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女性こそ知ってほしいHIVとエイズの正しい知識|感染リスク・検査・妊娠・治療・相談先まで産婦人科医が解説

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最近、体調の変化やパートナーの行動が気になって

「もしかしてHIVや他の性感染症に感染していたりして…?」

と不安を抱えていませんか?

 

HIVは決して「遠い存在」「同性愛者だけの感染症」ではなく、異性愛者の女性にとっても注意が必要な感染症です。

性行為による感染リスクは、男性と比べて女性のほうが高いとされており、妊娠・出産や更年期などのライフステージとも深く関わってきます。

しかし、感染しているかも?

という不安を誰にも相談できず、1人で悩んでいる方も多いのが現状です。

この記事では、HIVとエイズの違いから、感染経路、検査のできる場所、治療、妊娠への影響まで、女性が知っておきたい正しい情報をお伝えします。

 

目次

なぜ「産婦人科」がHIV・エイズを語るのか

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  • 女性がHIVに感染しやすい理由(生物学的・社会的背景)
  • 妊娠・更年期などライフステージに密接に関わる
  • 「女性が安心して相談できる場所」としての役割


女性がHIVに感染しやすい理由として、まず生物学的な要因が挙げられます。

男性器と比べて女性器は尿が通らないためウイルスを体外に排出しにくく、粘膜で構成されているため、HIVが体内に侵入しやすい状況にあり、性交渉において女性側が感染しやすいことが知られています。

また、社会的背景も無視できません。望まない性交渉やコンドーム使用の交渉がしにくい関係性、経済的困難、性暴力の被害など、女性特有の社会的リスクがHIV感染に影響していることも事実です。

こうした背景を持つ女性にとって、妊娠・出産・更年期など人生の各ステージで関わる「産婦人科」は、身近で安心して相談できる医療機関の一つです。実際、HIV陽性であることを初めて知るきっかけが「妊婦健診だった」という方も少なくありません。

だからこそ、産婦人科はHIVやエイズについて正しく伝える立場として重要な役割を担っていると考えます。


HIVとエイズの違いとは?|正しい理解が第一歩

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HIVとエイズは、同じものと思っている方も多くいらっしゃいますが、実際には違います。

HIVは、「ヒト免疫不全ウイルス」というウイルスのことです。ウイルスの名前であり、「HIVに感染した」のような言い方をします。

エイズ(AIDS)は、HIVに感染した方が、免疫力の低下に伴って感染による合併症を発症した状態。HIV感染によって引き起こされる、さまざまな病態の総称がエイズです。

次に挙げる23の疾患のいずれかを発症した場合に、エイズと診断されます。

分類 該当する疾患
真菌による感染症 ・カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)
・クリプトコッカス症(肺以外)
・コクシジオイデス症
・ヒトプラズマ症
・ニューモシスチス肺炎
原虫による感染症 ・トキソプラズマ症(生後1か月以後の方)
・クリプトスポリジウム症(1か月以上続く下痢を伴うもの)
・イソスポラ症(1か月以上続く下痢を伴うもの)
細菌による感染症 ・化膿性細菌感染症のうち、次のものを2年以内に2つ以上
(敗血症、肺炎、髄膜炎、骨関節炎、深在臓器の膿瘍)
・サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもので、チフス菌を除く)
・活動性結核
・非結核性抗酸菌症
ウイルスによる感染症 ・サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以後の方で、肝・脾・リンパ節以外)
・単純ヘルペスウイルス感染症(1か月以上継続する粘膜や皮膚の潰瘍を呈するもの)
・進行性多巣性白質脳症
悪性腫瘍 ・カポジ肉腫
・原発性脳リンパ腫
・非ホジキンリンパ腫
・浸潤性子宮頸がん(HIVによる免疫不全を示唆する症状や所見がある場合)
その他 ・反復性肺炎
・リンパ性間質性肺炎、肺リンパ過形成
・HIV脳症(認知症、亜急性脳炎)
・HIV消耗性症候群(全身衰弱、スリム病)


「HIVに感染したら、エイズの発症を抑えるのは難しい」「死の病、短命」そのような時代もありました。

ですが、現在は適切な治療を続けることで生涯エイズを発症せず、HIVに感染していない方と同じくらい長く健康な人生を生きられるようになっています。

HIV感染は、「慢性疾患」としてコントロールできるものなのです。

さらに、「完治させる」ための研究も進められています。

「感染がわかったら、人生終わり」ということはありません。
少しでもご不安があるのであれば、調べてみましょう。

 

日本におけるHIV感染の実態|数字が物語る“見えにくいリスク”

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日本では、HIVの新規の感染者数・エイズの患者数は、2015年ごろから減少してきています。

2023年は、HIV 感染者669件、エイズ患者291件でした【令和 5(2023)年エイズ発生動向 ―分析結果―エイズ予防情報ネット(公財)エイズ予防財団】

HIV・エイズ共に女性の割合は3%程度と、あまり身近なものではないように見えますが、異性間(男女)での性的接触による感染は15%程度もあり、決して「同性愛者だけの感染症」ではないことがわかります。

HIV感染者の報告は20〜30代、エイズの発症は30〜40代で多いです。

また、近年注意したいのは、新規のHIV感染者・エイズ感染者のうち、「エイズ患者の報告割合が増えている」という点【令和 5(2023)年エイズ発生動向 ―分析結果―エイズ予防情報ネット(公財)エイズ予防財団】

つまり、HIV感染の段階ではなく、発症してから気がつく方が多くなっているということです。

東京都や大阪府などの都心部と比較して、地方ではエイズを発症してから感染に気がつく方が多い傾向にあります。


「夫やパートナーから感染する」というリスク

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HIVは、性行為以外の日常生活での感染はほとんどありません。

コンドーム未使用・無症状・未検査(感染に気がついていない状態)での家庭内感染は、実際にみられます。

HIVの感染がわかると、

「不貞行為はしていないのに、なぜ?」

「いつも1人のパートナーとしか性行為をしてこなかったのに、どうして?」

と悩んでしまう方は多いです。

  • パートナーが、過去の経験の中で感染していたケース
  • 性風俗店での性交渉経験があるケース
  • 表面的には異性愛者でも、バイセクシャルであるケース
  • 海外での性交渉経験があるケース


さまざまなケースが考えられます。

日本よりもHIV感染の多い地域は多くあり、海外(とくに東欧・中央アジア・中東エリアは新規のHIV感染者が増加傾向) での性交渉経験はリスクの1つです。【今まさに緊急事態:岐路に立つエイズ/エイズ予防情報ネット(公財)エイズ予防財団】

「夫の元カノの元彼の…」のように、パートナーの過去の関係を遡っての感染という可能性は十分にあります。

「お互いに、お互いしか性的な接触・経験がない」というパターン以外は、いつ誰から感染していてもおかしくはありません。

 

HIVの感染経路とリスク|「女性だからこそ知っておきたい」 

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「HIVへの感染は、男性が多い」と聞いたことがある方も、いらっしゃるかもしれません。

ですが、女性の方が性行為時に相手と接触する粘膜の面積が広いことから、行為による感染のリスクとしては女性の方が高いとも言われております。

女性に特に知っておいていただきたい、HIVの感染経路やリスク行動について、いくつか紹介します。

性交渉による感染(腟・肛門・口)

HIVのほとんどは、性行為による感染です。それぞれの行為による感染確率 を、以下にお示しします。

感染経路 推定感染率
腟への挿入(女性) 0.1%
腟への挿入(男性) 0.05%
オーラルセックス(受け入れ側) 0.01%
オーラルセックス(受ける側) 0.005%
アナルセックス(受け入れ側) 0.5%
アナルセックス(挿入側) 0.067%


※データ元:厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業

HIVは血液・腟分泌液・精液などに含まれており、これらが相手の粘膜や傷口に接触することで感染します。

1回あたりの感染確率は低くても、HIVに感染している無治療の方と何度も性行為をしていれば、感染してしまうリスクは生じます。

感染確率が高いアナルセックス

中でも、アナルセックスで受け入れる側の場合は、他の性行為と比較して感染確率が高いです。腟や口内の粘膜は何層も重なった構造をしているのですが、腸管は単層で、刺激により傷がつきやすくなっています。そのため、感染の確率が高いのです。

女性も感染しやすい

前述しましたが、女性は、男性器と比べて女性器は尿が通らないためウイルスを体外に排出しにくく、粘膜で構成されているため、HIVが体内に侵入しやすい状況にあり、性交渉において女性側が感染しやすいことが知られています。

クラミジアや淋菌などの性感染症は、比較的感染しやすいことが知られており、それらと比べるとHIVの感染率は一見低く感じられるかもしれません。しかし、HIVは一度感染すると完治が難しく、継続的な治療が必要になる病気です。

たとえ感染の確率が低くても、決して油断せず、十分な予防と正しい知識が重要です。

性感染症にかかっていると感染リスクは上がる?

淋菌やクラミジアなど、性感染症にかかっていると、腟粘膜の炎症により、HIVが侵入しやすいことがわかっております。

性感染症は無症状のものも多いので、少しでも違和感があるときは検査することが大切です。

また、HIVに感染している方は、感染していない方と比べてHPV(子宮頸がんの原因ウイルス)が持続感染しやすいこともわかっています。感染していない方よりも、子宮頸がんへの進行も早いようです。

キス・タオルの共有で感染する?

HIVは弱いウイルスのため、人の体から離れると長くは生存できず、性行為以外の日常生活では、基本的に感染しません。

腕が触れるなどの日常的な身体接触、同じ食器を使っての飲食、湯船の共有、他の方と一緒の洗濯などは問題なくおこなえます。

涙や唾液、尿などにはほとんど含まれておらず、ヒトに感染させることはありません。くしゃみや咳も、HIVに関しては感染の心配は不要です。

ただし、感染した方の血液がついたもの(血液のついたティッシュやタオル)・付着している可能性のあるもの(歯ブラシ、カミソリ、ピアスなど)は、共有したり、傷のある素手で触ったりしないことが大切です。

女性同士の性行為でも感染する可能性は?

女性同士の性行為でも、感染の可能性はあります。

HIVの感染は男性同士の性行為が原因というイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。女性同士でも、月経などで出血している際の行為や、オーラルセックスをおこなう場合、感染のリスクがあるといえます。

コンドームを使わない避妊の落とし穴|ピルでは防げない感染リスク

近年、産婦人科の現場で性感染症の診療にあたっていると、低用量ピルを服用している女性の感染が目立つという声が多く聞かれます。

「妊娠の心配がないから大丈夫」と思い、コンドームを使わずに性行為を行い、結果的に性感染症に感染してしまったというケースが目立つのが実情です。

ピルを服用している方へ

ピルはあくまで排卵を抑えて妊娠を予防する薬であり、HIVをはじめとする性感染症の予防効果は一切ありません。

避妊はできても感染は防げない!

この点を正しく理解していないまま、“コンドームなしの性交渉”という行動が、HIV感染の背景にあるという事例も珍しくありません。

女性が自分の身体を守るためにも、「避妊」と「感染予防」は別物であるということを意識し、コンドームの着用を前提としたパートナーとの対話と判断が欠かせません。

 

HIV感染の症状とは?|初期は気づかれにくい理由 

HIVの感染は、次のような段階 を踏んで進行していきます。

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急性感染期(感染〜3か月程度)

HIVが体内で急速に増加し、CD4陽性T細胞(※)を破壊します。

この頃、発熱、倦怠感、喉の痛み、リンパ節の腫れ、発疹など風邪のような症状が出ますが、数日〜数週間程度で自然と軽快するため、この段階で気がつく方はほとんどいません。

急性感染期の期間も、他人への感染性があります。

※CD4陽性T細胞は白血球の一種で、免疫作用の主役とも言える細胞です。CD4陽性T細胞が多いほど免疫力が高く、少ないほど免疫力が低いと考えます。

無症候期(数年〜10年程度)

全く無症状の期間が、長く続きます。

無症状でも、体内ではHIVとCD4陽性T細胞が戦っており、数年〜10年程度をかけて徐々にHIVは増殖し、CD4陽性T細胞が減って免疫が低下していきます。無症状の期間が非常に長いために、気がつきにくいのがHIVの特徴です。

免疫力が少しずつ低下してくるのに伴って、次のような疾患を発症する方もいます。

  • 帯状疱疹
  • 口腔カンジダ
  • 腟カンジダ症


とくに帯状疱疹については、免疫抑制剤を服用している・糖尿病に罹患している・帯状疱疹の方と接触した・妊娠中などの理由がない限り、若い年齢で発症することは稀です。

「若く健康なのに帯状疱疹になった」というのは、無症候期であるサインの場合があります。

性感染症と聞いて女性が思い浮かべるような、おりものの変化(量が増える、色や匂いが変わる等)・デリケートゾーンの症状(匂い・かゆみ等)はあまり生じません。

エイズ発症期

CD4陽性T細胞が減り、通常は感染しないような弱い菌やウイルスにも感染するようになります。

エイズ発症までの期間は、2年程度の方もいれば、15年以上の方もおられ、個人差が大きいです。

エイズ発症の初期には、多量の寝汗をかく、下痢が続く、体重が急激に減るなどの症状もよくみられます。

 

HIV検査を受けるには?|不安を感じたら早めに行動を

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HIVの検査は、どなたでも希望する方は受けていただけます。

  • 夫の風俗通いがわかったので不安
  • 過去にお付き合いしていた方からHIV陽性の連絡があった
  • パートナーや自分の行動から性感染症を調べたいと思った
  • 性被害にあったので念のため調べたい
  • 性的接触の多い仕事をしているので定期的に調べたい


など、不安を感じるケースはさまざまあるかと思います。
理由を説明する必要はありませんので、不安を感じたら検査をしてみましょう。

検査はどこで?費用や匿名性は?

HIVに感染しているかどうかは、さまざまな場所で調べることができます。
全国の検査情報については、こちらのサイトで調べることが可能ですので、参考にしてください。

HIV検査・相談マップ>

・保健所

各地域の保健所で、検査をおこなっています。

無料かつ、匿名で利用できますので、費用負担の難しい方、誰かに知られたくない方は保健所を活用してみてください。

保健所によっては、予約が必要なところ、淋菌やクラミジアなどの検査も同時におこなえるところもあります。曜日や日程が限られている場合もありますので、お住まいの地域の保健所をお調べください。

たとえば、東京都やその近辺にお住まいの方は、こちらのサイトで検査のできる場所や日時について詳しく確認できます。

東京都HIV検査情報Web>

・医療機関(保険診療)

婦人科や泌尿器科、感染症科などでご相談ください。

何らかの症状がある場合や、他の感染症も含めて調べたい場合などは、医療機関がよいでしょう。症状のない場合、自費での診療となります。陽性だとわかった場合、すぐに治療を開始できるのが保健所とは異なる利点です。

・検査キット

簡易的な検査キットを用いて、自宅で調べることもできます。

ただし、医療機関・保健所での検査と比べて正確性が劣ることや、診断・治療には利用できないことに注意してください。また、現在のところ、厚生労働省が認可した製品はありません。

検査キットで陽性となり医療機関を受診した場合、改めて検査をおこなうことになります。

性行為からどのくらいで検査できる?

HIVは、感染してからすぐには検査で陽性になりません。

感染初期の、検査をしても陰性と出てしまう期間のことを「ウインドウピリオド」と呼びます。

PCR検査の場合は2〜3週間以上、抗体検査の場合で1か月以上、ウインドウピリオドが存在します。個人差もありますので、性行為からおおよそ1~3か月経過してからの検査がよいでしょう。

性的な接触の多い方は、他の感染症も含めて定期的に調べるのもおすすめです。

検査結果はいつわかる?

検査の方法によっては、その日のうちに結果がわかります。

検査を実施する医療機関や保健所により方法は異なりますので、当日のうちに結果を知りたい方は、即日検査を実施している場所を選びましょう。

自宅検査キットの信頼性は?

自宅検査キットも販売はされていますが、2025年現在、厚生労働省の認可を受けた製品はありません。

海外製品を輸入したものや、研究用のものが販売さ

れていると思われます。医療機関や保健所でおこなう検査よりも、正確性は劣ることを理解しておく必要があるでしょう。

自宅検査キットを使用している方は増えており、保健所での検査件数と同等程度にまで多く なってきています【日本エイズ学会理事/ 第38回日本エイズ学会学術集会】。

HIVの検査を身近なものにするため、厚生労働省により検査キットが薬事承認される日も近いのではないかと思われます。

 

HIV陽性と診断されたら|妊娠・治療・生活への影響

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HIVへ感染したら、恋愛や妊娠・出産を諦めなければならない。そう思っていませんか?それは誤解です。

適切な治療をおこなっていれば、諦める必要はありません。

パートナーへの感染を防ぐには?

HIV陽性の方でも、適切な治療をおこなって「HIV-RNA量」を検出限界未満に抑えた状態(U=Uと言います)が6か月以上続いていれば、性行為で他人へ感染させる可能性はない、とされています。

ただし、他の性感染症(クラミジア、淋菌、梅毒など)への感染を予防するため、また、予期しない妊娠を防ぐために、コンドームの着用はおこないましょう。

また、HIV陰性の方は、「PrEP(曝露前予防)」という方法もあります。

陽性パートナーの方が治療を初めて間もない時期などは、予防薬を内服して性行為をおこなうことで、感染のリスクを下げることが可能です。この場合、コンドームは必ず着用しましょう。

妊娠・出産は可能? 

妊娠や出産も可能です。

ただし、妊娠に適した抗HIV薬へ変更するなど準備が必要になる場合があるため、時期については医師と話し合いをおこなってください。

HIV陽性の女性も、抗HIV薬の服用を続け「U=U」の状態を維持できているのであれば、自然妊娠を望めます。

母子感染のリスクは、未治療の方は15〜30%ですが、適切な治療をしている方であれば0.5%未満と非常に低いです。HIV陽性となってしまっても、妊娠・出産を諦める必要はありません。

母子感染ルート

母子感染するルートは、以下の3つです。

  • 子宮内感染:お腹の中にいるときに感染する
  • 経産道感染:分娩時に産道を通って感染する
  • 経母乳感染:母乳を介して感染する

このうち、最もリスクが高いのは経産道感染です。

そのため、HIV陽性の妊婦さんは、赤ちゃんの安全のために帝王切開を選択する場合が多くなります。また、母乳ではなくミルクが推奨されます。

HIV感染妊娠と母子感染予防. Q&A>

※参考:HIV感染妊娠に関する診療ガイドライン第3版/日本産婦人科感染症学会監修

エイズを発症させないためにできること

現在は、HIVに感染しても、抗HIV薬の服用をきちんと続けていくことで、体内のウイルス量を抑えて免疫力を維持できるようになっています。妊娠・出産も含め、HIVに感染していない方とほとんど変わらない生活をすることが可能です。

大切なことは、治療を途中でやめてしまわないこと。

医療費の負担を軽減する制度もいくつかあります。しっかりと治療を続け、エイズ発症を防いでいきましょう。

薬の副作用や日常生活への影響は?

抗HIV薬は以前と比べて非常に進歩してきました。
1996年以降は、複数の作用の薬を併用する「多剤併用療法」が開発され、治療効果も高くなっています。

薬の種類にもよりますが、副作用は以下のようなものがあります。

・吐き気、下痢

治療を開始してすぐの時期によく見られます。治療に体が慣れてくると、症状もなくなってきます。

・めまい、倦怠感

薬の服用時間を調整すると、気にならなくなる場合が多いです。

・皮疹

薬に対するアレルギー反応です。ほとんどの場合は軽度ですが、皮疹が出たら医師へ相談しましょう。

ポイント

新しい薬は副作用も軽いものが多く、服用しながら就労している方も増えています。

 

「HIVかも…」と思ったとき|一人で悩まないで

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誰にも相談できないときは?

HIVへの感染は、家族や親しい友人でも話しにくいと感じ、1人で悩んでしまう方も多いです。医療機関や各種支援団体で、治療のことや気持ちのつらさなどについて相談することができます。

地域ごとの支援団体はこちらから探してみてください。

HIV検査・相談マップ. HIV/エイズ支援団体

電話やLINEでの相談も可能です。

HIV検査・相談マップ. 電話・LINE相談窓口

職場や家族・友人にバレない?

医療機関にかかることで、職場や家族にバレてしまうのではないか?

と心配される方もおられます。

ですが、ご本人の許可なく医療スタッフが感染のことを他者に話すことはありません。安心してご相談にいらしてください。また、保健所の検査であれば匿名で実施できますので、情報漏洩の心配はありません。

女性が相談しやすい窓口

特定非営利活動法人ぷれいす東京

ぷれいす東京はCBO(Community Based Organization)として、HIV/エイズとともに生きる人たちがありのままに生きられる環境(コミュニティ)を創り出すことをめざして活動しています。

 

白金高輪海老根ウィメンズクリニックでできること

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海老根ウィメンズクリニックでは、HIVを含めた性感染症の検査が実施可能です。

また、HIV陽性で妊娠希望の方、妊娠中の方、婦人科検診を受けたい方などの治療・検査も対応しております。HIV陽性が確認できた後の妊婦健診の場合、専門病院にご紹介いたします。

女性内科を併設しておりますので、女性特有の不調全般をトータルサポートできる体制です。

港区内に在住でaiチェック受付整理券をお持ちの方は、ご予約の際「アイ(ai)チェックの件」とお伝えいただければ、当院で匿名・無料で検査が受けられます。 

ご心配な方は、ご相談ください。

aiチェックの詳細はコチラ

港区内に在住、在勤、在学の人は、匿名・無料でHIV・性感染症検査を受けられる「aiチェック

 

よくある質問(FAQ)

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Q. 一度の性行為でも感染しますか?

HIVが一度の性行為で感染する確率は1%未満と非常に低いとはいえ、一度だけで感染してしまう可能性はあります。心配な性行為があったのであれば、検査をしてみましょう。

Q. 無症状の相手からでも感染しますか?

HIVは、無症状の感染者からも感染します。HIV感染はほとんど何の症状もない期間が10年前後も続き、感染のごく初期から感染性があります。

Q. 婦人科でもHIV検査してもらえますか?

はい。ほとんどの婦人科でHIV検査が可能です。もちろん、当院でも検査に対応しております。

 

まとめ

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HIVという言葉に、不安や怖さを感じる方は少なくありません。

ですが、正しい知識と適切な対処があれば、HIVは「共に生きていける病気」です。不安を感じたときこそ、検査を受けて、必要なケアにつなげることが大切です。

もし誰にも話せず悩んでいるなら、どうかひとりで抱え込まず、信頼できる医療機関や支援団体にご相談ください。

当院でも、女性が安心して検査や相談ができる環境を用意しております。

あなたの未来を守るため、今日できる一歩から始めてみませんか。

オンライン診療も実施中

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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※医師からの指示により、通院が必要となる場合があります。

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