【妊娠4週のあなたへ】妊娠4週に知っておきたい症状と注意点|出血時の対処法を産婦人科医が解説。
更新日:2025.03.15

妊娠、おめでとうございます。
妊娠4週と分かったあなたは、もしかすると生理が遅れて妊娠検査薬で陽性を確認されたか、不妊治療中に予定日を告げられたのかもしれません。まだママになる実感が湧かないかもしれませんが、産婦人科医として、そして先輩ママとして、妊娠の世界をご案内します。
目次
妊娠4週とは?
妊娠4週は、排卵した卵子が精子と出会い、受精卵となって子宮内に着床し始める時期です。
具体的には、娠娠卵巣から排卵して、精子と結びつき、受精卵になって子宮内に到着する。そして、そこで育ち始める。月経が少し遅れたかなという時だと思います。
妊娠4週の症状と体の変化
この時期はまだ大きな体の変化は感じにくいかもしれませんが、次のような症状が現れることがあります。
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軽い腹痛や下腹部の違和感
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眠気や疲れやすさ
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胸の張りや痛み
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微量の出血(着床出血)
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気分の浮き沈み
これらの症状がなくても心配しないでください。妊娠の進み方には個人差があります。
いつ病院に行くべき?
この時期で気になるのはいつ病院に行った方がいいかということ。
妊娠4週5日を過ぎれば、病院を受診すると超音波検査という医療機器で、胎嚢という赤ちゃんの袋が子宮内に見えます。特に、子宮内ではない場所に妊娠する子宮外妊娠(異所性妊娠)のリスクを考えると、早めの受診が安心につながります。
妊娠初期に注意すべき生活習慣
まず、最初に覚えていてほしいのは、妊娠判定が陽性であれば、あなたは妊婦さんです。少し時期が早くて、超音波検査で子宮内に胎嚢が見えていなくても、あなたは妊婦さんです。妊娠判定で確認された成分は確実に赤ちゃんが作り出しているものです。
妊娠初期は特に体調管理が大切です。以下のポイントを意識しましょう。
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身体を温め、冷えに注意する
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十分な睡眠と休息をとる
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栄養バランスの良い食事を心がける
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カフェインやアルコールは控える
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無理な運動や重いものを持つのは避ける
身体に何の変化がなくても、赤ちゃんは着実に子宮の中で育ちます。
妊婦さんの体調は赤ちゃんにも影響を与えます。穏やかな生活を心がけましょう。
妊娠4週目の赤ちゃんの成長過程
この時期、赤ちゃんはまだ小さな受精卵ですが、卵黄嚢から栄養を受け取りながら成長しています。
ママとの栄養の交流はありませんが、卵黄嚢という栄養から栄養を補給しております。そこから、栄養を交流する血管が出来上がります。それが、臍帯と呼ばれる「へその緒」と「胎盤」です。その胎盤から分泌されるHCGというホルモンが、妊娠を判定する成分で妊娠を維持しています。
必死になって、胎嚢は子宮内にとどまりたいと努力しているので、なるべく子宮内を揺らさないようにサポートしてあげてください。子宮内に胎嚢がうまくとどまれない場合は、流産になってしまいます。生理のような定期的な子宮収縮と腹痛とともに、出血が始まります。すっかり胎嚢が排出されて流産が完成すると腹痛は治まります。
妊娠初期は胎嚢が子宮内にしっかりとどまるように、無理な動きは避け、穏やかに過ごしましょう。
出血があったら?
妊娠初期に出血がある場合には、必ず婦人科医の診察を受けましょう。
妊娠初期の出血は、流産によるものか、子宮外妊娠の破裂の前兆か、超音波検査を行わない限り診断はつきません。子宮外妊娠の破裂は、母体死亡を引き起こす重大な疾患であり、早期発見は母体の安全のために非常に大切です。。
妊娠4週は、まだ始まったばかりの大切な時期。
安心して妊娠生活をスタートするために、気になることがあれば遠慮せずに産婦人科医に相談してくださいね。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。