膀胱炎の検査と治療に関して女医が丁寧に解説。
更新日:2024.02.21
婦人科なのに、膣炎の次に多い疾患は、膀胱炎。
膀胱は子宮の前にあり、子宮が痛いのか膀胱が痛いのかよくわからないという理由で、下腹痛、トイレが近い、血尿が出るという症状でたくさん患者様がいらっしゃいます。急に発熱する場合があります。
とてもつらい症状なので、私のクリニックのように、朝早く、または、休日にでもお薬が欲しいと思われる方も多いと思います。
時には膀胱炎か膣炎かわからないと、両方の検査と治療を行うことがあります。
膀胱炎の治療
膀胱炎の場合、尿に白血球や赤血球が含まれるかどうか、また、どのような細菌感染かを検査しますが、細菌の種類を確認するには培養検査が必要なため、結果に約2週間の時間を要します。
このため、一般的な抗生剤を処方して、後日抗生剤が無効な場合は、抗生剤の選択を変更します。
膣炎の治療
膣炎の可能性がある場合、同様に膣内の細菌感染を検査します。
性病が疑われる場合には、その検査と治療を行います。
性病の治療
性病の場合、感染の原因により使用する薬剤が異なりますので、結果を確認してからの治療が重要です。
膣から子宮内、腹腔内に感染が波及した場合、骨盤内腹膜炎となり、治療が遅れることにより子宮外妊娠や不妊症につながる場合もありますので、帯下の正常がおかしいと思ったら、婦人科受診をお勧めいたします。
原因にあった抗生剤を使用することは女性の健康を保つために非常に大切です。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。