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デリケートゾーン

性行為後におりもの・かゆみ・においが気になるのは病気? 原因・受診目安・セルフケアを女医が解説

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性行為のあと、

「おりものがいつもと違う…」

「デリケートゾーンがかゆい」

「何となくにおいが気になる」

といった不快な症状を感じて、不安に思われている方はいらっしゃいませんか?

パートナーとの大切なコミュニケーションであるはずのセックスが、心や身体の悩みの種になってしまうのはとても辛いことですよね。

性交後のおりものやデリケートゾーンの変化は、一時的なもので心配ない場合もありますが、中には治療が必要な病気のサインが隠れていることもあります。

この記事では、婦人科医の立場から、性行為後に起こりやすい症状別の原因、病院を受診するべき目安、そしてご自身でできるセルフケアについて、詳しく解説していきます。

 

目次

性交後に起こりやすい3大症状

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まず、ご自身の状態を客観的にチェックしてみましょう。

性行為の後に気づきやすい代表的な症状は、主に以下の3つです。

1.おりものの変化(白い・茶色・量の増加など)

おりものは、膣や子宮からの分泌物で、女性の健康状態を示すバロメーターです。色(透明、白、黄色、緑、茶色)、量、性状(水っぽい、ポロポロしている、ネバネバするなど)に変化がないか確認しましょう。

2.かゆみ・ヒリヒリ感

デリケートゾーン(外陰部や膣)に、ムズムズするようなかゆみや、チクチク・ヒリヒリするような刺激感がないかどうかも重要なサインです。排尿時にしみたり、下着が擦れて痛みを感じたりすることもあります。

3.におい(生臭い・魚臭いなど)

おりものやデリケートゾーンから、普段とは違う強いにおいがすることもあります。「魚が腐ったような生臭いにおい」や、酸っぱいようなにおいが強くなった場合などは注意が必要です。

関連記事「性交後の不調全般について」

性交後の不調全般に関する解説をしています、合わせてご覧ください。

性行為後の不調全般について >

 

【症状別】考えられる主な原因

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気になる症状は、どのタイプに当てはまるでしょうか。
症状と原因の対応関係を、一覧表にまとめました。
気になる症状がどれに近いか、まずはこの表でチェックしてみましょう。
症状の組み合わせ 考えられる主な原因 特徴
白い・ポロポロしたおりもの+
強いかゆみ
カンジダ膣炎 カッテージチーズや酒粕のようなおりもの。
かゆみが非常に強いことが多い。
灰色で水っぽいおりもの+
生臭いにおい
細菌性膣症 魚が腐ったような特有のにおい。
かゆみは無いか、あっても軽いことが多い。
泡立った黄色いおりもの+
強いかゆみ・におい
トリコモナス膣炎(性感染症) おりものの色が特徴的。
強い悪臭とかゆみを伴う。
パートナーも治療が必要。
おりものは増えるが、
かゆみやにおいは少ない
クラミジア・淋菌感染症 自覚症状が乏しいことが多い。
放置すると不妊や腹膜炎のリスクがある。
下着の摩擦・
おりものシート使用後の赤み・かゆみ
接触性皮膚炎・乾燥 潤滑不足や物理的な刺激による一時的な炎症。
特定の状況下で症状が出やすい。

・白い・ポロポロしたおりもの+強いかゆみ

⇒カンジダ膣炎

カビの一種であるカンジダ菌が異常増殖することで起こります。性行為がきっかけになることもありますが、疲労やストレスで免疫力が落ちたときにも発症しやすい病気です。

・灰色で水っぽいおりもの+生臭いにおい

細菌性膣症

膣内の善玉菌が減り、悪玉菌が増える「膣内フローラの乱れ」が原因で起こります。性行為で膣内の環境が変化することでも発症しやすくなります。

・泡立った黄色いおりもの+強いかゆみ・におい

トリコモナス膣炎(性感染症)

トリコモナス原虫という微生物が原因で起こる性感染症で、感染力が強いのが特徴です。

パートナーと同時に治療しないと再感染を繰り返す「ピンポン感染」を起こしやすいという特徴があります。

おりものは増えるが、かゆみやにおいは少ない

⇒クラミジア・淋菌感染症

最も多い性感染症のひとつがクラミジアです。男女ともに自覚症状が出にくく、気づかないうちに感染を広げたり、病状が進行したりする危険性があります。放置すると卵管炎などを起こし、不妊の原因になることもあります。

下着の摩擦・おりものシート使用後の赤み・かゆみ

接触性皮膚炎・乾燥

潤滑不足のままの性交による摩擦や、コンドームのラテックス、潤滑ゼリー、おりものシートなどが肌に合わないことで、かぶれや炎症を起こしている状態です。

関連記事「性感染症」について

性感染症(STD)について詳しくはこちらの記事で解説しています。

女性が注意したい性病について >

 

妊娠・不妊との関係

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「このおりもの、妊娠と関係ある?」と心配される方も少なくありません。

排卵期には、妊娠しやすくするために透明でよく伸びるおりものが増えます。これは自然な変化なので心配ありません。

一方で、クラミジアなどの性感染症や膣炎を放置してしまうと、子宮や卵管にまで炎症が広がり、不妊症や流産、早産のリスクを高める可能性があります。

妊活中の方や将来妊娠を考えている方は、特に注意が必要です。

 

パートナーとの関係と再感染リスク 

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デリケートゾーンのトラブルは、パートナーとの関係も無視できません。

特にトリコモナスやクラミジアなどの性感染症は、症状がないパートナーからうつされたり、逆に自分がうつしてしまったりすることがあります。

男性は女性より症状が出にくいことが多いため、パートナーが無症状でも菌を持っている可能性は十分に考えられます。

もし症状を繰り返す場合は、お二人で一緒に検査・治療を受けることが、根本的な解決と再発予防につながります。

女性が注意したい性病について >

 

病気ではない自然な変化の場合もある

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すべての症状が病気とは限りません。排卵期や精液による一時的な変化など、生理的な要因もあります。

数日で自然に治まることも多いため、症状の経過を見極めることが大切です。

・精液が混ざることによる一時的な変化

アルカリ性の精液が混ざることで、膣内のにおいが一時的に変わったり、おりものが水っぽくなったりします。

・排卵期や生理前後の自然な変化

ホルモンバランスの影響で、おりものの量や色、粘り気が変化するのは正常なことです。

これらの変化は一過性で、強いかゆみや悪臭を伴わないのが特徴です。

 

性行為後のおりもの・かゆみ・においで受診が必要なケース

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「様子を見てもいいか、病院に行くべきか迷う

という方は、以下の症状がないかチェックしてみてください。

1つでも当てはまる場合は、婦人科の受診をおすすめします。
  1. 我慢できないほどの強いかゆみ、痛み、不正出血を伴う
  2. おりものが黄色や緑色、灰色など、明らかに普段と違う色をしている
  3. 症状が1週間以上続いている、または一度治っても繰り返す
  4. 妊娠を希望している、または妊娠の可能性がある
 性行為後の出血については、こちらの記事で解説しています!

性交後に出血がある方はこちら>

 

婦人科受診時に伝えると良いこと

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受診の際に、以下の情報をまとめておくと診察がスムーズに進み、より正確な診断につながります。

  • いつから、どんな症状があるか
    (例:3日前の性交後から、白いおりものとかゆみが出てきた)
  • おりものの具体的な状態
    (色、量、においなど)
  • かゆみやヒリヒリ感、痛みの有無
  • 最終月経日、妊娠希望の有無、避妊方法
  • 過去に同じような症状を繰り返したことがあるか

 

性行為後の症状を放置すると起こるリスク

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「そのうち治るかも」と症状を放置してしまうと、思わぬリスクにつながる可能性があります。

・慢性化して何度も繰り返す

治療が遅れると、治りにくく再発しやすい「慢性膣炎」になることがあります。

・不妊や流産のリスク

炎症が子宮や卵管まで広がり(骨盤内炎症性疾患)、不妊症や子宮外妊娠の原因になることがあります。

・パートナーとの関係

性感染症の場合、気づかないうちに大切なパートナーにうつしてしまう可能性があります。

 

トラブルを繰り返さないために。今日からできる予防とセルフケア

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性交後のおりもの・かゆみ・においといった不快な症状は、日々のちょっとした工夫で予防・ケアすることが可能です 。

ここでは、多くの対策の中から「何から始めれば良いか」が分かるように、3つのステップに分けて婦人科医が推奨するセルフケアをご紹介します。

まずはここから!毎日の基本的なケア【Step1】

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膣内環境を健やかに保つための、基本となる習慣です。

1.性交前後の清潔習慣を徹底する

性交前は男女ともに外陰部を優しく洗い、性交後はできるだけ早めに排尿して細菌を洗い流すことが大切です 。外陰部をシャワーで軽く流すのも有効ですが、膣の中まで洗うと善玉菌まで流してしまうためお勧めできません

2.下着や服装で「蒸れ」を防ぐ

通気性の良い綿素材の下着を選び、タイトな服装を避けることで、デリケートゾーンの蒸れを防ぎ、雑菌の繁殖を抑えることができます 。

3.性交時の摩擦を減らす工夫をする

潤いが不足していると感じる場合は、潤滑剤(潤滑ゼリー)を使用して摩擦を減らしましょう 。痛みや不快感は、それ自体がストレスになるだけでなく、粘膜に小さな傷をつける原因にもなります。

身体の内側から整える生活習慣Step2】

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基本的なケアとあわせて、身体全体の健康を維持することが、デリケートゾーンのトラブル予防につながります。

1.免疫力を整える生活習慣

膣には自浄作用がありますが、免疫力が低下すると乱れやすくなります。

  • 睡眠不足を避ける
  • バランスの取れた食事を心がける
  • ストレスを溜めない

こうした生活習慣が膣内環境を整え、感染予防につながります。

2.パートナーとの協力体制を作る

症状を繰り返す場合、原因がパートナーにある可能性も考えられます 。男性は性感染症でも無症状のことが多いため、お二人で検査を受けることが再発防止の確実な一手になります 。

悩みに合わせて取り入れたい特別なケア【Step3】

基本的なケアを続けても症状を繰り返す方や、より積極的にケアをしたい方は、専用アイテムの活用も有効です。

1.膣フローラを整える

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膣の中には「乳酸菌(ラクトバチルス)」が常在し、雑菌の増殖を抑えています。
このバランスが崩れると膣炎や膀胱炎を繰り返しやすくなります。

  • 乳酸菌サプリで内側からサポート
  • ジェルや保湿剤で乾燥を防ぐ
EBINE flora(エビネフローラ)
当院では、膣環境の改善を目的にした膣ピル EBINE flora(エビネフローラ)」 を推奨しています。

EBINE flora(エビネフローラ)について>

性交後に膣炎・膀胱炎を繰り返すのはなぜ?>

 

2.粘膜の保湿ケア

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潤い不足は摩擦や炎症、性交後の出血の原因になります。

  • エビネジェル
    膣や外陰部をやさしく保湿し、乾燥やかゆみを防ぐ

  • エビネセラム
    美容液感覚で使用でき、デリケートゾーンの粘膜にハリとうるおいを与える

デリケートゾーン専用設計の保湿剤を使うことで、市販品では届きにくい「粘膜のうるおい」をしっかりサポートできます。

 

よくある質問(FAQ

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Q. 性行為後におりものが増えるのは普通ですか?

A. 排卵期や精液が混ざることで一時的に増えることはよくあります。ただし、かゆみやにおいを伴う場合は膣炎や性感染症の可能性もあるため、注意が必要です。

Q. 白いポロポロしたおりものが出て、かゆみもあります。自然に治りますか?

A. カンジダ膣炎の典型的な症状です。自然に治ることもありますが、繰り返すことが多いため婦人科での治療をおすすめします。

Q. 性交後に魚のようなにおいがするのはなぜですか?

A. 細菌性膣症やトリコモナス膣炎などが原因の可能性があります。特に強いにおいが続く場合は、医療機関での検査が必要です。

Q. 性交後に茶色いおりものが出ました。病気ですか?

A. 生理前後や排卵期に少量の出血が混ざることがありますが、不正出血(子宮頸がんや子宮体がんなど)のサインの可能性もあるため、繰り返す場合は受診しましょう。

Q. パートナーには症状がありません。私だけ病気になることはあるのですか?

A. あります。男性は性感染症でも無症状のことが多く、女性だけ症状が出るケースは珍しくありません。繰り返す場合はお二人で検査を受けることが大切です。

Q. 性交後にかゆみが出たとき、市販薬で治しても大丈夫ですか?

A. 一時的に症状が和らぐこともありますが、原因を特定せず市販薬を使うと悪化することもあります。まずは婦人科で原因を調べましょう。

Q. 性行為後ににおいやかゆみが出ると妊娠しにくくなりますか?

A. 感染症が原因の場合、子宮や卵管に炎症が広がると不妊や流産のリスクが高まります。症状が続く場合は早めに受診することが妊活にも安心です。

Q. デリケートゾーンのにおいを防ぐために、膣の中まで洗ってもいいですか?

A. 膣内は自浄作用があるため、洗う必要はありません。逆に善玉菌まで洗い流してしまい、膣炎の原因になるので避けましょう。

Q. 性交後のかゆみやにおいはストレスや疲れも関係しますか?

A. はい。ストレスや疲労で免疫力が下がると膣内フローラが乱れやすく、膣炎を繰り返しやすくなります。生活習慣の見直しも大切です。

Q. 性交後の不快症状を防ぐために日常でできるケアはありますか?

A. 性交後の排尿・軽い洗浄、デリケートゾーン専用の保湿ケア、通気性の良い下着、十分な睡眠などが有効です。当院では「EBINE flora」や「エビネジェル」など、膣環境を整える専用ケアもご提案しています。

 

まとめ

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性行為後のおりもの・かゆみ・においは、多くの女性が経験する悩みですが、同時に身体が発する重要なサインでもあります。その変化には、妊娠や不妊、そして大切なパートナーとの関係が関わっていることも少なくありません。

「ちょっとおかしいな」と感じる症状が続く場合は、決して一人で抱え込まず、私たち婦人科医に相談してください。

原因を正しく診断し、適切な治療を行えば、症状は必ず改善します。

どうぞお気軽に当院までご相談くださいね。

【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
平日受診できない方に通院していただきやすいよう、毎朝830分から診療を受け付けています。

※最新の診療情報は「お知らせ」よりご確認ください

オンライン診療も対応しておりますので遠方の方やご来院が難しい方は是非ご利用ください。

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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