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オンライン診療でピルをもらっている方の定期検診

オンライン診療でピルをもらっている方定期検診

 

最近、オンライン診療で避妊ピルを処方していただいている患者さんからの相談を受けます。「検査をしたほうがいいのか」、「どのような検査か」、「その頻度は」などです。

順を追って説明したいと思います。

 

※まずどんな検査をしたほうがいいですか?

内服前に>

1. 婦人科検診

まず、ピルの処方を希望されたら、超音波検査を施行しましょう。子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症があるか確認しができますこれらの疾患がある場合には、保険適応ピルの処方が可能です。

とても大きい子宮筋腫や卵巣嚢腫はその周囲の血管に血栓症が認められる場合もあります。このような場合にはピルの処方はできません。また、当然のことながら、子宮がん、卵巣がんがみつかることもあり、その場合はすぐに治療が必要です。ピルをきっかけに病気がわかることもあるので、ぜひ、ピルの内服を考えたら、婦人科検診をしてみましょう。

2. 乳がん検診

乳がんの患者さんが、女性ホルモンを内服することはできません。まず内服前に乳がんでないことを確認しましょう。乳がん検診には、超音波検査とマンモグラフィがあります。どちらの検査が優れていることはなく、一緒に両方の検査をすることをお勧めいたします。超音波検査は柔らかい腫瘍性病変やのう胞、マンモグラフィは石灰化を見つけることができます。両方の結果を合わせて判定することが乳がんの見落としを少なくします。マンモグラフィは時々痛みを伴うことがあることから、比較的敬遠されがちな検査ですが、せめて2年に1度は確認したいものです。どんどん、乳がんの発生年齢が低くなり、乳がん発生率はアジアで日本が一番高い。7人に1人は乳がん発生するという女性にとって非常に大事な検診です。

3.血栓症および内科疾患

ピルで死亡する可能性が0ではない。これが、最も気になる合併症です。日本でも20歳の女性が、ピルで死亡しているという事実があります。もちろん一般の健康女性がすぐになくなるわけではありませんが、合併症があることを知らない若い女性は多いものです。ピルの内服を考えたら、まず、採血をお勧めします。多くはありませんが、抗リン脂質症候群という妊娠期に血栓症ができて流産になる病気があります。ほとんどの方は知らずに流産を繰り返している。この病気が流産前から知っている患者さんにお会いしたことがあります。この方は、流産の経験をしないで妊娠出産できた。ピルときっかけに、病気の診断と治療ができてよかったと医者として印象深い方でした。

糖尿病や高血圧の方も、内服できないので、注意が必要です。

 

定期健診

ピル内服前の検査で異常がなかった場合も、子宮がん検診や乳がんの年に1回の検診をお勧めします。避妊のためにピルを飲んでいる方では、避妊に対しての安心感からコンドームを使用しない場合が多く、性病であることが多い印象があります。年に1回は性病の検査もお勧めします。また、連日投与の内服薬なので、血栓症の検査だけでなく、肝機能障害などの一般チェックもお勧めします。

 

年齢によって注意することがありますか

ピルを飲んでいると妊娠しないということはよくご存じと思いますが、どの年齢で妊娠するかを決めずに内服している方がいらっしゃいます。子どもを持ちたくないという方はそれでいいのですが、時々「いつか、子どもを持ちたい」の「いつか」が曖昧な方多いように思います。「いつか」は30歳ですか?35歳ですか?40歳ですか?45歳ですか?

以前は、高齢出産は30歳からでしたが、今は35歳です。つまり35歳までは、なんとなく妊娠できると思っているかたがいらっしゃると思います。先日、妊娠希望のためにピルをやめて月経を待ったが、すでに閉経していたという方が妊娠の相談に来ました。ピルで月経がきていないのか、閉経で月経が来ていないのか、なかなかわかりにくいです。ピルで無駄な排卵をしないようにしていたつもりが、閉経だったというのはとても悲しいです。

妊娠をしたいと思っている方は、なるべく早めに妊娠のプランをしたほうがいいと思います。

 

また、出産後にピルを飲んでいる方で、そのまま更年期のためのホルモン補充療法につなげたいと考えている方も多いと思います。一般の低用量ピルは、排卵を抑制することを目的とした合成ホルモン剤です。更年期のホルモン補充療法は天然型のヒトが合成しているホルモンを使用します。切り替えが希望の方は、産婦人科医にご相談下さい。

 

思いつくままに書きましたが、オンライン診療でピルをもらっている方も、定期検診をお勧めします。理想的な素敵なライフプランを考えてみてください。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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