更年期の頻尿は何科? GSM・過活動膀胱・膀胱炎の見分け方を女医が丁寧に解説。
更新日:2026.04.15
「最近、トイレが近い気がする」
「夜中に何度も目が覚める」
「膀胱炎のような感じがするのに、はっきりしない」
このようなお悩みはありませんか?
更年期の時期には、
女性ホルモンの変化にともなって、
腟や外陰部だけでなく、膀胱や尿道まわりにも変化が起こりやすくなります。
そのため、
・頻尿、
・急に強い尿意を感じる、
・排尿時にしみる感じがする、
・膀胱炎
このような違和感を繰り返すといった症状がみられることがあります。
こうした更年期以降のデリケートゾーンや尿まわりの変化は、
近年ではGSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)という考え方で説明されることがあります。
GSMには、
乾燥や性交痛などのデリケートゾーン症状だけでなく、
頻尿や繰り返す尿路感染などの尿の症状も含まれます。
ただし、更年期の頻尿がすべてGSMによるものとは限りません。
過活動膀胱や膀胱炎など、
ほかの原因が関係していることもあります。
そこで今回は、
・更年期の頻尿は何科を受診すればよいのか
・GSM・過活動膀胱・膀胱炎の見分け方
について、
わかりやすく解説します。
また当院では、
婦人科だけでなく泌尿器科も併設しており、排尿に関する症状に対して尿検査や超音波検査を行っています。
「更年期の影響かもしれない」
「でも膀胱炎や過活動膀胱も心配」
と迷う方も、
婦人科と泌尿器科の両面から女性医師に相談しやすい体制です。
目次
更年期の頻尿は何科を受診すればよい?
結論からいうと、
更年期の頻尿は婦人科でも泌尿器科でも相談できる症状です。
ただし、
・乾燥やヒリヒリ感もある
・性交時の痛みも気になる
・更年期のほかの不調もある
このような場合は、
婦人科で相談しやすいことがあります。
一方で、
・血尿がある
・排尿時の痛みが強い
・発熱がある
・尿がかなり出にくい
このような場合は、
泌尿器科および婦人科での評価を早めに受けた方がよいことがあります。
婦人科で相談しやすいケース
次のような症状がある場合は、婦人科での相談が向いています。
・腟や外陰部の乾燥がある
・ヒリヒリ、しみる、灼熱感がある
・性交時に痛みがある
・更年期のほかの不調も気になる
・膀胱炎のような違和感を繰り返すのに、検査でははっきりしない
Check point
このような場合は、
更年期にともなうデリケートゾーンや尿まわりの変化が関係していることがあります。
GSMの特徴
とくにGSMでは、
乾燥や性交痛だけでなく、頻尿、尿意切迫感、反復する尿路感染などがみられることがあります。
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泌尿器科と婦人科で早めに受診したいケース
次のような場合は、
泌尿器科での評価を早めに受けた方がよいことがあります。
・強い残尿感が続く
・血尿がある
・発熱を伴う
・腰や背中まで痛い
・排尿時の痛みが強い
Check point
膀胱炎では、
頻尿、尿意切迫、排尿時の灼熱感や痛み、残尿感がみられやすくなります。
さらに発熱や腰背部痛を伴う場合は、
腎盂腎炎なども含めて早めの受診が重要です。
また、
・尿が出にくい場合の子宮筋腫の確認
・残尿感を伴う性感染症
・血尿が子宮頸がんや子宮体がんの可能性
・筋腫や卵巣腫瘍のある腰痛
・性器ヘルペスの排尿痛
など、上記症状では婦人科疾患との鑑別も必要です。
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更年期の頻尿で考えたい3つの原因
更年期の頻尿でまず整理したいのは、
GSM、過活動膀胱、膀胱炎の3つです。
もちろん、これ以外の原因が隠れていることもありますが、この3つを整理するだけでも、受診先や治療の方向性がかなり見えやすくなります。
1.GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)
GSMは、
閉経前後の女性ホルモン低下によって起こる、外陰部・腟・性交時の症状と、尿の症状をまとめた概念です。
乾燥、ヒリヒリ感、しみる感じ、性交痛に加えて、
頻尿、尿意切迫感、排尿時の不快感、繰り返す尿路感染などがみられることがあります。
GSMは、ホットフラッシュのように自然に軽くなる症状とは異なり、治療しないと慢性的に続きやすいと考えられています。
2.過活動膀胱
過活動膀胱は、
尿意切迫感を必須症状とする症状症候群です。
尿意切迫感とは、
「突然起こる、我慢できないような強い尿意」のことです。
通常は頻尿や夜間頻尿を伴い、尿漏れを伴うこともあります。
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3.膀胱炎
膀胱炎は、
多くが細菌感染によって起こります。
典型的には、
・頻尿
・尿意切迫
・排尿時の痛みや灼熱感
・残尿感
・ときに血尿
を伴います。
膀胱炎が疑われる場合は、
尿中の白血球や赤血球、細菌感染の有無などを確認し、必要に応じて治療方針を決めます。
GSM・過活動膀胱・膀胱炎の見分け方
症状が似ているため自己判断は難しいのですが、目安としては次のように整理できます。
| 疑いやすい原因 | 目立つ症状 | 一緒に出やすい症状 | 尿検査 | 相談先の目安 |
|---|---|---|---|---|
| GSM | 乾燥、ヒリヒリ、しみる、頻尿 | 性交痛、外陰部違和感、反復する膀胱炎様症状 | 正常のこともある | 婦人科で相談しやすい |
| 過活動膀胱 | 急に我慢しにくい強い尿意 | 頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁 | 感染所見は必須ではない | 婦人科でも泌尿器科でも可 |
| 膀胱炎 | 排尿時痛、灼熱感、頻尿 | 残尿感、血尿、ときに尿のにごり | 炎症や細菌が出ることが多い | 泌尿器科、またはまず婦人科・内科でも相談可 |
GSMでは、
乾燥・ヒリヒリ・性交痛などのデリケートゾーン症状が一緒にあることが大きな手がかりになります。
過活動膀胱では、
急にくる強い尿意が中心です。
膀胱炎では、
排尿時の灼熱感や痛みが目立ちやすく、尿検査で異常が出やすいことが特徴です。
「婦人科向き」「泌尿器科向き」をセルフチェック
迷ったときは、次のように考えてみてください。
婦人科で相談しやすいサイン
- 乾燥、ヒリヒリ、しみる感じがある
- 性交時の痛みがある
- おりものや外陰部の違和感もある
- 更年期のほかの不調も気になる
- デリケートゾーン全体の不快感がある
泌尿器科を急ぎたいサイン
- 血尿がある
- 強い排尿時痛がある
- 発熱がある
- 腰や背中の痛みがある
- 尿がかなり出にくい
- 強い残尿感が続く
どちらでも相談しやすいサイン
- 最近トイレが近い
- 夜中に何度も起きる
- 急な尿意が気になる
- 軽い尿漏れもある
Check point
当院では、婦人科だけでなく泌尿器科も併設しているため、「まずどちらに行くべきか分からない」という方でも相談しやすいことが特徴です。
一般泌尿器科は、産婦人科と同じ時間帯で診療しています。
放置せず、早めに受診したい症状
次のような症状がある場合は、様子見しすぎないことが大切です。
- 血尿がある
- 排尿時の痛みが強い
- 発熱を伴う
- 腰や背中まで痛い
- 尿が出にくい
- 症状がどんどん悪化する
- 何度も繰り返す
- 1〜2週間以上続く
- 日常生活や睡眠に支障が出ている
Check point
とくに、
・発熱
・腰背部痛
・血尿
・排尿困難
このような場合には、
単純な更年期症状だけでなく、感染やほかの病気の評価が必要になることがあります。
発熱を伴う場合は、
膀胱炎だけでなく腎盂腎炎なども考える必要があるため、早めの受診が大切です。
病院ではどんな検査をするの?
更年期の頻尿で受診した場合、まずは問診で症状の整理を行います。
たとえば、
- いつから症状があるか
- 日中と夜間のどちらがつらいか
- 急な強い尿意があるか
- 排尿時痛や血尿はあるか
- 乾燥や性交痛もあるか
- 尿漏れを伴うか
などを確認します。
そのうえで、必要に応じて尿検査を行います。
排尿の症状がある場合は、
尿検査や超音波検査で膀胱炎やほかの泌尿器科的な病気が隠れていないかを確認します。
一方で、
乾燥やヒリヒリ感、性交痛、外陰部の違和感がある場合には、
デリケートゾーンの変化もあわせて確認することが大切です。
Check point
更年期の頻尿は、
尿の病気だけでなく、腟や外陰部の変化が関わっていることもあるためです。
ここが、更年期の頻尿が「何科に行けばいいか迷いやすい」と言われる理由でもあります。
婦人科と泌尿器科の両方の視点で整理すると、原因が見えやすくなります。
原因ごとの治療法
GSMが原因の場合
GSMでは、
一般に保湿剤などの非ホルモン療法が初期対応となり、症状や背景に応じて局所エストロゲン療法などが検討されます。
GSMは慢性的に続きやすいため、我慢しすぎないことが大切です。
デリケートゾーンの乾燥・萎縮・性交痛・排尿に関する不調に対しては、治療の選択肢のひとつとしてモナリザタッチ(腟レーザー治療)が検討されることもあります。
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過活動膀胱が原因の場合
過活動膀胱では、
生活指導、膀胱訓練、骨盤底筋トレーニング、薬物療法などが基本になります。
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>>女性の過活動膀胱の解説記事はコチラ膀胱炎が原因の場合
膀胱炎では、
尿検査のうえで細菌感染が確認されれば抗菌薬治療を行います。
繰り返す場合や、なかなか改善しない場合は、単純な膀胱炎だけでなくほかの原因も整理することが大切です。
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更年期の頻尿に関するQ&A
Q. 更年期の頻尿は婦人科で相談していいですか?
はい。更年期の頻尿や尿もれは、婦人科でも相談しやすい症状です。
とくに乾燥、ヒリヒリ感、性交痛などがある場合は、デリケートゾーンの変化も含めて整理しやすくなります。
Q. 尿検査が正常でも、頻尿になることはありますか?
あります。
膀胱炎のような症状があっても、典型的な感染所見が出ないことがあります。その場合は、GSMや過活動膀胱など別の原因も含めて考えることが大切です。
Q. 夜中に何度もトイレに起きるのも更年期の影響ですか?
更年期に伴う下部尿路の変化や、過活動膀胱によって夜間頻尿が起こることがあります。
続く場合は一度相談することをおすすめします。
Q. おりものの変化やヒリヒリ感もある場合は?
頻尿だけでなく、おりものの変化、乾燥、ヒリヒリ感、しみる感じがある場合は、膀胱炎だけでなくGSMや腟・外陰部のトラブルもあわせて考える必要があります。
まとめ
更年期の頻尿は、
婦人科でも泌尿器科でも相談できる症状です。
ただし、原因は1つではありません。
乾燥・ヒリヒリ・性交痛もある
⇒ GSM
急に我慢しにくい強い尿意がくる
⇒ 過活動膀胱
排尿時痛や血尿がある
⇒ 膀胱炎
このように整理すると、
受診先や治療の方向性が見えやすくなります。
とくに、
・血尿、
・発熱、
・腰背部痛、
・尿が出にくい、
・症状の繰り返しがある、
このような場合は、早めの受診が大切です。
また、「婦人科に行けばいいのか、泌尿器科に行けばいいのか分からない」と迷う方も少なくありません。
泌尿器科も併設する白金高輪海老根ウィメンズクリニック
当院では、婦人科だけでなく泌尿器科も併設しており、女性医師が診察しています。
更年期にともなう変化なのか、
膀胱や尿道の病気が関係しているのかも含めて整理しながら診療できます。
気になる症状がある方は、お一人で悩まず早めにご相談ください。
ご予約について
予約制となっております。
【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。




