肛門周囲の尖圭コンジローマが増加!?その原因と適切な治療法を女医が解説。
更新日:2025.02.18
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尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発生する良性のイボ状の病変です。一般的には性器周辺にできることが多いですが、最近では肛門周囲のコンジローマの症例が増加傾向にあります。
当クリニックでは、尖圭コンジローマのレーザー治療を提供しており、年間約150件の処置を行っています。特に週末には、遠方からの患者様も多くいらっしゃいます。※当日予約や土日祝日も診察が可能です。
肛門周囲のコンジローマ
外来診療を行う中で、最近気になっているのが肛門周囲の尖圭コンジローマです。
当クリニックは婦人科がメインのクリニックなので、患者様のほとんどの場合が、婦人科疾患である外陰部、膣口、膣壁、子宮膣部のコンジローマなのですが、肛門外科には女性医師が少ない、また、レーザー治療を行っているクリニックが少ないという理由で、肛門周囲の尖圭コンジローマの方が受診されます。
なんとなく、その患者数が増えているように思います。
「どうして肛門周囲に病変ができるのか?」
その理由が気になって、いくつか肛門による性交渉について訊いても、特別な理由はもつからない。
どうして肛門周囲にコンジローマを感染したか?ご本人も私もよくわからなかったのです。その中で、最近共通の所見を確認しました。
肛門周囲のコンジローマが増加している理由
肛門周囲の自己処理による影響
診察を通じて共通して見られた所見として、肛門部の毛が濃い患者様が多い点が挙げられます。また、受診時にご自身の剃刀でシェービングされている方が多いことも確認されました。
VIOのシェービングによる感染のリスク
シェービングの時に処理がしにくいため、皮膚に微細な傷がつきやすい
HPVが傷口から侵入し、感染が広がる可能性がある
自己処理によって症状が悪化することも
特に、尖圭コンジローマに罹患した後のVIO(デリケートゾーン)自己処理には、十分な注意が必要です。
尖圭コンジローマの治療
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コンジローマを早期に発見した場合は(1㎜以下)、まず、治療薬であるベセルナの塗布。それより大きく多発した場合は、凍結療法やレーザー治療のほうが治癒までにかかる時間が短いです。
肛門周囲の場合、清潔に保つことが難しく、広がることが多いので、早めの治療をおすすめします。外陰部や肛門周囲のいぼ。気付いたら早めにご相談ください。
尖圭コンジローマの予防
また、予防の観点からはHPVワクチンの接種や、VIO脱毛を専門クリニックで行うことも有効です。自己処理を避けることで、感染リスクを減らすことができます。
まとめ
肛門周囲のコンジローマは、近年増加傾向にあります。その原因の一つとして、自己処理による皮膚の傷からの感染リスクが考えられます。尖圭コンジローマに感染した場合は、まず婦人科で適切な治療を受け、自己処理を控えることが重要です。
当クリニックでは、女性医師による診察・治療を行っております。
※当日予約や土日祝日も診察が可能です。
肛門周囲のコンジローマやVIO脱毛について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。