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更年期障害

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の症状・治療・検査・予防法を女医が丁寧に徹底解説。

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「骨粗鬆症(骨粗しょう症)は、お年寄りの病気」と思っていませんか?

女性は40歳代後半ごろから骨粗鬆症(骨粗しょう症)になる方が増え、また、最近では妊娠や授乳に伴う一時的な骨粗鬆症(骨粗しょう症)である「妊娠後骨粗鬆症(骨粗しょう症)」も注目されています。

実際には、若いうちから関係のある病気です。

今回は、骨粗鬆症(骨粗しょう症)の原因や対策、治療についてご紹介します。

 

骨粗鬆症とは?

まずは、骨粗鬆症(骨粗しょう症)になる原因や症状についてご紹介します。

骨粗鬆症のメカニズム

骨粗鬆症(骨粗しょう症)は、男性よりも女性に多い病気です。
骨は、一度できたものを一生使っているのではありません。古い骨を溶かして新しい骨を作る「骨代謝」が、常におこなわれています。この骨代謝のバランスは、女性ホルモンである「エストロゲン」が調整し、骨を健康な状態に保っているのです。

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ところが、女性は誰でも、40歳代後半になるとエストロゲンの分泌量が減る「更年期」を迎えます。エストロゲンが減少することにより骨代謝をうまく調節できず、新しい骨を作る作用が弱くなります。

このようにして、骨が弱くなってしまった状態が骨粗鬆症(骨粗しょう症)です。

若いうちからの骨密度が大切

骨の強さの指標である「骨密度」は、18〜20歳ごろがピークです。そこから40歳代前半までは骨密度が概ね維持されますが、更年期のエストロゲン分泌の低下に伴って、急激に骨密度が低下します。

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※上図はイメージです

若い時の骨密度のピークが低いと、少しの骨密度の低下でも、いつ骨折を起こしてもおかしくないレベルの骨密度になってしまいます。つまり、若いうちにしっかりと骨密度を高めておくことが、将来的な骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防のために非常に大切です。

 

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の症状

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骨粗鬆症(骨粗しょう症)というだけでは、とくに自覚できるような症状はあらわれないことが多いです。

突然の骨折で、骨粗鬆症(骨粗しょう症)が明らかになることもあります。骨粗鬆症(骨粗しょう症)の進行に伴い、以下のような症状や状態が出てくるようになり、生活に支障をきたすこともあります。

・腰痛、背部痛
・背中が曲がってくる
・骨折による痛み
・骨折をきっかけに寝たきりとなる
・骨の変形や、それによる内臓圧迫で便秘、胸焼けなどの症状

いつまでも元気で若々しく過ごすために、骨粗鬆症(骨粗しょう症)の有無を確認し、骨密度低下の進行を抑え、骨折を予防することが大切です。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の検査は短時間で痛みなし

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当院では、骨密度検査の機器として「X線骨密度測定装置(DEXA)」を導入しております。

現状では、骨密度を最もよい精度で測定し、治療効果判定に適したで医療機器です。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)は、進行するまで自覚症状がほとんどないため、「治療の意味があるのか」と疑問に感じる方もおられます。このDEXAを使うことでご自身の骨密度を測定し、さらに治療の効果を数値として確認できるため、皆さま前向きに骨粗鬆症(骨粗しょう症)の治療を続けていただくことができるようになりました。

連続測定ワンスキャン機能5分以内で簡単に、お痛みなど体の負担なく骨密度を測定できます。X線を利用しますが、胸部レントゲンの6分の1の被曝量ですので、安心して検査をお受けいただけます。授乳中も問題ありません。

妊娠中は、超音波検査により骨密度測定をおこないます。
40歳を超えたら、定期的な骨密度測定がおすすめです。

 

妊娠に関連した骨粗鬆症(骨粗しょう症)について

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妊娠中〜授乳中の方は、赤ちゃんの骨形成に必要なカルシウム摂取が必要です。

さらに妊娠中は、赤ちゃんの成長のために使われるだけでなく、体内でカルシウムが多く消費されます。成長する赤ちゃんに必要なカルシウムを母乳から供給するため、授乳期はさらに多くのカルシウム摂取が必要です。離乳食が進んでくる産後6か月目くらいまでの期間が、とくに母親の骨の状態に注意が必要と言われています。

実際に骨折を起こすことは稀ですが、「産後に腰痛が治らない」という方は、骨密度の検査をしてみましょう。圧迫骨折の可能性があります。

出産後、十分なカルシウムやビタミンDの摂取を行うことにより、1〜2年ほどかけ、骨密度は妊娠前の値まで回復していきます。もともと骨密度の低い方の場合、十分に骨密度が獲得できない場合もあるので注意が必要です。

 

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防と治療

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防や治療について、具体的にご紹介します。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防のために

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の予防のためには、骨密度をあげることが第一です。

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そのためには、若いうちから生活習慣を見直す必要があります。

18歳になるまでの間に、以下の点に注意しましょう。

・過度のダイエットをしない

骨を作る大事な時期に栄養が不足していると、将来的に骨粗鬆症(骨粗しょう症)になるリスクが高まります。バランスよく、適量を食べるようにしましょう。

・日光浴をする

日光を浴びると体内でビタミンDが活性化し、カルシウムの吸収が促されます。近年、美白・美肌を気にする方も多く、骨密度獲得のために十分な日光を浴びていない場合があります。適度な日光浴は重要です。

・適度な運動

栄養、日光浴、続いて必要なのは骨に対する加重です。運動をすることにより、カルシウムが骨を形成します。スポーツ選手は骨密度が高いことが知られています。とくに、ジャンプなど縦方向に骨に刺激が加わるような動きが、骨密度アップにつながります。大人になってからでも、骨の健康のためにできることはいくつかあります。

・禁煙

タバコによる低酸素および血流の低下は、骨密度の低下を進行させることがわかっています。

・日光浴

毎日、短時間でもかまいませんので、日光を適度に浴びることが大切です。

・適度な運動

運動は、成人以降も骨密度形成維持のために有効です。まずはウォーキングなどはいかがでしょうか。ヨガやピラティス、キックボクシングなど、運動に取り組んでみてください。

・閉経が早い場合は婦人科へ

40歳代になる前に閉経することを「早発閉経」と呼びます。あまり早くに閉経すると、エストロゲンが欠乏することにより骨粗鬆症(骨粗しょう症)の危険が高くなるため、治療が必要です。

骨粗鬆症(骨粗しょう症)の治療法

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骨粗鬆症(骨粗しょう症)治療の最大の目的は、「骨折の予防」です。

骨の状態に合わせ、最適な治療法をご提案いたします。
寝たきりになる大腿骨骨折だけでなく、背中が曲がってくる脊椎圧迫骨折は避けたいですね。

【軽度〜中等度の場合】

軽度の骨密度低下の場合は、骨を維持するために必要な成分を補う治療から始めることがあります。カルシウムやビタミンDなどを内服で服用します。日光浴や運動も大切です。

【ホルモン補充療法】

閉経後の場合、上記の治療に加え、骨形成にはエストロゲンが必要です。
ホルモン補充療法は、更年期障害の治療というイメージがあるかもしれませんが、骨粗鬆症(骨粗しょう症)の進行抑制・骨密度の増加に効果が期待できます。更年期症状を伴っているかどうかにかかわらず、骨粗しょう症には治療が必要です。

バセドキシフェン酢酸塩という選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は骨塩量増加、骨微細構造の改善など、骨強度を高める効果をあらわす薬剤です。子宮体がんや乳がん等でエストロゲン投与が難しい方には、この製剤での治療をおすすめしております。

また、骨を溶かす作用(骨吸収)を抑える「ビスホスホネート系」という種類の薬も有効です。

【骨折がある・重度の場合】

実際に骨折してしまった場合や、骨密度低下が大きく進行した場合などは、新しく骨を作る作用(骨形成)を促す薬が必要です。整形外科受診をおすすめします。

 

まとめ

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今回は、女性は若いうちから気をつけたい「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」について、原因や予防・治療の方法をご紹介しました。

最近はダイエットブームのこともあり、もともと低栄養から骨密度が低い方も多くいらっしゃいます。そこに、妊娠出産、その後体形を戻したいという願望から若年性の圧迫骨折も社会問題となっております。

骨の健康には、食生活や運動習慣なども関わっています。骨密度が気になる方は、まず食事をしっかり摂取して、骨密度を測定してみましょう。骨密度が低下してきた方は、すぐに生活習慣を改善し、治療を開始して、骨折に至らないようにしましょう。

更年期の時期や、出産後に腰痛が治らないといったお悩みがある場合には、骨密度の検査をしてみませんか?


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白金高輪 海老根ウィメンズクリニック
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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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