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院長ブログ

ホルモン補充療法って何?

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ホルモン補充療法ってなあに?

 

ホルモン補充療法は、比較的日本人になじみがない更年期障害の治療法だったと記憶しております。しかしながら、最近、更年期障害が大きな声で語られるようになって、徐々に日本人にも浸透してきた治療法だと思います。

 

ホルモン補充療法は、特に女性ホルモンが低下して生じる様々な症状の緩和のために投与するものです。症状は主に、ホットフラッシュ、頭痛肩こり、不眠、気分の沈みなどがありますが、更年期時期以降の生活に支障をきたす骨粗しょう症も大きな問題です。骨粗しょう症は痛みを伴わずに進行し、骨折した後も治りにくく、寝たきりとなることの多い病態です。これらの治療にホルモン補充療法は最適です。

 

月経が周期的でなくなってくる時期に、女性ホルモン検査に加えて骨密度検査をお勧めします。骨密度が減少している場合の更年期障害は、ホルモン補充療法をお勧めします。

 

ホルモン補充療法は主にエストロゲンという女性ホルモンを補充することにより、上記の症状を緩和します。エストロゲンだけを長期に投与することにより、子宮体がんや血栓塞栓症が増加することを予防するために、プロゲステロンという女性ホルモンも同時に投与します。

 

エストロゲン投与方法には、内服薬、貼り薬、ジェルがあります。また、エストロゲンと同時にプロゲステロンの合剤となっている製剤もあります。これらを、それぞれの患者様の病態に合わせてホルモン補充療法を行います。ほとんどの場合、保険適応になりますので、毎月かかる費用は2000円程度だと思います。

 

しかしながら、ホルモン補充を慎重に行いたいと考える医者は多く、その理由は合併症です。このため、投与開始を決めたらいくつかの検査を行います。

 

1.乳がん検診。乳がんは女性に一番り患しやすいがんで、女性ホルモンでがんを進行させる可能性があります。ホルモン投与を決めたら、まずマンモグラフィーや超音波検査で乳がんでないことを確認する必要性があります。

 

2.子宮がん、特に子宮体がん検診。子宮がんといえば、子宮頚がんを一般的に示している場合があり、子宮の内腔にある子宮内膜細胞のがん、子宮体がんは比較的見落とされがちながんです。女性ホルモンによりがん化することが知られており、ホルモン補充前に子宮体がん検視を行うことは必須です。婦人科以外の医師からホルモン補充を提案された場合、必ず婦人科で検査を行いましょう。

 

3.血栓傾向がある方には、ホルモン補充療法を慎重に行う必要性があります。血栓傾向があるなしをあらかじめわかることは難しいですが、年に1回の凝固因子を含めた血液検査をお勧めします。投薬は忘れず毎日行いますので、ほかの薬剤と同様、副作用のチェックは必要です。投薬中に足が痛い部分が出現した、足の血管が白くなって痛い、赤くはれている、突然息苦しくなったなどの症状が生じたときには、速やかに、主治医に相談しましょう。血栓溶解剤は有効です。

 

4.大きな子宮筋腫、大きな卵巣嚢腫、妊娠など血管を圧排している可能性がある疾患、がんや血管内皮障害がある場合は、投与は禁忌です。つまり、健康チェックを行ってからでないとホルモン補充療法はできません。

 

と、少しハードルの高い側面を持った治療法ですが、これらの検査を行うことにより、乳がんの早期発見、子宮がんの早期発見などに役立った経験があります。

 

ホルモン補充療法を試みたいと思ったら、まず婦人科医に相談しましょう。

治療で少しでも楽しい生活ができるように、その他の治療を含めてご提案させていただきます。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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