腟前庭部痛にモナリザタッチはなぜ選択肢になる?入口の痛みと性交痛を解説
更新日:2026.07.02
性交痛で受診される患者さんから、「モナリザタッチは腟のレーザーですよね。どうして入口の痛みにも効くのですか?」という質問をいただくことがあります。
これはとても大切な質問です。
実は、性交痛の原因は「腟の奥」ではなく、腟の入口付近がメインである方が多いです。
私が性交痛で日々診療している中で、最も多いのは「腟前庭部(ちつぜんていぶ)」に痛みの原因がある患者さんです。
腟前庭部とはどこでしょうか?
腟前庭部とは、小陰唇に囲まれた腟の入口周囲を指します。
尿道口や腟の入口があり、皮膚と粘膜が移行する非常に繊細な場所です。
性交時には最初に接触する部分であり、最も刺激を受けやすい部位でもあります。
そのため、
- 入る瞬間だけ痛い
- 入口がヒリヒリする
- 指でも痛い
- 毎回同じ場所が痛い
という症状がある場合には、この前庭部が原因になっていることが少なくありません。
前庭部はなぜ痛くなるのでしょうか?
前庭部には多くの神経終末が存在しています。
本来は痛みを感じる場所ではありませんが、
- 出産
- 授乳
- 更年期
- 女性ホルモンの低下
- 慢性的な炎症
- 繰り返す感染
- 外陰部の乾燥
- 長期間の刺激
- 低用量ピルの若年からの長期内服
などが重なることで、皮膚や粘膜が薄くなり、神経が過敏になってしまうことがあります。その結果、わずかな接触でも強い痛みを感じるようになります。
低用量ピルを若年から長期内服されている方でも、痛みを訴える方が多くいらっしゃいます。
私はこの状態を「前庭部の組織が元気を失っている状態」と患者さんに説明しています。
モナリザタッチは何をしているのでしょうか?
モナリザタッチは、炭酸ガス(CO₂)フラクショナルレーザーを用いて粘膜にごく小さな熱刺激を与えます。
この刺激によって、身体が本来持っている「修復しようとする力」が働きます。
その結果、
- コラーゲンが新しく作られる
- 血流が改善する
- 粘膜が厚くなる
- 弾力が戻る
- 潤いが増える
といった変化が期待できます。
腟粘膜だけでなく、前庭部にも適切にレーザーを照射することで、組織の修復を促し、刺激に対する過敏性が改善する可能性があります。
「腟だけ治療しても改善しない」患者さんがいる理由
性交痛の患者さんを診察すると、腟の萎縮だけではなく、
- 前庭部の発赤、白色変化
- 圧痛
- 小さな裂傷
- 皮膚の菲薄化
を認めることがあります。
このような場合には、腟内だけを治療しても十分な改善が得られないことがあります。
そこで当院では、必要に応じて前庭部にもレーザー治療を組み合わせることで、より良い改善を目指しています。
性交痛でお悩みの方へ
腟の入口の痛み・ヒリヒリ感は、性交痛外来で相談できます
「入る瞬間が痛い」「入口がヒリヒリする」「潤滑剤を使ってもつらい」などの性交痛は、腟前庭部、腟粘膜、外陰部の皮膚、ホルモン環境、感染や炎症など、複数の原因が関係していることがあります。
当院の性交痛外来では、痛みの場所や症状を確認し、必要に応じて保険診療・ホームケア・モナリザタッチ・前庭部レーザーなどを組み合わせながら、一人ひとりに合った治療を考えていきます。
レーザーだけでは完成しません
私は4,000例を超えるモナリザタッチの診療を経験する中で、一つのことを強く感じています。
それは、「治療したその日だけ良くなっても、本当の改善とは言えない」ということです。
前庭部は毎日の生活の中で、
- 下着との摩擦
- 石鹸での洗いすぎ
- 乾燥
- 腟内環境の乱れ
など、さまざまな影響を受けます。
だからこそ、治療後のホームケアが重要になります。
当院でご提案しているホームケア
- EBINEフェミニンムースでやさしく洗う
- EBINEフローラで腟内環境をサポートする
- EBINEフェミニンセラムで前庭部を整える
- EBINEウィメンズジェルで潤いを保つ
ホームケア製品については、ホームケアページでもご紹介しています。
レーザーで「治療する」だけではなく、毎日のケアで「良い状態を維持する」ことが大切なのです。
EBINE性交痛改善プログラムという考え方
性交痛は、一つの原因だけで起こる病気ではありません。
腟粘膜、前庭部、皮膚、女性ホルモン、腟内細菌叢、生活習慣、そして心理的な要素まで、多くの因子が関係しています。
そのため当院では、
EBINE Touch Program for Dyspareunia
- モナリザタッチ
- 前庭部レーザー
- ホームケア
- 必要に応じた薬物療法や補助療法
を組み合わせたEBINE Touch Program for Dyspareunia(EBINE性交痛改善プログラム)をご提案しています。
性交痛は「我慢するもの」ではありません。
適切に診断し、一人ひとりに合った治療を行うことで改善が期待できます。
もし「痛いのが当たり前」と思っている方がいらっしゃいましたら、一人で悩まずにご相談ください。
私たちは、痛みの原因を一緒に見つけ、安心してパートナーとの時間を過ごせる毎日を目指してサポートいたします。
2026年7月開催 無料WEBセミナーのご案内
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



