こんな産業医を目指しております
更新日:2024.12.15
産業医とは、医学に関する専門的な立場から、職場で働く方の健康管理を行う仕事です。通常の臨床医とは、少し立場がことなります。産業医は、事業主と業務契約を行い、そこで働く健康な方や心身の状態が優れない方に対して、就業環境や健康全般に対する指導やアドバイス、就労制限や就労可能かなどの判断を行います。
もともと、臨床医出身の私は、産業医に関する概念が全くありませんでした。開業医になり、病気を治すという医師の仕事、そして、産婦人科という妊婦さんの健康管理を行うことを主な仕事として行っておりました。これらの仕事を行う中で、病気だけでなく、健康をサポートすることが大切だと思うようになりました。
25年以上前のことになりますが、1997年の九州大学産婦人科中野教授を中心に「これからの妊産褥婦の健康管理システムに関する研究」という厚生労働省の班研究に参加させていただきました。ハイリスク妊産褥婦の抽出法とともに、施設型母子精神保健プログラムを策定するために、多施設共同研究を行った.5地域5大学病院産科を実施場所として、インフォームド・コンセントに基づき症例エントリー(登録)を行い、追跡調査のコホートとした.同一助産婦が同一妊産褥婦に個人面接を行い、産前、産後に精神診断を行うとともに、同時期のアンケート調査を付加して精神疾患の有無と、精神症状の如何を評価するという研究でした。この5大学の中の1大学として埼玉医科大学総合医療センターが参加し、女性医師がこの研究に向いているという理由で若い医師である私が参加させていただくことになりました。74人の妊婦をエントリーして、仲間の助産師とともに、必死で精神科医のレクチャーを受けながら、この研究に取り組みました。この経験から、精神疾患に関しての感受性が上がったと自負しております。
一般の産業医の仕事だけでなく、思春期に悩む学校教育への産婦人科医としての情報提供、妊娠出産子育て時期の女性の職場環境の整備への提案、うつ病をはじめとした不安障害を抱えた社員の相談、更年期時期の管理職女性に対するサポートを中心にいくつかの企業を提供して産業医の仕事を行っております。
病気の有無にかかわらず、様々な悩みに対応して明るい社会へのサポートができればと思っております。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。