排卵日を計算するには? 「排卵日がいつか知りたい」とお考えの方へ
更新日:2024.08.17
妊娠を希望する場合でも、避妊を考えている場合でも、排卵日を知ることは重要です。
排卵日計算は、あなたの月経周期を理解する上で大切なステップとなります。
月経周期と排卵日の関係
一般的に、月経周期が28日の方は、月経開始から14日目が排卵日とされています。しかし、月経周期が長い場合は、月経開始の約2週間前が排卵日になることが多いです。また、月経不順の方は排卵が起こらないこともあるため、注意が必要です。
排卵日を確認する方法
1.基礎体温の測定
婦人体温計で、毎朝お布団の中で目が覚めてすぐに体温を測定します。口腔内での計測になります。少しでも動いてしまうと体温が変わってしまうので、枕の下に体温計を用意するなどの工夫が、正確な基礎体温を計測するためには大切です。1か月のデータを確認することにより、排卵の有無、排卵日がわかります。
排卵は卵巣の左右から交互に排卵するため、最低2か月は測定することをお勧めいたします。以前は基礎体温表をお渡しして記入していただいておりましたが、最近は体温計に直接記憶できるものや、アプリを使用する方が多くなってきております。これらを持参して婦人科に受診すると医師とのお話がしやすいと思います。
ただし、うまく計測できていない方もいらっしゃるので、診察と基礎体温の両方の所見を確認して診断します。
2.排卵日チェッカー(LHテスト)
薬局やドラックストアで購入できます。排卵日と思われる日に尿で検査します。
排卵日と思われる日の前後2日ぐらいで図るのがいいと思います。陽性がでたら、排卵をさせる脳からのホルモンが分泌しているサインなので、妊娠希望の方は、その日に性交渉のタイミングをとるのがいいでしょう。LH陽性が24時間持続しない方もいるので、毎朝確認しても陰性の方がまれにいらっしゃいます。LH陰性が持続する場合、うまく測定できていない方と無排卵の方がいらっしゃるので、正確に判断するには婦人科を受診した方が安心です。
3.おりもの(帯下)の変化
排卵期におりもの(帯下)の変化を感じる方がいらっしゃいます。日常のおりもの(帯下)は白色のラクトバチルスという常在菌がいる状態です。排卵期には透明な粘調度の高い帯下が出る場合があります。精子が生存しやすい環境にするためといわれております。1~2日持続する方が多いです。
4.月経管理アプリの活用
最終月経を入力することにより、排卵日を予測するアプリもあるようです。実際の排卵日と少し異なる場合があるので、正確には婦人科を受診する方が確実です。
5.婦人科で確認
排卵日計算を正確に行うことで、妊娠を希望する方、または避妊を考えている方にとって大切な情報を得ることができます。これらの1~4の方法を用いても、排卵日がはっきりしない場合は婦人科受診をお勧めいたします。
排卵障害の場合は、保険適応で超音波検査が可能です。
経腟超音波検査を用いて卵胞のサイズを確認します。月経後10日目を過ぎるころから毎日約2㎜卵胞が大きくなります。卵胞が大体20㎜くらいで排卵となります。このサイズを測定しながら、排卵日を予測します。内膜も徐々に熱くなり、排卵日頃には約10㎜になります。
排卵後の体調変化について
排卵後、黄体期と呼ばれる時期に入ると、体にさまざまな変化が現れることがあります。特に以下のような症状が出る方が多いです。
1.浮腫や胸の張り
排卵後、黄体期に入ると体内のホルモンバランスが変化し、エストロゲンやプロゲステロンが増加します。このホルモンの変化により、一部の女性は体がむくみやすくなり、胸の張りを感じることがあります。
2.PMSの症状
黄体期に多くの女性が経験するのが、いわゆるPMS(Premenstrual Syndrome)の症状です。頭痛、めまい、抑うつ状態など、さまざまな症状が現れることがあります。これらの症状は、ホルモンの変動によって引き起こされるもので、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
PMSの緩和と治療
PMSが重く、日常生活に影響が出る場合、排卵を抑制することで症状を緩和する治療法もあります。低用量ピルを使用することで、ホルモンバランスを整え、PMSの症状を軽減することが可能です。この治療法は、多くの女性に選ばれており、症状の改善が期待できます。排卵後に感じる体調の変化は、ホルモンの増減によるものです。症状が気になる場合は、婦人科での相談を検討してみてください。
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まとめ
排卵日計算や排卵後の体調変化を理解することは、妊娠を希望する方や、日常生活の質を向上させたい方にとって重要です。自分の体のサイクルを把握し、適切な対策を講じることで、より健康で快適な生活を送ることができます。
症状が気になる場合や、不安がある場合は、専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。