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【不正出血が鮮血!?】更年期の不正出血で受診すべき症状は?婦人科女医が丁寧に解説。

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更年期の不正出血は、多くの女性が経験する自然な身体の変化です。

生理周期が急に不規則になったり、予想外のタイミングで出血があったり、出血量や性状が変わってきたりと、戸惑いを感じている方は少なくありません。これらの変化は、更年期特有の症状であり、決して特別なことではありません。

むしろ、女性の身体が新たなステージに移行していることのサインです。大切なのは、自分の身体の変化に敏感になり、心配なことがあれば恥ずかしがらずに医師にご相談ください。体の変化を理解し、寄り添うことで、より健やかな日々を過ごすことができるはずです。

更年期と女性ホルモンの関係

更年期とはどんな時期?

更年期は、女性の身体が大きく変化する大切な時期です。

卵巣機能が徐々に低下していくことにより月経が不規則になったり、様々な身体の変化が徐々に起こると思われています。

しかし、実際は、排卵が起きず月経周期が長くなったり、突然何個かの卵子が一緒に排卵して高ホルモンになったり、急激な変化にさらされることが多いです。一般的に45歳前後から始まり、55歳前後まで続きますが、更年期症状は個人差が大きいのが特徴です。

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※図はイメージです

この時期は、女性ホルモンの分泌が不安定になりやすく、月経周期がバラバラになり、様々な症状があらわれます。でも、これは決して病気ではなく、女性なら誰もが通る自然な変化です。

 

更年期のホルモンバランスの変化について詳しく解説

更年期には、女性ホルモンのバランスが大きく変化します。具体的に見ていきましょう。

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※図はイメージです

1.エストロゲン(女性ホルモン)の変化

エストロゲンは、女性らしい体と心を保つ大切なホルモンです。このホルモンは更年期に入ると、次のような変化を見せます。

  • これまで規則的だった分泌リズムが乱れ始めます
  • ある時は急に増え、またある時は急に減るという不安定な状態になります
  • やがて徐々に排卵後の高エストロゲンの状態になることが少なくなり、閉経に向かっていきます


このような変化は、生理不順や不正出血の原因となることがあります。

2.プロゲステロン(黄体ホルモン)の変化

プロゲステロンは、赤ちゃんを育むための子宮内膜を整えるホルモンです。更年期には以下の変化がおこります。

  • 排卵が起こらない月が増えてくるため、卵巣からの分泌が不規則になります
  • その結果、子宮内膜が不安定になりやすくなります


これらの変化により、今までと違う出血パターンが現れることがあります。

3.脳からの指令ホルモンの分泌量の変化

私たちの体では、脳(下垂体)から出るホルモンが卵巣の働きをコントロールしています。更年期にはこの関係にも変化が起こります。

  • FSH(卵胞刺激ホルモン)が増加卵巣が衰えてきているため、脳からより強い指令を出そうとする状態ですこのホルモンの増加は更年期の始まりを示すサインとなります
  • LH(黄体形成ホルモン)も変動排卵を促すホルモンですが、そのリズムが乱れてきます生理の周期が不規則になる原因の一つです
  • 自律神経系への影響もこれらのホルモンバランスの乱れは、自律神経にも影響を与えますホットフラッシュや寝汗、めまいなどの症状につながることも

 

更年期のホルモンバランスの変化は、自然な生理的プロセスです。
体内のホルモン環境が徐々に新しい状態に移行し、時間をかけて新たな平衡状態を見つけていきます。この変化は個人差が大きく、一時的に不調和に感じられることもありますが、決して異常なことではありません。

むしろ、女性の身体が新しいステージに適応しようとしている証なのです。大切なのは、この変化を穏やかに受け入れ、必要に応じて適切なケアを行うことです。焦らず、自分のペースで身体の変化に寄り添っていくことが重要です。

 

更年期の不正出血の特徴

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更年期の不正出血は、さまざまな形で現れる可能性があります。

その特徴的なパターンを詳しく見ていきましょう。

1.月経周期の変化

更年期に入ると、月経周期に顕著な変化が現れることがあります。

周期が短くなるケース

  • 21日以下の周期になる
  • 2週間おきに出血がある
  • 以前より頻繁に出血を認める

周期が長くなるケース

  • 35日以上の周期になる
  • 2-3ヶ月出血がない
  • 不規則な間隔で出血がある

不規則になるケース

  • 周期の予測が立たない
  • 出血量や期間が一定でない(長い周期と短い周期が交互に来る)
  • スポッティング(少量の出血)が増える

2.出血量の変化

更年期には出血量にも変化が見られます。

多くなる場合

  • 通常の2倍以上の出血量
  • ナプキンの交換が頻繁に必要
  • 大きな塊を伴う出血

少なくなる場合

  • おりものパッド程度で対応可能
  • 数日で終わる程度の出血
  • 薄い出血が続く

日によってバラつく場合

  • 朝は多く夜は少ない
  • 数日おきに量が変化する
  • 活動量によって変化する

 3.出血の性状による違い

出血の性状も更年期には様々な特徴が現れます。

鮮血の場合

  • 真っ赤な色の新鮮な出血
  • サラサラとした性状
  • 塊を伴うことも

茶色の場合

  • 古い血液の特徴
  • どろっとした性状
  • 経血よりも薄い色

さらさらした出血の場合

  • 水っぽい性状
  • 薄いピンク色
  • 少量ずつ持続


これらの症状は個人差が大きく、必ずしも全ての女性に同じように現れるわけではありません。
また、更年期の不正出血と思われる症状でも、子宮がんなどの重大な疾患の可能性もあるため、気になる症状がある場合は必ず医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

 

更年期に「鮮血」の不正出血が発生する原因と注意点

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鮮血の不正出血が発生する主な原因をまとめました。

 1.ホルモンバランスの変化による影響

  • 子宮内膜の不安定な増殖
  • 不規則な剥離出血
  • 子宮内膜の萎縮による脆弱化

 2.子宮や卵巣の疾患

子宮内膜症の場合

  • 子宮腺筋症が悪化することによる出血
  • 内膜症性卵巣嚢腫により卵巣機能が低下することによる出血

子宮筋腫の場合

  • 粘膜下筋腫による出血
  • 筋層内筋腫の影響
  • 大きさや位置による症状の違い

子宮内膜ポリープ

  • ポリープからの出血
  • 内膜の不安定化
  • 複数のポリープによる影響

子宮内膜増殖症

  • 過剰な内膜の増殖
  • 不規則な剥離
  • 持続的な出血

子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん

  • 早期発見が重要
  • 定期検査の必要性
  • リスク因子の確認

 3.膣や子宮頸部の状態変化

萎縮性膣炎

  • エストロゲン低下の影響
  • 粘膜の脆弱化
  • 接触による出血

子宮頸管炎

  • 感染による炎症
  • ホルモンの影響
  • 外的刺激による出血

 
更年期における鮮血の不正出血は、複数の要因が関与する複雑な症状です。

主な原因として、ホルモンバランスの変化、子宮や卵巣の疾患、そして膣や子宮頸部の状態変化が挙げられます。ホルモンの変動は子宮内膜の不安定な増殖や不規則な剥離を引き起こし、子宮筋腫や内膜ポリープなどの良性腫瘍も出血の原因となります。

 また、子宮頸がんや体がんなどの悪性腫瘍の可能性も考慮する必要があります。さらに、エストロゲン低下による萎縮性膣炎や感染による子宮頸管炎も出血を引き起こす可能性があります。

これらの症状が見られる場合、早期発見と適切な治療のために定期的な婦人科検診を受けることが重要です。不正出血が続く場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが推奨されます。

 

更年期の不正出血で受診すべき症状

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更年期の不正出血は様々な形で現れ、受診が必要な場合があります。

以下に主な症状を詳しく説明します。

 1.短期間での頻繁な出血

頻繁な出血は体への負担が大きくなるため、注意が必要です。

数日おきに出血する場合

  • 一度止まってもすぐに再開する
  • 出血と止血を繰り返す
  • 似たようなパターンが続く

1ヶ月に2回以上の出血

  • 通常の月経と異なる出血がある
  • 月経周期が極端に短くなる
  • 予測できない不規則な出血

 2.長引く不正出血

出血が長期化する場合は、原因究明が必要です。

1週間以上続く出血

  • 通常の月経より長引く
  • 量の増減を繰り返す
  • 止血の兆しが見られない

量が減らずに続く出血

  • 一定量の出血が続く
  • ナプキンが常に必要
  • 貧血のリスクが高まる

 3.性交後の出血

性交後の出血は特に注意が必要です。

出血のパターン

  • 性交直後からの出血
  • 数時間後からの出血
  • 翌日以降も続く出血

要注意のケース

  • 毎回出血がある
  • 出血量が増える
  • 痛みを伴う

 4.出血以外の気になる症状

様々な随伴症状にも注意が必要です。

痛みを伴う場合

  • 下腹部の鈍痛
  • 腰痛や骨盤痛
  • 性交痛

貧血の症状

  • めまいや立ちくらみ
  • 動悸や息切れ
  • 疲労感の増強
  • 顔色が悪い

その他の気になる症状

  • 発熱
  • 異常なおりもの
  • 下腹部の張り
  • 吐き気

 

更年期の不正出血は、多くの場合ホルモンバランスの変化によるものですが、時に重大な疾患の兆候である可能性もあります。また、甲状腺機能亢進症による月経不順が更年期の時期に生じることもあります。

上記の症状、特に頻繁な出血、長期化する出血、性交後の出血、または痛みや貧血症状を伴う場合は、速やかに婦人科医の診察を受けることが重要です。早期発見・早期治療が可能な子宮体がんなどの疾患を見逃さないためにも、気になる症状があれば躊躇せずに医療機関を受診しましょう。

適切な診断と治療により、更年期を健やかに過ごすことができます。自身の体調の変化に敏感になり、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが、女性の健康管理において重要です。

 

まとめ

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更年期は誰もが通る人生の大切なステージです。

症状や経過は人それぞれ異なりますが、適切な対応と理解があれば、より快適に過ごすことができます。不安なことがあれば、遠慮なく婦人科を受診してください。女性医師が、あなたの心とからだの健康をしっかりサポートします。

 一人一人に合った対応方法を、一緒に見つけていきましょう。ご自身の体調変化に気を配りながら、ご自分のペースで更年期を乗り越えていってくださいね。

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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