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アフターピル(緊急避妊薬)の処方、種類、効果、副作用、服用法から購入法まで産婦人科の女性医師が丁寧に解説。

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どんなに気をつけていたとしても、「避妊に失敗してしまった」「避妊をしてもらえなかった」というトラブルは、誰にでも起こりえます。そんなとき、次の月経がくるまで不安な気持ちを抱えたままというのは、つらいですね。

避妊に失敗してしまったとき、「アフターピル」を使えば、妊娠の可能性を下げることができます。アフターピルの効果や副作用、必要なタイミングなどについて、詳しくお伝えしますので、必要な方は速やかに婦人科へご相談ください。

 

アフターピルとは?

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基本的に、「避妊」は性行為の前に予防としておこなうものです。コンドームの着用や、低用量ピルの服用、ミレーナの挿入などが該当します。
ですが、いつでも完全な避妊ができるというわけではありません。避妊に失敗してしまったとき、性行為のあとから緊急的に避妊をおこなうための薬が、アフターピルです。

効果は100%ではありませんが、比較的高い確率で妊娠を阻止することができます。

 

どんなときにアフターピルが必要?

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「避妊に失敗したとき」と言っても、「正しい避妊」が理解できていなければ、必要なタイミングでアフターピルを服用することはできません。

アフターピルが必要になるようなタイミングを、いくつかご紹介します。

・コンドームをつけなかった
・コンドームをつけてくれたかどうか、わからない
・腟内でコンドームが抜けてしまった、破けてしまった
・射精は腟外にしたが、その前にコンドームを着用せずに挿入した(腟外射精)
・腟内射精の性行為をし、低用量ピルを服用し忘れていたことに気がついた

「服用した方がよいかどうか」がわからない場合も、正確な判断のために婦人科でご相談いただくとよいでしょう。

避妊方法による避妊率の違い

ある避妊方法を1年間おこなったとき、100人のうちどのくらいの方に妊娠がおこるかを示した「パール指数」という指標をご紹介します。


膣内射精(避妊なし)

85人


排卵日周囲での腟内射精を避けるリズム法

15人


腟外射精

20人


コンドーム

2〜15人


低用量ピル

0.3人

とくに、「腟外射精は避妊にならない」ということを、知っていただきたいと思います。

 

アフターピルの妊娠阻止率は?

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「妊娠阻止率」は、排卵日付近の妊娠しやすい時期の性行為のあとにアフターピルを服用して、妊娠を阻止できる確率のことです。

薬の種類や、性行為から服用までどれだけ時間がかかったか等により、妊娠阻止率が変わります。より確実な緊急避妊をするためには、タイムリミットがシビアです。

避妊薬の種類


24時間以内


48時間以内


72時間以内


120時間以内


プラノバール


77%


36%


31%


使用不可


ノルレボ


95%


85%


58%


使用不可


エラ


98%


85%

 

アフターピルの種類と服用方法

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当院では先ほどご紹介した3種類のアフターピルをすべて扱っており、状況に合うものをご提案させていただきます。服用方法と、当院での費用をご紹介します。

プラノバール

中用量ピル(卵胞ホルモン+黄体ホルモン)である「プラノバール」を使う方法で、「ヤッペ法」と呼びます。
避妊失敗から72時間以内に1回(2錠)、1回目の12時間後に1回(2錠)、合計2回服用します。以前は最もよく使われる緊急避妊方法でしたが、女性ホルモンの配合量が多いことから副作用の頻度が高く、新しい緊急避妊法が広まるにつれて、選択されることが減ってきました。
性行為から服用までの時間があくほど、妊娠を阻止できる可能性がどんどん低くなっていくため、時間が経過した場合にはあまりおすすめできません。

また、服用から2時間以内に吐き出してしまうことが多く、その場合は、再度2錠(1回分)を服用し直す必要があるので、処方元の医療機関へ相談しましょう。

費用:13,200円(税込)

ノルレボ

黄体ホルモンのみが含まれた「ノルレボ」という薬を、避妊失敗から72時間以内に1回(1錠)だけ服用します。プラノバールを用いたヤッペ法に比べ吐き気の副作用が少なく、また、妊娠阻止の効果も高めです。1回だけの服用なので、飲み忘れなどを気にしなくてよい点もメリットと言えます。
緊急避妊法として選ばれることの多い薬ですが、肥満の方や、飲み合わせの悪い薬を服用している方はノルレボの効果が弱まってしまうため、別の方法をおすすめします。

費用:22,000円(税込)

エラ

日本ではまだ未承認の薬ではありますが、世界中で多くの服用実績があり、当クリニックでは取り扱っております。体内で、黄体ホルモンと似たような作用を発揮する成分(ウリプリスタール)が含まれます。
避妊失敗から120時間まで服用のタイムリミットがあり、かつ時間が経過してからでも高い妊娠阻止効果が期待できる点が大きな特徴です。「アフターピルを処方してくれる医療機関を見つけられずに時間が経ってしまった」というような場合にも対応できます。

肥満(BMI>30)の方も、エラの効果を弱めることなく服用可能です。

エラの場合、服用から3時間以内に吐き出してしまった場合は、再度1錠(1回分)を服用し直さなければなりません。処方元の医療機関へ相談してください。

費用:22,000円(税込)

 

アフターピルの効果の判断は?

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アフターピルを服用したあと、避妊が成功したかどうかは、次の月経が起こるかどうかで判断します。月経の予定日を確認し、出血の量や状態をよく観察しましょう。

アフターピル服用後の月経

月経予定日周辺で予定通りに月経が起こるのが約32%、前後に4〜7日ほどズレるのが約26%、前後に7日以上ズレてしまうことも約42%あると報告されています。つまり、月経の起こる時期を正確に予想することはできません。月経が早まるか遅くなるかは、アフターピルを服用したタイミングに排卵が起きていたかどうかによります。

消退出血

アフターピル服用から月経までの間に、少量の出血(消退出血)が起こることも多いです。消退出血とは、体内の女性ホルモンが減少することで、子宮内膜が剥がれ落ち、それによって起こる出血を指します。
この消退出血は、一般的に1〜3日程度で、痛みもあまり酷くありません。消退出血があった場合は、その次の月経はいつもより出血量が少なくなることが多いです。

避妊失敗

また、次のような場合には、妊娠が阻止できなかった可能性があるため、すぐに検査をしましょう。

・ごくわずかな出血しかなかった
・月経の予定日から1週間以上が経過しても月経がこない
・アフターピルを服用して3週間以上経過しても月経がこない

「緊急避妊が成功したかどうか?」と不安に思ってしまう気持ちは当然ですが、しっかりアフターピルを服用できたのであれば、あまり気にせずに時間が過ぎるのを待つことも大切です。精神的なストレスや睡眠不足により、月経が遅れることもよくあります。

 

アフターピルを手にいれる方法は?どこで買える?

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アフターピルを手に入れる方法として主に下記の2つを推奨します。

1.産婦人科

産婦人科の診療時間内であれば、受診し、医師から説明を受けてアフターピルを受け取る方法がベストでしょう。副作用の吐き気に対応するための吐き気止めも処方してもらえたり、質問して不安を解消できたりする点が、大きなメリットといえます。

<当院の場合>

確実性の高い緊急避妊をおこなうためには、タイムリミットがあります。
当院は、土日祝も含め毎日朝8:30から19:00まで(土日祝は17:00まで)診療していますので、お困りの際は、かかりつけでない方もご相談ください。

オンライン診療にて、アフターピルのご相談を受けることも可能です。
遠方の方へは郵送もおこなっております。早めの内服が安心の方は、ご受診をおすすめしております。

当院までのアクセスはコチラ

 

2.オンライン診療

オンライン診療で、アフターピルを自宅まで郵送してくれるサービスや、オンライン診療に対応したクリニックも増えてきています。
お近くにアフターピル対応の婦人科がない場合や、連休中で婦人科に受診できない場合などには、選択肢となるでしょう。

天候状況などによっては配送が遅れてしまい、72時間以内にアフターピルを服用できないということも考えられます。配送で受け取る場合は、スケジュールに十分注意してください。

当院のオンライン診療はコチラ

 

アフターピルの副作用や安全性について

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アフターピルは、「女性ホルモンの量が多いから健康に影響がありそう」「不妊になってしまうのでは」と、安全面に不安を感じている方が多い印象です。

ですが、一生の間に何回服用したとしても、健康面には大きな影響がないとわかっています。
また、アフターピルを服用したけれども妊娠したという場合も、胎児には影響がありません。

健康面に影響がないとはいえ、避妊をせず、毎回アフターピルを服用すればよいということにはなりません。心身に負担をかけないために、コンドームの着用や低用量ピルなど、確実性の高い避妊方法をとりましょう。特に、性病に関する注意は必要です。

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まとめ

避妊に失敗してしまったとき、72時間以内、あるいは120時間以内であれば、アフターピルを使って妊娠を阻止することが可能です。効果は100%ではありませんが、正しく服用できれば比較的高い確率で妊娠阻止の効果が得られます。

タイムリミットがありますので、避妊に失敗した場合は早めに婦人科へご相談ください。
※アフターピル処方時に、ご心配な方は性病検査をおすすめいたします。

 

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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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