マイコプラズマ核酸同定検査
更新日:2025.08.06
2022年6月1日より、性感染症検査の膣トリコモナス核酸検出検査とマイコプラズマ・ジェニタリウム核酸検出検査が保険適応になりました。この時から、膣のかゆみやただれ、尿道炎や子宮頸管炎や骨盤腹膜炎が疑われる方に保険で検査が行えるようになりました。
トリコモナスは、世界で最も感染者数が多い性感染症です。培養法では、結果を得るまでに1週間以上要することから、高感度かつ迅速な各店診断法が強く望まれておりました。また、感染が疑われない場合でも偶然に子宮頸がん検診や細菌培養検査で見つかる場合も多く、なるべく治療をしっかりと行うように意識しておりましたが、この検査の保険適応に伴い、迅速に結果が得られるPCR検査ができるようになり、速やかに治療が行えるようになりました。
マイコプラズマ・ジェニタリウムに関しても、パートナーが尿道炎にて検出され、治療をご希望されて来院される患者様が多くいらっしゃいましたが、検査を行っていただける検査会社が少なく困っておりました。今回の保険適応に伴い、女性の子宮頸管炎や不明熱の原因としてマイコプラズマ感染が明らかになってまいりました。子宮頸管炎、骨盤腹膜炎、早産、自然流産との関連性が示唆されておりますので、確実な治療が必要と思われます。
マイコプラズマ・ジェニタリウムは1980年に非淋菌性日クラミジア性尿道炎患者から分離されたグラム陽性細菌で、世界の統計データでは1-3%の人が感染しており、日本では非淋菌性尿道炎の14-16%患者様から検出されているようです。その次が、ウレアプラズマ・ウレアリチカムが検出されていると報告があります。男性不妊症との関連も研究が進んでおります。また、次いで多いのが、マイコプラズマ・ホミニスです。
このような理由から、マイコプラズマだけでなくウレアプラズマも迅速に検出できる検査を導入することになりました。保険適応外ではありますが、感染者数も多く治療後の再検査の依頼が多かったこともあり、検査導入を決めました。
マイコプラズマ・ジェニタリウム
マイコプラズマ・ホミニス
ウレアプラズマ・パルバム
ウレアプラズマ・ウレアリチカム
尿と膣分泌液から検査可能で、2-3日で結果がわかります。4項目自費で13200円(税込)で検査が可能です。
心配がある方はご相談ください。

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。