月経中でも子宮頸がん検診は受けられる?当院が液状化細胞診(LBC)を採用している理由
更新日:2026.10.12

「生理になってしまったのですが、子宮頸がん検診は受けられますか?」
患者様からよくいただくご質問です。
一般的に、月経中は子宮頸がん検診を避けた方がよいといわれています。
しかし、検査技術が進歩した現在、必ずしも月経中という理由だけで検査を諦める必要はありません。
当院では液状化細胞診(LBC)を採用しており、月経中であっても出血量や子宮頸部の状態を確認したうえで、患者様のご希望に応じて検査を実施できる場合があります。
今回は、その理由をご説明したいと思います。
目次
月経中は子宮頸がん検診を避けた方がよいといわれる理由
従来の子宮頸がん検診では、子宮頸部から採取した細胞を直接ガラスのプレパラートに塗り、顕微鏡で観察する「直接塗抹法」が行われていました。
この方法では、月経血が混入すると赤血球などが細胞に重なり、異常な細胞を観察しにくくなることがあります。
そのため、月経中の検査は精度が低下する可能性があり、避けるように案内されてきました。
液状化細胞診(LBC)とは?当院が採用している検査方法
現在、子宮頸がん検診には「液状化細胞診(Liquid-Based Cytology:LBC)」という方法があります。
採取した細胞を専用の保存液に回収し、検査室で処理してから標本を作製する方法です。
従来法と比較して、次のような特徴があります。
- 血液や粘液などによる観察障害を軽減できる
- 細胞の重なりが少なく、観察しやすい標本を作製できる
- 細胞の保存状態を保ちやすい
- 判定に適さない標本を減らせる可能性がある
つまり、従来の直接塗抹法に比べて、検査標本の質を安定させやすいという利点があります。
ただし、LBCでも大量の血液が混入すると正確な判定が難しくなることがあります。
月経中でも検査できる場合と、日程変更をご提案する場合
当院では、月経中であっても一律に検査をお断りすることはしていません。
例えば、月経開始直後の少量出血や、月経終了間際の出血が少ない時期であれば、子宮頸部の状態を確認し、検査を行える場合があります。
一方、月経量が多い場合には、十分な細胞が採取できなかったり、血液によって判定が難しくなったりする可能性があるため、日程の変更をご提案することがあります。
大切なのは、月経中かどうかだけではなく、実際の出血量や検査の目的を確認して判断することです。
子宮頸がんの前段階であるCIN2・CIN3を見逃さないために

子宮頸がんは、ある日突然発症するものではありません。
多くの場合、HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染によって子宮頸部の細胞に変化が生じ、異形成を経て、長い時間をかけてがんへと進行します。
特に重要なのが、CIN2(中等度異形成)やCIN3(高度異形成・上皮内癌を含む)と呼ばれる病変です。
これらは子宮頸がんに進行する可能性のある病変であり、適切に発見し、経過観察や治療につなげることが重要です。
私たち産婦人科医が大切にしているのは、子宮頸がんになる前の段階で異常を発見することです。
月経と検診予約が重なってしまったことで、検診をキャンセルし、そのまま何カ月も、あるいは何年も検査を受けないということは、できるだけ避けていただきたいと思っています。
もちろん、出血中の検査が必ずしも精度の高い検査になるわけではありません。
しかし、検査可能な状態であれば、その機会を大切にすることも重要だと考えています。
また、細胞診だけですべてのCIN2・CIN3を発見できるわけではありません。検査結果やHPV検査、これまでの検診歴などを総合的に判断し、必要に応じてコルポスコピーや組織診につなげていきます。
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性交後に出血する、月経以外の時期に出血する、閉経後に出血するといった症状がある場合には、単に子宮頸がん検診を受けるだけではなく、出血の原因を調べることが必要です。
このような場合には、月経が終わるのを待つのではなく、早めに婦人科を受診していただきたいと思います。
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女性の身体は、月経周期によって日々変化しています。
仕事や家事、育児などで忙しい毎日の中、ようやく確保した検診の日が月経と重なってしまうこともあるでしょう。
当院では、検査の正確性を大切にしながら、患者様の生活やご希望にもできる限り寄り添いたいと考えています。
液状化細胞診(LBC)という検査技術を活用し、出血量が多くない場合には、医師が状態を確認したうえで検査を行うことが可能です。
判定に適さない結果となった場合には、改めて検査をご案内することもあります。
「生理になってしまったから、今回は検診をやめよう」ではなく、まずはご相談ください。
一人でも多くの女性が、子宮頸がんになる前の段階で異常を発見できるように。
そして、検診の機会を逃すことなく、ご自身の健康を守っていただけるように。
白金高輪海老根ウィメンズクリニックは、これからも女性一人ひとりに寄り添う婦人科医療を大切にしてまいります。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック
院長 海老根真由美
2026年10月開催 無料WEBセミナーのご案内
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



