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デリケートゾーン

デリケートゾーン(膣)のヒアルロン酸注入に関する注意点・副作用・デメリット等を女医が丁寧に解説。

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デリケートゾーン(膣)にヒアルロン酸を注入する施術について、以下の点に注意が必要です。

ヒアルロン酸注入といえば、顔への施術を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、デリケートゾーン(膣)の施術は異なります。

顔の場合、施術は通常皮膚科医や形成外科医が担当しますが、デリケートゾーン(膣)の場合は、産婦人科医が行うのが望ましいです。

特に、出産経験のない女性の場合、出産に関する知識が豊富な医師による施術が適しています。これは、将来の出産に必要な機能を保ちながら施術を行う必要があるからです。

さらに、加齢によるデリケートゾーン(膣)の形態や機能の変化、ホルモンバランスやピルに関する知識も重要です。これらの要素を総合的に理解している医師に施術を任せることで、より安全で適切な治療が期待できます。

デリケートゾーンと顔のヒアルロン酸注入の違い

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デリケートゾーン(膣)にヒアルロン酸を注入する際には、顔への施術と異なる特別な注意が必要です。以下に、具体的な違いを説明します。

1.見える部位と見えない部位の違い

見える部分で、施術後の結果が視覚的に確認しやすい。

デリケートゾーン(膣)

自分で直接見ることが難しい場所であり、構造が複雑です。

大陰唇、小陰唇、陰核、膣口、膣壁、そして時には子宮頸部までが関わります。これらの部位の特徴や機能を考慮し、ヒアルロン酸の種類、量、注入位置を慎重に決定する必要があります。

2.組織の違い

重層扁平上皮で構成されており、ヒアルロン酸の効果は主に皮膚のボリュームアップやシワ改善に期待されます。

デリケートゾーン(膣)

外陰部は重層扁平上皮から粘膜上皮へと異なる組織で構成されています。

たとえば、大陰唇に注入する場合、外陰部のボリュームアップが期待されますが、ヒアルロン酸の種類によって効果の持続期間が異なります。また、膣内のゆるみ改善を目的とした注入では、多量に注入すると膣内の変形を引き起こし、性交時に違和感が生じることがあります。

3.施術部位の診断と視診

外部からの視診が容易であり、施術前後の確認が比較的簡単です。

デリケートゾーン(膣)

視診が難しい部分が多く、特に膣内においてはクスコ(子宮鏡)を用いた視診が必要です。膣内の見えにくい部分で施術を行うため、このような専門的な診断ができる医師に施術を依頼することが重要です。

4.デリケートゾーン(膣)の機能を考慮した施術

外陰部とバルトリン腺

外陰部は座ったときのクッションの役割を果たし、バルトリン線は保湿機能を担っています。特に更年期には外陰部や膣の萎縮が進行するため、保湿効果を考慮した施術が求められます。

伸縮性

膣は性交時に収縮し、出産時には10㎝まで伸びる伸縮自在な臓器です。特に出産前の女性には、その弾力性を損なわないように注意する必要があります。

5.感染症の確認

施術前に性病の確認を行うことが重要です。

無症状であっても性病の可能性があり、クラミジア感染症やHIV、梅毒などに感染している場合があります。術前に感染症の検査を行うことで、院内感染予防や施術後の合併症を防ぐことができます。

これらの要点を踏まえ、デリケートゾーン(膣)へのヒアルロン酸注入は専門的な知識を持つ産婦人科医に依頼することが推奨されます。

症例から見るヒアルロン酸注入の注意点

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【症例1】膣の乾燥でヒアルロン酸を膣内に注入した患者様

42歳の女性が、急に膣の乾燥を感じるようになり、相談に来られました。この方は、過去8年間、超低用量ピルを服用していましたが、その間は乾燥感がほとんど気になりませんでした。

1.症状の経緯

ホルモン療法と卵子凍結

最近、卵子凍結を希望し大量のホルモン剤を使用して14個の卵子を凍結することができました。しかし、その後に乾燥感が強くなり始めました。

性交時の痛み

パートナーと性交渉を試みた際、膣の入り口の乾燥により激しい痛みが生じました。この経験から、乾燥を改善するための治療法を探し、ヒアルロン酸注入とモナリザタッチにたどり着きました。

治療選択

モナリザタッチは数回の施術が必要であることが多いため、即効性を求めて膣内へのヒアルロン酸注入を選択しました。

2.ヒアルロン酸注入後の症状と来院

帯下(おりもの)の増加と痛み

ヒアルロン酸注入後、帯下(おりもの)の量が増え、痛みが出現しました。患者様は、ヒアルロン酸を一度注入すると、しばらく他の治療を受けることができないと聞いて心配され、来院されました。

3.考慮すべき点

ホルモンバランスの変化

大量のホルモン剤投与後、膣の環境やホルモンバランスが変化した可能性が考えられます。

ヒアルロン酸注入の影響

注入されたヒアルロン酸が膣内の環境に影響を与えた可能性があり、帯下の増加や痛みがその結果として現れたと考えられます。

4.対応と今後の治療

診察時の所見

患者様は受診時に膣内感染症が認められました。帯下(おりもの)は黄褐色で大量に見られ、膿様の状態でした。

実施した検査

以下の検査を実施しました。

  • 膣分泌細菌培養検査
  • STDを含めた感染症の検査
  • 子宮頸がん検診
考えられる診断と治療

帯下の状態から、細菌性膣症が疑われ、これに対する治療が必要と考えられます。また、出血が確認されたため、感染症や子宮頸がん、子宮内膜症などの器質性疾患の可能性を考慮し、適切な検査を行いました。

今後の治療計画

まず、膣内の感染症の治療を優先的に行い、2週間後に再度膣内の状態を確認する予定です。その後、モナリザタッチを検討します。この治療では、レーザーを使用して膣壁の表皮を蒸散し、熱エネルギーによってコラーゲン生成を促進し、皮膚の再生を図ります。

しかし、膣壁の感染症が治癒していない場合、レーザー治療は適さない可能性があります。そのため、まずは膣内を健康な状態に戻すことが最優先となります。治療の進捗を見守りつつ、最適なタイミングでモナリザタッチを導入するかどうかを判断します。

【症例2】膣のゆるみが気になりヒアルロン酸を膣内に注入(膣縮小術)した患者様

患者様の背景

49歳の女性で、産後の膣のゆるみが気になり、膣内にヒアルロン酸を注入された方です。膣の12時方向と6時方向にヒアルロン酸が注入されていましたが、その後、異物感と感度の低下を感じ、来院されました。また、パートナーも性交時に強い違和感を感じており、ヒアルロン酸を除去したいとの希望がありました。施術時には、ヒアルロン酸は半年で吸収されると説明されましたが、実際には1年経っても吸収されていないとのことです。

考えられる問題点

異物感と感度の低下

ヒアルロン酸が膣内で隆起を作り、感度の低下や異物感が生じている可能性があります。

パートナーの違和感

膣内のヒアルロン酸により、性交時に左右への力の逃げが発生し、正常な収縮が妨げられている可能性があります。

治療の選択肢

モナリザタッチ

膣レーザー治療であるモナリザタッチは、膣のゆるみを改善するために、コラーゲン生成を促進し、膣壁を引き締める効果が期待できます。手術不要で侵襲性が低いため、ヒアルロン酸注入と比較してリスクが少なく、膣の機能を温存しやすい治療法です。

デリケートゾーンの悩みを解消する医療機器「モナリザタッチ」とは?

エムセラ

骨盤底筋をトレーニングするエムセラも、膣のゆるみを改善するための非侵襲的な治療法として推奨されます。強力な磁場を利用して筋肉を鍛え、膣の引き締め効果を得ることができます。

尿失禁や性機能障害に適応「エムセラ」とは?

ヒアルロン酸の除去について

一度膣内に注入されたヒアルロン酸を取り除くことは、難しいプロセスです。

除去には、ヒアルロン酸を溶かす注入剤を使用し、さらに膣壁を一部切開する必要がありますが、膣内は感染リスクが高い臓器であるため、これ以上の侵襲的な処置は推奨できません。

出産予定の患者様への注意

出産を控えている女性は、膣壁にヒアルロン酸が注入されている場合、分娩時に担当医と事前に相談することが重要です。

膣壁の裂傷は分娩時に避けられないため、産婦人科医がヒアルロン酸注入の状況を理解しておくことで、裂傷の治癒や美しく整復するための情報として有益です。

膣のゆるみが気になる方へ

このように、膣のゆるみが気になる方には、非侵襲的で機能温存を目指した治療法を推奨しており、ヒアルロン酸注入のリスクと除去の難しさを理解した上で、最適な治療法を選択することが重要です。

下記記事も参考にご覧ください。

「腟がゆるい」腟内にお湯や空気が入るなど腟のゆるみの原因・対策を女医が丁寧に解説

【まとめ】膣内にヒアルロン酸注入を検討中の方へ

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ポイント1/症例の少ない施術

ヒアルロン酸注入は、まだまだ始まったばかりの施術です。
産婦人科医にとってなじみのない施術でその合併症をすぐには理解できない場合もあります。

ポイント2/産婦人科医師に相談しよう

まず施術しようと思ったとき。この領域の手術経験の多い産婦人科医師とご相談下さい。
特に、出産を控えている
女性は良い状態の産道保持することは大切です。

ポイント3/施術理由

どうして施術しようと思ったか?担当医師と遠慮なく対話することが重要です。

ポイント4/施術順番と施術方法

可能であれば、保存的(保湿剤やレーザーなどの侵襲の低いもの)から開始して、不可逆性となる可能性のある外科的処置は十分な情報収集と判断の上、施術を依頼してください。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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