腟の乾燥・ヒリヒリにモナリザタッチは合う?|GSMとの関係と、症状に合わせた治療の選び方
公開日:2026.07.24
「最近、腟や外陰部が乾燥するようになりました」「下着が触れるだけでヒリヒリします」
「性交時に擦れて痛み、少量の出血があります」
「保湿剤を使っても、すぐに乾燥してしまいます」
更年期以降の患者さんから、このようなご相談を多くいただきます。
腟や外陰部の乾燥、ヒリヒリ感、灼熱感、性交痛などは、閉経前後のホルモン変化によって起こる**GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)**の症状である可能性があります。
GSMによる腟粘膜の乾燥や萎縮が症状の中心となっている場合、モナリザタッチは治療選択肢の一つになることがあります。
ただし、
乾燥やヒリヒリ感がある人すべてに、モナリザタッチが合うわけではありません。
似たような症状でも、原因が感染症、外陰部皮膚炎、洗いすぎ、アレルギー、神経過敏などである場合には、レーザーより先に別の治療が必要です。
今回は、腟の乾燥やヒリヒリ感とGSMの関係、モナリザタッチが選択肢になりやすい場合、ほかの治療を優先すべき場合について、婦人科医の立場から解説します。
目次
GSMとは何ですか?
GSMとは、Genitourinary Syndrome of Menopauseの略で、日本語では「閉経関連泌尿生殖器症候群」と呼ばれます。閉経前後に女性ホルモン、特にエストロゲンが低下することによって、外陰部、腟、尿道、膀胱などにさまざまな症状が生じる状態です。
以前は「外陰腟萎縮」「萎縮性腟炎」などと呼ばれていました。
しかし、更年期以降の変化は腟だけに起こるのではありません。
外陰部、腟入口部、尿道、膀胱など、泌尿生殖器全体に症状が現れるため、現在はGSMという言葉が広く使用されています。
GSMでは、次のような症状がみられます。
外陰部・腟の症状
* 腟の乾燥* 外陰部の乾燥
* ヒリヒリ感
* 灼熱感
* かゆみ
* 刺激感
* 腟入口部の痛み
* 少量の出血
* 分泌物の変化
性交に関する症状
* 挿入時の痛み* 腟内の摩擦痛
* 性交後の痛み
* 性交後の出血
* 潤いの低下
* 性交を避けるようになる
尿路の症状
* 頻尿* 尿意切迫感
* 排尿時の違和感
* 排尿時痛
* 尿漏れ
* 膀胱炎を繰り返す
2025年のAUA・SUFU・AUGSによるGSM診療ガイドラインでも、GSMの代表的な症状として、腟乾燥、性交痛、外陰腟の刺激感・不快感、排尿時痛などが挙げられています。
GSMは、ほかの更年期症状とは少し異なります
更年期には、* ホットフラッシュ
* 発汗
* 動悸
* 不眠
* 気分の変化
* 疲労感
など、さまざまな症状が起こります。
ホットフラッシュなどの血管運動神経症状は、閉経から時間がたつと徐々に軽くなる方もいます。
一方で、GSMによる腟や外陰部、尿路の変化は、何も対策をしなければ自然には改善しにくく、年齢とともに進行することがあります。
「閉経したばかりの頃は少し乾燥するだけだったのに、数年後から性交が痛くなった」
「最初は外陰部の違和感だけだったのに、最近は頻尿や膀胱炎も気になる」
という経過をたどる方も少なくありません。
GSMは、我慢していれば必ず自然に治る症状ではありません。
症状が軽いうちに、洗浄方法、保湿、ホルモン治療などを含めた適切なケアを始めることが大切です。
なぜ更年期になると乾燥やヒリヒリ感が起こるのでしょうか?
エストロゲンは、腟や外陰部の組織を健康に保つために重要な役割を担っています。エストロゲンが十分に作用している腟では、
* 腟上皮に厚みがある
* 血流が保たれている
* 水分や分泌が保たれている
* 組織に弾力がある
* グリコーゲンを含む成熟した細胞が存在する
* ラクトバチルスが生息しやすい
* 腟内が適度な酸性に保たれる
という状態になります。
閉経に伴ってエストロゲンが低下すると、
* 腟上皮が薄くなる
* 組織の弾力が低下する
* 水分保持力が低下する
* 血流が減少する
* 摩擦で傷つきやすくなる
* 腟内pHが上昇する
* 腟内細菌叢が変化する
といった変化が起こります。
その結果、乾燥、ヒリヒリ感、性交痛、出血、尿路症状などが現れます。
「腟が乾燥する」と感じても、実際には外陰部が原因のことがあります
患者さんは、外陰部から腟入口部までをまとめて「腟」と表現することがあります。しかし、医学的には、
1. 外陰部
2. 腟前庭部・腟入口部
3. 腟内
は、それぞれ異なる組織です。
例えば、
「腟が乾いてヒリヒリする」
という訴えでも、診察すると実際には、
* 大陰唇や小陰唇の皮膚が乾燥している
* 腟入口部の前庭に炎症や圧痛がある
* 腟内の粘膜が萎縮している
* 3つすべてに変化がある
など、症状の場所は患者さんによって異なります。
治療を選ぶ際には、「乾燥している」という症状名だけでなく、どの組織に変化があるのかを確認する必要があります。
モナリザタッチは、どのような治療ですか?
モナリザタッチは、マイクロアブレイティブ・フラクショナルCO₂レーザーを用いた治療です。腟粘膜などへレーザーを非常に細かな点状に照射し、周囲に正常な組織を残しながら、制御された微細な組織反応を起こします。
この刺激をきっかけとして創傷治癒反応が始まり、
* 上皮の成熟
* 線維芽細胞の活性化
* コラーゲンの再構築
* 弾性線維の再編
* 細胞外基質の変化
* 血流に関係する組織変化
などが起こると考えられています。
つまり、モナリザタッチは単に「腟を温める治療」ではありません。
組織へ微細な刺激を与え、その後に起こる組織の修復・再構築を利用する治療です。
腟の乾燥にモナリザタッチが合う可能性があるケース
診察によって、腟粘膜の萎縮や脆弱性が確認され、感染症やほかの疾患が除外された場合には、モナリザタッチを治療選択肢として検討することがあります。例えば、次のようなケースです。
* 閉経後から腟の乾燥が始まった
* 腟粘膜が薄くなっている
* 腟壁の伸展性が低下している
* 性交時に腟内が擦れて痛い
* 内診器の挿入で腟内が痛む
* 性交後に少量出血する
* 保湿剤や潤滑剤だけでは改善が不十分
* ホルモン治療を希望しない
* 既往歴などからホルモン治療の選択が難しい
* がん治療後の腟萎縮について主治医と相談している
ただし、これらに該当すれば必ず効果が得られるという意味ではありません。
症状の原因、萎縮の程度、痛む場所、ホルモン環境などによって、効果には個人差があります。
ヒリヒリ感にモナリザタッチが合う場合
ヒリヒリ感の原因が、* 腟粘膜の萎縮
* 腟入口部の菲薄化
* 外陰部組織の脆弱性
* 乾燥による摩擦刺激
などにある場合には、組織の状態を評価したうえでレーザーを検討することがあります。
しかし、ヒリヒリするからといって、すぐにレーザーを行うわけではありません。
ヒリヒリ感は、GSM以外にも多くの原因で起こります。
ヒリヒリ感があるとき、レーザーより先に確認すること
1.感染症がないか
カンジダ腟炎、細菌性腟症、トリコモナス腟炎、性感染症などでも、* ヒリヒリ感
* かゆみ
* 分泌物の増加
* 悪臭
* 排尿時の違和感
などが起こります。
感染症がある状態でレーザーを先に行うと、刺激によって症状が悪化する可能性があります。
分泌物、悪臭、強いかゆみなどがある場合には、必要に応じて検査を行い、感染症を先に治療します。
2.外陰部皮膚疾患がないか
外陰部には、* 接触皮膚炎
* 湿疹
* 硬化性苔癬
* 扁平苔癬
* 乾癬
* 萎縮性変化
* アレルギー反応
などが起こることがあります。
皮膚疾患によるヒリヒリ感に対しては、レーザーではなく、原因物質の回避や外用薬などが必要です。
白い変化、亀裂、出血、ただれ、強いかゆみなどがある場合には、皮膚の診断を優先します。
3.洗いすぎていないか
「清潔にしなければ」と思い、外陰部を石けんやボディーソープで何度も洗っている方がいます。しかし、洗いすぎると皮脂や保湿成分まで失われ、皮膚のバリア機能が低下します。
また、
* デリケートゾーン用洗浄剤
* ウェットシート
* 消臭剤
* 香料入りナプキン
* 柔軟剤
* おりものシート
などが刺激となる場合もあります。
洗浄方法を見直すだけで、ヒリヒリ感が軽減する患者さんもいます。
レーザーを行う場合でも、洗いすぎを続けていれば、外陰部の症状が改善しにくいことがあります。
4.尿や汗による刺激がないか
尿漏れや頻尿がある方では、少量の尿が外陰部に触れ続けることで、皮膚炎やヒリヒリ感が起こることがあります。また、汗、蒸れ、ナプキンや吸水パッドによる摩擦も症状を悪化させます。
この場合には、外陰部のケアだけでなく、尿漏れや頻尿に対する評価も必要です。
5.前庭部痛や神経過敏がないか
外見上は大きな異常がなくても、腟入口部の特定の場所に軽く触れただけで強く痛む方がいます。このような場合には、前庭部痛、神経過敏、骨盤底筋の過緊張などが関係している可能性があります。
組織の乾燥や萎縮が合併していればレーザーを検討することがありますが、神経過敏や筋緊張が中心の場合には、レーザーだけでは十分に改善しないことがあります。
モナリザタッチだけでGSMは治りますか?
モナリザタッチは、GSMに対する治療選択肢の一つとして用いられることがあります。しかし、GSMの標準治療をすべて置き換えるものではありません。
GSMの治療には、主に次のような選択肢があります。
* 外陰部や腟の保湿剤
* 性交時の潤滑剤
* 洗浄方法の見直し
* 局所エストロゲン療法
* 全身的なホルモン補充療法
* 症状に応じた非ホルモン薬
* 骨盤底リハビリテーション
* 感染症や外陰部疾患の治療
* フラクショナルレーザーなどのエネルギー治療
2025年のAUA・SUFU・AUGSガイドラインでは、低用量腟エストロゲンなどがGSMの治療選択肢として推奨されています。一方、CO₂レーザーについては、腟エストロゲンクリームと比較して、乾燥、性交痛、刺激感などに「ほとんど差がない可能性」が示される一方、偽照射試験を含めると有効性に関するエビデンスは確実ではないと評価されています。
また、複数の偽照射対照試験を検討した近年の論文では、フラクショナルCO₂レーザーが偽照射を明確に上回る効果を示さなかったという評価もあります。
したがって、現在の医学的な位置づけとしては、
モナリザタッチは、すべてのGSM患者さんに最初から行う標準治療ではありません。
一方で、実臨床では、保湿剤やほかの治療で改善が不十分な方、ホルモン治療を希望しない方などに対し、効果の個人差や現在のエビデンスの限界を説明したうえで、自由診療の選択肢として検討されることがあります。
レーザーを希望しても、まず保湿から始めることがあります
症状が軽度で、主に外陰部の乾燥や洗いすぎが原因と考えられる場合には、まず、* 洗浄方法の見直し
* 外陰部の保湿
* 摩擦の軽減
* ナプキンや下着の見直し
* 性交時の潤滑剤
などから始めることがあります。
これらのケアで十分に改善すれば、レーザーを行う必要はありません。
反対に、
* 腟粘膜の萎縮が強い
* 腟壁が薄く傷つきやすい
* 性交時の摩擦痛が続く
* 保湿剤だけでは改善が不十分
といった場合には、ほかの治療と合わせてモナリザタッチを検討します。
「レーザーを希望して来院したから、必ず照射する」のではありません。
診察によって、症状に合った治療の順番を考えます。
腟内だけを治療すればよいとは限りません
私は2019年にモナリザタッチを導入し、これまで4,200例以上の施術を行ってきました。当初は、一般的な方法に従って腟内への照射を中心に治療していました。
しかし、症例を重ねる中で、
* 腟内の乾燥感は改善したが、入口のヒリヒリ感が残る
* 性交時の腟内の摩擦痛は軽くなったが、挿入時の入口痛が残る
* 外陰部の乾燥やかゆみが改善しきれない
* 腟内よりも前庭部に強い圧痛がある
という患者さんがいることに気付きました。
そのため現在は、
1. 腟内
2. 腟前庭部
3. 外陰部
の3つの領域を分けて評価しています。
これは、すべての患者さんに必ず3か所を照射するという意味ではありません。
乾燥や痛み、ヒリヒリ感がどこから生じているのかを確認し、必要な部位だけを治療するという考え方です。
腟内の乾燥が中心の場合
腟内の粘膜に萎縮や脆弱性がある場合には、腟内へのフラクショナルレーザーを検討します。腟内の乾燥、摩擦痛、少量出血などが主な症状です。
腟入口部のヒリヒリ感が中心の場合
痛みや刺激感の中心が前庭部にある場合、腟内だけを照射しても症状が残ることがあります。前庭部の圧痛、乾燥、発赤、組織の状態を確認し、適応があれば前庭部への治療を検討します。
外陰部の乾燥が中心の場合
大陰唇、小陰唇、会陰部などの外側の組織が乾燥している場合には、外陰部ケアが重要です。皮膚炎や感染症があれば、それらを先に治療します。
単純な乾燥や萎縮だけでなく、下着、ナプキン、尿、洗浄剤などの刺激が関係していないかも確認します。
モナリザタッチの治療回数は?
症状や組織の状態によって異なりますが、当院では原則として、**4~6週間程度の間隔で3回**を、一つの基本的な治療単位としてご提案しています。これは、フラクショナルレーザーによる組織反応と、その後の修復・再構築に時間が必要だからです。
1回目から乾燥感やヒリヒリ感の変化を感じる方もいます。
一方で、
* 2回目以降に徐々に変化を感じる
* 腟内は改善したが入口の症状が残る
* 保湿や腟内環境のケアを併用して改善する
* 期待したほどの効果が得られない
という場合もあります。
3回受ければ必ず改善するという治療ではありません。
毎回、症状と組織の状態を確認し、次の照射条件や治療内容を検討します。
治療後の保湿は必要ですか?
私は、レーザー治療後の保湿は非常に重要だと考えています。レーザーは組織の修復反応を起こすきっかけになりますが、その後も乾燥や摩擦が続けば、外陰部や腟入口部の刺激感が残ることがあります。
治療後には、
* 外陰部を洗いすぎない
* 刺激の強い洗浄剤を避ける
* 適切に保湿する
* 下着やナプキンによる摩擦を減らす
* 指示された期間は性交や腟内への挿入を控える
* 感染症を疑う症状があれば早めに相談する
ことが大切です。
モナリザタッチは、保湿を不要にする治療ではありません。
組織への治療と日常のケアを組み合わせることで、よりよい状態を目指します。
腟内環境との関係
エストロゲンが低下すると、腟上皮の成熟やグリコーゲン量が減少し、ラクトバチルスが生息しにくくなることがあります。その結果、腟内pHが上昇し、腟内環境が変化します。
モナリザタッチは、感染症を直接治療したり、ラクトバチルスを直接増やしたりする治療ではありません。
しかし、腟上皮の再構築が起こることで、腟内環境を整えるための土台に変化が生じる可能性があります。
一方で、レーザーを照射するだけで腟内細菌叢が必ず正常化するとは限りません。
必要に応じて、
* 腟内pH
* 分泌物
* 感染症
* 腟内細菌叢
* ラクトバチルスの状態
などを確認し、レーザー後のケアを組み立てます。
ホルモン治療とレーザーは、どちらがよいのでしょうか?
GSMに対する代表的な治療の一つが、局所エストロゲン療法です。腟や外陰部へ少量のエストロゲンを作用させることで、
* 乾燥
* 灼熱感
* 腟粘膜の萎縮
* 性交痛
* 尿路症状
などの改善が期待できます。
局所エストロゲンは、GSMに対してエビデンスの蓄積がある治療です。2025年のガイドラインでも、症状や再発性尿路感染症などに応じて使用が推奨されています。
一方、モナリザタッチには、ホルモンを使用しないという特徴があります。
ただし、
* ホルモンを使用しないから必ず安全
* レーザーの方が必ず優れている
* 一度照射すれば継続的なケアが不要
という意味ではありません。
ホルモン治療が適している方もいれば、保湿剤を中心に治療する方、レーザーを希望する方、複数の方法を組み合わせる方もいます。
年齢、症状、既往歴、乳がんなどの治療歴、患者さんの希望を踏まえて相談します。
乳がんなどエストロゲン依存性疾患の既往がある方は、自己判断でホルモン治療やレーザーを選ぶのではなく、原疾患の主治医と婦人科医の双方に相談することが大切です。
モナリザタッチが合わない、または延期するケース
次のような場合には、原則としてレーザーより検査や別の治療を優先します。* 妊娠中、または妊娠の可能性がある
* カンジダや細菌性腟症などの感染症がある
* 性感染症が疑われる
* 外陰部に強い皮膚炎がある
* 潰瘍やびらんがある
* 原因不明の不正出血がある
* 悪性疾患や前がん病変が疑われる
* 手術後や出産後で組織が治癒していない
* 痛みの中心が神経過敏や骨盤底筋の緊張にある
* レーザーよりほかの治療が適している
また、閉経後の出血を「乾燥によるもの」と自己判断することは避けてください。
子宮頸部、子宮内膜、腟、外陰部などの病気が隠れている可能性があるため、原因を確認する必要があります。
治療後に起こることがある症状
モナリザタッチ治療後には、一時的に次のような症状がみられることがあります。* 軽い熱感
* ヒリヒリ感
* 腟や外陰部の違和感
* 分泌物の増加
* 少量の出血
* 軽い腫れ
* 排尿時の刺激感
多くは一時的ですが、まれに、
* 強い炎症
* 感染
* 熱傷
* びらんや潰瘍
* 瘢痕
* 長引く痛み
* 性交痛の悪化
などが起こる可能性があります。
強い痛み、多量の出血、発熱、悪臭のある分泌物などがある場合には、早めの診察が必要です。
このような方は一度ご相談ください
次のような症状がある方は、GSMや外陰腟の疾患について一度ご相談ください。* 閉経前後から腟が乾燥するようになった
* 外陰部が常にヒリヒリする
* 下着やナプキンが触れると痛い
* 性交時に腟内が擦れて痛い
* 腟入口部が裂けるように痛い
* 性交後に少量出血する
* 保湿剤を使っても改善しない
* 頻尿や排尿時の違和感もある
* 膀胱炎を繰り返している
* 乳がんや婦人科がんの治療後から乾燥が強くなった
* 自分にホルモン治療が適しているか分からない
* モナリザタッチが合うか診察してほしい
最初からモナリザタッチを受けると決めて来院する必要はありません。
診察の結果、保湿ケア、ホルモン治療、感染症治療などをご提案する場合もあります。
診察では何を確認しますか?
腟の乾燥やヒリヒリ感の診察では、* 症状が始まった時期
* 月経・閉経の状況
* ホルモン治療歴
* 妊娠・出産歴
* 婦人科手術歴
* がん治療歴
* 乾燥する場所
* 痛みやヒリヒリ感の場所
* かゆみや分泌物の有無
* 尿漏れや頻尿の有無
* 性交痛の有無
* 使用している洗浄剤や保湿剤
などを確認します。
そのうえで、必要に応じて、
* 外陰部
* 腟入口部・腟前庭部
* 腟内
* 子宮頸部
* 骨盤底筋
を分けて評価します。
症状が強く、内診が痛い場合には、無理に診察を進めません。
最初はお話と外陰部の確認だけにし、症状を整えてから腟内を評価することもできます。
更年期・GSMの記事とあわせてお読みください
腟の乾燥やヒリヒリ感は、GSMの一部分として起こっている場合があります。GSMについて初めて知った方は、まず次の記事で、閉経後に外陰部・腟・尿路で起こる変化をご確認ください。
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腟の乾燥に保湿剤とホルモン治療はどう使い分ける?
モナリザタッチについて詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
モナリザタッチとは?仕組み・適応・治療の考え方
モナリザタッチのデメリット・リスク・副作用は?
モナリザタッチは保険適用される?費用と自費診療
モナリザタッチの口コミを見る前に知っておきたいこと
性交痛にモナリザタッチは選択肢になる?
まとめ
腟の乾燥、外陰部のヒリヒリ感、性交痛、尿路症状は、GSMによって起こることがあります。GSMではエストロゲンの低下によって、
* 腟上皮が薄くなる
* 組織の水分や弾力が低下する
* 摩擦に弱くなる
* 腟内環境が変化する
* 尿道や膀胱にも症状が現れる
といった変化が起こります。
腟粘膜の萎縮や乾燥が症状の中心であり、感染症や皮膚疾患などが除外された場合には、モナリザタッチが治療選択肢の一つになることがあります。
一方で、ヒリヒリ感の原因が、
* 感染症
* 接触皮膚炎
* 洗いすぎ
* 硬化性苔癬
* 尿やナプキンによる刺激
* 前庭部痛
* 神経過敏
などであれば、レーザーより先に原因に応じた治療が必要です。
また、現在の研究では、フラクショナルCO₂レーザーによる症状改善を報告した研究がある一方、偽照射を明確に上回る効果を示さなかった試験もあります。すべてのGSM患者さんに有効性が確立した標準治療とはいえず、効果の個人差とエビデンスの限界を理解して選択する必要があります。
大切なのは、
「乾燥しているからレーザー」
「更年期だから仕方がない」
と決めつけないことです。
私は2019年から4,200例以上のモナリザタッチ治療を行う中で、同じ「乾燥」「ヒリヒリ感」という訴えでも、問題のある場所や原因が患者さんごとに異なることを経験してきました。
そのため当院では、腟内だけでなく、
1. 腟内
2. 腟前庭部
3. 外陰部
を分けて診察し、その方に必要な治療を考えます。
モナリザタッチを希望される場合でも、最初から施術を行うことを前提にはしていません。
保湿が適しているのか、ホルモン治療を検討するのか、感染症や皮膚疾患の治療が必要なのか、レーザーを選択肢とするのかを、一緒に整理します。
腟の乾燥やヒリヒリ感は、生活の質、睡眠、外出、性生活にも影響する症状です。
「この程度で婦人科へ相談してよいのだろうか」と我慢せず、GSM・更年期外来へご相談ください。
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