腟内・子宮口のコンジローマはどう治療する?塗り薬と処置の違い・診察の流れ
更新日:2026.10.16
「腟の中にもコンジローマがあると言われた」
「子宮口にできている場合、どのような治療をするの?」
外から見えない場所にいぼがあると、治療の方法や、診察で何をするのかが気になると思います。
腟内や子宮口の周囲にあるコンジローマは、病変の場所や広がりを確認し、レーザーなどの処置を検討します。 外側のいぼに使う塗り薬を、内側にも同じように使えるわけではありません。
当院では、診察で状態を確認したうえで、必要な検査と治療方法をご説明しています。この記事では、部位による治療の違いと、診察から処置・再診までの流れをお伝えします。
目次
腟内・子宮口のコンジローマは、外側と治療が異なります
まず、いぼができている場所を確認します
女性の性器のうち、大陰唇・小陰唇など、外側にある部分を「外陰部」と呼びます。腟の入り口から内側へ続くのが腟で、その奥に子宮の下部である「子宮頸部」があります。子宮頸部の中央にある開口部が「子宮口」です。
コンジローマは、外陰部だけでなく、腟の壁や子宮口にもできることがあります。
治療を選ぶ際には、いぼの大きさや数に加えて、どこにできているかを確認します。場所によって、使用できる薬や処置の方法が異なるためです。
| いぼのある部位 | 診察で確認すること | 治療の考え方 |
|---|---|---|
| 外陰部 | 大きさ・数・周囲への広がり | 塗り薬や、いぼを取り除く処置を検討します |
| 腟内 | 腟の壁のどこに、どの程度できているか | 外陰部に使う塗り薬には使用できないものがあり、レーザーなどの処置を検討します |
| 子宮頸部・子宮口の周囲 | いぼの形や広がり、ほかの異常の有無 | 必要な検査を確認したうえで、処置の方法を検討します |
外陰部のいぼに使う塗り薬について
コンジローマの塗り薬には、イミキモドという成分を含むクリーム(商品名:ベセルナ)があります。免疫反応を活性化させることで、局所の自然免疫を刺激する薬です。外性器や肛門周囲のいぼに使用する薬で、腟内や子宮頸部には使用しません。
そのため、外陰部と腟内の両方にいぼがある場合には、レーザー治療が第一選択になることがあります。
腟内や子宮口は、どのように診察するのでしょうか?
自分では見えない場所を、子宮鏡という器具を使って確認します
腟内や子宮頸部は、ご自身では直接見ることが難しい場所です。違和感がないまま、定期検診などの診察で病変が見つかることもあります。外側にいぼが見当たらなくても、内側に病変がある場合があります。
診察では、子宮鏡と呼ばれる器具を使って腟内を見やすくし、腟の壁や子宮頸部を観察します。さらに詳しく見る際には、コルポスコープという拡大鏡を用います。
子宮鏡は「内側を見えるようにする器具」、コルポスコープは「病変を拡大して見る機器」です。
当院では、外陰部だけでなく、必要に応じて腟内・子宮頸部や肛門周囲も確認し、拡大観察や撮影を診療に役立てています。
診察への不安や、これまでに説明された内容をお伝えください
ご自身で、いぼの場所や数を正確に把握できていなくても大丈夫です。他院で「腟内にもある」「子宮口にある」と説明された場合は、わかる範囲でお伝えください。
過去の内診で痛みが強かった方や、診察に不安がある方も、事前にお話しください。器具を入れる際に痛みを感じる場合は、その場でお伝えいただくことも大切です。
診察の結果をもとに、治療する範囲や、追加の検査が必要かをご説明します。
受診先に迷っている方へ女性のコンジローマは何科を受診する?婦人科で相談するメリットや、受診先を選ぶ際の考え方を解説しています。詳しく読む →当院で行うレーザーによる切除と病理検査
病変の状態に合わせて、いぼを取り除きます
当院では、大きないぼや、腟内・子宮頸部などの病変に対して、組織診断と同時にレーザーによる治療を検討します。コンジローマ以外の診断が疑われる場合には、病理検査後に治療を行います。
また、いぼの数が多い場合や広い範囲に及ぶ場合には、複数回に分けて処置することがあります。範囲が広い場合、一度に広い範囲を治療することで排尿や排便に影響が出ることもあり、日常生活を考慮して1回に行う治療範囲を決定します。
痛みへの対応は、処置の内容に合わせて検討します
処置を受けるにあたり、痛みや麻酔について気になる方も多いでしょう。外陰部の場合は、局所麻酔を使用して処置を行います。腟内や子宮口付近はやや痛覚が弱いこともあり、状況に合わせて麻酔を選択します。
処置前に、麻酔の方法や、処置後に起こり得る痛み・出血について確認しておくと、帰宅後の過ごし方も考えやすくなります。麻酔で気分が悪くなった経験がある方や、薬のアレルギーがある方は、事前にお伝えください。
切除した組織は、病理検査で調べます
いぼのように見えるできものにも、さまざまな種類があります。当院では、切除した組織を病理検査に提出しています。
病理検査は、組織を顕微鏡で詳しく調べ、コンジローマかどうか、別の病変ではないかを確認する検査です。
検査結果をもとに、そのまま経過をみてよいか、追加の検査や治療が必要かを判断します。
必要に応じて、専門の医療機関と連携します
合併症がある場合、出血のリスクが高い場合や、病変が広範囲に及び当院での処置が難しい場合などには、専門の医療機関へ紹介します。
診察で当院で対応できる範囲を確認し、病変の状態に合った診療につなげます。
診察から処置・再診までの流れ
1.問診と診察で、現在の状態を確認します
使用中の薬や、これまでに受けた処置・検査について伺い、病変を確認します。検査結果やお薬手帳があれば、診察の参考になります。
妊娠中の方や妊娠の可能性がある方、普段から服用している薬がある方も、お知らせください。
2.必要な検査と、処置を行う時期をご案内します
診察の結果をもとに、先に検査が必要か、その日に処置できるかをご案内します。治療がすぐに必要な性病が認められた場合、検査結果を確認してから、又は、その治療後別日に治療する場合もあります。
日帰り処置とは、入院せずに処置を受け、その日のうちに帰宅できることです。 受診した当日に処置できるかどうかは、診察で判断します。
当日の処置を希望される場合は、お申し出ください。
3.処置後は、帰宅してからの過ごし方を確認します
処置後は、出血や痛みへの対応、入浴・運動・性交渉などの注意点と、次回の受診について説明します。
生活上の制限は、処置した場所や範囲によって異なります。仕事や運動の予定、性交再開について気になることがある場合は、帰宅前にご相談ください。
出血が多い、痛みが強くなる、発熱するなど、処置後に気になる変化がある場合は、予定の再診日を待たずに医療機関へ連絡してください。
処置を検討している方へコンジローマの日帰り処置・当日受診について当院でのレーザー処置や受診について、詳しくご案内しています。詳しく読む →4.再診で、検査結果と治療後の状態を確認します
当院では、再診で傷の回復や再発病変の有無を確認することを大切にしています。病理検査の結果を説明し、追加の対応が必要かも判断します。
通院には、処置を受けるための受診だけでなく、結果の説明や経過確認も含まれます。日帰りで処置できても、通院が1回で終わるとは限りません。
受診の間隔は経過に合わせてご案内しますので、通院が難しい事情がある場合もご相談ください。
子宮口のコンジローマは、子宮頸がんと関係がありますか?
同じウイルスが関係しますが、原因となる種類が異なります
子宮口にコンジローマがあると聞いて、「子宮頸がんと関係があるの?」「このいぼが、がんになるの?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
実は、コンジローマと子宮頸がんには、原因に共通点があります。どちらにも「HPV(ヒトパピローマウイルス)」というウイルスが関係しています。
ただし、HPVは200種類以上確認されており、1種類ではありません。多くの種類があり、これを「型」と呼びます。コンジローマのいぼをつくる型と、子宮頸がんの原因になる型は、基本的に異なります。
そのため、コンジローマが見つかったからといって、子宮頸がんというわけではありません。コンジローマのいぼが、そのまま子宮頸がんに変わるわけでもありません。
一方で、異なる型のHPVに同時に感染することはあります。子宮頸部にほかの異常がないかは、診察所見やこれまでの検査結果を踏まえて確認します。
子宮頸がんに関する検査は、いぼの病理検査とは目的が異なります
切除したいぼの種類を調べる病理検査に対して、子宮頸部の細胞診は、採取した細胞に前がん病変やがんを疑う変化がないかを調べる検査です。
また、子宮頸がんに関係する種類のHPVを調べる「ハイリスクHPV検査」もあります。これは、コンジローマの原因となるウイルスがなくなったことを確認する検査ではありません。
すべての方に、これらの検査を一律に行うわけではありません。現在の病変と過去の結果などを踏まえて、必要な検査をご案内します。
HPVワクチンは、コンジローマと子宮頸がんの予防につながります
HPVワクチンは、病気の原因となるHPVへの感染を予防するためのワクチンです。
ワクチンには種類があり、「4価」「9価」は予防対象となるHPVの型の数を表しています。4価・9価のHPVワクチンは、コンジローマの原因となる型と、子宮頸がんの原因となる主な型の両方を予防対象に含んでいます。
当院では、女性だけでなく男性パートナーにも接種を勧めています。ご自身とパートナーの健康を守るため、接種歴を確認し、今後の予防についてもご相談ください。
ただし、ワクチンは、今あるいぼや、すでに感染しているHPVを治療するものではありません。コンジローマを発症したことがある方でも、まだ感染していないワクチン対象の型への感染を予防する意義があります。
ワクチンですべての子宮頸がんを防げるわけではないため、接種後も定期的な子宮頸がん検診を受けることが大切です。
腟内・子宮口の治療についてよくある質問
外側のいぼと、腟内のいぼは一緒に治療できますか?
はい。できるだけ一緒に治療を行い、負担が少なくなるように心がけております。診察で全体の状態を確認し、どこから、どのように治療するかをご説明します。
痛みや違和感がなくても、治療について相談した方がよいですか?
腟内や子宮口にいぼがあると指摘された場合は、症状がなくてもご相談ください。痛みや違和感の有無だけでは、いぼの種類や広がりは判断できません。
診察で状態を確認し、治療が必要か、どのように対応するかを相談します。
自分では見えないのですが、治療が終わったかどうかは、どう確認しますか?
診察で、処置した部分の回復と、いぼが残っていないか、新しくできていないかを確認します。
ご自身で見たり触ったりして確かめる方法が一番です。そして、自覚症状がなくなった後も、診察させていただき、再発の有無を確認します。
子宮頸がん検診で「異常なし」でした。今回のいぼも問題ないと考えてよいですか?
検診で異常がなくても、今回のいぼについては診察で確認する必要があります。
子宮頸がん検診は、子宮頸がんやその前段階の異常を見つけるための検査です。腟内や子宮口にあるできものが、何のいぼなのかをすべて調べる検査ではありません。
以前の検診結果も参考にしながら、今回のいぼを診察し、必要に応じて組織を調べます。検診結果が手元にある方は、受診時にお持ちください。
症状・見分け方を確認したい方へ女性のコンジローマの症状・原因・見分け方初期症状や似たできものとの違い、治療・予防の基本を確認できます。詳しく読む →腟内・子宮口のコンジローマの治療に、健康保険は使えますか?
当院では、診断や治療内容に応じて保険診療で対応しています。頻繁に繰り返す場合は、保険適応外になることがあります。自費診療となる場合には、診察時に説明します。
費用は、必要な検査や処置、自己負担割合などによって異なります。詳しくは診察時にご確認ください。
デリケートゾーンのいぼ・ぶつぶつは、まず産婦人科へご相談ください
女性のデリケートゾーンにいぼやぶつぶつができたときは、まず産婦人科への相談をおすすめします。
できものの場所や症状によっては、皮膚科や泌尿器科などで診療することもありますが、産婦人科では外陰部だけでなく、ご自身では見えにくい腟内や子宮腟部まで確認できます。
「コンジローマかどうかわからない」「腟の中にもあると言われて不安」という段階でも構いません。ご自身で診断をつけたり、治療方法を決めたりしてから受診する必要はありません。
当院は土日祝日も診療しています。平日の受診が難しい方も、診察や治療後の通院についてご相談ください。
参考文献・資料
3. CDC:Anogenital Warts — Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines
コンジローマの診察・治療をご希望の方へ
いぼが気になる方、治療を続けても改善がわからない方、再発して不安な方は、ご相談ください。現在の状態とこれまでの治療経過を伺い、必要な診察・検査と治療方法をご案内します。
オンライン診療は、受診前の不安や治療に関するご相談の入口としてご利用いただけます。いぼの確定診断、腟内・子宮頸部の観察、検査・処置には来院が必要です。強い痛みや出血、尿が出にくいなどの症状がある場合は、対面診療をご利用ください。
2026年10月開催 無料WEBセミナーのご案内
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



