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モナリザタッチ(腟レーザー)

性交痛にモナリザタッチは選択肢になる?|痛みの場所別に、治療の考え方を婦人科医が解説します

「性交痛にモナリザタッチは効果がありますか?」

「腟レーザーを受ければ、挿入時の痛みは治るのでしょうか?」

「他院で腟内レーザーを受けましたが、入口の痛みが残っています」

性交痛外来では、このようなご相談を多くいただきます。

結論からお伝えすると、**性交痛の原因が腟粘膜の乾燥や萎縮、腟入口部の組織変化などにある場合、モナリザタッチは治療選択肢の一つになることがあります。**

しかし、性交痛のすべてにモナリザタッチが有効というわけではありません。

性交痛には、

* 腟入口部が痛い
* 腟の中が擦れて痛い
* 奥を突かれると痛い
* 挿入しようとすると身体が閉じてしまう
* 性交後まで痛みが続く

など、さまざまなタイプがあります。

痛む場所によって、考えられる原因も必要な治療も異なります。

性交痛は、婦人科疾患、ホルモン変化、外陰部疾患、骨盤底筋、神経、心理的な防御反応など、複数の要因が重なって起こることがあります。まず痛みの場所と原因を確認し、それぞれに合った治療を組み合わせることが重要です。

今回は、性交痛を痛む場所別に分け、モナリザタッチが選択肢になり得る場合と、ほかの治療を優先すべき場合について解説します。

目次

 性交痛は我慢するものではありません

「最初は痛くて当然だと思っていました」

「自分が緊張しすぎるから悪いのだと思います」

「パートナーに申し訳なくて、痛いと言えませんでした」

このように話される患者さんは少なくありません。

しかし、性交のたびに強い痛みがある、挿入できない、性交後まで痛みが続くという状態を、我慢し続ける必要はありません。

痛みを我慢して性交を繰り返すと、

1. 挿入すると痛い
2. 次も痛むのではないかと不安になる
3. 身体が防御反応として緊張する
4. 骨盤底筋が収縮する
5. さらに挿入が難しくなり、痛みが強くなる

という悪循環に入ることがあります。

「気持ちの問題」と片付けるのではなく、身体にどのような痛みが起きているのかを確認する必要があります。

性交痛外来を受診するために、直前に性交を試して痛みを確認する必要はありません。

現在性交をしていない方、挿入を中止している方、婦人科診察そのものが怖い方も受診できます。

性交痛は、痛む場所によって分けて考えます

性交痛を診察する際、最も大切な情報の一つが、**どこが痛むのか**ということです。

大きく分けると、次の4つがあります。

1. 外陰部や腟入口部が痛い
2. 腟の中が痛い
3. 腟の奥や下腹部が痛い
4. 挿入しようとすると筋肉が締まって入らない

複数の場所が同時に痛む方もいます。

「自分では場所がよく分からない」という場合も問題ありません。

診察では、患者さんと一緒に痛む場所を少しずつ確認します。

1.外陰部や腟入口部が痛い場合

「入る瞬間が痛い」「入口に触れるだけで痛い」

腟入口部の性交痛では、次のような訴えがみられます。

* 挿入を始める瞬間に鋭く痛む
* 入口が裂けるように痛い
* 焼けるような、ヒリヒリする痛みがある
* 綿棒や指で触れただけでも痛い
* 婦人科の内診や細胞診も痛い
* タンポンを挿入できない
* 性交後も入口の痛みが続く

腟の入口周囲には、**腟前庭部**と呼ばれる領域があります。

前庭部は神経終末が多く、接触や圧迫による痛みを感じやすい場所です。

この部分を軽く触れた際に強い圧痛が生じる状態は、誘発性前庭部痛や外陰部痛症などの可能性があります。持続する外陰部痛では、感染、皮膚疾患、神経障害、ホルモン変化、骨盤底筋などを含めた評価が必要です。

 腟入口部が痛む主な原因

腟入口部の痛みには、次のような原因が考えられます。

* 腟前庭部の慢性的な炎症や神経過敏
* エストロゲン低下による粘膜の菲薄化
* 外陰部の乾燥
* 摩擦や洗いすぎによる皮膚障害
* カンジダなどの感染症
* 接触皮膚炎
* 硬化性苔癬などの外陰部皮膚疾患
* 会陰切開や裂傷後の瘢痕
* 骨盤底筋の過緊張
* 処女膜や腟入口部の形態的な問題

原因は一つとは限りません。

例えば、最初は乾燥による小さな痛みだったものが、痛みを繰り返すうちに前庭部が過敏になり、さらに骨盤底筋も緊張するということがあります。

前庭部へのモナリザタッチは選択肢になる?

前庭部の組織に萎縮、乾燥、脆弱性などがあり、そこが痛みの発生部位であると判断した場合には、フラクショナルCO₂レーザーが治療選択肢となることがあります。

2016年に報告された前向き症例研究では、GSMに伴う前庭部痛の患者さんに前庭部へのフラクショナルCO₂レーザーを行い、痛みや性交痛などの改善が報告されました。これは有望な結果ですが、比較対照群のない小規模な予備的研究であり、すべての前庭部痛に効果が確立しているわけではありません。

当院では、前庭部へ一律に照射するのではなく、

* 痛む位置
* 綿棒で触れたときの圧痛
* 組織の乾燥や萎縮
* 発赤や炎症
* 骨盤底筋の緊張
* 感染症や皮膚疾患の有無

を確認したうえで適応を判断します。

前庭部の強い炎症や皮膚疾患がある場合には、先にその治療が必要です。

また、神経過敏や筋緊張が痛みの中心である場合には、レーザーだけで十分に改善しないことがあります。

2.腟の中が擦れて痛い場合

「挿入すると腟全体が乾いて痛い」

腟内の痛みでは、次のような症状がみられます。

* 挿入時に腟の中が擦れる
* 潤滑剤を使っても痛い
* 腟壁が薄く、傷つくように感じる
* 性交後に少量出血する
* 内診器を入れると腟内が痛い
* 閉経後に性交痛が始まった
* 乳がん治療や婦人科がん治療後から痛くなった

このタイプでは、腟粘膜の乾燥や萎縮が関係している可能性があります。

特に閉経後は、エストロゲンの低下によって腟上皮が薄くなり、弾力や分泌が低下します。

これにより、乾燥、灼熱感、刺激感、性交痛、出血、尿路症状などが起こる状態を、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)と呼びます。保湿剤や潤滑剤、局所エストロゲンなどが代表的な治療選択肢です。

 腟内へのモナリザタッチは選択肢になる?

腟粘膜の乾燥、萎縮、弾力低下などが性交痛の原因となっている場合には、腟内へのフラクショナルCO₂レーザーが選択肢となることがあります。

一部の臨床研究では、腟レーザー後に腟乾燥、性交痛、腟健康指数などが改善したと報告されています。また、局所エストロゲンなどと比較した研究でも、一定の症状改善が報告されています。

一方で、偽照射と比較した質の高い無作為化試験では、腟症状や性交痛について明確な優越性が示されなかった研究もあります。2025年に報告された乳がん経験者を対象とする試験でも、乾燥感の一部は軽減したものの、性交痛について偽照射を上回る十分な改善は示されませんでした。

したがって、モナリザタッチは、

性交痛があれば誰にでも効く治療

ではありません。

腟粘膜の状態、ホルモン環境、痛む場所、ほかの原因の有無を診察し、期待できる効果と限界を説明したうえで選択する必要があります。

 腟内が改善しても、入口の痛みが残ることがあります

腟内への照射によって乾燥感が改善しても、痛みの中心が前庭部にある場合には、性交痛が残ることがあります。

これはレーザーが効かなかったというより、**治療した場所と痛みの発生部位が一致していなかった**可能性があります。

「他院で腟レーザーを受けたけれど、性交痛が改善しなかった」という方を診察すると、腟内よりも入口の前庭部に強い圧痛が残っていることがあります。

当院では、腟内だけでなく、前庭部、外陰部も分けて評価します。

 3.外陰部の皮膚が痛い場合

「こすれると痛い」「切れたように痛い」

性交時に外陰部の皮膚が痛む場合には、次のような原因を考えます。

* 外陰部の乾燥
* 洗いすぎ
* 石けんや洗浄剤による刺激
* 下着やナプキンによる摩擦
* 接触皮膚炎
* 湿疹
* 硬化性苔癬
* カンジダなどの感染症
* 出産時の裂傷や会陰切開の瘢痕
* 外陰部粘膜の萎縮

外陰部のかゆみ、灼熱感、亀裂、白色変化、ただれなどがある場合には、レーザーを行う前に皮膚疾患や感染症を診断する必要があります。

外陰部疾患の治療では、保湿剤、外用薬、刺激物の回避、感染症治療、ホルモン治療などを優先する場合があります。

外陰部へのレーザーが適する場合と適さない場合

外陰部組織の萎縮や脆弱性が痛みに関係している場合には、状態に応じてレーザー治療を検討することがあります。

しかし、活動性の皮膚炎、感染、びらん、潰瘍などがある状態へ、そのままレーザーを照射するべきではありません。

特に硬化性苔癬などは、適切な診断と標準的な薬物治療が重要です。

「かゆいからレーザー」「痛いからレーザー」と症状名だけで決めるのではなく、皮膚の状態を診察する必要があります。

4.腟の奥や下腹部が痛い場合

「奥を突かれると痛い」

腟の奥や下腹部に痛みを感じる性交痛を、深部性交痛と呼びます。

次のような疾患や状態が関係する可能性があります。

* 子宮内膜症
* 子宮腺筋症
* 卵巣腫瘍
* 子宮筋腫
* 骨盤内炎症
* 骨盤内癒着
* 子宮後屈
* 膀胱や腸管の疾患
* 骨盤底筋や深部筋の緊張
* 慢性骨盤痛

このタイプの痛みでは、腟粘膜へのレーザーだけで原因を治療することはできません。

まず内診や超音波検査などを行い、子宮、卵巣、骨盤内に病気がないかを確認する必要があります。

月経痛が強い、排便時にも痛い、不正出血がある、下腹部痛が続くという場合には、特に婦人科疾患の評価が重要です。

モナリザタッチを希望して受診された場合でも、深部性交痛の原因が疑われれば、レーザーより検査や疾患治療を優先します。

5.挿入しようとすると身体が締まって入らない場合

「入口までは痛くないのに、入れようとすると閉じてしまう」

挿入を試みた際に、骨盤底筋が無意識に強く収縮し、指、タンポン、内診器、陰茎などを挿入できない場合があります。

現在は、痛みへの恐怖や挿入困難を含めて、性器・骨盤痛/挿入障害として評価されることがあります。

患者さんは、

* 力を抜こうとしても抜けない
* 脚を開くこと自体が怖い
* 入口に触れられると身体が逃げる
* 過去の痛みを思い出して緊張する
* 診察台に上がるだけで身体が硬くなる

と訴えることがあります。

これは患者さんが意識的に拒否しているのではありません。

痛みを避けるために身体が起こしている防御反応です。

筋緊張が中心の場合、レーザーだけでは治りません

骨盤底筋の過緊張が中心である場合には、レーザーだけで挿入できるようになるとは限りません。

必要に応じて、

* 痛みのない範囲で身体に触れる練習
* 外陰部の保湿
* 呼吸法
* 骨盤底筋を緩める練習
* 骨盤底リハビリテーション
* 小さいサイズからのダイレーター
* 痛みや恐怖への心理的サポート
* パートナーへの説明

などを組み合わせます。

ただし、筋緊張だけでなく、前庭部の接触痛や乾燥が同時にある場合には、痛みを起こす組織への治療としてレーザーを併用することがあります。

「レーザーか、リハビリか」という二者択一ではなく、患者さんの状態に応じて組み合わせることが大切です。

 モナリザタッチが性交痛の選択肢になりやすいケース

診察によって、次のような状態が確認された場合には、モナリザタッチを治療選択肢として検討することがあります。

* 閉経後の腟乾燥や萎縮がある
* 腟壁の伸展性が低下している
* 性交時に腟内が擦れて痛む
* 腟粘膜が脆弱で出血しやすい
* 腟入口部の組織が薄く、乾燥している
* 前庭部に限局した圧痛がある
* がん治療後などでホルモン治療を選択しにくい
* 保湿剤や潤滑剤だけでは改善が不十分
* 症状の原因となる感染症や皮膚疾患が除外されている

ただし、これらに当てはまっても必ず適応になるわけではありません。

治療効果には個人差があり、現在の研究では、すべての患者さんに対する有効性が確立しているとはいえません。

レーザーより別の治療を優先するケース

次のような場合には、モナリザタッチより先に検査や別の治療を行います。

* カンジダや細菌性腟症などの感染症がある
* 性感染症が疑われる
* 外陰部皮膚炎や硬化性苔癬がある
* 原因不明の不正出血がある
* 子宮や卵巣の疾患が疑われる
* 骨盤底筋の過緊張が痛みの中心である
* 神経障害性疼痛が疑われる
* 強い炎症や潰瘍がある
* 手術後や出産後で組織が治癒していない
* 悪性疾患や前がん病変が疑われる

性交痛の治療では、レーザーを行うことよりも、**レーザーを行うべきではない状態を見逃さないこと**が大切です。

 当院が「腟内・前庭部・外陰部」を分けて診察する理由

私は2019年にモナリザタッチを導入し、これまで4,200例以上の施術を行ってきました。

当初は、一般的な治療方法に従い、腟内への照射を中心に行っていました。

しかし、治療を重ねる中で、

* 腟内の乾燥は改善したのに性交痛が残る
* 腟の中ではなく、入口だけが痛い
* 触れると特定の位置に強い圧痛がある
* 外陰部の乾燥や摩擦痛が残っている

という患者さんがいることに気付きました。

性交痛を一つの症状として扱うのではなく、

1. 腟内
2. 腟前庭部
3. 外陰部

を分けて評価する必要があると考えるようになりました。

当院の「3部位評価」は、全員に3か所を照射するという意味ではありません。

3つの領域を診察し、痛みの原因となっている部位に必要な治療を行うという考え方です。

性交痛外来ではどのような診察をしますか?

「性交痛外来に興味はありますが、診察が痛そうで怖いです」

というご相談も多くいただきます。

性交痛の患者さんに、最初から通常どおりの内診を無理に行うことは適切ではありません。

当院では、まずお話を伺い、

* いつから痛むのか
* どこが痛むのか
* 触れただけで痛いのか
* 挿入時に痛いのか
* 奥が痛いのか
* 性交後も痛みが続くのか
* タンポンや指は挿入できるか
* 婦人科診察を受けられるか
* 乾燥、かゆみ、分泌物があるか
* 出産、手術、閉経などのきっかけがあるか

を確認します。

その後、ご本人の同意を得ながら、できる範囲で診察を進めます。

必要に応じて、

* 外陰部の視診
* 綿棒で前庭部に軽く触れるQ-tipテスト
* 痛みの強さを示すVAS評価
* 骨盤底筋の緊張の確認
* 腟内や子宮・卵巣の評価
* 感染症検査
* 腟内環境の評価

などを行います。

痛くてできない診察は、無理に行いません。

最初の受診ではお話と外側の確認だけにし、ホームケアを始めてから次の段階へ進むこともあります。

当院の性交痛治療は、レーザーだけではありません

性交痛の原因は一つではないため、治療も一つではありません。

患者さんの状態に応じて、

* モナリザタッチ
* 前庭部へのフラクショナルレーザー
* 外陰部の保湿
* 腟内環境への配慮
* 感染症治療
* ホルモン治療
* 外陰部皮膚疾患の治療
* 骨盤底筋へのアプローチ
* ダイレーター
* 段階的なタッチトレーニング
* 痛みや恐怖へのサポート

などを組み合わせます。

レーザーは、組織の回復を促すための選択肢の一つです。

レーザーを照射すること自体が治療の最終目的ではありません。

最終的な目標は、

* 触れられても痛くない
* 婦人科診察を受けられる
* 挿入に対する恐怖が軽くなる
* 自分の身体を自分でケアできる
* 希望する方が、痛みの少ない性交を行える

状態に近づくことです。

モナリザタッチを受ければ、必ず性交できるようになりますか?

モナリザタッチを受けたからといって、すべての方が必ず性交できるようになるわけではありません。

性交痛の改善には、

* 痛みの原因
* 痛みが続いていた期間
* 痛む部位
* 組織の状態
* 骨盤底筋の緊張
* 神経過敏
* 痛みに対する恐怖
* パートナーとの関係
* ホームケアの継続

などが関係します。

腟粘膜の乾燥が改善しても、筋肉の緊張が残れば挿入は難しいことがあります。

反対に、筋肉を緩める練習をしても、入口に強い接触痛が残っていれば挿入できません。

そのため、患者さんごとに治療の順序を考える必要があります。

こんな方は性交痛外来へご相談ください

次のようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。

* 性交のたびに痛みを我慢している
* 腟入口部が痛くて挿入できない
* 指やタンポンも入れられない
* 婦人科診察が痛くて受けられない
* 閉経後から性交痛が始まった
* 出産や会陰切開後から痛みが続いている
* 他院で腟レーザーを受けても入口の痛みが残った
* 処女膜切開などの治療後も痛みが改善しない
* 外陰部のヒリヒリ感や灼熱感がある
* 性交後に出血や痛みが続く
* 痛みへの恐怖で性交を避けている
* どこが痛いのか自分では分からない
* パートナーに申し訳ないと感じている

現在パートナーがいない方や、性交を予定していない方でも受診できます。

性交をすることだけが治療の目標ではありません。

診察を受けられるようになりたい、自分の身体に触れられるようになりたい、将来に備えたいというご相談もお受けしています。

ご予約について

性交痛は、通常の婦人科診察だけでは痛みの場所や原因を十分に確認できないことがあります。

当院の性交痛外来では、お話を丁寧に伺い、腟内、腟前庭部、外陰部、骨盤底筋を分けて評価します。

最初からレーザー治療を行うことを前提にはしていません。

診察の結果、

* モナリザタッチが選択肢になるのか
* 前庭部への治療が必要なのか
* レーザー以外の治療を優先するのか
* ホームケアから始めるのか

を患者さんと相談しながら決めます。

ご予約の際は、**「性交痛外来を希望」**とお伝えください。

ウェブ予約をご利用の場合は、性交痛外来または性交痛・腟入口部痛に該当する診療項目をお選びください。

痛む場所が分からなくても構いません。

診察が怖いこと、挿入できないこと、過去に痛い診察を受けたことがある場合には、ご予約時または診察前にお知らせください。

まとめ


性交痛に対して、モナリザタッチが治療選択肢になることはあります。

特に、

* 閉経後などの腟乾燥・萎縮
* 腟内の摩擦痛
* 腟入口部の組織の脆弱性
* 前庭部に限局した接触痛

などでは、診察所見に応じて検討することがあります。

一方で、

* 深部性交痛
* 子宮や卵巣の病気
* 感染症
* 外陰部皮膚疾患
* 骨盤底筋の強い過緊張
* 神経障害性疼痛

などでは、レーザー以外の検査や治療が必要です。

また、フラクショナルCO₂レーザーについては症状改善を報告した研究がある一方、偽照射と比較して明確な優越性を示さなかった研究もあります。効果には個人差があり、性交痛すべてに対して有効性が確立した治療ではありません。

大切なのは、

性交痛という症状だけを見て治療を決めるのではなく、どこが、なぜ痛いのかを確認することです。

私は2019年から4,200例以上のモナリザタッチ治療を行う中で、腟内だけでは改善しない性交痛があることを経験してきました。

だからこそ当院では、腟内、腟前庭部、外陰部、骨盤底筋を分けて評価しています。

痛みを我慢してから受診する必要はありません。

性交できるかどうかを試してから来院する必要もありません。

「痛いけれど、どこに相談すればよいか分からない」

その段階で、性交痛外来へご相談ください。

痛みの場所を一緒に確認し、レーザーだけに限定せず、その方に必要な治療を考えていきます。
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