部が強く痛む。生理痛が重い方に多い。
・骨盤内炎症性疾患(PID)
クラミジア・淋菌などの性感染症が原因で、子宮や卵管に炎症。発熱や膿性おりものを伴うことも。
・卵巣の異常(嚢腫・腫瘍など)
性行為で刺激されて痛みが出る場合がある。
・子宮筋腫
子宮筋腫の感染や変性している場合、性交痛が出現する。
・子宮留嚢腫・卵管膿瘍・卵巣膿瘍
何らかの細菌により子宮・卵管・卵巣に膿がたまる場合、性交痛を認める。
▶性交後の下腹部痛が強い・繰り返す場合は、早めの婦人科受診で内膜症や性感染症の有無を確認することが大切です。
詳しくは以下記事もご覧ください。
倦怠感・発熱・体調不良
性行為後に「体がだるい」「熱っぽい」といった全身症状が出ることもあります。
主な原因
・腎盂腎炎
膀胱炎が進行し、腎臓まで炎症が広がると発熱・全身倦怠感を伴う。
・性感染症
HIV・クラミジア・淋菌など一部の性感染症は、性交後しばらくして発熱・倦怠感を引き起こすことも。
・免疫力低下
ストレスや疲労で体調が崩れ、性交をきっかけに不調を自覚するケース。
▶性交後に繰り返す倦怠感や発熱は、単なる疲れではなく感染症の可能性もあります。
詳しくは以下記事もご覧ください。
自己判断せず受診が必要なサイン

性行為後の不調は一過性のこともありますが、次のような“赤信号”がある場合は、自己判断で様子を見ずに早めに婦人科へご相談ください。
1.出血に関する赤信号
- 毎回のように性交後に出血する/閉経後の出血がある
- 鮮血が多い・止まりにくい、レバー状の血のかたまりが出る
- ナプキンを短時間で何度も交換するほど量が多い
- 痛みや発熱を伴う出血
- 外傷性が疑われる(強い摩擦で「会陰が切れた/膣が裂けた」感覚、ヒリヒリする局所痛)
ポイント
・外傷性は一過性でも、繰り返すなら萎縮や潤滑不足が背景にあることが多く対策治療が必要です・閉経後や産後の瘢痕部は裂傷しやすく、少量でも受診推奨します
2.排尿症状に関する赤信号
- 排尿痛・頻尿・残尿感が2–3日以上続く、または悪化する
- 血尿や38℃以上の発熱、腰背部痛(背中・脇腹の痛み)を伴う
ポイント
膀胱炎から腎盂腎炎へ進展の可能性。悪寒・吐き気があれば早急受診してください。
3.膣のかゆみ・おりもの異常に関する赤信号
- 強いかゆみや灼熱感が続く/悪臭・泡状・膿性のおりもの
- 症状が再発を繰り返す/市販薬で改善しない
- 性感染症の可能性がある(新しいパートナー、コンドーム未使用 など)
ポイント
カンジダ・細菌性膣症のほか、クラミジア・淋菌などSTI由来の膣頸管炎でもおりもの異常は起こります。自己判断は危険で、検査が必要です。
4.下腹部痛・全身症状に関する赤信号
- ズキズキ・締め付ける強い下腹部痛、体位で悪化/性交のたびに出現
- 38℃以上の発熱や悪寒、吐き気、ぐったりする倦怠感
ポイント
骨盤炎症性疾患(PID)、子宮内膜症の増悪などの可能性。早期治療が大切です。
5.妊娠の可能性がある場合
- 妊娠初期と思われる時期の出血・腹痛・めまい
- 緊急避妊の必要性がある場合は、性交渉後72時間以内に相談を。
ポイント
妊娠中の場合、切迫流産・子宮外妊娠の可能性もありますので早急に受診してください。6.アレルギーの可能性がある場合
- 外陰部の急な腫れ・かゆみ・蕁麻疹(精液・ラテックス・潤滑剤への反応)
- 息苦しさ・全身蕁麻疹・ふらつきなど全身症状があれば救急受診
受診のタイミング目安

今すぐ(当日中〜救急)
大量出血/意識が遠のく/激しい腹痛/高熱(38.5℃以上)+悪寒/息苦しさ・全身蕁麻疹
早め(24–48時間以内)
出血が続く・繰り返す/排尿痛やかゆみが強い/悪臭おりもの/発熱・腰背部痛
数日以内
軽い症状でも再発を繰り返す/市販薬で改善しない/不安が強い
受診時に役立つ情報・持ち物
- 最終月経日/周期、出血の量・色・回数のメモ
- 避妊方法(コンドーム使用の有無、緊急避妊の要否)
- 最近の性行為歴(新しいパートナー、STI接触リスク)
- 内服中の薬・既往症(特に抗生剤・免疫抑制薬、糖尿病)
- 可能なら発熱の記録、市販薬使用の有無
当院で想定される検査の例
- 尿検査(白血球・赤血球・細菌培養)
- 膣分泌物検査(細菌培養)
- STI検査(クラミジア・淋菌 ・トリコモナス・マイコプラズマほか)
- 妊娠検査(尿/血中hCG)
- 頸部細胞診・HPV検査(接触出血や頸部病変により子宮頸がんが疑われる場合)
- 経腟超音波(子宮・卵巣・卵管の評価および妊娠の確認)
※診断は症状や診察所見に基づき医師が総合的に行います。
自己判断で抗生剤・膣剤を反復使用すると、診断を難しくし再発や耐性化の原因になるため避けましょう。
婦人科での検査・治療の流れ

性行為後の不調は、原因によって必要な検査や治療が大きく異なります。ここでは婦人科を受診した際に一般的に行われる流れを解説します。
1.問診
- 症状の内容(排尿痛・出血・下腹部痛など)
- 症状が出るタイミング(性行為直後/数日後)
- 月経周期・妊娠の可能性
- 性交歴・避妊方法(新しいパートナーの有無、コンドーム使用の有無)
- 既往歴・服薬歴(抗生剤使用・ホルモン剤服用・持病)
- 妊娠歴
CHECK POINT
問診内容は診断の重要な手掛かりになるため、できるだけ具体的に伝えましょう。
2.身体診察・内診
- 外陰部の状態を確認(発赤・裂傷・腫脹の有無)
- 膣や子宮頸部の状態と帯下を観察(出血点・ポリープ・炎症)
- 必要に応じて経腟超音波で子宮・卵管・卵巣の異常を確認
3.検査
症状に応じて次のような検査が行われます。
・ 尿検査
尿中の白血球や細菌を調べ、膀胱炎や腎盂腎炎の有無を確認します。
・ 膣分泌物検査
おりものを顕微鏡や培養で調べ、カンジダ・細菌性膣症・トリコモナスなどを確認します。
・ 性感染症検査(クラミジア・淋菌など)
尿や膣分泌物をクラミジア・トリコモナスなどの遺伝子検査で解析し、早期かつ正確に診断します。
・ 妊娠検査
尿や血液中のhCGを測定し、妊娠の有無を確認します。
・ 子宮頸部細胞診・HPV検査
子宮頸部の細胞を採取し、がんや前がん病変、HPV感染の有無を確認します。
・ 血液検査
炎症反応やホルモン値を測定し、全身状態や内分泌異常を評価します。
4.治療
原因に応じて次のような治療が行われます。
・ 膀胱炎・腎盂腎炎
細菌感染に対して抗菌薬を内服します。高熱や腎臓まで炎症が広がっている場合は、点滴治療や入院管理が必要になることもあります。
・ カンジダ膣炎
抗真菌薬の膣坐薬を数日使用するほか、外用薬を併用します。再発を繰り返す場合には膣内環境を整えるケアも重要です。
・ 細菌性膣症
腟坐薬による抗菌薬治療を行います。再発しやすいため、治療後は膣フローラを整えるケアを合わせると効果的です。
・ 性感染症(クラミジア・淋菌など)
抗菌薬による治療が基本です。パートナーにも同時治療が必要で、再感染を防ぐためには本人とパートナー両方での管理が欠かせません。
・ 萎縮性膣炎
女性ホルモン低下で粘膜が薄くなっている場合、局所エストロゲン製剤が有効な場合もあります。乳がんや子宮体がんなどホルモン療法ができない方は、膣レーザー治療(モナリザタッチ)も有効です。
・ 子宮頸部ポリープ
良性のことが多く、外来で局所麻酔も不要のまま簡単に切除できます。出血や感染の原因になるため、見つかった場合は切除が推奨されます。
・ 子宮頸がんなど腫瘍性疾患
精密検査を行い、必要に応じて専門の医療機関で手術・放射線治療・化学療法などを組み合わせた治療を行います。
CHECK POINT「モナリザタッチ」について

当院では、女性ホルモンの低下で粘膜が薄くなり「性交後の出血・痛み」を繰り返す方に、モナリザタッチ(炭酸ガスフラクショナルレーザー治療) を導入しています。
モナリザタッチは膣粘膜に微細な刺激を与えることで、コラーゲン再生と血流改善を促し、膣のうるおい・弾力を回復させる治療法です。
このような方におすすめ
- 局所エストロゲンが効かない方
- ホルモン補充療法を長期的な副作用が不安な方
- ホルモン補充療法に抵抗がある方
- 早急に痛みを治したい方
▶多くの不調は正しく診断し適切な治療を受ければ改善が期待できます。
5.再発予防とフォローアップ
- 治療後に再発防止のセルフケア指導(性交後の排尿、生活習慣改善、膣フローラのケア)
- 必要に応じて定期検診やフォローアップ検査を実施
性行為後の不調を予防するセルフケア

性行為後の排尿痛・膣炎・出血などは、ちょっとした習慣やセルフケアで予防できることがあります。ここでは日常的に取り入れやすい方法を紹介します。
1.男性も女性も、性交前に陰部を丁寧に洗う。
男女ともに性交前に陰部を清潔にすると、感染や炎症の予防になります。ゴシゴシ洗いは避け、ぬるま湯や専用洗浄剤でやさしく洗いましょう。
2.性交後はできるだけ早く排尿する
性行為後に排尿をすることで、尿道から侵入した細菌を洗い流すことができます。膀胱炎の予防にもっとも有効な習慣のひとつです。
3.軽くシャワーで洗浄する
外陰部をぬるま湯でやさしく洗い流すと、細菌や分泌物を取り除くのに役立ちます。
- ゴシゴシ洗いは粘膜を傷つけるのでNG
- 女性は石鹸やボディソープでなく、デリケートゾーン専用の洗浄剤を使用する
4.膣フローラを整える

膣内には「乳酸菌(ラクトバチルス)」が常在し、感染から守る働きをしています。このバランスが乱れると、膣炎を繰り返しやすくなります。
- 乳酸菌サプリで内側からサポート
- 膣内ジェル・保湿剤で乾燥を防ぐ
▶当院では、膣内環境を整えたい方に膣ピル「EBINE flora/エビネフローラ」を推奨しています。
5.保湿ケアで粘膜のうるおいを保つ

潤い不足は摩擦や炎症、性交後の出血の原因になります。
これらの製品は、市販の保湿剤では補いにくい「デリケートゾーン専用設計」。粘膜のうるおいを日常的にサポートし、性交後のトラブル予防にも役立ちます。
6.潤滑剤や体位の工夫
性交時に粘膜が擦れて傷つくと、痛みや出血の原因になります。
- 潤滑剤で摩擦を軽減
- 痛みが出にくい体位をパートナーと工夫
7.下着・生活習慣の見直し
- 通気性の良い綿素材の下着を選ぶ
- タイトな服装を避け、湿気をためない
- 睡眠・栄養を整えて免疫力を高める
8.寝不足に注意
睡眠不足は免疫力を下げ、膀胱炎や膣炎のリスクを高めます。性交後は特に体を休め、十分な睡眠をとることが大切です。
よくある質問(FAQ)

Q1. 性交後に膀胱炎になるのは体質ですか?
尿道が短いなど女性特有の構造も関係しますが、「必ずなる」という体質はありません。性交後の排尿や清潔な環境づくりで予防できることも多く、繰り返す場合は性病だけでなく、免疫力や膣フローラの乱れが影響していることもあります。Q2. 性交後に出血しました。病気のサインでしょうか?
一度きりで少量なら粘膜の摩擦や裂傷による出血の可能性が高いです。ただし、繰り返す出血や大量出血は、萎縮性膣炎・子宮頸部ポリープ・子宮頸がんなどの病気のサインのこともあります。早めの受診をおすすめします。Q3. 性交後の膣のかゆみやおりものは性感染症の可能性がありますか?
はい。カンジダや細菌性膣症のほか、クラミジアや淋菌など性感染症が原因になることもあります。症状だけでは区別がつかないため、正確な診断には検査が必要です。Q4. セルフケアだけで治せますか?
軽い不調は性交後の排尿・ぬるま湯での洗浄・膣保湿などで改善することもあります。当院のエビネジェル・エビネセラムは膣のうるおいを保ち、摩擦や炎症の予防に役立ちます。ただし症状が続く・繰り返す場合は医師の診察が必要です。Q5. 婦人科ではどんな検査をしますか?
尿検査、膣分泌物検査、性感染症検査、妊娠検査、超音波検査など、症状に応じて行います。痛みを伴う検査は少なく、数分で終わることが多いため安心してください。
まとめ

性行為後の不調には、排尿痛・膣炎・膀胱炎・出血・下腹部痛・倦怠感など、さまざまな原因が関わっています。
【Step 1】セルフケアでできること
▶これらのセルフケアは、日常的な不調予防に効果的です。
【Step 2】医療で根本解決
- 繰り返す排尿痛 → 尿検査+抗菌薬治療
- 膣のかゆみ・おりもの異常 → 膣分泌物検査+原因別治療(抗真菌薬・抗菌薬)
- 出血 → ポリープ切除・腫瘍精査
- 下腹部痛 → 子宮内膜症や骨盤炎症性疾患の診断・治療
▶症状が続く・強い場合は自己判断せず婦人科での検査が必要です。
Step 3:最新の治療で再発予防・QOL改善
特に「性交後の出血・乾燥・痛み」が女性ホルモン低下に伴う萎縮性膣炎から来ている場合、従来は局所エストロゲン治療が中心でした。当院ではそれに加え、「モナリザタッチ(膣レーザー治療)」を導入しています。
- ホルモンを使わない治療で、粘膜を刺激しコラーゲン再生・血流改善を促進
- 膣のうるおい・弾力を取り戻し、性交後の痛みや出血を根本的に改善
- 更年期世代はもちろん、ホルモン療法に抵抗がある方にも選ばれています
▶「セルフケアだけでは足りない」と感じる方にとって、「モナリザタッチ」は新しい選択肢 です。
結論
性行為後の不調は「放置すれば自然に治るもの」ではなく、
セルフケア → 医師による検査・治療 → 最新医療(モナリザタッチ)
と段階的にアプローチすることで改善・予防が可能です。
まずは症状を確認し、気になることがあれば早めに当院へご相談ください。
その他の性交痛に関して
セックスが痛い時の原因と治療|性交痛セルフケア&受診目安を女医が徹底解説!
オンライン診療も実施中

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。