デリケートゾーン(陰部)の黒ずみの原因・治し方を女医が丁寧に徹底解説。
更新日:2024.01.30
デリケートゾーンのお悩みは、なかなか周囲に打ち明ける機会もなく、お一人で悩まれる方が多いです。
当クリニックではデリケートゾーンのケアにも力を入れており、臭いやかゆみだけでなく、黒ずみについてもご相談をお受けすることができます。 今回は、デリケートゾーンの黒ずみについて、原因や対策をご紹介します。
ご自宅でのケア、クリニックでのケアを組み合わせて、悩みのないきれいなデリケートゾーンを目指しませんか?
デリケートゾーンの黒ずみの原因
黒ずみと呼ばれる皮膚症状の正体の多くは、角質層の肥厚とメラニン色素です。ここでは、デリケートゾーンにメラニン色素が蓄積する原因として、よくあるものを4つご紹介します。
1.摩擦・こすれ
下着やトイレットペーパーなどとの摩擦によって炎症が起き、メラニン色素が沈着してしまいます。また、こすれることが乾燥の原因にもなります。 お顔をゴシゴシ擦らないようにするのと同じで、デリケートゾーンもあまり刺激を受けないように気をつける必要があるのです。
下着を天然素材のものにする、食い込みなどが起こらないよう適切なサイズにする、ゴシゴシ擦らない、座りっぱなしの日常生活を避けるなどを日頃から気をつけましょう。
2.乾燥
お顔の保湿にはみなさん気をつかっていますが、デリケートゾーンをきちんと保湿している方は少ないのではないでしょうか。
デリケートゾーンは年齢とともに角質が非常に薄くなり、肌の水分が逃げやすい部分です。
保湿剤を用いて水分を与えてあげる必要があります。保湿することにより、柔らかく、きれいな肌を保つことができます。 また、女性ホルモンのエストロゲンにはコラーゲンの生成を促す作用があり、肌や腟、デリケートゾーンのふっくら感や潤いの維持に関与しています。
40歳前後から、女性は誰でも更年期にさしかかり、エストロゲンの分泌量が低下するものです。
これにより、お顔や全身の肌と同じように、デリケートゾーンも年齢とともに乾燥しやすくなります。こうした変化は、イライラやホットフラッシュなどのいわゆる「更年期障害の症状」があるかどうかとは関係しません。
乾燥すると摩擦に弱くなり、炎症から黒ずみにつながってしまいますので、日頃からしっかりと保湿をしましょう。
3.アンダーヘアの自己処理
自己処理のために何度もカミソリをあてると、摩擦によるメラニン色素の沈着や乾燥を招きます。また、自己処理の影響で埋没毛(埋もれ毛)となってしまい、毛を抜こうとピンセット等で皮膚を傷つける・カミソリ自体で皮膚を傷つけるなどして、炎症から色素沈着を起こすこともあります。 あまり頻繁にカミソリをあてないことが大切です。カミソリ負けがひどい方は、医療用VIO脱毛も考慮してもいいかもしれません。
4.ホルモンバランス
デリケートゾーンの黒ずみは、女性ホルモンの存在によるところも大きいです。生まれたての赤ちゃんのときは、誰でも黒ずみがなく、周りの肌と同じような色合いをしています。年齢とともに女性ホルモンが多く分泌されるようになるにつれ、少しずつメラニン色素が沈着してくるのは、自然な変化です。
妊娠中は、デリケートゾーンや乳輪の色が濃くなったという経験のある方も多いのではないでしょうか?
これも女性ホルモンの分泌バランスが変化したためです。この妊娠による色素沈着は、分娩後元の状態に戻ります。 閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が減っていくので、ホルモンによる黒ずみは自然と落ち着いていきます。
デリケートゾーンのケア方法
デリケートゾーンの黒ずみが気になる場合、ご自身でできるケア・クリニックでできるケアをご紹介します。1.保湿
乾燥の予防・改善、摩擦の軽減のため、デリケートゾーンもしっかり保湿してあげましょう。
デリケートゾーンは刺激に弱く、吸収のよい部位なので、できるだけシンプルな成分で添加物などの少ない保湿剤が望ましいでしょう。 当クリニックでは、一般的に販売されているドクターズコスメのほか、院長の私が監修したオリジナルのケア用品もご用意しています。日々のケアにご活用ください。
【取扱商品】
EBINEフェミニンセラム 11,000円(税込)
幹細胞培養上清液にプラセンタエキスをたっぷり配合したオリジナル美容液です。
EBINEジェル 4,950円(税込)
デリケートゾーン専用に、添加物も最低限に厳選した保湿ジェルです。セラムのあとにお使いいただくことをおすすめしています。
モナリザタッチ(レーザー治療)
加齢に伴う乾燥症状には、モナリザタッチ(レーザー治療)の施術もおすすめしております。
お顔のリフトアップやたるみ改善に使うフラクショナル炭酸ガスレーザーの技術を、デリケートゾーン用に応用した医療機器です。腟内のコラーゲン生成を促し、ふっくらと潤いのある状態へと導きます。
デリケートゾーンの乾燥だけでなく、会陰部の菲薄化、ひりつき、尿もれなど、デリケートゾーン周辺のさまざまな症状に効果が期待できます。
当日は少しひりひり感が残るかもしれませんが、翌日以降は問題なくお過ごしいただけることが多いです。
施術から数日〜2週間程度で、効果を実感できるでしょう。3回目までは、月に1度の施術をおすすめしております。
2.VIO脱毛
カミソリを用いた自己処理の回数を減らすために、医療脱毛もおすすめです。
炎症による黒ずみ対策のほか、蒸れによるかゆみや臭いの対策にもなります。最近では、いつか訪れる介護のためにデリケートゾーンをすっきりさせたいと希望される方も多いです。
当クリニックでは、婦人科診察で使用する内診台で施術をおこなうため、粘膜に近い部分までしっかりと処理できます。痛みが気になる方には麻酔クリームを使用しますので、患者様の負担も少ないと思います。
VIO脱毛(1回):55,000円(税込)
定額制VIO脱毛(10回2年間有効):220,000円(税込)
IO脱毛(1回):44,000円(税込)
局所麻酔:3,300円(税込)
3.ハイドラクールプラス(医療ピーリング)
保湿剤の塗布やモナリザタッチ、VIO脱毛などは、黒ずみの悪化を抑える効果は期待できますが、黒ずみを改善するのは難しいです。 角質層が厚くなった部分の黒ずみを改善させていくために、ハイドラクールプラスはいかがでしょうか?
2種類のピーリング剤(乳酸、サリチル酸)をジェット水流で吹き付け、デリケートゾーンにたまった不要な角質や毛穴汚れを吹き飛ばします。仕上げにヒアルロン酸入りの保湿剤を用いて肌の透明度を高めます。お手入れがご自身で難しい部分なので、効果が期待できます。
さらなる美肌効果を希望される方には、オプションとしてトラネキサム酸の超音波による導入もおすすめです。
ピーリングで洗浄した後、NAVISIONブランドの防腐剤添加をしていない、高品質のトラネキサム酸を超音波で導入し、肌の白さを極めます。 肌の柔らかさ、つや、ふっくら感をご希望の方は、神経幹細胞培養上清液のエレクトロポレーションをお勧めしております。
ハイドラクール基本コース:22,000円(税込)
オプション:トラネキサム酸超音波導入:11,000円(税込)
オプション:RF:11,000(税込)
オプション:神経幹細胞培養上清液パック:11,000円(税込)
オプション:神経幹細胞培養上清液エレクトロポレーション:22,000円(税込)
デリケートゾーンだけでなく、お顔のケアにもおすすめです。 一度でパッと白くはならないのですが、回を重ねることにより、それぞれの方が持つ本来の肌の質感がよみがえり、美しくなりますよ。
4.小陰唇縮小手術
小陰唇の大きさには生まれつきの個人差があるほか、妊娠や出産・加齢などさまざまな要因により伸びて大きくなる場合があります。
小陰唇が大きいと、こすれて痛みを感じる・下着からはみ出る・摩擦による黒ずみの原因になるなど、影響が出るかもしれません。
気になる場合は、小陰唇縮小手術を検討してもよいでしょう。
ただし、ある程度小陰唇のひだの長さがあるほうが良好な膣内環境を保持できますので、小さければデリケートゾーンが綺麗というわけでもありません。
デザインは医師と相談の上、慎重に決めるようにしてください。
ご要望のある方は、ご予約のうえご受診ください。技術力の高い女性医師が施術をおこないます。
デリケートゾーンの黒ずみに関するよくあるご質問
よくあるご質問にお答えいたします。黒ずみ改善にはどのくらいかかりますか?
黒ずみの原因は日々の下着の擦れや乾燥、アンダーヘアの自己処理などの積み重ねです。状況によりますが、ある程度長期的に考えていただくのがよいと思います。
たとえば、ハイドラクールプラス(医療ピーリング)も、一度施術して終わりではなく、2〜4週間ほどあけて4回おこなっていただくことをおすすめしております。また、定期的におこなうことにより、さらに美白・美肌効果が持続されます。
デリケートゾーンの黒ずみは性交渉経験人数と関係がありますか?
経験人数との関係を心配される方は少なくありませんが、関係はありません。女性ホルモンの影響で、生理のある年代の方はデリケートゾーンや乳輪の色味が濃くなりやすいです。そのため、経験人数によって黒ずむと勘違いされるのでしょう。
黒ずみは再発しますか?
黒ずみは、日々の生活で受ける刺激や女性ホルモンの影響で生じます。ですから、医療ピーリングなどで一時的に改善しても、その後何もしなければ再び色味が濃くなってくることはあります。頻繁にクリニックでのケアができないという場合には、ご自宅で保湿剤や美容液を使ったケアをしていただくことをおすすめします。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。