ラクトバチルスとの出会い|私がEBINEフローラを作ろうと思った理由
更新日:2026.06.28
私自身、この流れをとても興味深く感じています。なぜなら、私の人生そのものが「腸内環境」や「善玉菌」と深く関わってきたからです。
私は1970年生まれです。
幼い頃から重いアトピー性皮膚炎に悩まされていました。まだ、アトピー性皮膚炎という言葉はあまり知られていない時代でした。毎日かゆくて眠れない。洋服の刺激でかゆくて、」洋服を着れないほど皮膚が赤くなる。治療法のない皮膚炎に苦しむ娘の姿を見て、母もまた大変苦しんでいたと思います。
当時の日本は高度経済成長の時代でした。公害問題が社会問題となる一方で、生活は豊かになり、チョコレートや炭酸飲料、駄菓子なども身近になりました。
そんな中、母は「食べるものが健康を作る」と考え、低農薬と有機野菜の仕事を始めました。その頃は、農協が農薬を販売しており、沢山の農薬を使用することが害虫駆除に役立つという考えが主流でした。そして次第に、健康な黒豚の飼育へと関心を移していきました。
当時の母が最も気にしていたのは、家畜に使用される抗生剤や薬剤入った飼料の影響でした。酪酸菌や乳酸菌を用いて自然栽培の草を発酵させた飼料で育てられた豚は驚くほど健康だったそうです。その中で、行き着いた答えが、「腸内環境を整えること」でした。
その豚肉を食べながら育った私は、いつしかアトピー性皮膚炎が改善し、現在に至っています。
今振り返ると、獣医学の世界では、ヒトの医学よりもずっと早い時期から「腸内環境の重要性」に注目していたのかもしれません。
1980年代になると、「ヨーグルトは体に良い」という考え方が広まりました。ビフィズス菌や乳酸菌を積極的に摂取することが健康につながるという考え方です。その後、私は医師となり、産婦人科医として周産期医療に携わるようになりました。すると今度は、腸ではなく「腟内細菌叢」が気になるようになったのです。
妊娠を維持するためには、良好な腟内環境や子宮内環境がが欠かせません。ですが、その頃この考えはあまり注目されていませんでした。今では、流産や早産の予防においても、腟内細菌叢は非常に重要だとわかるようになってきました。特に気になっていたのは、不妊治療によって妊娠された方の中には、腟内環境に問題を抱えている方も少なくありませんでした。不妊治療で環境が悪くなったのか、環境が悪いから不妊症になったのかは、明らかではありません。しかしながら、母体の子宮内環境が悪い場合、さまざまな抗菌薬を組み合わせて治療していましたが、なかなか思うような結果が得られないこともありました。
そんな頃、恩師を通じて北海道の先生のお話を伺う機会がありました。その先生は、酪農で得られたヨーグルトを利用し、腟炎の治療に取り組んでいるというのです。初めて聞いたときは大変驚きました。しかし同時に、「やはり善玉菌には大きな意味があるのではないか」と強く感じたことを覚えています。
開業して周産期医療の現場を離れた後も、腟内常在菌への関心は消えることがありませんでした。
そして近年、細菌のDNA解析技術が飛躍的に進歩しました。
かつて細菌学は「培養できる細菌」を対象とする学問でした。
しかし実際には、人の体内に存在する細菌の多くは培養が難しく、その全貌は分かっていませんでした。
転機となったのが、
- 16S rRNA遺伝子解析
- メタゲノム解析
- 次世代シーケンサー(NGS)
これによって、培養しなくてもDNAから細菌を同定できるようになりました。
腟内細菌叢も、
「ラクトバチラスがいる」
「ガードネレラがいる」
という単純な分類から、
- Lactobacillus crispatus優位型
- Lactobacillus gasseri優位型
- Lactobacillus iners優位型
など、より詳細に解析できるようになったのです。
私にとってこれは、顕微鏡しかなかった時代から遺伝子レベルでの解析ができるようになったのです。さらに興味深いのは、研究対から象が「病原菌」から「生態系」へ変わったことです。以前は、「悪い菌を見つけて退治する」ことが治療でした。しかし今は、「善玉菌と悪玉菌のバランスを整える」ことが重要視されています。
外来には、毎日のように腟炎や外陰部の違和感、かゆみ、臭いに悩む患者様が来院されます。もちろん抗菌薬による治療が必要な場合もあります。しかし治療後に最も大切なのは、善玉菌が生息しやすい環境を維持することではないかと考えるようになりました。これが、私がEBINEフローラを作ろうと思ったきっかけです。また、膣レーザーのモナリザタッチを導入している理由です。
画像:EBINEフローラ実際に、ラクトバチルの生菌のEBINEフローラご使用いただいている患者様からは、
- 「臭いが気にならなくなった」
- 「かゆみが減った」
- 「違和感が軽くなった」
という声だけでなく、「乾燥感が改善した」という感想もいただいています。
まだ十分な医学的解析ができているわけではありません。
しかし私は、人は善玉菌と共存しながら生きている存在なのだと改めて感じています。
これからも、女性が人生のどのステージにおいても快適に過ごせるよう、ラクトバチラスをはじめとする腟内環境の研究と実践を続けていきたいと思います。
そして将来的には、介護施設などでもEBINEムースやEBINEフローラを活用し、高齢になっても快適に過ごせる環境づくりに貢献していきたいと考えています。
善玉菌とともに生きる。
それは私自身の人生経験から学んだ、大切な健康観のひとつです。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
産前産後から更年期まで、女性のライフステージに寄り添う診療と情報発信に取り組んでいます。性交痛、外陰部・腟まわりの痛み、デリケートゾーンの違和感など、相談しづらいお悩みにも丁寧に対応しています。



