切迫早産 絨毛羊膜炎とは
更新日:2024.02.22
切迫早産の原因は何ですか?
毎日たくさんの妊婦さんに聞かれます。
双子、三つ子、子宮筋腫など教科書的には書かれていますが、実際多くが、 細菌性膣炎及び絨毛羊膜炎が多いと思います。
細菌性膣炎は免疫が弱くなって、細菌が膣内善玉菌の防御を打ちやっぶって増殖してしてしまった病態、 絨毛羊膜炎は、その細菌が胎児を包む絨毛や羊膜に波及した病態です。
これらの主な原因は、不潔にしたとか手入れが悪いということでなく、日常の睡眠不足や疲れによる免疫が低下していることだと 私は思っています。
子宮頚管や絨毛や羊膜に感染が起きると、白血球が寄ってきて退治。
サイトカインが作られ、子宮収縮が開始するという機序になっています。
以前、大学病院で、切迫早産で入院した患者さんに休息と抗生剤で治療を行っておりましたが、 外来で良くお話しすると、やはり働きすぎのまじめな方が切迫早産になっている。
ゆっくり栄養を取る時間も無くバタバタしている毎日が、原因と思うようになりました。
妊婦さんには、やさしく休ませてあげたいものです。
子宮収縮剤、抗生物質を含む膣錠、内服薬で早くから治療すれば、入院管理が必要ない方も多くいらしゃいます。
是非、心配の小さい、幸せな気分でゆっくりした生活をお過ごしくださいませ。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。