ピルをやめたら性交痛が治った。でもニキビが悪化…。その先に考えたこと
公開日:2026.07.28
25歳の患者さんが性交痛を主訴に来院されました。実は私が約2年間、低用量ピルを内服している患者さんでした。患者さんご自身も、「ピルが原因で性交痛になることがあると聞きました。」とお話しされ、一度ピルを中止してみることをご提案しました。ピル内服中止後、モナリザタッチを1回施術したところ、性交痛はほぼ消失し、痛みなく性交ができるようになりましたとの報告がありました。
この症例を経験し、改めて「ホルモン環境が性交痛に与える影響」を強く考えさせられました。
実は、このような患者さんは初めてではありません
これまでにも、「ピルをやめて半年以上経つのに性交痛が治らない。」
という患者さんを診療したことが何度もあります。
その患者さんたちは、モナリザタッチを3回施術したことで性交痛が改善しました。
* ピルを中止するだけで改善する方
* 中止しても改善せず、レーザー治療が必要になる方
の両方がいらっしゃいます。
ピルと性交痛の関係
最近では、「ホルモン性前庭痛(Hormonally Mediated Vestibulodynia)」という考え方が注目されています。特にエストロゲン量が少ないタイプや、抗アンドロゲン作用の強い配合ピルでは、
* 前庭部の粘膜が薄くなる
* 潤いが低下する
* 神経が刺激を受けやすくなる
といった変化が起こり、性交痛の原因になる可能性が報告されています。
もちろん、すべての方に起こるわけではありません。
多くの女性は問題なく服用されています。
しかし、性交痛がピル開始後に出現した場合には、一度関連を考えてみる価値はあると思います。
私の現在の考え
性交痛があり、ピルを内服している患者さんでは、まず、
「一度中止できる状況であれば中止して様子を見る。」
これが最初の選択肢ではないかと考えています。
それでも改善しない場合には、
モナリザタッチによる組織の再生を促す治療が有効な可能性があります。
実際、私自身は4200例以上のモナリザタッチ治療を経験する中で、ホルモンの影響が疑われる性交痛でも改善を数多く経験しています。
しかし、別の問題もありました
今回の患者さんは性交痛は改善しました。ところが、
約1か月後からニキビが急激に悪化したのです。
ピルには避妊だけでなく、
* ニキビ改善
* 皮脂分泌の抑制
* 月経痛改善
など多くのメリットがあります。
つまり、
性交痛は治ったけれど、今度はニキビが悪くなってしまった。
これは患者さんにとって新たな悩みになります。
次に考えたいこと
私が今、とても興味を持っているのは、「エストロゲンを含まない避妊法では性交痛はどうなるのか?」
ということです。
例えば、
* プロゲスチン単剤
* 他の避妊法
では前庭部への影響はどう違うのでしょうか。
一方で、プロゲスチン単剤でも性交痛が生じる可能性を示唆する報告もあり、この点はまだ十分に解明されていません。
患者さん一人ひとりに最適な避妊法と、性生活の質(QOL)の両立を考えていく必要があります。
最後に
性交痛は「我慢するもの」ではありません。もし、
* ピルを飲み始めてから性交痛が出てきた
* 潤いが少なくなった
* 入り口だけが痛い
そんな症状があれば、一度婦人科で相談してください。
原因がホルモンにあるのか、筋肉にあるのか、それとも前庭部そのものにあるのか。
診断によって治療法は大きく変わります。
今回の患者さんの経験から、私は改めて「性交痛は原因を見極めることが最も大切」であることを実感しました。
そして、必要に応じてホルモン治療、生活習慣の見直し、レーザー治療を組み合わせることで、多くの女性が痛みから解放される可能性があると考えています。
最近では、特に抗アンドロゲン作用のある低用量ピル(ドロスピレノン製剤など)で性交痛との関連が報告されています。
しかし、すべてのピルで起こるわけではなく、また同じピルを服用していても症状が出る方と出ない方がいます。
現在のところ、「どの患者さんが性交痛を起こしやすいか」は十分には分かっていません。
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