肛門周囲の尖形コンジローマが増えているように思います
更新日:2025.01.13
肛門周囲の尖圭コンジローマが増えているように思います。
当クリニックでは、尖圭コンジローマのレーザー治療を行っております。当日予約や土日祝日も診察が可能なので、年間150件くらいの処置を行っております。特に週末には、遠方からの患者様も多くいらっしゃいます。
外来診療を行う中で、最近気になっているのが肛門周囲の尖圭コンジローマです。当クリニックは婦人科がメインのクリニックなので、患者様のほとんどの場合が、婦人科疾患である外陰部、膣口、膣壁、子宮膣部のコンジローマなのですが、肛門外科には女性医師が少ない、また、レーザー治療を行っているクリニックが少ないという理由で、肛門周囲の尖圭コンジローマの方が受診されます。なんとなく、その患者数が増えているように思います。どうして肛門周囲に病変ができるのか、その理由が気になって、いくつか肛門による性交渉について訊いても、特別な理由はもつからない。どうして肛門周囲にコンジローマを感染したか、ご本人も私もよくわからなかったのです。その中で、最近共通の所見を確認しました。
憶測ですが、コンジローマの所見を診察してもらうには、毛が邪魔になるのではと思い、ご自身で剃毛していらっしゃる方が多いのです。また、日常より肛門周囲の毛が濃いのが気になって自己処理をする方が多いのではと思いました。尖圭コンジローマになった後に肛門周囲のシェービングにより表皮に傷がつき、尖圭コンジローマのウィルスであるHPVが表皮に入り込み、尖圭コンジローマが肛門周囲にできるのではないでしょうか?
コンジローマに罹患した後のVIOの自己処理は十分な注意が必要です。コンジローマになったら、まず婦人科で治療を行いましょう。VIO脱毛に関して、ご心配なことがあれば、いつでもご相談ください。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。