寝たきりの女性のオムツかぶれ、外陰部のかぶれ・かゆみ・炎症・膣炎などのデリケートゾーンケアについて
更新日:2024.10.18
寝たきりの女性の外陰部のかぶれにどう対応したらいいですか?
寝たきりの女性の介護している方が沢山いらっしゃると思います。
在宅医療をサポートする婦人科医は非常に少なく、外陰部及び膣のケアにお困りの方も多いという声を聴きました。
病院勤務時に見た現場の課題
私が大学病院に勤めているとき、様々な病棟からオムツでかぶれている外陰部のケアをしてほしいと、婦人科の女医だったためか多くの病棟から要請がありました。
実際に訪問してみると、オムツ生活の方で清潔に保つように努力しても、排せつ物が膣内に入り込み、膣炎が生じ、外陰部の炎症が取れないという悩みが多かったように思います。免疫が下がり、蒸れがひどい外陰炎と膣炎を併発している方が沢山いらっしゃいました。
在宅ケアのためのオンライン診療を活用
こうしたお悩みで、在宅介護をされているご家族にはオンライン診療の利用をおすすめします。オンラインで医師に相談することで、外陰部を清潔に保つための方法に加え、膣炎の治療が必要な場合は抗生物質含有の膣錠を処方してもらうことができます。
治療の手順とポイント
医学的には、膣分泌物の培養検査を行い、原因菌に適した抗生剤を使用するのが理想です。
しかし、介護生活の中で婦人科受診ができない場合には、一般的なクロラムフェニコール含有の膣錠を処方してもらうのもひとつの手です。
使用方法
膣錠は膣内、膣の入口から1~2㎝程度の位置に挿入するだけで十分です。
1日1回使用し、自然に溶けて膣内に広がります。広域抗生物質なので、さまざまな細菌に効果があります。
クリニックでは膣内の洗浄を行うのですが、ご自宅では抗生剤の膣坐薬だけでも、治療効果があります。
注意点
発赤やかゆみなどのアレルギー症状が出た場合は、すぐに使用を中止してください。
難治性の外陰炎の場合は、抗生物質を含む軟膏も保険適用で処方されます。
また、かゆみが強い、または白い帯下が多く見られる場合は、カンジダなどの真菌が原因の可能性もあるため、帯下の色や状態を伝えることで適切な治療薬が選択されます。
オンライン診療の予約方法
オンライン診療の予約は、ホームページから簡単に行えます。
- 基本情報(氏名・住所など)の入力
- 薬を受け取る薬局の選定
- クレジットカード情報の登録
- 医師との予約を確定
予約後、医師と直接相談し、必要に応じて処方箋が近隣の薬局に送付されます。
薬のアレルギーがないことが確認されれば、処方薬をその場で受け取ることが可能です。
オンライン診療のメリット
オンライン診療では、通信費や郵送費がかかる場合もありますが、患者を外来に連れて行く負担が軽減されます。
コロナ禍以前は、オンライン診療を行うクリニックは限られていましたが、現在は土日祝日も診療するクリニックが増え、利便性が向上しています。
まとめ
在宅での外陰部ケアにお困りの方は、オンライン診療をぜひ活用してみてください。
ご自宅にいながら専門医のアドバイスを受けることで、適切な治療がスムーズに受けられるようになります。
オンライン診療のご案内
当院では皆様の健康と快適な生活をサポートするため、オンライン診療サービスを提供しております。
LINEドクターはLINEのビデオ通話を通じた医師の診療、お薬の処方、配送までワンストップで受ける事ができるオンライン診療サービスです。(※医師からの指示により、通院が必要となる場合があります。)
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。