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【妊娠7週のあなたへ】妊娠7週に知っておきたい赤ちゃんの成長、症状、大切な母子手帳、受診の目安を産婦人科女医が解説!

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妊娠7週目を迎えられたあなたへ

 妊娠7週目に入られたあなたへ。この時期まで来られたこと、心からお祝い申し上げます。

妊娠6週頃のクリニックでの超音波検査で、赤ちゃんの大切な心拍を確認できた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 画面の中で動く小さな光を見たとき、そして約1cmほどの赤ちゃんの姿が見えたとき、「おなかに赤ちゃんがいるんだ」と、より一層強く実感されたことと思います。

 そして、多くの方がつわりを経験し始め、「本当に妊婦になったんだなあ」という感覚が日々深まっている頃かもしれませんね。

 妊娠7週は、赤ちゃんが劇的に成長する大切な時期であり、お母さんの体にも様々な変化が現れます。この時期に知っておいてほしい赤ちゃんの様子、体の変化やつらい症状への向き合い方、安心して過ごすための注意点、そして何よりも大切な「母子手帳」について、詳しく解説します。

 

 妊娠7週の赤ちゃんの様子/心臓が元気に動いています!

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妊娠7週の赤ちゃんはまだ「胎芽」と呼ばれる段階ですが、驚くほどのスピードで成長しています。

大きさは?

CRL(頭殿長:頭からおしりまでの長さ)は約5mm13mm程度。ブルーベリーや大豆くらいの、本当に小さな、愛おしい存在です。

見た目、形は?

二頭身になりつつあり、手足の原形が見え始めます。まだ小さな「しっぽ」のような部分がありますが、これも成長とともに消えていきます。顔のパーツ(目や鼻のくぼみ)も作られ始めます。

臓器の発達は?

脳や脊髄といった神経系の発達が急速に進んでいます。そして何よりも、心臓が形成され、拍動を始めています。多くの場合、この7週頃に超音波検査で力強い心拍が確認できます。胃や腸、肝臓、腎臓といった主要な臓器の基礎も作られています。

心拍が確認できると、その後の自然流産の確率はぐっと下がると言われています。小さな命が確かに宿り、懸命に成長していることを実感できる、感動的な時期です。

 

妊娠7週のお母さんの体の変化と症状/つわりと上手に向き合おう

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妊娠7週は、お母さんの体にも様々な変化が現れ、不調を感じやすい時期です。ホルモンバランスの大きな変化が主な原因です。

代表的な7週の症状

つわり

吐き気、むかつき、胃の不快感、食べ物のにおいに敏感になる、特定のものが食べられなくなる、唾液が増える(よだれづわり)、空腹時や満腹時に気持ち悪くなるなど、症状は人それぞれです。朝が特に辛い、一日中気持ち悪い、といった方もいらっしゃいます。

眠気、だるさ

いつもうっすら眠い、体が重く感じる、といった症状も多くの人が経験します。思考がまとまらなくなる感じがします。

頻尿

子宮が大きくなり、膀胱を圧迫することでトイレが近くなります。

胸の張り・痛み

乳腺の発達により、胸が張ったり痛みを感じたりします。

おりものの増加

ホルモンの影響で、おりものが増えることがあります。

その他

便秘や下痢、味覚の変化なども起こりはじめます。

 つわりと上手に向き合うために

毎日同じサイクルで日常生活を送るのが難しくなってくる時期です。

朝は気持ち悪くて起きられない。いつもうっすら眠い。だるい。食べ物のにおいが嫌。大きな声では言えませんが、夫のにおいも嫌という方も沢山いらっしゃいます。

私は、スーパーマーケットのお惣菜コーナーが恐怖でした。夕方には、眠気と疲れて家に帰りたくなり、ただ、だらだら生活したいという気持ちでいっぱいの毎日でした。電車で一度座ると動けなくなってしまい、山手線1周乗り過ごしたこともあります。「この辛さがずっと続くのだろうか?」と不安になるかもしれません。

でも、安心してください。永遠には続きません。

妊娠期だけの不調です。眠気やだるさは妊娠が終われば改善し、お食事は美味しくなります。多くの場合、妊娠12週~16週頃になるとつわりは軽減してきます。

生活のポイント

  • 無理に食べようとせず、食べられるものを食べられるときに、少量ずつ頻回に摂りましょう。
  • 冷たいものやさっぱりしたものの方が食べやすい場合があります。
  • 反対に、ジャンクフードやラーメン、カレーといったこってりしか食べられないときもあります。
  • 脱水を防ぐため、こまめな水分補給を心がけましょう。
  • においが辛い場合は、マスクをしたり、換気をしたり工夫しましょう。
  • 無理せず、横になったり休息したりする時間を十分に確保しましょう。
  • パートナーやご家族に正直な気持ちを伝え、協力を得ることも大切です。

 

 症状の度合いは本当に人それぞれです。
「あまり症状がないけど大丈夫?」と不安になる方もいらっしゃいますが、症状の有無と赤ちゃんの育ちは直接関係ありません。症状が軽くても心配しないでください。

 

妊娠7週の過ごし方と注意点

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お腹の赤ちゃんが元気に育つために、妊娠7週に特に気をつけたい点があります。

食事

・もし、可能であれば、バランスの取れた食事を心がけましょう。

・葉酸は赤ちゃんの神経系の発達に重要なので、意識して摂りましょう(サプリメントの活用も検討)。

・食中毒のリスクがあるものやリステリア菌やトキソプラズマ感染の可能性がある生肉、生魚の一部、ナチュラルチーズ、自家製のものなどの食品は避けましょう。

・カフェインやアルコールやタバコは控えましょう。

生活

・激しい運動や重労働は避け、無理のない範囲で過ごしましょう。

・体を冷やさないように注意しましょう。

・十分な睡眠をとり、疲れを溜めないようにしましょう。

・ストレスは溜め込まず、リラックスできる時間を作りましょう。

薬の使用

市販薬や常備薬を使いたい場合は、多くは問題ありませんが妊婦健診の時に担当医に相談してから使用しましょう。

感染症予防

手洗い・うがいをしっかり行い、人ごみをさけて生活しましょう。

風疹やインフルエンザなどの感染症に注意しましょう。インフルエンザの予防接種は積極的に行いましょう。過去に風疹の予防接種を受けていない、あるいは罹患したことがない場合は、パートナーの抗体検査や予防接種についても医師に相談しましょう。

 

大切な「母子手帳」について

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妊娠7週を過ぎて赤ちゃんの心拍が確認できたら、いよいよ母子手帳をもらいに行くタイミングです。母子手帳は、これから始まるお母さんと赤ちゃんの大切な記録となる、非常に重要な手帳です。

母子手帳とは?

母子手帳は、妊娠中の母体の健康状態、妊婦健診の結果、出産状況、そして出産後の赤ちゃんの成長発達、予防接種の記録など、母子の健康に関わる全ての情報を記録する大切な手帳です。

妊娠中からお子さんが小学校に入学する頃まで、長期にわたって使用します。 母子手帳は1948年に日本で初めて発行され、母子保健の向上に大きな役割を果たしてきました。スウェーデンやフランスなど、海外にも同様の手帳がある国は多くあります。

どうやって取得するの?

住民登録をしている市区町村の役所の窓口(保健センターなど)でもらえます。妊娠届出書を提出し、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)を持参して行きましょう。

母子手帳の重要性

万が一の時にも命を守る

母子手帳は、健診の記録のためだけでなく、緊急時にはお母さんと赤ちゃんの命を守る非常に重要な役割を果たします。

例えば、交通事故や予期せぬ体調の急変などで救急搬送された場合、母子手帳があれば、駆けつけた医療従事者が瞬時にあなたの正確な情報を把握できます。

妊婦さんの氏名、生年月日、かかりつけの医療機関、緊急連絡先、現在の妊娠週数、胎児の推定体重、お母さんの既往歴やアレルギー、血液型など、緊急手術や処置に必要な情報がすべて記載されています。

妊娠していない時とは異なり、妊婦さんの体は非常にデリケートです。強い衝撃を受けた場合、その時は症状がなくても、後になって切迫流産や切迫早産、ごく稀に常位胎盤早期剥離などの重篤な状態に繋がることがあります。

切迫流産や切迫早産

外的衝撃を受けると、その時はほとんど症状がないことが多いのですが、翌日以降に子宮収縮が強くなり、切迫流産や切迫早産になる方がいらっしゃいます。

階段を踏み外すというような時も同様の症状が出ることがあります。早めにかかりつけの産科を受診しましょう。

そして、異常がないと判断されても翌日に子宮収縮や腹痛を感じたら、ためらわずに受診しましょう。数日以降落ち着いてくることが多いです。

また、切迫流産、切迫早産だけでなく、強い外的刺激を受けた場合、子宮破裂や常位胎盤早期剥離の可能性があります。このような場合には、緊急手術が必要なことがあります。大量出血になる前に原因を究明して、母児共に安全を確保したいのです。

このような緊急時には、母子手帳の存在はとても重要です。

妊婦さんの名前、生年月日、かかりつけ医の連絡先、緊急連絡先、妊娠週数、胎児の推定体重、妊婦さんの合併症や血液型。手術に必要な情報は、母子手帳にすべて書かれています。

もしもの時にも、母子手帳があれば、かかりつけ医への迅速な連絡や、適切な初期対応に繋がり、母児共に安全を確保するための大きな助けとなります。 ですから、どんな時も、外出する際には必ず母子手帳を携帯するようにしてください。

母子手帳を受け取る際には、地域の妊娠・子育てに関する情報やサービスについての案内も受けられます。妊婦健診時に使用する「妊婦健康診査受診票」も一緒に交付されるので、忘れずに受け取り、必要事項を記載して次回の健診から持参しましょう。

 

妊娠7週頃の妊婦健診について

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妊娠が判明して初めてクリニックを受診されるタイミングが、妊娠7週頃になる方も多いです。この時期の健診は、妊娠の確定と今後の出産に向けた大切なステップとなります。

妊婦健診内容

・問診

最終月経日、これまでの妊娠・出産歴、既往歴(かかったことのある病気)、アレルギー、ご家族の病歴などを詳しくお伺いします

・超音波検査

経腟超音波で、子宮内に胎嚢があり、その中に胎芽と心拍が確認できるかを確認します。胎芽の大きさを測り、より正確な妊娠週数や出産予定日を確定します。

 ・必要な検査

血液型、貧血、感染症(風疹、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVなど)の有無、甲状腺機能、凝固機能、糖尿病などの確認のために採血や採尿を行います。

健診では、不安なことや疑問に思っていることを医師や助産師に相談する貴重な機会です。聞きたいことを事前にメモしておくと良いでしょう。

 

こんな症状が出たらすぐにクリニックへご連絡ください

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妊娠初期は体調が不安定になりやすい時期です。

以下のような症状が見られた場合は、自己判断せず、速やかにクリニックへご連絡いただくか、受診してください。 

  • 鮮血の出血が続く、または量が増える
  • 強い下腹部痛がある
  • 38度以上の高熱がある
  • つわりがひどすぎて、水分を全く取れない(妊娠悪阻の可能性があります)
  • 強い腹部の張りや痛みが続く(特に、打撲など外的な衝撃を受けた後に症状が出た場合)

 

まとめ/大切な妊娠7週、不安なことはいつでもご相談ください

妊娠7週は、お腹の赤ちゃんが目覚ましく成長し、お母さんの体にも大きな変化が訪れる時期です。つわりなどの辛い症状に耐えながらも、新しい命の息吹を実感できる、感動的で大切な時間でもあります。

不安なこと、辛い症状など、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にクリニックにご相談ください。私たちは、この大切な妊娠初期をあなたが安心して、穏やかに過ごせるよう、全力でサポートいたします。

そして、外出時には必ず母子手帳を携帯することを忘れないでください。

 

コチラの記事もご覧ください!

【妊娠6週のあなたへ】妊娠6週に知っておきたい症状と注意点|つわり対策と赤ちゃんの成長を解説。

【妊娠5週のあなたへ】妊娠5週に知っておきたい症状と注意点|胎嚢の確認・つわりの兆候・栄養管理のポイントを解説。

【妊娠4週のあなたへ】妊娠4週に知っておきたい症状と注意点|出血時の対処法を解説。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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