「なぜ私だけ?」性交のたびに病気になる女性たちの共通点とは|膣炎・膀胱炎を繰り返す原因と免疫力の関係
更新日:2025.08.19
「私は運が悪いのか!」
外来でそう叫ぶ患者さんがいました。
彼女は特別な女性でも、悪い女性でもありません。
ごく普通の20代の患者さんです。
彼氏が変わるたびに、性交渉を1度するだけで膣炎や膀胱炎を発症してしまう。
コンドームを使うこともあれば、使わないこともあるとのことでした。
目次
コンドームで本当に性病は防げるのか?

一般的な性教育では「コンドームを使えば性病にはならない」と教えられます。
しかし、実際に臨床現場で何万人もの「おりもの異常」の患者さんを診察してきた経験から言うと、コンドームを使っていても性病にかかる人はいます。
中には「コンドームなしで性交渉をしたことは一度もない」と断言する患者さんでも、検査の結果クラミジアや淋病に感染しているケースがありました。
どんなに注意を払っても、性交渉の最中にまったく細菌の移動がない状態を保つことは可能なのでしょうか。
コンドームの避妊効果と失敗率

避妊として射精時にコンドームを使用することである程度の制御は可能ですが、実際の失敗率=妊娠する確率は、国内データでも一般的な使用(※1)では 13〜18% に達します。
つまり、精液さえ完全には防げないのです。
とすれば・・・
”ほんの少しの細菌も全く移動せずに性交渉をする”
これはほぼ不可能に近いのではないでしょうか。
※コンドームの理想的な使用では2%/一般的な使用では13%~18%
理想的な使用(Perfect Use)とは
毎回、説明書通りに正しく使用した場合の失敗率は年間2%です 。
これは、正しく使えば98%の確率で避妊に成功することを意味します 。
一般的な使用(Typical Use)
装着ミスや破損、一貫性の欠如など、現実世界での平均的な使用状況を反映した失敗率は年間13%~18%と報告されています 。
彼氏が変わると膣炎・膀胱炎を繰り返す理由

「必ず彼氏が変わるたびに、膣炎と膀胱炎を発症してしまう」
患者さんの話を聞いて、私はやはり”免疫の問題 ”が大きいのではないかと考えます。
HIVやHPVに代表されるように、どんな細菌やウイルスも、膣内の「ラクトバチルス(乳酸菌)」がしっかり存在し、バリアとして働いていれば、感染や炎症が起こりにくい状態を保てるはずです。
良い膣内環境を保つためにできること

どうすれば膣内の環境を良好に保てるのか?
基本はとてもシンプルです。
- ストレスをためない
- よく眠る
- バランスの良い食事をとる
- 自分を甘やかす時間をつくる
- やりたいことを楽しむ
こうした生活習慣が、免疫力を高めることにつながります。
私のおすすめ「EBINEフローラ」

最近、私は 「EBINE フローラ」 を愛用しています。
飲んでもよし、膣ピルとして使ってもよし。腸の調子が良くなり、におい対策にも効果を感じています。
リラックスだけでは改善が難しいときに、こうしたサポートアイテムを取り入れるのもおすすめです。
【まとめ】運が悪いのではなく、免疫を育てよう
「運が悪いから病気になる」のではありません。
自分に優しくすること=免疫力アップ が、膣内環境を守り、繰り返す膣炎・膀胱炎を防ぐカギになります。
「運が悪い」ではなく「免疫を育てる」――そんな発想の転換をしてみませんか。
【必読】性交渉の度に膣炎・膀胱炎を繰り返す方へ

性交のたびに繰り返す、膣炎のムズムズとしたかゆみや、膀胱炎のツンとした排尿痛。
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白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。