店内写真
生理・妊娠

生理前に胸が張る・熱っぽい・眠い…妊娠初期との見分け方を産婦人科医が徹底解説。

画像

「生理前 胸 張る 熱っぽい 眠い」

「生理前 眠い 妊娠 初期 違い」

などで検索して、
このページにたどり着いた方も多いかもしれません。

この記事では、そうしたお悩みに、産婦人科医がお答えしていきます。

 

生理前と妊娠初期は症状がよく似ており

違いを知りたい/見分け方を知りたい

という声が非常に多いテーマです。

 

「あれ、なんだか胸が張って痛い
「最近、体が熱っぽくて眠いな

 

生理前になるといつも感じる症状かもしれないけれど、

「もしかして、妊娠?」と、

期待と不安が入り混じった気持ちになることはありませんか。

 

生理前の不調(PMS)と妊娠初期の症状はとてもよく似ているため、ご自身の体のサインだけでは判断が難しく、一人で悩んでしまう女性は少なくありません。

 

この記事では、そんなあなたの不安な気持ちに寄り添い、産婦人科医が生理前の症状と妊娠初期症状の具体的な見分け方を徹底的に深掘りして解説します。

さらに、今まさに感じているつらい症状を和らげるセルフケアまで、医学的な根拠に基づいて具体的にお伝えします。

信頼できる情報で、あなたの「知りたい」に的確にお答えします。

 

目次

【生理前と妊娠初期の違い】胸の張り・熱っぽさ・眠気の早見表

画像

時間がない方のために、まずは結論から。胸の張り・熱っぽさ・眠気について、生理前と妊娠初期の傾向を一覧で確認してみましょう。

症状 生理前(PMS)の傾向 妊娠初期の傾向 見分ける最大のポイント
胸の張り 全体的に重く張る。
生理が始まると軽くなる。
張りが続く。
乳首がチクチク痛む・色が濃くなるなど変化が出やすい。
個人差が大きく、変化が乏しくても妊娠を否定できない。
症状の「持続」と「乳首の敏感さ」
熱っぽさ 夕方にかけてポカポカしやすい。
生理が始まると体温が下がる。
朝〜夜まで一日中微熱が続く。
風邪の初期症状のような気だるさを伴うことがある。
「高温期が17日以上続くか」
眠気 軽い眠気。
休めば回復しやすい。
生理が始まるとスッキリする。
寝ても寝ても眠い。
思考がまとまらないほどの強い倦怠感。
「日常生活に支障が出るか」

腹痛やおりものなど、他の症状も含めて網羅的に確認したい方は、こちらの総合記事も併せてご覧ください。

>>生理前症状と妊娠初期症状の違いを徹底解説

 

生理前(PMS)と妊娠超初期症状は似ているの?

画像

そもそも、なぜこれほど症状が似ているのでしょうか。

そのカギを握っているのが、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という女性ホルモンです。

このホルモンは排卵後から分泌が増え、妊娠に備えて基礎体温を上げたり、体に水分を溜め込んだりします。

妊娠しなかった場合】

生理が始まると分泌量が急激に減り、症状も治まります。

【妊娠した場合】

赤ちゃんを育てる環境を維持するため、分泌され続けます。
Check point
つまり、生理前と妊娠初期は同じホルモンの影響を受けているため、胸の張りや眠気といった共通の症状が現れるのです。

 

生理前と妊娠初期の見分け方(胸の張り/熱っぽい/眠いを症状別に解説)

画像

同じホルモンが原因でも、症状の「質」や「なぜそうなるのか」というメカニズムには微妙な違いがあります。

ここでは3つの症状をさらに深掘りして解説します。

胸の張り・痛みの違い:「乳首の敏感さ」がカギ

生理前(PMS)の場合 妊娠初期の場合
感じ方 胸全体がズーンと重くなる、硬くなるような張り。 内側から熱を持つような張り。乳首が下着に触れるだけでチクチク、ズキズキ痛む。
見た目 大きな変化はほぼない。 乳首や乳輪の色が濃くなる、ぶつぶつが目立つことがある。
期間 生理が始まると、症状がスーッと軽くなることが多い。 生理予定日を過ぎても張りが持続、または強くなることがある。

なぜ妊娠初期は乳首まで敏感になるの?

妊娠が成立すると、黄体ホルモンに加えてhCGホルモンやプロラクチンといったホルモンが分泌され始めます。

これらは母乳を作る準備のために乳腺を発達させる働きがあり、その影響で乳首の血流が増加し、非常に敏感になるのです。

熱っぽさ・体温の違い:「高温期の持続」が最大のサイン

生理前(PMS)の場合 妊娠初期の場合
感じ方 夕方や就寝前に体がポカポカする、なんとなく火照る程度。 一日中微熱が続き、風邪の初期症状のような関節の気だるさを伴うことがある。
基礎体温 高温期は約14日間続き、生理開始とともにガクッと下がる。 高温期が生理予定日を過ぎても続き、一般的に17日以上続くと妊娠の可能性が高いサイン。
ただし、強いストレスや体調不良などで排卵日が後ろにずれると、その分だけ高温期が長くなることもあります。
「高温期が17日以上続く」はあくまで目安の一つと考え、妊娠検査薬の結果や婦人科での診察と合わせて判断しましょう。

なぜ妊娠すると高温期が続くの?

黄体ホルモンには、脳の体温中枢に働きかけて体温を上昇させる作用があります。

妊娠しなかった場合はこのホルモンが減少するため体温が下がりますが、妊娠が成立すると、胎盤が完成するまで分泌が続くため、必然的に体温が高い状態が維持されるのです。

強い眠気・だるさの違い:「抗えないレベルか」が見極めポイント

生理前(PMS)の場合 妊娠初期の場合
感じ方 なんとなく眠い、だるさを感じる程度。
休めば回復する。
日中でも我慢できないほどの強い眠気に襲われる。
「いくら寝ても眠い」と感じる。
生活への支障 日常生活に大きな支障が出ることは少ない。 仕事や家事に集中できないなど、生活に影響が出るレベルの倦怠感。

なぜ妊娠初期はこれほど眠くなるの?

黄体ホルモンには強い鎮静作用(睡眠作用)があります。

妊娠初期は、体をしっかり休ませて妊娠を維持しようとする体の防御本能が働き、このホルモンが大量に分泌されるため、自分ではコントロールできないほどの強い眠気が続くのです。

 

つらい症状を和らげるには?妊娠の可能性がある時期のセルフケア

画像

「見分ける」ことも大切ですが、「今つらいこの症状をどうにかしたい」という気持ちも切実ですよね。妊娠の可能性がある時期でも安心してできる、症状別のセルフケアをご紹介します。

胸の張りがつらい時の対処法

・体を締め付けない下着を選ぶ

ワイヤー入りブラを避け、ゆったりとしたブラトップやマタニティ用の下着を試してみましょう。

・温かいタオルで血行促進

蒸しタオルなどで胸の周りを優しく温めると、血行が良くなり痛みが和らぐことがあります。

・塩分やカフェインを控える

これらは体に水分を溜め込みやすくし、張りを強くする原因になることがあります。 

熱っぽさ・だるさを感じるときの過ごし方

・こまめな水分補給

体温が上がると、気づかないうちに水分が失われがちです。常温の水や白湯でしっかり水分を摂りましょう。

・体温調節しやすい服装を

カーディガンなど、着脱しやすい服装でこまめに体温を調節しましょう。

・市販薬は自己判断で飲まない

妊娠の可能性がある時期は、自己判断で薬を飲むのは避け、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

我慢できない眠気への対処法

・無理せず短時間の仮眠を

可能であれば、お昼休みに1520分程度の仮眠をとりましょう。頭がスッキリします。

・血糖値を安定させる

空腹になると眠気が増すことがあります。食事を小分けにするなどして、血糖値を安定させましょう。

・体を冷やさない

体が冷えると血行が悪くなり、倦怠感が増します。温かい飲み物や服装の工夫で体を温めましょう。

医師からのワンポイントアドバイス

生理前か妊娠初期か、ご自身で判断がつかない時期は、心身ともに非常にデリケートなものです。

インターネットの情報だけで一喜一憂せず、まずはご自身の体を大切に労ってあげてください。特に、体を温めること、十分な睡眠をとることは、どちらの状態であっても非常に大切です。

不安な時は一人で抱え込まず、私たち専門家を頼ってくださいね。

 

症状だけでは判断できない理由と検査薬の使い方

画像

ここまで見分け方を解説してきましたが、大前提として症状だけで妊娠を確定することはできません。

なぜなら、PMSと妊娠初期の症状は同じホルモンが原因であり、個人差も非常に大きいからです。
そこで最も確実なのが妊娠検査薬です。

いつから使う?

生理周期がおおむね順調で、妊娠の可能性がある場合は、生理予定日を過ぎてから妊娠検査薬を使ってみましょう。

多くの市販の妊娠検査薬は「生理予定日の1週間後」からの使用を推奨しています。このタイミングであれば、月経周期が安定している方では、約99%の高い精度で結果を判定できるとされています。

フライング検査は?

生理予定日前に検査すると、妊娠していてもhCGホルモンの分泌量が少なく、陰性(偽陰性)と出てしまう可能性があります。

不確かな結果に一喜一憂しないためにも、推奨時期まで待つのが賢明です。

>>生理がこない…不安で焦る方へ【危険度・原因・対処法を解説】

 

婦人科を受診したほうがよいサイン

画像

次のようなサインが見られたら、自己判断せず、早めに婦人科を受診してください。

  • 高温期が2週間以上続いている
  • 妊娠検査薬で陽性反応が出た
  • 生理が予定日を2週間以上過ぎても来ない
  • 経験したことのない強い下腹部痛や、鮮血の出血がある
 特に、強い下腹部痛や出血は、命に関わることもある異所性妊娠(子宮外妊娠)などの可能性も考えられるため、すぐに受診が必要です。

 

生理前と妊娠初期のよくある疑問を医師が解説

画像

ここでは、患者様からよくいただく質問について、監修医がお答えします。

Q1. 生理前だと思っていた時期の性交渉でも妊娠しますか?生理前の妊娠の可能性が知りたいです。

A1. 可能性はあります。

排卵日がストレスなどでずれることもありますし、精子は女性の体内で数日間生存できるため、ご自身が思っていたタイミングと異なり妊娠に至るケースは十分に考えられます。

Q2. 熱っぽいのが続くのに、生理が来ません。妊娠検査薬は陰性です。

A2. 検査のタイミングが早すぎた可能性も否定できませんが、ストレスや疲労によるホルモンバランスの乱れで排卵が遅れている可能性も考えられます。

検査薬で陰性が続くのに生理が来ない場合は、一度婦人科で原因を調べてもらうことをお勧めします。

Q3. 妊娠の可能性がある時、市販の風邪薬を飲んでも大丈夫ですか?

A3.薬を服用する前に、必ず医師に「妊娠の可能性がある」ことを伝えて相談しましょう。

Q4. 生理前に胸の張りや熱っぽさはなく、強い眠気だけあります。妊娠初期の可能性はありますか?

 A4. はい、可能性はあります。

症状の現れ方には個人差が非常に大きく、眠気だけを強く感じる方もいらっしゃいます。妊娠初期症状は、必ずしもすべての症状がセットで現れるわけではありません。

いつもと違う「抗えないほどの眠気」が続くようであれば、他の症状がなくても妊娠の可能性は考えられますので、生理予定日を以降から検査薬を試してみることをお勧めします。

Q5. 熱っぽさやだるさが、風邪の初期症状とそっくりで見分けがつきません。

A5. おっしゃる通り、妊娠初期の熱っぽさと風邪の症状はよく似ています。

見分けるポイントは、「咳、喉の痛み、鼻水といった呼吸器症状があるか」です。妊娠初期の熱っぽさには、通常これらの症状は伴いません。

また、風邪であれば数日で症状が変化・改善することが多いですが、妊娠初期の高温期は持続します。自己判断で風邪薬を飲む前に、まずは妊娠の可能性を考慮することが大切です。

Q6. 妊娠検査薬で陰性でしたが、症状が続いて妊娠している気がします。どうすればいいですか?

A6. 検査薬で陰性でも症状が続く場合、主に2つの可能性が考えられます。

一つは、検査のタイミングが早すぎたケースです。
排卵日がずれていれば、妊娠していても陽性反応が出ないことがあります。数日~1週間後に再検査してみてください。

もう一つは、ストレスや疲労によるホルモンバランスの乱れで、生理が遅れているケースです。
生理が2週間以上遅れるようであれば、一度婦人科で相談してみましょう。

Q7. 基礎体温の「高温期」とは、具体的に何度くらいを指しますか?

A7. 「高温期」といっても、決まった体温があるわけではありません。

その人の低温期に比べて0.30.5℃ほど体温が高い状態を指します。例えば、低温期が36.3℃の方であれば、36.6℃36.8℃あたりが高温期の目安となります。

大切なのは絶対的な体温の数字ではなく、「低温期」と「高温期」の二相に分かれているかと、その高温期がどれだけ続いているかです。

 

【まとめ】症状の「持続」と「強さ」で判断し専門医へ相談を

画像

生理前の症状と妊娠初期症状の見分け方について、深く解説しました。

 ▶見分けるヒントは、症状の「持続期間」と「強さ」。特に「高温期が17日以上続くか」は大きな目安の一つです。

▶ただし症状だけでの自己判断は難しいため、妊娠の可能性がある場合は、妊娠検査を生理予定日以降に試してみましょう。

▶つらい症状は我慢せず、安全なセルフケアを試しましょう。

▶陽性反応が出たり、生理が大幅に遅れたり、強い痛みがある場合は必ず婦人科を受診してください。

 一人でインターネット検索を続けていると、情報が多すぎてかえって不安になってしまうこともあります。

あなたの体の大切なサインです。

判断に迷うときは、焦らず「検査薬で確認し、専門家である医師に相談する」というステップを思い出してください。

 その不安、専門医と一緒に安心に変えませんか?

画像

生理前と妊娠初期の症状はとてもよく似ています。ご自身の体調で不安なときは、自己判断せずに一度婦人科を受診してください。 

「妊娠しているか」を最も正確に知る方法は、医師による診察です。

白金高輪海老根ウィメンズクリニックは、港区・白金高輪エリアで女性のからだと心の不調に寄り添う婦人科クリニックです。

当院では、超音波検査を用いて、赤ちゃんの袋(胎嚢)が子宮内に正しく着床しているかを確認し、正常な妊娠であるかを診断します。超音波で胎嚢の確認がしやすいのは生理予定日から12週間後(妊娠56週)です。

早すぎると映らないことがあります。ネットの情報だけで判断せず、ぜひ専門家の診断を受けて、安心を手に入れてください。

あなたのその不安な気持ちを、専門医による的確な診断と温かいサポートで、安心へと変えるお手伝いをさせてください。どうぞお気軽に、私たちにご相談ください。

また、もし妊娠ではなく、毎月のPMS(月経前症候群)の症状が重くお悩みの場合も、当院ではピル処方や漢方治療などで症状を改善するお手伝いができます。

生理前の不調は我慢するものではありません。どちらの場合でも、お気軽にご相談ください 。

関連記事

>>生理前のPMSついて

>>生理前症状と妊娠初期症状の違いについて

 

ご予約について

予約制となっております。

ご予約はコチラ

【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
平日受診できない方に通院していただきやすいよう、毎朝8時30分から診療を受け付けています。
※最新の診療情報は「お知らせ」よりご確認ください

オンライン診療も対応しておりますので遠方の方やご来院が難しい方は是非ご利用ください。

オンライン診療について

オンライン診療も実施中

画像

 

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

生理・妊娠の記事RANKING

オンライン診療

オンライン診療

当院は皆様の健康と快適な生活をサポートするため、オンライン診療サービスを提供しております。
オンライン診療は、体調が悪く外出が辛い時や感染症リスクを減らしたい時、ご自宅から医師の診療を受けることができます。移動時間や待合室での待ち時間を削減できます。

※医師からの指示により、通院が必要となる場合があります。

オンライン診療はこちらより
港区、品川区の産婦人科で妊婦健診・産後ケア・避妊相談なら│海老根ウィメンズクリニック

白金高輪 海老根ウィメンズクリニック
東京都港区高輪1-2-17 高輪梶ビル5.6.7F

TEL

03-5789-2590

FAX

03-5789-2591

診療時間
8:30 - 13:00
15:00 - 19:00

▲ 15:00 - 17:00

WEB予約