乳がん検診は必ず必要!?「マンモグラフィ」と「超音波検査」の疑問に女医が丁寧に解説
更新日:2024.01.31
当クリニックでは、乳がん検診(マンモグラフィおよび超音波検査)を行うことができます。
マンモグラフィと超音波検査に関する情報をまとめさせていただきましたのでご覧ください。
乳がん検診の重要性
乳がんは日本女性の9人に1人がかかるといわれ、「がん」の中で日本人女性がもっとも罹患するのが「乳がん」です。
2019年には年間97,142人が乳がんにかかり、2020年に14,650人が乳がんで亡くなっています。※1
欧米のがん検診受診率70~80%と比べて、国内の乳がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)は下記の通り、低い状況が続いています。
2022年受診率:47.4% ※2
※1:出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html
※2:受診率の算定対象年齢は、「がん対策推進基本計画」(平成24年6月)に基づき40~69歳
チェックポイント
乳がんのリスクは誰にでもあります。早期に発見することが何より重要です。自治体も無料で乳がん検診を受けられるようにサポートしています。
当院では港区乳がん検診を受け付けております。港区在住の方はお手元にあるがん検診の案内をご覧になって、ぜひお受けください。
国内の乳がん罹患数や死亡数など詳しい情報は下記記事もご覧ください。
マンモグラフィと超音波検査の違い
マンモグラフィはどんな検査?
乳房専用のレントゲン検査で、X線撮影です。 乳房をはさみ薄く伸ばして撮影するので、多少の痛みを伴うことがあります。 早期のガンの発見に適しています。 乳房にしこりや気になるところがある方はご相談ください。
※心臓ペースメーカーの方は検査できません。
※豊胸手術の方は施術内容によっては検査できません。
※妊娠中の方は検査できません。
超音波検査はどんな検査?
超音波で乳房(主に乳腺)の状態を調べ、しこり(腫瘤)が良性か悪性か調べる検査です。 痛みはありません。また妊娠中でも可能な検査です。 乳房にしこりや気になるところがある方はご相談ください。
メリットとデメリットで比較!
乳がん検診をする頻度は?
「マンモグラフィは2年に1回で良いでしょうか?」とご質問を受けします。
確かに区検診は2年に1回、そして40歳以上しか受けられません。ですが、先にも記載したように今は9人に1人が乳がんになります。早期発見することが何より重要です。
1年に1度、「マンモグラフィ」と「乳腺超音波検査」を受けることでより早期に乳がんを発見することができます。毎年お誕生日の月などご自分の忘れない時期に、検診をお受けになられることをお勧めします。
当院ではお仕事帰りの時間、そして日曜も乳がん検診を受けられます。そして乳腺外科の女性医師が結果をお伝えします。気になること、ご心配なことなどご遠慮なくご相談ください。
当院のマンモグラフィ受付時間
マンモグラフィは週末、祝日、または、月曜日午前中、水曜日の午後に受けることができます。
授乳中でもOK!早期発見が重要‼
GE製のマンモグラフィは最新機器で防水のため、授乳中の方でも検査を受けることができます。産後の乳がんは進行の早いタイプのがんもあり、産後の乳腺腫瘤は早期発見が必須です。
当院のマンモグラフィのポイント
【1】女性技師だけが担当するため、安心して受診していただきます。疼痛が心配な方は、事前にご相談ください。
【2】乳腺内の所見を見逃さないように、乳腺に圧力をかけて検査することがありますが、無理に検査することはありません。また、検査の読影は専門の医師が2名で行っております。1~2週間後のご予約をお勧めしております。
【3】精密検査が必要な場合は、メールやお電話でご連絡することがありますので、アットリンクでの登録をお勧めいたします。
【4】結果は毎日、一般診察の予約枠でお話しさせていただきます。精密検査が必要な場合は、乳腺外科委の専門外来を予約させていただきます。
当院の超音波検査の受付時間
超音波検査は、週末、祝日、または、月曜日や木曜日の午前中に検査を受けることができます。
当院の超音波検査のポイント
【1】マンモグラフィ同様に女性技師だけが担当しております。
【2】乳がん検診だけでなく、産後、乳腺炎が繰り返される方の場合、乳腺膿瘍形成などの診断にも役立ちます。
【3】若年の乳がん検診を行う際、GEヘルスケアジャパン株式会社の上位機種である超音波検査装置E10を用いており、オプションで乳腺が発達している40歳以下の女性にもエラストグラフィという組織の硬さをリアルタイムで画像化できる技術を用いることも可能です。
【Q&A】マンモグラフィの疑問に医師が回答‼
質問1:マンモグラフィ、乳房超音波は必要?
マンモグラフィは乳房専用のレントゲン検査です。
特に石灰化という所見を見つけることが得意な検査です。
乳房超音波は乳房表面から超音波を当てて内部の様子を観察します。主にしこりの精密検査を得意とし、大きさ、性状から良性なのか悪性なのかをある程度判別できます。
しかし超音波検査は乳癌に特徴的な小さな石灰化を発見することは難しく、反対にマンモグラフィにうつらないしこりが超音波で見えることがあります。これら2つの検査を併用することで癌の検出率をあげることができます。
質問2:異常が出たらどうしたらいい?
正常乳腺や癌以外でも要精密検査になることがありますので、まずは乳腺外科にご相談ください。
場合によってはMRI検査や、病変に針を刺して顕微鏡で見る検査を追加することがあります。
質問3:良性の石灰化と悪性の石灰化は何が違うの?
石灰化があるから全て病気かというとそうではありません。
石灰化は①形 ②分布 で良悪性を判断します。
良性石灰化は
①丸い、境界がはっきりしている
②乳腺全体に分布している などの特徴があります。
悪性石灰化は
①形がいびつ、樹枝状
②1カ所に密集している、乳腺の分布に沿っている
というような特徴があります。
いずれにしても、総合的に判断し精密検査が必要な石灰化かどうかを判断します。
質問4:マンモグラフィの痛みを軽減する方法は?
マンモグラフィは乳房を圧迫して撮影する必要があります。
圧迫することで、乳腺組織の重なりが分離されて画質の良い写真が得られます。
また乳房の厚みが薄くなることで放射線の被曝も低減されます。
このような理由から、どうしても圧迫することが必要となるのですが、少しでも痛みを軽減するために、以下のことに気を付けて受けていただきたいと思います。
・生理前のマンモグラフィ検査を避ける
生理前はご自身で気づかなくても乳房が張っていたりします。生理開始7~10日目が乳房は一番柔らかいといわれます。その時期にマンモグラフィを受けるのが痛みが少ないと思います。
・リラックスして検査を受ける
緊張して体が硬くなっていると、痛みが増すこともあります。肩の力を抜いてリラックスして検査をお受けになってください。撮影する技師もできるだけリラックスできるように努力いたします。
でもあまりに痛みが強く、耐えられないようであれば、担当の技師に遠慮なくお申し出ください。
当院では、マンモグラフィ撮影認定有資格の女性放射線技師が検査を行いますので安心して受けていただけます。
質問5:小さい乳房でもマンモグラフィは受けられる?
大丈夫です。どんなに小さくてもマンモグラフィは撮影できます。ご心配な方はお気軽にご相談下さい。
質問6:乳がん検診の理想は?
40歳以上の方はマンモグラフィ、超音波どちらも同じ時期に受けることをおすすめします。
また可能であれば同一施設で毎年受けていただくほうがいいです。
何か所見があったとき、以前と比較し変化があるのかどうかが大切になってきますので、同一施設であれば過去の画像と比べることができます。
妊娠を希望している方、ピル内服する方、不妊治療を今後考えている方など、ホルモン投与する前には、必ず乳がん検診が必要です。また、妊娠中でも乳房のしこりが気になる場合は、超音波検査は可能ですので、必ずチェックしてみてください。
乳腺外科のご案内>>>
オンライン診療
当クリニックでは、LINEドクターを使ったオンライン診療も受け付けております。
時間がない・遠方にいる等、ご来院が難しい方はオンライン診療をご利用下さい。
※土日祝日も診療しています。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。