女性内科

性差医療という言葉をご存じでしょうか?
今、内科のそれぞれの疾患が性差により発症頻度や病態が異なっていることが年々明らかになってきております。この性差、特に女性の病態を中心とした内科診察と診療を行っております。
当院ではオンライン診療サービスを提供しております。
オンライン診療は、体調が悪く外出が辛い時や感染症リスクを減らしたい時、ご自宅から医師の診療を受けることができます。
移動時間や待合室での待ち時間を削減できます。
骨粗鬆症
女性の骨密度は18歳から20歳にかけてピークを迎えるといわれております。骨密度を保持するには、新しく骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞の活性のバランスが重要です。エストロゲンが減ると骨芽細胞の働きが衰え、骨量が減少していきます。更年期以降は1年に1度、正確な骨密度測定をお勧めいたします。
当院では、X腺骨密度測定装置(DEXA:Dual Energy X-ray Absorptiometry)で骨密度が測定可能です。
- 原理:2種類の異なるエネルギーのX線を照射し、骨と軟部組織を透過するX線量の差を利用して骨密度を測定します。
- 測定部位:一般的に腰椎と大腿骨が測定されます。
- 測定方法:装置に横になり、数分間動かない状態を保ちます。
- 検査時間:測定部位を1箇所あたり1分程度で、合計10分程度で完了します。
- 精度:他の骨密度測定方法と比較して、高い精度で骨密度を測定できます。
- 高い精度:2種類のX線を使用することで、より正確な骨密度を測定できます。
- 低被ばく:従来のX線検査に比べて被ばく量が少ないです。
- 早期発見:骨密度が低い状態を早期に発見し、骨粗鬆症の予防や治療を早期に開始できます。
- 治療効果の評価:骨粗鬆症の治療薬の効果を評価するのに役立ちます。
- 放射線:わずかながら放射線被ばくがあります。
- 費用:検査費用は保険適用で、1割負担の場合約450円、3割負担の場合約1350円程度です。
骨粗鬆症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせることで効果が出現します。
更年期以降の骨粗鬆症の原因は、エストロゲンの低下が主な原因ですので、ホルモン補充療法が選択されます。
また、破骨細胞を抑制する薬や骨芽細胞を促進する薬が用いられることもあります。
食事療法では、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを積極的に摂取することが大切です。運動療法では、体重をかける運動や筋力トレーニングが推奨されます。
- エストロゲン製剤:更年期以降のエストロゲンが低下している病態がある場合、他の更年期症状も治療効果があることから、ホルモン補充療法が選択される場合があります。エストロゲン製剤は骨芽細胞を活性化させ、さらに食事療法や運動療法を組み合させることにより、骨粗鬆症治療の効果が上昇します。
- SERM(選択的エストロゲン受容体調整薬):骨に対して、女性ホルモンと似た作用を持ちます。骨の質を保ちながら骨密度の上昇期待できます。
- ビスフォスフォネート製剤:骨吸収を抑制する作用があり、骨密度を改善する治療薬です。
- 活性型ビタミンD3:カルシウムの吸収を促進させる効果があります。
- カルシトニン製剤:日本人は、一般的にカルシウムを十分に摂取できておりません。骨粗鬆症の治療には、カルシウムを確保することはとても大切です。
- デノスマブ:骨吸収を抑制する効果があり、骨折のリスクを軽減します。
- テリパラチド、ロモソズマブ:骨形成を促進する作用があります。
- カルシウム:1日800mgの摂取が推奨されています。
- ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける作用があり、日光浴で体内で生成することも可能です。魚介類(特にサバ、サンマ、鮭、しらす干しなど)、きのこ類(特にマイタケ、エリンギ、乾燥しいたけ、乾燥きくらげなど)を積極的に摂取しましょう。
- ビタミンK:骨の形成に関わるため、納豆、緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)、海藻類(わかめ、海苔など)を積極的に摂取することが望ましいです。
- たんぱく質:骨を構成する重要な栄養素ですので、毎日良質なタンパク質を摂取しましょう。
- 体重をかける運動:ウォーキング、階段昇降、軽いジョギングなど。
- 筋力トレーニング:筋力が増強すると、転倒の危険性が減少します。
- バランス感覚を養う運動
妊娠中の場合、超音波測定法による骨密度検査を行っております。妊娠中に骨粗鬆症が診断された場合には、ビタミン剤やカルシウム剤の処方と管理栄養士による食事指導も可能です。
関節痛
関節痛の大きな原因である変形性膝関節症は女性に多く、更年期以降に増加します。エストロゲンの減少が関節症に与していると思われます。
また、膝と同じく、更年期以降の女医に頻発するのが手や指の関節症です。手作業をすることが多い女性にとって、手や指のこわばりや疼痛、変形はとてもつらいものです。
自己免疫疾患であり、骨や関節が破壊される関節リウマチの鑑別を行います。
その後、エストロゲン欠乏に関与したへバーデン結節やブシャール結節、その他の関節症の関与が疑われた場合は、ホルモン補充療法を施行します。
エストロゲン低下による関節痛の場合、数週間から数か月で症状が軽快することが多いです。安静にする、温かくする、マッサージするという炎症に対する対症療法も大切です。
甲状腺疾患
▼甲状腺疾患について
甲状腺疾患における性差は顕著で、女性に様々な甲状腺疾患が男性より多く見られます。特に、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)は女性に多く、自己免疫性疾患であるため、女性ホルモンの影響も考えられています。
・甲状腺中毒症および甲状腺機能低下症の発症率の男女比は、約1:10
・バセドウ病の男女比は1:4.6であり、特に20〜30代の若年女性に多い。
・橋本病の男女比は1:16.6であり、30〜50代が60%以上を占める。
・甲状腺がんの男女比は1:3
甲状腺は小さな臓器ですが、ホルモンバランス・代謝・自律神経・女性ホルモンの調節など、私たちの心と体の健康にとって非常に大きな影響を与える臓器です。
そしてこの甲状腺の病気は、特に女性に多いという特徴があります。
・月経不順や不妊に悩んでいたら、実は橋本病だった
・更年期症状だと思っていたが、バセドウ病だった
・うつと診断され薬を飲んでいたが、ホルモンの不足だった
このようなケースは、実際に多く報告されており、正しい診断があれば治療によって大きく改善できる病気です。
「婦人科か内科かわからない」そんなときこそ、当院にご相談ください。
▼当院での対応
白金高輪海老根ウィメンズクリニックでは、産婦人科と女性内科を併設しており、
- 月経異常、不妊、更年期症状
- 妊娠中の体調管理や胎児への影響確認
- 自律神経の乱れや気分の落ち込み
- 健診で指摘された甲状腺の腫れ・しこり
など、女性の体調全体を包括的に診る体制を整えています。
甲状腺疾患は女性の罹患率が高く、女性ホルモンの影響や、妊娠や閉経といったライフステージの変化による影響を強く考慮する必要があるため、当クリニックでは、妊婦健診時に甲状腺機能を確認する血液検査を施行し、異常が認められた場合には、胎児の影響がないようにホルモン値のコントロールを行い、同時に、甲状腺腫瘍を確認するために、甲状腺超音波検査を行っております。甲状腺がんが認められた場合には、速やかに専門病院にご紹介いたします。
▼当院の取り組み
・妊娠初期や挙児希望の方への甲状腺機能採血検査
・妊婦健診時に甲状腺超音波検査を実施し、腫瘍の早期発見
・潜在性のホルモン異常に対する経過観察や治療
・専門的治療が必要な場合の提携医療機関への紹介
糖尿病
糖尿病が恐ろしい理由は、痛みを感じることなく気付かないうちに発症し、高血糖の状態が持続すると全身の血管を傷つけ、さまざまな合併症を引き起こすためです。これらの合併症は、視力障害、腎機能障害、神経障害、心臓病、脳卒中など、命に関わるものも多く、放置すると寿命を縮める原因となります。
女性の糖尿病は、男性に比べて心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの重大な血管性障がいの原因となるリスクが高いです。また、家族歴や高血圧、喫煙習慣のある女性は、男性より糖尿病になりやすいとがわかっています。
エストロゲンには、血糖値の上昇を抑え、インスリンの効果を高める働きがあります。そのため、更年期以降エストロゲン分泌が低下すると、インスリン分泌が低下し、血糖値が徐々に高くなります。このため、無症状のまま糖尿病が進行する場合もあります。重大な合併症に加え、認知量の発症にもつながるといわれております。
糖尿病の検査は、まず、血液検査と尿検査。そこで糖尿病が疑われた場合には、糖負荷試験を行います。結果により、内服薬又はインシュリン注射による治療が行われます。
糖尿病予防には、食事療法と運動療法(有酸素運動や筋肉トレーニング)が大切です。当クリニックでは、管理栄養士による食事指導も行っております。重大な合併症の精密検査が必要な場合、北里研究所病院の糖尿病センター長山田悟医師にご紹介させて頂いております。
妊娠中には当クリニックで妊婦健診を行っている妊婦さん全例に、糖尿病合併妊娠を見落とさないために、血糖検査を行っております。また、妊娠糖尿病の診断のために50g糖負荷試験を行っております。
妊娠中には、糖尿病の内服薬による治療を行うことができないため、インシュリンによる治療を開始します。
妊娠初期に高血糖を示す場合には、胎児奇形を引き起こすことがあり、妊娠初期からの血糖管理は非常に重要です。
高血圧
更年期前はエストロゲンの血管拡張作用により、男性よりも血圧は低めにコントロールされております。更年期以降は、徐々に平均値が上がり、男性と差がなくなるようです。
血圧上昇は自覚しにくく、高血圧による動脈硬化が進行すると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
ご心配がある方は、ご自宅での血圧測定をお勧めいたします。
減塩食がまず大切。食事療法ではコントロールできない場合は、内服薬を処方いたします。
高脂血症
年齢が上がるにつれて、コレステロール値は上昇します。女性の総コレステロール値は50歳以降、男性より高値となります。善玉コレステロールHDLが低値、悪玉コレステロールLDLが高値、中性脂肪が高値である状態が「脂質異常症」。エストロゲン分泌が減る閉経後は、悪玉コレステロールLDLが上昇し、善玉コレステロールHDLが低下します。
生活習慣(過食、運動不足、喫煙など)が大きな原因で、ほぼ自覚症状がないことがありません。動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を引き起こすリスクを高めると言われております。食事療法、運動療法を行い、コントロールが難しい場合には薬物療法などを組み合わせます。
頸動脈エコー検査でプラークが発見された場合、まずは薬物による内科的治療を開始します。プラークが大きく狭窄が強い場合や、プラークが剥がれやすい場合など、状況に応じて外科的治療(頸動脈内膜剥離術など)が検討されます。
内科
当院は、ご家族で受診していただける「ファミリークリニック」を目指しています。
小児科はもちろん、一般内科、インフルエンザや風疹等の予防接種も行っています。
※不定期で休みの場合がございます。
インターネット予約でご確認いただくか、お問い合わせください。
一般診療
下痢や便秘などの通便異常、胸やけ、嘔吐、腹痛など消化器症状の診療の他、咳や鼻汁などの風邪症状の診療を行います。
甲状腺疾患
妊娠初期(初診時)や挙児希望の患者様に採血で甲状腺機能を確認します。
妊娠性一過性甲状腺機能亢進症や、潜在性甲状腺機能低下症の有無を確認し、必要に応じ、採血での追加検査や経過観察、内服薬による治療を行います。
また、希望のある場合や必要時には、甲状腺エコー検査を行います。
エコーの結果、詳しい検査の必要な場合や、バセドウ病の加療については提携施設やご希望の医療機関へのご紹介を承っています。
健診結果異常
健康診断・人間ドッグ等の採血やエコー検査等で肝機能障害、便潜血、脂質異常症、高血圧などの異常が見つかった場合、ご相談ください。
採血、超音波検査の他、必要に応じてCT、MRI、内視鏡検査のご案内を致します
予防接種
A型肝炎ワクチン | A型ウィルスは食事などで経口的に感染し、肝炎をきたします。途上国などに渡航する際、接種が推奨されます。海外旅行や出張のご予定がある場合はなるべくお早目にご相談ください。 |
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B型肝炎ワクチン | B型肝炎ウィルスは輸血、性交渉などで感染し、肝炎などをきたします。ご家族やパートナーがB型肝炎ウィルス感染症の場合に接種が推奨されます。 |
肺炎球菌ワクチン(成人用) | 肺炎球菌によっておこる肺炎などの感染症をふせぎます。65歳以上の方に接種がすすめられています。(インフルエンザワクチン) |
インフルエンザワクチン | インフルエンザの予防接種を受ければ、絶対にインフルエンザにかからないというわけではありませんが、症状が軽く済み治りも早くなります。 |
帯状疱疹ワクチン | 港区帯状疱疹ワクチン任意予防接種実施医療機関です。 |
区民検診(肝炎ウィルス検診)
港区から配布された受診に必要な書類をお持ちの方は当院で検診を受けることができます。
オンライン診療

当院は皆様の健康と快適な生活をサポートするため、オンライン診療サービスを提供しております。
オンライン診療は、体調が悪く外出が辛い時や感染症リスクを減らしたい時、ご自宅から医師の診療を受けることができます。移動時間や待合室での待ち時間を削減できます。
※医師からの指示により、通院が必要となる場合があります。
医院概要
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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8:30 - 13:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
15:00 - 19:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ▲ | ▲ | ▲ |
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