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【初めてのピル】オンラインでピル処方前に知っておきたい婦人科検診や定期検診の重要性とピル内服のリスク管理について

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オンライン診療で避妊ピルや低用量ピルを処方される方が増えています。

外国では、ピルは薬局で購入できることもあり、ピル内服に際して検査を行っていない方もいらっしゃるようです。日本では、安全に内服していただくために、ピル処方に対して検査をお勧めしております。

患者さまからは、「定期的な検査が必要か?」「どんな検査をするべきか?」「検査の頻度は?」などのご相談をいただきます。

以下に、順を追って必要な検査内容について解説します。

初回検査

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1. 婦人科検診

ピルを希望する際は、まず婦人科検診を受けましょう。

ピルは避妊のため、または、月経困難症の治療薬としてクリニックや病院で処方されます。

大きな病気がある場合は、ピル内服より前に治療が必要な場合があります。また、手術療法が必要な場合は、ピル内服はお勧めできません。手術日の1か月前からピル服用を中止しなければ、手術は延期になります。

まず、子宮頸がんの定期検診をお勧めします。
ピル内服後は不正出血が続く方も多く、ピル内服の副作用に対する出血か、子宮頸がんからの出血か見分けがつかない場合もあります。内服前に子宮頸がん検査をお勧めします。

次に、超音波検査で子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症などの有無を確認できます。診察により保存的治療ができると判断された場合、これらの疾患がある場合には、保険適応でピルの処方が可能な場合もあります。

しかし、とても大きい子宮筋腫や卵巣嚢腫は、手術適応の場合もあり、ピル内服によりその子宮筋腫や卵巣腫瘍の周囲の血管に血栓症が認められる場合もあります。このような場合にはピルの処方はできません。また、ピルで血栓症の悪化を認めることがあります。当然のことながら、子宮や卵巣の悪性腫瘍がみつかることもあり、その場合はすぐに治療が必要です。

ピルをきっかけに治療が必要な病気がわかることもあるので、ぜひ、ピルの内服を考えたら、婦人科検診をしてみましょう。

2. 乳がん検診

ピルの内服前に乳がん検診も受けることをお勧めします。
乳がん患者の場合、女性ホルモンの内服により乳がんが悪化するため、ピル内服ができないためです。

乳がん検診には、超音波検査とマンモグラフィがあります。どちらの検査が優れていることはなく、一緒に両方の検査をすることをお勧めいたします。
超音波検査は柔らかい腫瘍性病変や嚢胞、マンモグラフィは石灰化を見つけることができます。この両方の所見を合わせて判定することで、乳がんが発見しやすくなります。

マンモグラフィは、個人差がありますが痛みを伴うことがあることから、比較的敬遠されがちな検査ですが、マンモグラフィでなければ発見できない乳がんもあり、せめて2年に1度は確認したいものです。

年々、乳がん発生年齢が低くなり、乳がん発生率はアジアで日本が一番高い。7人に1人は乳がんが発生するという女性にとって非常に大事な検診です。

乳がん検診は必ず必要!?
「マンモグラフィ」と「超音波検査」の疑問に
女医が丁寧に解説。

3. 血栓症および内科疾患

ピルで死亡する可能性が0ではないが、最も気になる合併症です。

日本でも20歳の女性が、ピルで死亡しているという事実があります。もちろん一般の健康女性がすぐになくなるわけではありませんが、合併症があることを知らない若い女性は多いものです。

ピルの内服を考えたら、まず、血液凝固異常の血液検査をお勧めします。

多くはありませんが、抗リン脂質症候群という妊娠期に血栓症ができて流産になる病気があります。ほとんどの方はこの病気の存在を知らず、自分がその疾患かどうかわからずに流産を繰り返しているということがあります。

この病気を流産前から知っている患者さまにお会いしたことがあります。この方は、流産の経験をしないで妊娠出産できました。ピル内服したいと思ったことがきっかけになって、抗リン脂質抗体症候群という病気の診断と治療が流産前にできてよかったとお話ししてくださいました。頻繁に流産に立ち会う産婦人科医として印象深い患者さまでしたでした。

また、糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある方も、ピル内服できないので、注意が必要です。

 

定期検診

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初回検査で異常がなくても、年に1回は婦人科検診や乳がん検診を受けましょう。

また、避妊ピルを使用していると、コンドームの併用が減る傾向があり、性病リスクが増える可能性があります。年1回の婦人科検診の時に性病検査もお勧めです。かなりの頻度でピル服用の方の性病を診断することがあります。

また、ピル内服を開始すると毎日薬剤を内服するため、定期的に肝機能などを調べる血液検査や血栓症のリスクもチェックしておくと安心です。


年齢に応じた注意点

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ピルを飲んでいると妊娠しないということはよくご存じと思いますが、今後妊娠を希望するか、また、妊娠をする場合いつ希望があるかを意識せずに内服している方がいらっしゃいます。

子どもを持ちたくないという方はピルのやめる時期を決めていないのは当然のことですが、いつか子供が欲しいと思っている女性でも、その「いつか」に時期が曖昧な方が多いように思います。「いつか」は30歳ですか?35歳ですか?40歳ですか?45歳ですか?

以前は、高齢出産は30歳からでしたが、今は35歳です。つまり高齢初産の年齢の定義が変わったから35歳までは、なんとなく妊娠できると思っているかたがいらっしゃると思います。

先日、40歳で妊娠希望のためにピルをやめて月経を待ったが、すでに閉経していたという方が妊娠の相談に来ました。ピルで月経がきていないのか、閉経で月経が来ていないのか、なかなかわかりにくいものです。ピルで無駄な排卵をしないようにしていたつもりが、閉経だったというのはとても悲しいです。

挙児希望のある方は、事情の許す限り早めの妊娠をお勧めします。閉経後に妊娠するのはとても難しいことです。挙児希望のない方でも、副作用のことを考慮すると42歳を目安に中止をするのが、一般的です。妊娠をしたいと思っている方は、なるべく早めに妊娠のプランをしたほうがいいと思います。

また、出産後にピルを飲んでいる方で、そのまま更年期のためのホルモン補充療法につなげたいと考えている方も多いと思います。一般の低用量ピルは、排卵を抑制することを目的とした合成ホルモン剤です。更年期のホルモン補充療法は天然型のホルモン製剤を使用します。詳しく知りたい方は、産婦人科医にご相談下さい。

 

オンライン診療でピルをもらっている方の定期検診


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思いをつくままに書きましたが、オンライン診療でピルをもらっている方も、定期検診をお勧めします。
理想的な素敵なライフプランを考えてみてください。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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